二者択一で転移した令嬢は2つの月の狭間で揺れる。

館花陽月

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異世界。

きみに触れたい。(アルベルト視点)★R-18指定

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目が覚めると、暗い部屋のベッドに僕はいた。

起き上がると、昨夜の背中の痛みは嘘のように消え去っていた。
背中を触っても、傷口など見つからぬくらいの滑らかな肌に僕は驚く。

ログハウスの入り口に、銀色の猫がお座りをして僕を見上げていた。

「ミャァン・・。ミャァァン・・。」

そっと頭を撫でると、嬉しそうにブーツに体を寄せてくる。
甘えん坊な、その猫に僕の表情は緩む。

「なぁ・・。美月は?・・・美月はどこにいるんだ?」

「ミャーン・・。」

僕の言葉に、すぐに重いお尻を突き出して尻尾をくるんと可愛らしく揺らした猫は
建物の外へと、僕を誘導した。

サラサラと流れる小川の先まで、トテトテと軽快な足取りで進む猫にクスッと
笑いが込み上げた。

急にピタッと大きな、木が生い茂る場所で猫は立ち止まり、耳をピクピクと動かした、
僕も、驚いて耳を澄ます。

優しく、力強く・・。
透き通るような天使の歌声が聞こえてくる。

小鳥が、彼女の側に楽しそうに群がる。
その囀りさえも音楽にしてしまう、そんな水の側で裸で鳥たちと戯れる歌姫の姿に
僕は、瞳を反らせなかった。

水面がキラキラと光りの反射で美しい色を湛えて、そこに腰まで使った美月が長い髪を
揺らして楽しそうに歌う。

白くてくびれた腰と、大きく膨らんだ白い胸とその先のピンク色の突起は水が
滴りウィンディーネか、ヴィーナスのようだった。

かぁっと瞳に熱が灯って、全身もぶるりと震える熱が駆け巡る。

あまりの神々しさに、魂まで奪われてしまいそうだった。

気づかれた彼女に、水をかけられて僕の体は全身ずぶ濡れになった。
金色の髪も、水でペタリとボリュームを失くし、青い瞳を縁取る金色の睫毛も
濡れに濡れて、茶色い陰影を浮かべていた。

水びたしの衣服が、肌に纏わりついた体は体温すらも艶めかしく感じる。

君の体が、僕の上にピタリと重なっていた。
硬い胸板の上に、温かくて柔らかい胸の感触を感じた。

それだけで、僕は気が気じゃなかった。
頬がカァッと赤く染まる瞬間を君に見られたくなくて、少しだけ顔を背けた。

そんな僕の視線の先に、置かれた君の白い腕に驚いて君の顔を見上げた。

固く閉じられていた瞼が、スローモーションのようにゆっくりと開かれる・・。

僕は、ずっとずっと・・・。

夢にまで見た、彼女の本来の瞳色を間近で見た。

見たこともないような澄んだブルー。

僕の深い蒼とは違う、金色の光彩が浮き彫りになった不思議な瞳。
全身に鳥肌が立つぐらいの衝撃を感じた。

頬が熱い・・・。

喉がカラカラになるような、心臓の高まりに身体が震える。

頬にそっと手を触れると、その美しい瞳は左右に揺れて困惑の表情を浮かべる。

滴る水滴が、赤茶色の髪を濡らし。

白い頬と、赤く色づいた唇は瑞々しく窄められた。

「なんでその瞳の色を隠すの?そんなに綺麗なのに・・・。
羨んで、嫉妬して・・。特別に美しいその瞳に自分を映して欲しくて、必死で
君の注意を引こうとする・・。
そんな間抜けで、情けない人間に踊らされて隠していいもんじゃないよ。
神々しい瞳・・。見つめている僕が、恥ずかしくなるような美しいその目は
君への神様の贈り物としか思えないよ・・・。」

目の前の美しい碧い瞳は、激しく揺れている。

「なんで・・。気持ち悪くないの??
こんな・・。不思議な色合い・・。青なのに、金色に光る瞳なんて・・。」

「まさか。神聖すぎて崇めたいくらい美しいよ・・。
何時間だって、君の瞳を見ていられる。大好きな君を形作る大切な一部だ。
・・・君の心のように、今まで僕が見たこともない透き通った色。
今すぐ、君に跪きたいくらい美しいよ・・・。」

涙が溢れた頬に手を触れて、その涙を拭う。

何度見ても、魂を捧げたくなるような瞳の輝きに僕は震えた。

「王子様が跪くなんて・・。そんなの可笑しいわよ?
短気団長が私に跪いたって知ったら、魔術騎士団は大パニックになっちゃうんだか・・ら。」

僕は微笑みながら、赤い果実のような、ふっくらとした唇に手を当てた。

体の熱さと、高まる心臓の音が耳に届きそうなくらいの興奮を覚えた。

ゴクリと喉を鳴らすと、美月は驚いた様子で私を見下ろす。

「キスしてもいい・・??」

「あ・・ああの。私、真っ裸だし、その・・・。
濡れたままだし!!
貴方、病み上がりなのよ?・・えーとね、どど、・・どうしよう。」

・・・聞くんじゃなかった。

泣きながら、頬を赤らめる彼女が可愛くて、愛しくて仕方がない。

恥じらう彼女は可愛い。

今すぐ食べ尽くしてしまいたい程に可愛い!!

瞳を大きく揺らして動かすその動作も、白い胸との密着が続くこの状態
で、僕は破裂しそうなくらいの忍耐に耐えていた。

「・・・タイムオーバーだ。」

顎を掴んで、唇を合わせる。
下唇に噛みつくように、大口を開けてその柔らかくふっくらとした赤い唇を
味わうように激しく覆い被さる。

大きく目を見開いて、驚く彼女の瞳を悪戯っぽく微笑んで見つめた。
かぁっと赤くなって、拒むように閉じられた瞳にゾクリと体が震えた。

「・・・っあう、ふ・ふぁっ・・!!」
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