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異世界。
「災厄の子」
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君は知らない・・・。
僕がどんなに君に会いたいと想っていたのか。
誰も信じられない世界で、笑顔の裏で誰かの悪口を思い描いている人間・・。
人の失敗を望み、自分でも気づいていない薄ら寒いような嫉妬や憎しみを常に誰かが
誰かに向けた世界の中で僕は育った。
母と父は愛しあい、慈しみあって仲睦まじい姿を見てきた僕には、その世界の全てが
信じられなかった。
生きている世界の方が偽りで、こんな力がなければ僕を「完璧な王子」
と崇め奉る裏で
「災厄の月が生まれた日に生まれた子」
などと思う、自分の身の回りの人間の気持ちに気づかなくて済んだのに・・。
笑顔を持って、仄暗い別の意図を持つものばかりだった。
この能力は、どうして僕を選んで現れたのだろう・・。
誰も信じられぬ王子、だけど祝福の子とされた父の御代は栄華を極めて、近隣諸国の
中でも抜きに出て成長と発展を遂げた。
漆黒の月は22年もそのまま、そこに在り。
僕の生き続ける限り、そこで輝き続けるだろう。
君だけが、僕の世界で色を持った人物だった。
屈託のない笑顔と、美しい青と金の瞳を持った少女・・。
誰かが、君を罵ったとしても・・。
君のその価値と美しさは翳らない。
酷い言葉に胸を痛めても、僕には届かぬ世界で涙を流す。
本当は絶対に助けてくれるであろう優しい親に頼らずに、
どんな辛さも、唇を引き結んで耐える少女。
辛くても、家族の前では笑顔を絶やさぬ君に・・。
僕は届かない世界で
何度手を伸ばしただろう。
その柔らかそうな髪に触れたかった。
青く澄んだ空のような瞳に散りばめられた金色の虹彩を放った不思議な瞳。
その瞳を側で見ることが出来たら・・。
苦しい痛みに耐えて、震わす肩を抱きしめることが出来たら・・。
だけど僕は、君には触れない。
違う世界の大きな隔たりが、僕たちの間を遮るから・・・。
せめて、君に花を送ろう。
僕が君を守ってあげる・・。
誰かと結ばれても、僕はその幸せをずっと守り続けよう。
父と母が、君の両親にそうしてもらったように。
真実の愛で、君を見守り続ける。
姿は現さなくても、僕を君は知らなくても・・・。
君に会いに行くよ。
僕の魂の色を映した猫に身を宿して。
僕がどんなに君に会いたいと想っていたのか。
誰も信じられない世界で、笑顔の裏で誰かの悪口を思い描いている人間・・。
人の失敗を望み、自分でも気づいていない薄ら寒いような嫉妬や憎しみを常に誰かが
誰かに向けた世界の中で僕は育った。
母と父は愛しあい、慈しみあって仲睦まじい姿を見てきた僕には、その世界の全てが
信じられなかった。
生きている世界の方が偽りで、こんな力がなければ僕を「完璧な王子」
と崇め奉る裏で
「災厄の月が生まれた日に生まれた子」
などと思う、自分の身の回りの人間の気持ちに気づかなくて済んだのに・・。
笑顔を持って、仄暗い別の意図を持つものばかりだった。
この能力は、どうして僕を選んで現れたのだろう・・。
誰も信じられぬ王子、だけど祝福の子とされた父の御代は栄華を極めて、近隣諸国の
中でも抜きに出て成長と発展を遂げた。
漆黒の月は22年もそのまま、そこに在り。
僕の生き続ける限り、そこで輝き続けるだろう。
君だけが、僕の世界で色を持った人物だった。
屈託のない笑顔と、美しい青と金の瞳を持った少女・・。
誰かが、君を罵ったとしても・・。
君のその価値と美しさは翳らない。
酷い言葉に胸を痛めても、僕には届かぬ世界で涙を流す。
本当は絶対に助けてくれるであろう優しい親に頼らずに、
どんな辛さも、唇を引き結んで耐える少女。
辛くても、家族の前では笑顔を絶やさぬ君に・・。
僕は届かない世界で
何度手を伸ばしただろう。
その柔らかそうな髪に触れたかった。
青く澄んだ空のような瞳に散りばめられた金色の虹彩を放った不思議な瞳。
その瞳を側で見ることが出来たら・・。
苦しい痛みに耐えて、震わす肩を抱きしめることが出来たら・・。
だけど僕は、君には触れない。
違う世界の大きな隔たりが、僕たちの間を遮るから・・・。
せめて、君に花を送ろう。
僕が君を守ってあげる・・。
誰かと結ばれても、僕はその幸せをずっと守り続けよう。
父と母が、君の両親にそうしてもらったように。
真実の愛で、君を見守り続ける。
姿は現さなくても、僕を君は知らなくても・・・。
君に会いに行くよ。
僕の魂の色を映した猫に身を宿して。
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