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外伝3 強制査察部隊の失敗2
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ルドリックが目の前に広がる大地に残っていた巨大な足跡について直属の上司である部隊長へ動こうとした時、彼の耳に聞きなれない音が聞こえてきた。
キィィィィィィィン!
(ん?これは耳鳴りか?違う?)
思わず立ち止まり音の出所を
「何だ!何の音だ!この音を止めろ!今私が話しているんだぞ!」
延々と作戦前の訓示?をしていたコットンだったが、だんだんと大きくなる音に苛立ち怒鳴った。
一方兵士達はその音の出所を探すべくきょろきょろと周囲を見回す。
「上だ!」
歩兵の一人が空を指差し叫んだ。
ルドリックは即座に自機に上を向かせ狭いスリットから上を見上げた。
上空に見慣れぬ四つの黒い影が遠目にゆっくりと飛んでいるのが見えた
(鳥か?いや、羽ばたいていない?)
「落ち着け!スベン公国の飛行機械だ!」
強制査察部隊の副隊長は、叫んだ。
事前情報として、飛行機械トブタイが複数存在している事は部隊員全員に知らされていた。だがしかし知っているのと実際に見るのとではインパクトが違う。
兵士達の殆どがぽかん空を見上げている。
「あっ!」
すると空を飛ぶ四つのうち三つから何かが零れ落ちた。少なくとも地上から見上げる強制査察部隊の兵士達にはそう見えた。
それはだんだんと大きくなっていき最初は黒い点にしか見えなかったが、落下するに従いどんな色を判別できるようになった。
パパパパ!
落ちてきているそれが突然瞬いた。
「ひかっ」
光ったぞ。そう兵士もいたが、言い切ることは出来なかった。突然兵士達の目の前に広がっていた平地の一部が突然轟音と共にめくれ上がったからだ。
「うわおう!?」
砂埃が舞い上がり地面がめくれ、その着弾の振動と爆風が兵士達をみまう。
何名かの兵士か、そのせいで転んだ。
ズドドド!ともヴォォォォ!とも天空と地面から、ほぼ同時に聞こえ、未知の轟音に兵士達が、動揺する。
それらはただのマシンガンの射撃と着弾音なのだが、兵士達が聴いた事の無い音。そして現象。うろたえるなと言う方が酷だ。
「ひぃぃぃぃぃ!」
「神よ…」
だが、それで終わりな訳は無い。それらの現象を起こした物達が今のなお落下しているのだから。
「落ちてくるぞ!」
兵士がそれに気が付いたのは、着地寸前だった。
ズドドドン!
先ほどとは比べ物にならない衝撃が部隊を襲う。
3機のザムが、マシンガンによって耕された大地に着地した。もちろんスラスターを全開にして着地の衝撃を和らげているが何十トンもある巨体だ。その振動は、この世界で殆どの人が経験したことの無い揺れだった。
目の前の光景に気を取られていた部隊は、もはや巨大地震とも呼べるレベルの揺れに翻弄される。
着弾の衝撃でもまだ立っていられた大半の兵士が立っていられずに膝を突き、フォルスにいたっては、転倒する機体が続出した。ルドリックと同僚であるハンスが乗るゼロスも尻餅をついた。
そんな事は気にしないザムは止まらない。着地の硬直が解けると、三機はV字のフォーメーションを組み、山に向かい走って移動を開始した。
3機のザム先には、大岩が転がっていた。岩の大きさはフォルスを超え、ザムより少し小さいくらい。フォルスを四機使ったとしても持ち上げることは出来ないであろう物だ。表面は長年の風雨により滑らかになっているいかにも硬そうな大岩だ。
三機の内左右の二機が、何の声掛けも無しに同時に手に持ったマシンガンを構え、連射した。
(俺は一体何を見てるんだ!ザムが複数!?召還できるのは一機だけじゃなかったのか!?聞いてないぞ!)
兵士達はあまりの轟音に耳をふさいでいる。中には耳をふさいでうずくまる者も出ていた。そんな中ルドリックは、尻餅をついたゼロスの中から耳を塞ぐ事すら忘れて目の前の光景に見入った。
(それにあれが噂のマシンガンか!?それにあの動きは何だ!)
ルドリックが驚いたのはザムの動きだった。現行のフォルスであるゼロスは、動作にどこか機械じみた不自然さがあった。最新鋭機であるカニンガムは、それを上回る滑らかな動きをするが、ザムの動きはそれをさらに超えた自然な動きだった。フォルスよりも巨大なのにも係わらずだ。
(これが例外機と呼ばれた物。何が勇者機に手も足も出ない不良品だ!ぜんぜん違うじゃないか!)
マシンガンより発射される75mmの弾丸により、硬そうな大岩が見る見るうちに削られていく。
残りの一機はその間にマシンガンをバックパックに格納し、腰にマウントしてあった無反動砲に持ち替えさせると、すでにぼろぼろになった大岩へと撃った。
無反動砲の弾は、吸い込まれるように大岩にあたる。ぼろぼろだった大岩は意図も爆煙に包まれた。
大岩を覆っていた爆煙が風によって飛ばされた時、その場に残っていたのはついさっきまで大岩だったものとは思えない残骸。
それを見ていた兵士達は一言も発することも出来ない。意気揚々と訓示を行っていたコットンもまた口をあんぐりと開けてその様子を見ていた。遅ればせに無反動砲の爆風が兵士達を頬をなでた。
煙が晴れると3機のザムは構えを解く。するとその近くに一機のトブタイが着陸した。
トブタイの上にはザムが乗っており、降下してきたザムとは違い角がついていた。指揮官用のザムだ。指揮官用ザムは強制査察部隊から背を向ける形でトブタイから降りた。
3機のザムは指揮官用ザムの正面まで来ると横一列に並び、マシンガンを真上に向け敬礼のようなポーズをとった。
『降下強襲訓練を終了いたしました!』
3機のうち真ん中に並んだザムが報告する。
『馬鹿者!着地が甘い!あれでは脚部に負担が掛かりすぎる!いざという時に壊れるぞ!足が壊れたどうなるか言ってみろ!お前だ!』
指揮官用ザムが一機を指差した。
『はっ!アポリオンに殺されます!』
『それだけではない!下手をすれば部隊の仲間を巻き添えにして死ぬ!たとえ武装がなくなったとしても足があれば撤退する事が出来る。足がなくなれば、自身が殺され、そして仲間が殺されるのは、それはフォルスと変わらん!あと動きにも無駄が多すぎる!次は今回の三倍はうまくやれっ!いいな!』
『『『ハッ!』』』
(今のは訓練だったのか…。しかしあれだけの動きをしても叱責されるのか…)
訓練の様子を見ていたルドリックには、3機のザムの動きは、とても洗練された物の様に見えた。
一通り、指揮官用ザムが訓練の様子を講評すると、背中越しにルドリックたちの居る方をを見た。ぎょろりとしたモノアイが、完全にルドリックたちの姿を捉える。
「ひっ!」
ルドリックの隣に尻餅をついていたハンスのゼロスから小さな悲鳴がもれ聞こえた。無理も無い事だ。
指揮官用ザムは、そのままは反転し、ルドリック達強制査察部隊の方へと歩き出した。訓練をしていた3機のザムもそれに従う。
ズズズン!ズズズン!
フォルスとは比べ物にならない重量級の足音と振動。
すでに兵士の中には腰が引け、今にも逃げ出しそうになっている者もいる。
「そっ総員警戒態勢!隊列を整えろ!ただし!命令あるまで攻撃を禁ずる!繰り返す!総員警戒態勢!ただし、命令あるまで攻撃を禁ずる!」
部隊の副隊長が叫んだ。本来指示を出すべき隊長であるコットンは、固まってしまっている。
その一言で浮き足立っていた強制査察部隊は、曲がりなりにも訓練をこなしてきた者達だ。条件反射に近いそれで立ち上がり、隊列を整える。
当然尻餅をついていたルドリック達も、ゼロスを急いで立ち上がらせ、仲間と隊列を組み、槍を構えさせる。
ザムの一段が50m位まで近づいた時、先頭を歩いていた指揮官用ザムが両手を上げながら、止まった。
『こちらは新生スベン公国軍、カルナート防衛部隊所属 第08訓練小隊。訓練教官のカワードだ。そこに居るのは、人類同盟の部隊と思われるが、いかに?』
その言葉を聴いて硬直していたコットンが動き出した。
「おっおお!その通り!我が名はリルド・ド・ワズ・コットン!約束通り人類同盟から援軍を連れて来たぞ!それに見ろ!我が人望により周辺国からもスベン公国の為に勇士達が集まってくれた!我らが来たからにはもう安心だぞ!」
コットンは冷や汗を流しながらも、名乗り、嘘の来た目的を告げた。
(良く舌が回るな)
ルドリックはゼロスのコクピットの中で冷や汗をかきながら状況の推移を見守る。ほかの部隊員達と同じようにコットンが余計なことを言わないよう神に祈った。
『ほう。左様ですか。ですが申し訳ありません。現在スベン公国は領土奪還作戦の最終段階に入っており、余計な混乱を防ぐ為、国境を封鎖しております』
「おお!それは重畳!我らもその作戦に参加しましょうぞ!さぁ我らを案内せよ!」
(こいつ話を聞いてるのか?今あいつは国境を封鎖してるって言ってんだぞ?)
自分の都合のいい事しか聞かないコットンの耳にルドリックは驚愕する。
『お断りします』
「ふざけるな!我らを何だと心得る!人類同盟より派遣されし援軍だぞ!」
断られるとは思っていなかったコットンは、声を荒げた。
『言いました通り現在国境は封鎖されております。例外はありません』
しかし、返すカワードは冷静だ。
「ええい!貴様では話にならん!ガルロック殿と話をさせろ!ガルロック殿と約束したのだ!必ず援軍を連れて来るとな!」
『…分かりました。ですが、我らの返答は変わらないと思いますが…』
「ならば我が部隊を案内せい!直接私がガルロック殿と話をする!この無礼者め!」
内心、コットンはにやりと笑った。
強制査察部隊が全員カルナート入りは出来ないだろうが、コットンの護衛として人類同盟軍の部隊だけも引き連れて行く事が出来れば、ガルロックを人質に取り、それを盾に城内を制圧できると考えたのだ。
だが、その予測は見事に外れた。
『その必要はありません。少々お待ちください』
「何?」
『…久しいなコットン殿。貴殿が我が国から逃げ出して以来か?』
いぶしがるコットンだったが、次に指揮官用ザムから聞こえてきた声に驚いた。それは紛れも無くカルナートの領主であるガルロックの声だったからだ。
キィィィィィィィン!
(ん?これは耳鳴りか?違う?)
思わず立ち止まり音の出所を
「何だ!何の音だ!この音を止めろ!今私が話しているんだぞ!」
延々と作戦前の訓示?をしていたコットンだったが、だんだんと大きくなる音に苛立ち怒鳴った。
一方兵士達はその音の出所を探すべくきょろきょろと周囲を見回す。
「上だ!」
歩兵の一人が空を指差し叫んだ。
ルドリックは即座に自機に上を向かせ狭いスリットから上を見上げた。
上空に見慣れぬ四つの黒い影が遠目にゆっくりと飛んでいるのが見えた
(鳥か?いや、羽ばたいていない?)
「落ち着け!スベン公国の飛行機械だ!」
強制査察部隊の副隊長は、叫んだ。
事前情報として、飛行機械トブタイが複数存在している事は部隊員全員に知らされていた。だがしかし知っているのと実際に見るのとではインパクトが違う。
兵士達の殆どがぽかん空を見上げている。
「あっ!」
すると空を飛ぶ四つのうち三つから何かが零れ落ちた。少なくとも地上から見上げる強制査察部隊の兵士達にはそう見えた。
それはだんだんと大きくなっていき最初は黒い点にしか見えなかったが、落下するに従いどんな色を判別できるようになった。
パパパパ!
落ちてきているそれが突然瞬いた。
「ひかっ」
光ったぞ。そう兵士もいたが、言い切ることは出来なかった。突然兵士達の目の前に広がっていた平地の一部が突然轟音と共にめくれ上がったからだ。
「うわおう!?」
砂埃が舞い上がり地面がめくれ、その着弾の振動と爆風が兵士達をみまう。
何名かの兵士か、そのせいで転んだ。
ズドドド!ともヴォォォォ!とも天空と地面から、ほぼ同時に聞こえ、未知の轟音に兵士達が、動揺する。
それらはただのマシンガンの射撃と着弾音なのだが、兵士達が聴いた事の無い音。そして現象。うろたえるなと言う方が酷だ。
「ひぃぃぃぃぃ!」
「神よ…」
だが、それで終わりな訳は無い。それらの現象を起こした物達が今のなお落下しているのだから。
「落ちてくるぞ!」
兵士がそれに気が付いたのは、着地寸前だった。
ズドドドン!
先ほどとは比べ物にならない衝撃が部隊を襲う。
3機のザムが、マシンガンによって耕された大地に着地した。もちろんスラスターを全開にして着地の衝撃を和らげているが何十トンもある巨体だ。その振動は、この世界で殆どの人が経験したことの無い揺れだった。
目の前の光景に気を取られていた部隊は、もはや巨大地震とも呼べるレベルの揺れに翻弄される。
着弾の衝撃でもまだ立っていられた大半の兵士が立っていられずに膝を突き、フォルスにいたっては、転倒する機体が続出した。ルドリックと同僚であるハンスが乗るゼロスも尻餅をついた。
そんな事は気にしないザムは止まらない。着地の硬直が解けると、三機はV字のフォーメーションを組み、山に向かい走って移動を開始した。
3機のザム先には、大岩が転がっていた。岩の大きさはフォルスを超え、ザムより少し小さいくらい。フォルスを四機使ったとしても持ち上げることは出来ないであろう物だ。表面は長年の風雨により滑らかになっているいかにも硬そうな大岩だ。
三機の内左右の二機が、何の声掛けも無しに同時に手に持ったマシンガンを構え、連射した。
(俺は一体何を見てるんだ!ザムが複数!?召還できるのは一機だけじゃなかったのか!?聞いてないぞ!)
兵士達はあまりの轟音に耳をふさいでいる。中には耳をふさいでうずくまる者も出ていた。そんな中ルドリックは、尻餅をついたゼロスの中から耳を塞ぐ事すら忘れて目の前の光景に見入った。
(それにあれが噂のマシンガンか!?それにあの動きは何だ!)
ルドリックが驚いたのはザムの動きだった。現行のフォルスであるゼロスは、動作にどこか機械じみた不自然さがあった。最新鋭機であるカニンガムは、それを上回る滑らかな動きをするが、ザムの動きはそれをさらに超えた自然な動きだった。フォルスよりも巨大なのにも係わらずだ。
(これが例外機と呼ばれた物。何が勇者機に手も足も出ない不良品だ!ぜんぜん違うじゃないか!)
マシンガンより発射される75mmの弾丸により、硬そうな大岩が見る見るうちに削られていく。
残りの一機はその間にマシンガンをバックパックに格納し、腰にマウントしてあった無反動砲に持ち替えさせると、すでにぼろぼろになった大岩へと撃った。
無反動砲の弾は、吸い込まれるように大岩にあたる。ぼろぼろだった大岩は意図も爆煙に包まれた。
大岩を覆っていた爆煙が風によって飛ばされた時、その場に残っていたのはついさっきまで大岩だったものとは思えない残骸。
それを見ていた兵士達は一言も発することも出来ない。意気揚々と訓示を行っていたコットンもまた口をあんぐりと開けてその様子を見ていた。遅ればせに無反動砲の爆風が兵士達を頬をなでた。
煙が晴れると3機のザムは構えを解く。するとその近くに一機のトブタイが着陸した。
トブタイの上にはザムが乗っており、降下してきたザムとは違い角がついていた。指揮官用のザムだ。指揮官用ザムは強制査察部隊から背を向ける形でトブタイから降りた。
3機のザムは指揮官用ザムの正面まで来ると横一列に並び、マシンガンを真上に向け敬礼のようなポーズをとった。
『降下強襲訓練を終了いたしました!』
3機のうち真ん中に並んだザムが報告する。
『馬鹿者!着地が甘い!あれでは脚部に負担が掛かりすぎる!いざという時に壊れるぞ!足が壊れたどうなるか言ってみろ!お前だ!』
指揮官用ザムが一機を指差した。
『はっ!アポリオンに殺されます!』
『それだけではない!下手をすれば部隊の仲間を巻き添えにして死ぬ!たとえ武装がなくなったとしても足があれば撤退する事が出来る。足がなくなれば、自身が殺され、そして仲間が殺されるのは、それはフォルスと変わらん!あと動きにも無駄が多すぎる!次は今回の三倍はうまくやれっ!いいな!』
『『『ハッ!』』』
(今のは訓練だったのか…。しかしあれだけの動きをしても叱責されるのか…)
訓練の様子を見ていたルドリックには、3機のザムの動きは、とても洗練された物の様に見えた。
一通り、指揮官用ザムが訓練の様子を講評すると、背中越しにルドリックたちの居る方をを見た。ぎょろりとしたモノアイが、完全にルドリックたちの姿を捉える。
「ひっ!」
ルドリックの隣に尻餅をついていたハンスのゼロスから小さな悲鳴がもれ聞こえた。無理も無い事だ。
指揮官用ザムは、そのままは反転し、ルドリック達強制査察部隊の方へと歩き出した。訓練をしていた3機のザムもそれに従う。
ズズズン!ズズズン!
フォルスとは比べ物にならない重量級の足音と振動。
すでに兵士の中には腰が引け、今にも逃げ出しそうになっている者もいる。
「そっ総員警戒態勢!隊列を整えろ!ただし!命令あるまで攻撃を禁ずる!繰り返す!総員警戒態勢!ただし、命令あるまで攻撃を禁ずる!」
部隊の副隊長が叫んだ。本来指示を出すべき隊長であるコットンは、固まってしまっている。
その一言で浮き足立っていた強制査察部隊は、曲がりなりにも訓練をこなしてきた者達だ。条件反射に近いそれで立ち上がり、隊列を整える。
当然尻餅をついていたルドリック達も、ゼロスを急いで立ち上がらせ、仲間と隊列を組み、槍を構えさせる。
ザムの一段が50m位まで近づいた時、先頭を歩いていた指揮官用ザムが両手を上げながら、止まった。
『こちらは新生スベン公国軍、カルナート防衛部隊所属 第08訓練小隊。訓練教官のカワードだ。そこに居るのは、人類同盟の部隊と思われるが、いかに?』
その言葉を聴いて硬直していたコットンが動き出した。
「おっおお!その通り!我が名はリルド・ド・ワズ・コットン!約束通り人類同盟から援軍を連れて来たぞ!それに見ろ!我が人望により周辺国からもスベン公国の為に勇士達が集まってくれた!我らが来たからにはもう安心だぞ!」
コットンは冷や汗を流しながらも、名乗り、嘘の来た目的を告げた。
(良く舌が回るな)
ルドリックはゼロスのコクピットの中で冷や汗をかきながら状況の推移を見守る。ほかの部隊員達と同じようにコットンが余計なことを言わないよう神に祈った。
『ほう。左様ですか。ですが申し訳ありません。現在スベン公国は領土奪還作戦の最終段階に入っており、余計な混乱を防ぐ為、国境を封鎖しております』
「おお!それは重畳!我らもその作戦に参加しましょうぞ!さぁ我らを案内せよ!」
(こいつ話を聞いてるのか?今あいつは国境を封鎖してるって言ってんだぞ?)
自分の都合のいい事しか聞かないコットンの耳にルドリックは驚愕する。
『お断りします』
「ふざけるな!我らを何だと心得る!人類同盟より派遣されし援軍だぞ!」
断られるとは思っていなかったコットンは、声を荒げた。
『言いました通り現在国境は封鎖されております。例外はありません』
しかし、返すカワードは冷静だ。
「ええい!貴様では話にならん!ガルロック殿と話をさせろ!ガルロック殿と約束したのだ!必ず援軍を連れて来るとな!」
『…分かりました。ですが、我らの返答は変わらないと思いますが…』
「ならば我が部隊を案内せい!直接私がガルロック殿と話をする!この無礼者め!」
内心、コットンはにやりと笑った。
強制査察部隊が全員カルナート入りは出来ないだろうが、コットンの護衛として人類同盟軍の部隊だけも引き連れて行く事が出来れば、ガルロックを人質に取り、それを盾に城内を制圧できると考えたのだ。
だが、その予測は見事に外れた。
『その必要はありません。少々お待ちください』
「何?」
『…久しいなコットン殿。貴殿が我が国から逃げ出して以来か?』
いぶしがるコットンだったが、次に指揮官用ザムから聞こえてきた声に驚いた。それは紛れも無くカルナートの領主であるガルロックの声だったからだ。
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