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思い上がっていた伯爵令息
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ビクトリア公爵令嬢は、父の部下であるレンモンド伯爵令息と婚約関係にあったのだが。
ある日のパーティで、レンモンドから衝撃の事実を告げられ驚く。
寝耳に水の話だったが、レンモンドは悪びれもせず
「結婚が決まったよ。相手は、隣国の伯爵令嬢だ。」
「わたくしとの婚約は、どうなったの?」
「それは、さっきマークスター公爵様との話し合いで解消してきたよ。」
「はっきり言えば、ビクトリアはウザいんだよ。賢ぶっていて、可愛げがない。自分の知識をひけらかし過ぎだ。もう、俺はそれに耐えられなくなった。婚約解消できて、清々したよ。」
そんな言い方ある?と思ったけど、
「そう。おめでとう。さようなら。」さっさとパーティ会場から引き揚げる。
ビクトリアは、外国語が堪能で、よく父と共に外遊することがある。各国のしきたり、マナーに精通していて王族の一員として恥ずかしくない教養を身に着け、王室お抱えの家庭教師でもある。
社交界にビクトリアが捨てられた話は、あっという間に広がる。
ビクトリアのもとには、手紙や贈り物が次々届けられた。そのほとんどが求婚の申し込み。自分や自分の息子、甥と「一度、お会いしたい。」という内容だった。
あのね。一応、傷心なのよ。誰か一人ぐらいお見舞い言いなさいよ。まぁ、こんなにモテるとは、思っていなかったけどね。まだまだイケる?
喜んでばかりはいられない。ビクトリアは、お断りのお手紙を書き、贈り物には、お礼のお手紙をしたためる。
その頃、レンモンドは、社交界で信用失墜し、誰にも相手にされず、孤立していた。隣国へ行っても、イマイチ言葉が理解できず、不作法で、あっという間に伯爵令嬢から離婚された。それで初めてビクトリアの偉大さが身に染みて理解したが、もう手遅れだった。
ビクトリアは、レンモンドの至らないところをさりげなくフォローしていたのに。
社交界にも、隣国にも居場所がなくなったレンモンドは、ビクトリアを求めて、さ迷い歩きまわる。
ビクトリアは、国王陛下より呼出しがあった。新たに息子ギルバート殿下の専属の家庭教師と決まった。他国へ留学されるために、どうしても流暢な他国語を喋れるビクトリアに白羽の矢が立ったのだ。
他国へは、ビクトリアも同行することになリ、ソワソワする。
父に暇乞いをしているとき、父からレンモンドが帰国していることを知らされて
「くれぐれも気を付けるように。」と言われた。
王子殿下と一緒にいることが多いから、たぶん大丈夫だろうと思う。ギルバート殿下には、屈強なボディガード揃いだから。
油断していたと言われれば、その通りかもしれないが、王宮でレンモンドから声をかけられた。
「久しぶりだな。ビクトリア。」
びっくりして後退った時、ギルバート殿下とぶつかる。
ギルバート殿下に、
「彼は、もと婚約者のレンモンド伯爵令息です。隣国の伯爵令嬢と結婚されたはずです。」と紹介して、レンモンドを見たら、薄ら笑いを浮かべていた。気持ち悪い。
「もう、大丈夫だよ。」と右手を挙げられた途端、屈強な男性が出てきて、レンモンドを取り押さえた。
「不法侵入の現行犯だ。」レンモンドは、どこかへ連れていかれる。
ギルバート殿下は、ビクトリアの前に跪き、ドレスの裾にキスをして、
「ビクトリア嬢、私の妻になってもらえないだろうか?」
いきなりの求婚に驚くものの、嬉しい。
「至らない私の傍で、これからもフォローして欲しい。」
ビクトリアは、嬉しすぎて、返事もせず、ギルバート殿下の胸で泣き続ける。
王宮内の教会で簡素な式を挙げ、そのまま二人で留学先に向かい、幸せになる。
おしまい
ある日のパーティで、レンモンドから衝撃の事実を告げられ驚く。
寝耳に水の話だったが、レンモンドは悪びれもせず
「結婚が決まったよ。相手は、隣国の伯爵令嬢だ。」
「わたくしとの婚約は、どうなったの?」
「それは、さっきマークスター公爵様との話し合いで解消してきたよ。」
「はっきり言えば、ビクトリアはウザいんだよ。賢ぶっていて、可愛げがない。自分の知識をひけらかし過ぎだ。もう、俺はそれに耐えられなくなった。婚約解消できて、清々したよ。」
そんな言い方ある?と思ったけど、
「そう。おめでとう。さようなら。」さっさとパーティ会場から引き揚げる。
ビクトリアは、外国語が堪能で、よく父と共に外遊することがある。各国のしきたり、マナーに精通していて王族の一員として恥ずかしくない教養を身に着け、王室お抱えの家庭教師でもある。
社交界にビクトリアが捨てられた話は、あっという間に広がる。
ビクトリアのもとには、手紙や贈り物が次々届けられた。そのほとんどが求婚の申し込み。自分や自分の息子、甥と「一度、お会いしたい。」という内容だった。
あのね。一応、傷心なのよ。誰か一人ぐらいお見舞い言いなさいよ。まぁ、こんなにモテるとは、思っていなかったけどね。まだまだイケる?
喜んでばかりはいられない。ビクトリアは、お断りのお手紙を書き、贈り物には、お礼のお手紙をしたためる。
その頃、レンモンドは、社交界で信用失墜し、誰にも相手にされず、孤立していた。隣国へ行っても、イマイチ言葉が理解できず、不作法で、あっという間に伯爵令嬢から離婚された。それで初めてビクトリアの偉大さが身に染みて理解したが、もう手遅れだった。
ビクトリアは、レンモンドの至らないところをさりげなくフォローしていたのに。
社交界にも、隣国にも居場所がなくなったレンモンドは、ビクトリアを求めて、さ迷い歩きまわる。
ビクトリアは、国王陛下より呼出しがあった。新たに息子ギルバート殿下の専属の家庭教師と決まった。他国へ留学されるために、どうしても流暢な他国語を喋れるビクトリアに白羽の矢が立ったのだ。
他国へは、ビクトリアも同行することになリ、ソワソワする。
父に暇乞いをしているとき、父からレンモンドが帰国していることを知らされて
「くれぐれも気を付けるように。」と言われた。
王子殿下と一緒にいることが多いから、たぶん大丈夫だろうと思う。ギルバート殿下には、屈強なボディガード揃いだから。
油断していたと言われれば、その通りかもしれないが、王宮でレンモンドから声をかけられた。
「久しぶりだな。ビクトリア。」
びっくりして後退った時、ギルバート殿下とぶつかる。
ギルバート殿下に、
「彼は、もと婚約者のレンモンド伯爵令息です。隣国の伯爵令嬢と結婚されたはずです。」と紹介して、レンモンドを見たら、薄ら笑いを浮かべていた。気持ち悪い。
「もう、大丈夫だよ。」と右手を挙げられた途端、屈強な男性が出てきて、レンモンドを取り押さえた。
「不法侵入の現行犯だ。」レンモンドは、どこかへ連れていかれる。
ギルバート殿下は、ビクトリアの前に跪き、ドレスの裾にキスをして、
「ビクトリア嬢、私の妻になってもらえないだろうか?」
いきなりの求婚に驚くものの、嬉しい。
「至らない私の傍で、これからもフォローして欲しい。」
ビクトリアは、嬉しすぎて、返事もせず、ギルバート殿下の胸で泣き続ける。
王宮内の教会で簡素な式を挙げ、そのまま二人で留学先に向かい、幸せになる。
おしまい
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