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異世界。
闇に潜む者。
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中へと入ると、逃げ惑う令嬢と令息たちがホールの外へと目がけて一目散に逃げていく。
ゾクリと、体を揺らしたアルベルトは舞踏会場の中で、一瞬走った凄まじく大きな闇の魔術の気配を感じて眉を顰めた。
会場のシャンデリアの明かりは、チカチカと付いたり消えたりを繰り返して風に揺られるようにゆらゆらと傾きながら揺れ続けていた。
会場から逃げ去る人々と逆走状態の私とアルベルトは、王族たちの集う壇上げと視線を走らせる。
壇上に存在感を放つルナと、リリアの前に黒いマントに包まれた背の高い男性が2名現れた。
2人は息を飲んで瞳を揺らし、体を強張らせていた。
カイザルは、他の者と向き合っていたがその気配を察知し、顔を上げてルナ王妃の元へと走った。
「ルナっ!!!!リリア!・・・伏せろ!!!!」
マントの男へと手を翳すと、そこから強い光を放ち、大きな体を吹き飛ばすような魔術を繰り出した。
<バシュッ・・!!>
黒いマントの男の体に当たり、瞬殺された2人のマントの男は、天井へと飛ばされ
意識を失ったまま床へとドサリと落とされた。
サフィールとサイラスは剣を抜き、エリカはイムディーナと共に魔術を繰り出し
黒いマントの男たちへと魔術を繰り出す。
会場には数十人の黒いマントで全身を覆った者たちが、手から不思議な力を放つ者、
剣戟を繰り出す者などが暗闇の中に姿を現し、招待客や王族への奇襲を行っていた。
<ドォォオオオォン・・・・。>
地鳴りのような大きな音が鳴り響く。
爆発音のようなものが鳴り響き、王妃と女王、そして王であるカイザルの上に、
吊り下がったシャンデリアがガクガクと体を揺らし、煌くクリスタルを大きく左右に揺らしながら落ちてくる。
アルベルトが咄嗟に、3人の頭上にシールドを張った。
そして、カイザルは、落ちてきたシャンデリアを一瞬で霧散させた。
サフィールと、サイラスもそこに駆けつけると、剣を体の前に構えた。
「大丈夫か、リリア・・・。」
「ええ・・。カイザル様も、アルベルト王子も、この混乱の最中で素早い動きだったわ。
それにしても、・・・何が起きてるの?」
額に流れる、汗を拭いリリアの瞳は不安気に揺れていた。
カイザルの後ろに下がったルナも、緑色の瞳を大きく揺らしていた。
シャンデリアが落とされ、暗闇に包まれたボールルームは殺伐とした空気が流れる。
「すぐに魔術騎士団、王立騎士団、魔術師団をここへ!!!
貴賓たちと、この城に紛れ込んだ怪しい者をすぐに捕らえよ!!!」
アルベルトが、腰に帯剣してあった大きく長い金で縁取れれ、中央には、青い宝石が嵌められた黒色の剣を抜いた。
「・・・美月!?大丈夫か??」
私の目の前に、黒色の長い髪の神官エムディーナが現れた。
銀色の猫も足元にピンと尻尾を立てた状態で四本足で立っていた。
「うん・・・。
最初のは魔術か何かだったけど・・・。
一気にシャンデリアが落とされるなんて・・。
まさかだけど・・。今のは・・爆発音じゃない?」
「この世界は、魔術の繁栄したシェンブルグと、医術の発展目覚ましいルーベリア。
そして、近年抜きに出る勢いで勢力を拡大しているアルベルディアがある・・。
その北にはイェント公国がある。
8年前から、アルベルディアは・・・。
信じられない「科学技術」と呼ばれる力を使って、兵器を開発していると聞く・・・。」
イムディーナの言葉に私は耳を疑う。
「兵器・・??」
まさかじゃない・・・。
本当にさっきのが爆弾って事も、あり得るじゃない!!
「・・・科学ですって!?
しかも、急に科学が発展するなんて、そんなの可笑しいわよ。
アルベルディアって・・。昔は貧困で喘ぐ途上国だったと聞いたわ。
そんな国に、急に科学技術が発展するなんて・・・。一体、その国に何が起きたの?」
私の言葉に、イムディーナは金色の瞳を固く閉ざしていた。
苦しそうに眉根を寄せて呟いた。
「我の・・。我が下した、間違った選択によって・・。
この世界は危険な争いが巻き起こりつつある。
8年前の私の選択は・・・。
世界を崩壊させてしまうかもしれぬ存在を、この世界へと呼んでしまった・・・。」
「どういう事!?イムディーナ・・・。分かりやすく説明して!!!」
<ドォォォオオオオオォォン・・・!!!!>
更なる爆発は、城の外で起こった。
カイザルとルナ、リリア達は急いでボールルームを出て爆発音の方へと足を向けて走り出した。
「・・・美月、この世界をあの2つの月が・・あの黒い月が巨大化を始めたのは・・・。」
「爆発音の方へと急がなくて良いのか・・?
こんな場所で2人きりだなんて、・・・危険極まりないのでは?」
言葉を促すように会話を急ぐ私たちの前に、1人の男が現れた。
黒いマントに、銀色髪を靡かせた男が光が落ちたボールルームに現れた。
その暗闇の中で、マスクに半分顔を覆われた、赤紫の瞳が輝きを放つ。
瞳の赤は、燃えるような強い光を湛えた紅色だった。
私の瞳は激しく揺れた・・・。
「さっきの人!?何なの・・。すごい気・・・、唯者じゃないわね。」
イムディーナは、その男を見てすぐに金色の瞳は驚きの色に変わる。
近づいて来る、黒いマントの男は暗闇の中で私たち目がけて歩を進める。
イムディーナが私の前へ出て、そっと両手を広げた。
「・・・来るな!!美月に近づくな!!!」」
<パァァアン・・・!!!!>
イムディーナによって、シールドのようなものが張られ、近づいて来た赤い瞳の男が宙へと跳ねる。
「我の後ろに下がって!!」
「・・・美月!?今、美月・・と、そなたの名を呼んだのか??」
着地したマントの男は、私を崩れた前傾姿勢で見上げた。
その赤い切れ長の瞳が大きく揺れる。
「・・・え??」
私の名前を、ご存じですか!?
あれ?さっき、名乗ったかしら!?
・・・全然、記憶にないわ!!
私を不安気に見上げた赤い瞳の男は、私を凝視していた。
「美月なら、その瞳・・・!?」
<キィィン・・・・!!!!>
・・・ガッツ!!!!!
長い黒色の剣がその黒いマントの男目がけて振り下ろされた。
「無事ですか!?」
「アルベルト殿下、・・恩に着ます!!!」
イムディーナの前に現れたアルベルトが、剣劇で黒いマントの男と競り合う。
その激しさに、私はゴクリと喉を鳴らす。
「お前は誰だ!?さっき、美月と踊っていた男だな・・。何故、・・・我が王家に剣を向ける?」
紅い瞳をアルベルト王子へと睨み付けるように向けた男は、薄く笑った。
「・・・我が名は、ノア・・。
アルベルディア王国第一王子、ノアだ!」
ゾクリと、体を揺らしたアルベルトは舞踏会場の中で、一瞬走った凄まじく大きな闇の魔術の気配を感じて眉を顰めた。
会場のシャンデリアの明かりは、チカチカと付いたり消えたりを繰り返して風に揺られるようにゆらゆらと傾きながら揺れ続けていた。
会場から逃げ去る人々と逆走状態の私とアルベルトは、王族たちの集う壇上げと視線を走らせる。
壇上に存在感を放つルナと、リリアの前に黒いマントに包まれた背の高い男性が2名現れた。
2人は息を飲んで瞳を揺らし、体を強張らせていた。
カイザルは、他の者と向き合っていたがその気配を察知し、顔を上げてルナ王妃の元へと走った。
「ルナっ!!!!リリア!・・・伏せろ!!!!」
マントの男へと手を翳すと、そこから強い光を放ち、大きな体を吹き飛ばすような魔術を繰り出した。
<バシュッ・・!!>
黒いマントの男の体に当たり、瞬殺された2人のマントの男は、天井へと飛ばされ
意識を失ったまま床へとドサリと落とされた。
サフィールとサイラスは剣を抜き、エリカはイムディーナと共に魔術を繰り出し
黒いマントの男たちへと魔術を繰り出す。
会場には数十人の黒いマントで全身を覆った者たちが、手から不思議な力を放つ者、
剣戟を繰り出す者などが暗闇の中に姿を現し、招待客や王族への奇襲を行っていた。
<ドォォオオオォン・・・・。>
地鳴りのような大きな音が鳴り響く。
爆発音のようなものが鳴り響き、王妃と女王、そして王であるカイザルの上に、
吊り下がったシャンデリアがガクガクと体を揺らし、煌くクリスタルを大きく左右に揺らしながら落ちてくる。
アルベルトが咄嗟に、3人の頭上にシールドを張った。
そして、カイザルは、落ちてきたシャンデリアを一瞬で霧散させた。
サフィールと、サイラスもそこに駆けつけると、剣を体の前に構えた。
「大丈夫か、リリア・・・。」
「ええ・・。カイザル様も、アルベルト王子も、この混乱の最中で素早い動きだったわ。
それにしても、・・・何が起きてるの?」
額に流れる、汗を拭いリリアの瞳は不安気に揺れていた。
カイザルの後ろに下がったルナも、緑色の瞳を大きく揺らしていた。
シャンデリアが落とされ、暗闇に包まれたボールルームは殺伐とした空気が流れる。
「すぐに魔術騎士団、王立騎士団、魔術師団をここへ!!!
貴賓たちと、この城に紛れ込んだ怪しい者をすぐに捕らえよ!!!」
アルベルトが、腰に帯剣してあった大きく長い金で縁取れれ、中央には、青い宝石が嵌められた黒色の剣を抜いた。
「・・・美月!?大丈夫か??」
私の目の前に、黒色の長い髪の神官エムディーナが現れた。
銀色の猫も足元にピンと尻尾を立てた状態で四本足で立っていた。
「うん・・・。
最初のは魔術か何かだったけど・・・。
一気にシャンデリアが落とされるなんて・・。
まさかだけど・・。今のは・・爆発音じゃない?」
「この世界は、魔術の繁栄したシェンブルグと、医術の発展目覚ましいルーベリア。
そして、近年抜きに出る勢いで勢力を拡大しているアルベルディアがある・・。
その北にはイェント公国がある。
8年前から、アルベルディアは・・・。
信じられない「科学技術」と呼ばれる力を使って、兵器を開発していると聞く・・・。」
イムディーナの言葉に私は耳を疑う。
「兵器・・??」
まさかじゃない・・・。
本当にさっきのが爆弾って事も、あり得るじゃない!!
「・・・科学ですって!?
しかも、急に科学が発展するなんて、そんなの可笑しいわよ。
アルベルディアって・・。昔は貧困で喘ぐ途上国だったと聞いたわ。
そんな国に、急に科学技術が発展するなんて・・・。一体、その国に何が起きたの?」
私の言葉に、イムディーナは金色の瞳を固く閉ざしていた。
苦しそうに眉根を寄せて呟いた。
「我の・・。我が下した、間違った選択によって・・。
この世界は危険な争いが巻き起こりつつある。
8年前の私の選択は・・・。
世界を崩壊させてしまうかもしれぬ存在を、この世界へと呼んでしまった・・・。」
「どういう事!?イムディーナ・・・。分かりやすく説明して!!!」
<ドォォォオオオオオォォン・・・!!!!>
更なる爆発は、城の外で起こった。
カイザルとルナ、リリア達は急いでボールルームを出て爆発音の方へと足を向けて走り出した。
「・・・美月、この世界をあの2つの月が・・あの黒い月が巨大化を始めたのは・・・。」
「爆発音の方へと急がなくて良いのか・・?
こんな場所で2人きりだなんて、・・・危険極まりないのでは?」
言葉を促すように会話を急ぐ私たちの前に、1人の男が現れた。
黒いマントに、銀色髪を靡かせた男が光が落ちたボールルームに現れた。
その暗闇の中で、マスクに半分顔を覆われた、赤紫の瞳が輝きを放つ。
瞳の赤は、燃えるような強い光を湛えた紅色だった。
私の瞳は激しく揺れた・・・。
「さっきの人!?何なの・・。すごい気・・・、唯者じゃないわね。」
イムディーナは、その男を見てすぐに金色の瞳は驚きの色に変わる。
近づいて来る、黒いマントの男は暗闇の中で私たち目がけて歩を進める。
イムディーナが私の前へ出て、そっと両手を広げた。
「・・・来るな!!美月に近づくな!!!」」
<パァァアン・・・!!!!>
イムディーナによって、シールドのようなものが張られ、近づいて来た赤い瞳の男が宙へと跳ねる。
「我の後ろに下がって!!」
「・・・美月!?今、美月・・と、そなたの名を呼んだのか??」
着地したマントの男は、私を崩れた前傾姿勢で見上げた。
その赤い切れ長の瞳が大きく揺れる。
「・・・え??」
私の名前を、ご存じですか!?
あれ?さっき、名乗ったかしら!?
・・・全然、記憶にないわ!!
私を不安気に見上げた赤い瞳の男は、私を凝視していた。
「美月なら、その瞳・・・!?」
<キィィン・・・・!!!!>
・・・ガッツ!!!!!
長い黒色の剣がその黒いマントの男目がけて振り下ろされた。
「無事ですか!?」
「アルベルト殿下、・・恩に着ます!!!」
イムディーナの前に現れたアルベルトが、剣劇で黒いマントの男と競り合う。
その激しさに、私はゴクリと喉を鳴らす。
「お前は誰だ!?さっき、美月と踊っていた男だな・・。何故、・・・我が王家に剣を向ける?」
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