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卒業パーティ
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王都にある王立学園の卒業パーティにて
婚約者のバーモンド王太子にエスコートされず、一人さみしく卒業パーティの会場の扉を開けるアリアナグランデ、入った途端、「アリアナグランデ様よ、おひとりなのね。」「王太子殿下は、どうした?」との声がかけられる。
アリアナグランデは、できるだけ目立たないように、壁側に行き、壁の花となろうとするが、注目がすごい!公爵令嬢であり、バーモンド王太子の婚約者が一人で会場入りするなど、あってはならないこと。
そこへバーモンド王太子殿下が登場。腕には、男爵令嬢リリアーヌをぶら下げている。
会場の視線が非難めいたものに変わっているが、バーモンド王太子もリリアーヌも気づきもしない。
「公爵令嬢アリアナグランデ、貴様とは今をもって、婚約を破棄することを宣言する。ここにいる男爵令嬢リリアーヌを新たな婚約者と認めることとし、貴様はこの愛しのリリアーヌを学園内で虐めぬき、将来の国母を害そうとした。重大な犯罪人である。よって…」
バーモンドがそこまで、発言したとき、会場の卒業生から声がかかった。
「異議あり!」「「異議あり!」」
「アリアナグランデ嬢は、虐めなどしておられていません!」
「リリアーヌが嘘つきだ。」「「リリアーヌが重大な犯罪人だ!!」」
「「「「「我々は、バーモンド王太子殿下の廃嫡を求める!!!!!」」」」」
「リリアーヌを追い出せ!」「リリアーヌは誰もいないところで、一人で階段から落ちた。」
「リリアーヌは、自分で教科書を破り、ごみ箱に捨てているのを見た。」
「「「「「我々は、バーモンド王太子殿下の廃嫡を求める!!!!!」」」」」
「「「「「我々は、バーモンド王太子殿下の廃嫡を求める!!!!!」」」」」
「「「「「我々は、バーモンド王太子殿下の廃嫡を求める!!!!!」」」」」
「「「「「我々は、バーモンド王太子殿下の廃嫡を求める!!!!!」」」」」
「「「「「我々は、バーモンド王太子殿下の廃嫡を求める!!!!!」」」」」
最後は、ほとんど全員で王太子の廃嫡を求める大合唱へと、変わっていった。
「うるさいっ!うるさいわっ!お前ら全員、不敬罪でしょっ引くぞ!衛兵!こいつらを牢へ放り込め!」
誰一人、衛兵は動かない。
宰相閣下の息子が一人、歩み出て、「やれるものなら、やってみなさい。」
「我々は、今日の卒業式の前に、国王陛下より勅命書をいただいております。学園内で男爵令嬢リリアーヌ嬢とイチャ付いているのは、誰もが目撃し、眉をしかめておりました。そのことを陛下に申し上げましたら、卒業記念パーティでバーモンド王太子殿下が愚行に走れば、「つまびらかにせよ」との仰せで、勅命書を預かってまいりました。」
【バーモンド王太子と男爵令嬢リリアーヌとの婚約は認める。ただし、バーモンドは廃嫡とする。次期王位継承権は第2王子フランシスとし、公爵令嬢アリアナグランデと婚約させるものとする。リリアーヌは、家名を剥奪し、平民落ちとする。】
「いやよ、いや。いや。私が平民落ちなんて、なんで?私は将来の国母となるのよ。それがなんで!フランシスが王位継承権を持つのなら、フランシスと結婚するのは、私よ。王太子でもないバーモンドなんかと結婚するのは、絶対に嫌よ。バーモンド話が違うじゃない!なんとかしなさいよ。ダメな男ね。」
勅命書の内容もさることながら、バーモンドに向かって「ダメな男」発言は、深く傷付いた。バーモンドハ、ガックリうなだれ、衛兵に連れていかれた。
それからしばらくして、第2王子殿下のフランシスが登場した。そして、アリアナグランデの前に跪いて、
「公爵令嬢アリアナグランデ嬢、私は、幼いころよりずっと、あなた様にあこがれ恋焦がれていました。どうか、私の思いを受け止めてください。あなた様が兄の妃教育で何度も王宮に来られている、お姿をずっと物陰から拝見していました。陛下から、お言葉を賜り、恐悦至極の思いで、この場に参上いたしました。どうぞ、よき返事をいただければ、と願っております。」
「はい。承知しました。フランシス殿下、今後ともよろしくお願いいたします。」
いろいろあったけれど。卒業記念パーティは、無事、終わり、翌日は、フランシスとアリアナグランデとの結婚式が始まる。
バーモンドとリリアーヌは、市井で、喧嘩しながら暮らしたとか、風の噂です。
婚約者のバーモンド王太子にエスコートされず、一人さみしく卒業パーティの会場の扉を開けるアリアナグランデ、入った途端、「アリアナグランデ様よ、おひとりなのね。」「王太子殿下は、どうした?」との声がかけられる。
アリアナグランデは、できるだけ目立たないように、壁側に行き、壁の花となろうとするが、注目がすごい!公爵令嬢であり、バーモンド王太子の婚約者が一人で会場入りするなど、あってはならないこと。
そこへバーモンド王太子殿下が登場。腕には、男爵令嬢リリアーヌをぶら下げている。
会場の視線が非難めいたものに変わっているが、バーモンド王太子もリリアーヌも気づきもしない。
「公爵令嬢アリアナグランデ、貴様とは今をもって、婚約を破棄することを宣言する。ここにいる男爵令嬢リリアーヌを新たな婚約者と認めることとし、貴様はこの愛しのリリアーヌを学園内で虐めぬき、将来の国母を害そうとした。重大な犯罪人である。よって…」
バーモンドがそこまで、発言したとき、会場の卒業生から声がかかった。
「異議あり!」「「異議あり!」」
「アリアナグランデ嬢は、虐めなどしておられていません!」
「リリアーヌが嘘つきだ。」「「リリアーヌが重大な犯罪人だ!!」」
「「「「「我々は、バーモンド王太子殿下の廃嫡を求める!!!!!」」」」」
「リリアーヌを追い出せ!」「リリアーヌは誰もいないところで、一人で階段から落ちた。」
「リリアーヌは、自分で教科書を破り、ごみ箱に捨てているのを見た。」
「「「「「我々は、バーモンド王太子殿下の廃嫡を求める!!!!!」」」」」
「「「「「我々は、バーモンド王太子殿下の廃嫡を求める!!!!!」」」」」
「「「「「我々は、バーモンド王太子殿下の廃嫡を求める!!!!!」」」」」
「「「「「我々は、バーモンド王太子殿下の廃嫡を求める!!!!!」」」」」
「「「「「我々は、バーモンド王太子殿下の廃嫡を求める!!!!!」」」」」
最後は、ほとんど全員で王太子の廃嫡を求める大合唱へと、変わっていった。
「うるさいっ!うるさいわっ!お前ら全員、不敬罪でしょっ引くぞ!衛兵!こいつらを牢へ放り込め!」
誰一人、衛兵は動かない。
宰相閣下の息子が一人、歩み出て、「やれるものなら、やってみなさい。」
「我々は、今日の卒業式の前に、国王陛下より勅命書をいただいております。学園内で男爵令嬢リリアーヌ嬢とイチャ付いているのは、誰もが目撃し、眉をしかめておりました。そのことを陛下に申し上げましたら、卒業記念パーティでバーモンド王太子殿下が愚行に走れば、「つまびらかにせよ」との仰せで、勅命書を預かってまいりました。」
【バーモンド王太子と男爵令嬢リリアーヌとの婚約は認める。ただし、バーモンドは廃嫡とする。次期王位継承権は第2王子フランシスとし、公爵令嬢アリアナグランデと婚約させるものとする。リリアーヌは、家名を剥奪し、平民落ちとする。】
「いやよ、いや。いや。私が平民落ちなんて、なんで?私は将来の国母となるのよ。それがなんで!フランシスが王位継承権を持つのなら、フランシスと結婚するのは、私よ。王太子でもないバーモンドなんかと結婚するのは、絶対に嫌よ。バーモンド話が違うじゃない!なんとかしなさいよ。ダメな男ね。」
勅命書の内容もさることながら、バーモンドに向かって「ダメな男」発言は、深く傷付いた。バーモンドハ、ガックリうなだれ、衛兵に連れていかれた。
それからしばらくして、第2王子殿下のフランシスが登場した。そして、アリアナグランデの前に跪いて、
「公爵令嬢アリアナグランデ嬢、私は、幼いころよりずっと、あなた様にあこがれ恋焦がれていました。どうか、私の思いを受け止めてください。あなた様が兄の妃教育で何度も王宮に来られている、お姿をずっと物陰から拝見していました。陛下から、お言葉を賜り、恐悦至極の思いで、この場に参上いたしました。どうぞ、よき返事をいただければ、と願っております。」
「はい。承知しました。フランシス殿下、今後ともよろしくお願いいたします。」
いろいろあったけれど。卒業記念パーティは、無事、終わり、翌日は、フランシスとアリアナグランデとの結婚式が始まる。
バーモンドとリリアーヌは、市井で、喧嘩しながら暮らしたとか、風の噂です。
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