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17.半分こ
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ヨウスケは予約していてくれているレストランへ行く前に、またドレスにアクセサリー、靴とハンドバッグを買ってくれる。
出かけるたびにドレッシーなエレガントな女性に変身できることは嬉しいけど、もったいない。
「いいから。俺の隣でみすぼらしい恰好をするな。」
「だって、2日前も、買ってくれたばかりじゃない?」
「あんな、知ってるか?男が女に服をプレゼントしたがる意味を?」
「へ?みすぼらしい恰好をされるのがイヤだから?」
「ブー。はずれ。女に服を着せたいからではなく、女の服を脱がせたいからプレゼントするのさ。」
「えっ!?」
「だから黙って、俺の趣味に合わせろ。いいな?」
「うん。ありがとう。」
今、買ってもらったばっかりの服にまるごと着替えて、今まで来ていた服をブティックの紙袋に入れて、駐車場にその紙袋を置きに行き、また、取って返して、レストランを目指す。
「小夜香、きれいだよ。よく似合っている。」
小夜香はほんのり、顔を赤くしている。
さっきのブティックで、お化粧を直してもらったんだっけ。
それで、余計に綺麗に見えるのかな?お化粧もきちんと勉強しなきゃね。高校を卒業するとき、大手の化粧品メーカーが学校に来て、一度、指導してもらったっきり、まともに教えてくれる人もいなかったから、そのままにして、大学時代は、お化粧をしているヒマもお金もなかったから、いつもスッピンで通していた。でも、ヨウスケの恋人になったからには、ヨウスケにできるだけ恥をかかせたくない。
だから、お化粧もおしゃれも、できるだけ頑張るようにする。
今夜のレストランは、銀座のお鮨屋さん。新鮮なネタがカウンターの向こう側のガラスケースの中に入れられている。
小夜香はお任せで適当に握ってもらい、生チュウを煽るように飲む。ラブホのお風呂にいるときから、飲みたくて、うずうずしていた。
空きっ腹に飲みすぎたみたい。お寿司を食べる前に、お腹がパンパンに張って、それになんだかくらくらしてきた。
一度、トイレに入って、鏡を見たら、もう、ゆでだこみたいに真っ赤になっている。あ、これはヤバイやつだ。
このままいけば、帰りは完全に足をとられて、ふらつくやつだ。
それから先は、あがりをひたすら飲みまくる。血中アルコール度数を下げなくては……。
それでも帰る頃は、やっぱりふらついている。ヨウスケにもたれかかって、いなければ一歩も前に進めない。
その日の夜は、何事もなく、部屋の前まで送ってもらい、パジャマに着替え、ただ、ひたすら眠った。
翌朝、目覚めた同時にお風呂に入る。
昨日、ラブホで2回入ったけど、晩御飯の後は入っていなかったから、ゆっくり髪の毛をシャンプーしていき、カラダを洗う。大事なところも念入りに石鹸を泡立てて、洗い、湯船に浸かると、また、ウトウトするが、今寝たら、低血糖になってしまう。
必死に起きようとするが、瞼が妙に重い。船をこぎながら、湯船に浸かっている。もう少しで、水面が顔に着くというタイミングで目が覚めるが、気が付けば、また船をこぎ出している。
またしても、ヨウスケがいつの間にか入浴している。
小夜香は、ヨウスケに身を預ける形で、ウトウトしているが、お尻のあたりに何か硬いものがぶつかっている。
?なんだろう?
しばらく考えた後、その硬いものの正体が分かった時は、さらに赤面し、湯あたり寸前になってしまっている。
結局、その日はベッドへ逆戻りになった。せっかく楽しみにしていたのに。残念でならない。
ヨウスケのことが好きで、抱かれたいのに、結果として、飲みすぎたり、お風呂に浸かり過ぎたりして、失敗ばかりしている自分が情けなくなる。
「良くなったら、今日も外食にするか?まだ、しんどいだろ?」
「でも……、もったいない。」
「俺の大事な恋人が、体調崩して寝ているのだから、もったいなくないよ。」
「ありがとう。ヨウスケ。」
「愛しているよ。小夜香、ゆっくり、おやすみ。」
結局、午前中は、まるまる寝てしまい、午後になり、ブランチを作りヨウスケと一緒に食べる。
その後、イチャイチャして、コンドームがなくなるまで、ヤりまくる。マンションの向かい側のコンビニに、追加を買いに行くときも、ずっとべったりくっついて、買いに行くから、今、ヤっている真っ最中だと思われるのではないかと思うと、さらに恥ずかしい。
部屋に戻ってからも、片手ですぐ食べられるようなホットサンドを作り、二人とも、裸のままで、好きなものをホットサンドメーカーに挟んで、焼いていく。
焼きあがったホットサンドを、対角線に切り、ヨウスケと半分こして、食べる。
そして、またヤって、また焼く。ということを繰り返していくと、食パン8枚ぐらいのものを平らげた計算になる。
ちょっと食べすぎだ。ヨウスケと一緒に食べるものは何でも、美味しく感じられる。
だから、つい食べ過ぎてしまうことがある。
来週から、またダイエットをしなきゃ、会社でせっかく色っぽいと言われているのに、あれは誤解だったと言われることが怖い。デブになったら、ヨウスケから見放されるのも、もっと怖い。
出かけるたびにドレッシーなエレガントな女性に変身できることは嬉しいけど、もったいない。
「いいから。俺の隣でみすぼらしい恰好をするな。」
「だって、2日前も、買ってくれたばかりじゃない?」
「あんな、知ってるか?男が女に服をプレゼントしたがる意味を?」
「へ?みすぼらしい恰好をされるのがイヤだから?」
「ブー。はずれ。女に服を着せたいからではなく、女の服を脱がせたいからプレゼントするのさ。」
「えっ!?」
「だから黙って、俺の趣味に合わせろ。いいな?」
「うん。ありがとう。」
今、買ってもらったばっかりの服にまるごと着替えて、今まで来ていた服をブティックの紙袋に入れて、駐車場にその紙袋を置きに行き、また、取って返して、レストランを目指す。
「小夜香、きれいだよ。よく似合っている。」
小夜香はほんのり、顔を赤くしている。
さっきのブティックで、お化粧を直してもらったんだっけ。
それで、余計に綺麗に見えるのかな?お化粧もきちんと勉強しなきゃね。高校を卒業するとき、大手の化粧品メーカーが学校に来て、一度、指導してもらったっきり、まともに教えてくれる人もいなかったから、そのままにして、大学時代は、お化粧をしているヒマもお金もなかったから、いつもスッピンで通していた。でも、ヨウスケの恋人になったからには、ヨウスケにできるだけ恥をかかせたくない。
だから、お化粧もおしゃれも、できるだけ頑張るようにする。
今夜のレストランは、銀座のお鮨屋さん。新鮮なネタがカウンターの向こう側のガラスケースの中に入れられている。
小夜香はお任せで適当に握ってもらい、生チュウを煽るように飲む。ラブホのお風呂にいるときから、飲みたくて、うずうずしていた。
空きっ腹に飲みすぎたみたい。お寿司を食べる前に、お腹がパンパンに張って、それになんだかくらくらしてきた。
一度、トイレに入って、鏡を見たら、もう、ゆでだこみたいに真っ赤になっている。あ、これはヤバイやつだ。
このままいけば、帰りは完全に足をとられて、ふらつくやつだ。
それから先は、あがりをひたすら飲みまくる。血中アルコール度数を下げなくては……。
それでも帰る頃は、やっぱりふらついている。ヨウスケにもたれかかって、いなければ一歩も前に進めない。
その日の夜は、何事もなく、部屋の前まで送ってもらい、パジャマに着替え、ただ、ひたすら眠った。
翌朝、目覚めた同時にお風呂に入る。
昨日、ラブホで2回入ったけど、晩御飯の後は入っていなかったから、ゆっくり髪の毛をシャンプーしていき、カラダを洗う。大事なところも念入りに石鹸を泡立てて、洗い、湯船に浸かると、また、ウトウトするが、今寝たら、低血糖になってしまう。
必死に起きようとするが、瞼が妙に重い。船をこぎながら、湯船に浸かっている。もう少しで、水面が顔に着くというタイミングで目が覚めるが、気が付けば、また船をこぎ出している。
またしても、ヨウスケがいつの間にか入浴している。
小夜香は、ヨウスケに身を預ける形で、ウトウトしているが、お尻のあたりに何か硬いものがぶつかっている。
?なんだろう?
しばらく考えた後、その硬いものの正体が分かった時は、さらに赤面し、湯あたり寸前になってしまっている。
結局、その日はベッドへ逆戻りになった。せっかく楽しみにしていたのに。残念でならない。
ヨウスケのことが好きで、抱かれたいのに、結果として、飲みすぎたり、お風呂に浸かり過ぎたりして、失敗ばかりしている自分が情けなくなる。
「良くなったら、今日も外食にするか?まだ、しんどいだろ?」
「でも……、もったいない。」
「俺の大事な恋人が、体調崩して寝ているのだから、もったいなくないよ。」
「ありがとう。ヨウスケ。」
「愛しているよ。小夜香、ゆっくり、おやすみ。」
結局、午前中は、まるまる寝てしまい、午後になり、ブランチを作りヨウスケと一緒に食べる。
その後、イチャイチャして、コンドームがなくなるまで、ヤりまくる。マンションの向かい側のコンビニに、追加を買いに行くときも、ずっとべったりくっついて、買いに行くから、今、ヤっている真っ最中だと思われるのではないかと思うと、さらに恥ずかしい。
部屋に戻ってからも、片手ですぐ食べられるようなホットサンドを作り、二人とも、裸のままで、好きなものをホットサンドメーカーに挟んで、焼いていく。
焼きあがったホットサンドを、対角線に切り、ヨウスケと半分こして、食べる。
そして、またヤって、また焼く。ということを繰り返していくと、食パン8枚ぐらいのものを平らげた計算になる。
ちょっと食べすぎだ。ヨウスケと一緒に食べるものは何でも、美味しく感じられる。
だから、つい食べ過ぎてしまうことがある。
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