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どうしよう。
目の前にジルがいる。
あの後レオンと話しながら(ろくすっぽ聞いちゃいないが)内心うろたえてる間に、王城に着いてしまった。
使用人や出入りする業者専用の門を入るとすぐに倉庫のような大きな建物があり、騎士団に届ける以外の荷物はここで降ろす。
騎士団の荷物はこのまま幌馬車で進んで行き、王城敷地内の北側にある訓練業まで運ぶ。
本来なら民間の業者がそんな奥まで入ってはいけないのだが、荷物の重さが半端ないので特別に許されている。
白兵戦だけでなく、乗馬しての訓練や隊列を組む練習もここでやるから訓練所はかなり広い。
俺たちはそこに併設されている建物群の近くに馬車を停めた。ここは執務室なんかが入っていて、さらに奥に行くと倉庫や訓練兵達の宿舎が並んでいる。
さすがにそっちは立ち入ったことはない。
レオンが騎士団専属の従者と納品の確認をしているのを横目に、俺は建物内の執務室へ行く。
表向きは業者側からの報告やその他連絡事項の伝達になっているが、たんに俺の顔が見たかったジルが新しく増やした業務だ。
体だけでなく、俺の容姿もジルの好みに合うらしい。
俺は身長はそこそこあるけど、あまり筋肉がつかない体質だからちょっとヒョロッとしてる。髪は薄茶色で、光の加減で金髪に見えるとジルが言ってた。瞳の色だけは少し珍しくて、淡いピンク色。肌も白いし、全体的に色素が薄い感じかな。
ジルから好きだとは言われないけど、可愛いとはよく言われる。
「どうしたエリー。ぼんやりして」
「――っ」
ジルの大きくてゴツゴツした手が俺の左頬にそっと触れてくる。そして指先が耳の裏を軽くこする。
その小さな刺激にゾクリとして、肩が小さく跳ねた。
そして鼻孔をくすぐるジルの匂い。
ジルは少し甘めの香りがする香水を使っていて、それとジルの汗や体臭と混ざると、なんとも言えない頭の芯が溶けるような匂いになる。俺はこっそりと肺一杯に空気を吸い込んで、ジルの香りを堪能する。
「あ、いや、なんでもない。ちょっと寝不足なだけだから」
ジルは二人きりだと俺のことをエリーと呼ぶ。
そう。執務室には俺とジルの二人だけ。
たぶんジルが人払いしてるんだろう。だいたいいつも、二人きりだから。
「寝不足?」
「うん。母親が二・三日前から風邪で寝込んでて。家のこと帰ってからやるから、どうしても寝るのが遅くなって」
母親が風邪なのも寝不足なのも本当。
うちは三年前に父親が事故で亡くなって、母親と二歳年上の兄貴と三人で暮らしてる。
兄貴は俺とは違う商店の事務兼作業員として朝早くから夜遅くまで忙しくしている。父親が生きてた頃は兄貴は事務の仕事だけで、俺はパン屋でパン焼いてた。でも稼ぎ頭の父親の急死で兄貴は仕事を増やし、俺はもっと稼ぎのいい今の店に入った。もちろん母親も働いている。
「風邪か。症状は重いのか?」
そう言いながら、ジルは俺の目の下まぶたを親指の腹で撫でる。
「いやいや、全然。もうだいぶ良くなってるから大丈夫」
「そうか。実は今日、午後から時間が取れそうだったから夕食だけでも一緒にどうかと思ったんだが、お母上がご不調なら仕方ない。残念だがまたの機会にしよう」
お母上!?
いや、ジル。俺の母親はそんな大層な呼び方をしてもらえるような人ではないよ?
それにしても、今日誘ってくれるつもりだったんだ。
行きたかったなぁ。
本当に残念に思っているとジルが小さく笑った。
「――フフッ。そんな顔をしないでくれエリー。強引に連れて行きたくなる」
「え? 顔?」
「ああ。置いて行かれる子犬のようだ」
「ええ~」
思わず片手で頬を押さえる。するとジルが軽く触れるだけのキスをしてきた。可愛らしいリップ音を出して。
深い緑色の瞳が俺を覗き込む。そのまま視線をそらさずに俺の手を取ってその指先にもキスを落とす。
ヤバイ。ジルの色気がヤバイ。エロいオーラがすげえ出てる。
もうすでに、足の力が抜けそう。
そのままゆっくりと、お互いの唇が重なる。
最初は小鳥がついばむような、柔らかさを確かめるだけのようなキスを角度を変えながら繰り返す。やがてどちらともなく差し出した舌を絡めての深いキスに。ジルの手が俺の後頭部へと移動して軽く力が込められる。
「……んっ、……んぅ……んんっ」
ジルの熱くて太い舌が俺の上顎や舌の裏など、弱いところを重点的に攻めてくる。甘い痺れが背筋を伝って、本当に立っていられなくなりそうだ。これでも仕事中だし離してほしくてジルのたくましい胸をゆるく押す。と、ほんのわずかだけ唇の間に隙間ができた。
「はっ……、ジル、もう……」
「もう?」
「っ……、ダ、ダメ」
「ダメ? 嫌になったか?」
「ちがっ、嫌じゃなくて」
「嫌でないなら、続けても?」
「だ、誰か来るかもしれないし」
ジルはチラリと窓のほうを見た。
訓練場とはいえ軍事に関わる施設だから、窓には外から室内が見えないように特殊なカーテンが使われているそうだ。それにジルが人払いをしてるにしても、絶対に誰かが来ないとも限らない。あまり時間がたちすぎるとレオンが様子を見に来るかもしれない。さっきの話題の後だから、さすがに見られるのはマズイと思う。
「見せつけてやればいい」
「なっ!」
頭だけでなく、ジルは俺の腰にも手を回して引き寄せますます体を密着させた。
そうして今度はむさぼるようなキスをしてくる。
「まっ……て、ジ……んっ、んんっ……」
口内を動き回るジルの舌は力強く、まるで蹂躙されるようだ。
内頬をなぞられて、舌を絡め取られて、吸われて、甘噛みされて、どんどん足腰に力が入らなくなっていく。押し返すはずだった俺の手は、もはや自分が立ち続けるためにジルにしがみつくようになってしまった。
俺とジルの混ざり合った唾液が口の端からじわじわとこぼれていく。
ジルは自分の体液なんかを俺が飲み込むと興奮するみたいで、本当はこぼさないように全部飲みたいけど、舌を愛撫されてるから上手くできない。
顔の角度を変えながら続く口づけに、とうとう俺の足から力が抜けてしまった。
カクンと床に膝をつきそうになったところを、ジルが俺の腰に回していた手で支えてくれる。そのままゆっくりと俺は座り込んだ。
「――大丈夫か?」
すこし含み笑いでジルが言うのを、おれはじとりと睨みつけた。
「ジルのばかっ。……勃ったし」
「それは申し訳ない。最後まで面倒を見よう」
「いいっ! 触るな! ダメだって……あっ!」
信じられない! ジルは下着と一緒にズボンを引き下げて俺の性器だけでなく尻まで完全に露出させてしまった!
「ジルッ。本当に、んあっ、ダ、ダメッ……あ、あっ」
絶妙な力加減で陰茎をしごき、もう片方の手で陰嚢をやわやわと揉む。
これは本当にヤバイ。てか、ジル! ここはあんたの職場じゃないの!? こんなコトして王様に怒られない?
どうにかジルを止められないかと腕を掴むけど、腕力の差は歴然としてどうにもならない。
ふと視線を上げると、そこには瞳をギラつかせたジルの顔があった。まるで大型の肉食獣が獲物を狙うような雰囲気をまとわりつかせて、ニヤリと笑う。
「――あ……、ひゃぅっ」
一気に、俺の陰茎がジルの口内に入っていって、体がビクンと跳ねた。
「んああ! ダメッ……んう、くっ……んんう~」
急な力強い口淫に声を抑えるのが間に合わなくて、とっさに手で口をふさいだ。
飲み込まれるんじゃないかという勢いで吸われ、ぬるぬると舌を絡められ、喉の奥で先端を締め付けられる。
これは、もたない。
「んくう~!」
指が! ジルの太い指が!
いつの間にか唾液で濡らした指が、俺の後孔にぐいいっと入ってきた。
位置的に見えないけど、感覚的に二本は入ってる。
「んんっ! んっ! ――っ! んんぅ」
中に入れた指を曲げて、しこりのような前立腺を一定のリズムでぐりぐり押される。
体の内側からと陰茎への刺激であっという間に昇りつめていく。
「んっ! ふっ! いっ、いっちゃ、う……っ!!」
ビクビクと太ももを震わせて俺は吐精した。ジルは音を立ててそれを飲み込む。
ゆっくりと、ジルが体を起こす。
あの肉食獣のような表情のまま、俺をじっと見ながらペロリと自分の唇を舐めた。
「……あ……」
腰から全身へ、ゾクリと震えが走った。
目の前にジルがいる。
あの後レオンと話しながら(ろくすっぽ聞いちゃいないが)内心うろたえてる間に、王城に着いてしまった。
使用人や出入りする業者専用の門を入るとすぐに倉庫のような大きな建物があり、騎士団に届ける以外の荷物はここで降ろす。
騎士団の荷物はこのまま幌馬車で進んで行き、王城敷地内の北側にある訓練業まで運ぶ。
本来なら民間の業者がそんな奥まで入ってはいけないのだが、荷物の重さが半端ないので特別に許されている。
白兵戦だけでなく、乗馬しての訓練や隊列を組む練習もここでやるから訓練所はかなり広い。
俺たちはそこに併設されている建物群の近くに馬車を停めた。ここは執務室なんかが入っていて、さらに奥に行くと倉庫や訓練兵達の宿舎が並んでいる。
さすがにそっちは立ち入ったことはない。
レオンが騎士団専属の従者と納品の確認をしているのを横目に、俺は建物内の執務室へ行く。
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体だけでなく、俺の容姿もジルの好みに合うらしい。
俺は身長はそこそこあるけど、あまり筋肉がつかない体質だからちょっとヒョロッとしてる。髪は薄茶色で、光の加減で金髪に見えるとジルが言ってた。瞳の色だけは少し珍しくて、淡いピンク色。肌も白いし、全体的に色素が薄い感じかな。
ジルから好きだとは言われないけど、可愛いとはよく言われる。
「どうしたエリー。ぼんやりして」
「――っ」
ジルの大きくてゴツゴツした手が俺の左頬にそっと触れてくる。そして指先が耳の裏を軽くこする。
その小さな刺激にゾクリとして、肩が小さく跳ねた。
そして鼻孔をくすぐるジルの匂い。
ジルは少し甘めの香りがする香水を使っていて、それとジルの汗や体臭と混ざると、なんとも言えない頭の芯が溶けるような匂いになる。俺はこっそりと肺一杯に空気を吸い込んで、ジルの香りを堪能する。
「あ、いや、なんでもない。ちょっと寝不足なだけだから」
ジルは二人きりだと俺のことをエリーと呼ぶ。
そう。執務室には俺とジルの二人だけ。
たぶんジルが人払いしてるんだろう。だいたいいつも、二人きりだから。
「寝不足?」
「うん。母親が二・三日前から風邪で寝込んでて。家のこと帰ってからやるから、どうしても寝るのが遅くなって」
母親が風邪なのも寝不足なのも本当。
うちは三年前に父親が事故で亡くなって、母親と二歳年上の兄貴と三人で暮らしてる。
兄貴は俺とは違う商店の事務兼作業員として朝早くから夜遅くまで忙しくしている。父親が生きてた頃は兄貴は事務の仕事だけで、俺はパン屋でパン焼いてた。でも稼ぎ頭の父親の急死で兄貴は仕事を増やし、俺はもっと稼ぎのいい今の店に入った。もちろん母親も働いている。
「風邪か。症状は重いのか?」
そう言いながら、ジルは俺の目の下まぶたを親指の腹で撫でる。
「いやいや、全然。もうだいぶ良くなってるから大丈夫」
「そうか。実は今日、午後から時間が取れそうだったから夕食だけでも一緒にどうかと思ったんだが、お母上がご不調なら仕方ない。残念だがまたの機会にしよう」
お母上!?
いや、ジル。俺の母親はそんな大層な呼び方をしてもらえるような人ではないよ?
それにしても、今日誘ってくれるつもりだったんだ。
行きたかったなぁ。
本当に残念に思っているとジルが小さく笑った。
「――フフッ。そんな顔をしないでくれエリー。強引に連れて行きたくなる」
「え? 顔?」
「ああ。置いて行かれる子犬のようだ」
「ええ~」
思わず片手で頬を押さえる。するとジルが軽く触れるだけのキスをしてきた。可愛らしいリップ音を出して。
深い緑色の瞳が俺を覗き込む。そのまま視線をそらさずに俺の手を取ってその指先にもキスを落とす。
ヤバイ。ジルの色気がヤバイ。エロいオーラがすげえ出てる。
もうすでに、足の力が抜けそう。
そのままゆっくりと、お互いの唇が重なる。
最初は小鳥がついばむような、柔らかさを確かめるだけのようなキスを角度を変えながら繰り返す。やがてどちらともなく差し出した舌を絡めての深いキスに。ジルの手が俺の後頭部へと移動して軽く力が込められる。
「……んっ、……んぅ……んんっ」
ジルの熱くて太い舌が俺の上顎や舌の裏など、弱いところを重点的に攻めてくる。甘い痺れが背筋を伝って、本当に立っていられなくなりそうだ。これでも仕事中だし離してほしくてジルのたくましい胸をゆるく押す。と、ほんのわずかだけ唇の間に隙間ができた。
「はっ……、ジル、もう……」
「もう?」
「っ……、ダ、ダメ」
「ダメ? 嫌になったか?」
「ちがっ、嫌じゃなくて」
「嫌でないなら、続けても?」
「だ、誰か来るかもしれないし」
ジルはチラリと窓のほうを見た。
訓練場とはいえ軍事に関わる施設だから、窓には外から室内が見えないように特殊なカーテンが使われているそうだ。それにジルが人払いをしてるにしても、絶対に誰かが来ないとも限らない。あまり時間がたちすぎるとレオンが様子を見に来るかもしれない。さっきの話題の後だから、さすがに見られるのはマズイと思う。
「見せつけてやればいい」
「なっ!」
頭だけでなく、ジルは俺の腰にも手を回して引き寄せますます体を密着させた。
そうして今度はむさぼるようなキスをしてくる。
「まっ……て、ジ……んっ、んんっ……」
口内を動き回るジルの舌は力強く、まるで蹂躙されるようだ。
内頬をなぞられて、舌を絡め取られて、吸われて、甘噛みされて、どんどん足腰に力が入らなくなっていく。押し返すはずだった俺の手は、もはや自分が立ち続けるためにジルにしがみつくようになってしまった。
俺とジルの混ざり合った唾液が口の端からじわじわとこぼれていく。
ジルは自分の体液なんかを俺が飲み込むと興奮するみたいで、本当はこぼさないように全部飲みたいけど、舌を愛撫されてるから上手くできない。
顔の角度を変えながら続く口づけに、とうとう俺の足から力が抜けてしまった。
カクンと床に膝をつきそうになったところを、ジルが俺の腰に回していた手で支えてくれる。そのままゆっくりと俺は座り込んだ。
「――大丈夫か?」
すこし含み笑いでジルが言うのを、おれはじとりと睨みつけた。
「ジルのばかっ。……勃ったし」
「それは申し訳ない。最後まで面倒を見よう」
「いいっ! 触るな! ダメだって……あっ!」
信じられない! ジルは下着と一緒にズボンを引き下げて俺の性器だけでなく尻まで完全に露出させてしまった!
「ジルッ。本当に、んあっ、ダ、ダメッ……あ、あっ」
絶妙な力加減で陰茎をしごき、もう片方の手で陰嚢をやわやわと揉む。
これは本当にヤバイ。てか、ジル! ここはあんたの職場じゃないの!? こんなコトして王様に怒られない?
どうにかジルを止められないかと腕を掴むけど、腕力の差は歴然としてどうにもならない。
ふと視線を上げると、そこには瞳をギラつかせたジルの顔があった。まるで大型の肉食獣が獲物を狙うような雰囲気をまとわりつかせて、ニヤリと笑う。
「――あ……、ひゃぅっ」
一気に、俺の陰茎がジルの口内に入っていって、体がビクンと跳ねた。
「んああ! ダメッ……んう、くっ……んんう~」
急な力強い口淫に声を抑えるのが間に合わなくて、とっさに手で口をふさいだ。
飲み込まれるんじゃないかという勢いで吸われ、ぬるぬると舌を絡められ、喉の奥で先端を締め付けられる。
これは、もたない。
「んくう~!」
指が! ジルの太い指が!
いつの間にか唾液で濡らした指が、俺の後孔にぐいいっと入ってきた。
位置的に見えないけど、感覚的に二本は入ってる。
「んんっ! んっ! ――っ! んんぅ」
中に入れた指を曲げて、しこりのような前立腺を一定のリズムでぐりぐり押される。
体の内側からと陰茎への刺激であっという間に昇りつめていく。
「んっ! ふっ! いっ、いっちゃ、う……っ!!」
ビクビクと太ももを震わせて俺は吐精した。ジルは音を立ててそれを飲み込む。
ゆっくりと、ジルが体を起こす。
あの肉食獣のような表情のまま、俺をじっと見ながらペロリと自分の唇を舐めた。
「……あ……」
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