【二日に一度更新】とある学校の珍事件簿〜奇人:常人=3:1〜

華凛

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ラブレター回収(珍)戦線

見誤る副会長、惨状を作り上げる

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朱雀は、広い校庭でキョロキョロと周りを見渡す。
その振る舞いたるや、新兎よりよっぽど自然である。

「生徒会室があそこだから……あ、たくさん落ちてる」

彼女は左手で庇を作り、二階にある臨時生徒会室を見る。
そこから徐々に視線を下ろした場所に、大量の紙束が落ちていた。

「う~ん、ざっと数えて百枚くらいかな?」

朱雀はゆっくりと歩み寄り、「いち、にい、さん、し……」とのんきに枚数を数えだした。

五分ほど経ったころ、朱雀は首を傾げて回収したラブレターをトントンと整える。

「うーん、だいたい百枚くらいだね」

しっかり数えられたはずの紙束は、「だいたい百枚」と括られる。
そのとき、校内放送が響く。

『我が校で飼っているウサギのぴょんちゃんが、ウサギ小屋から脱走しました。見つけ次第、保護するように』

「んー? ぴょんちゃん逃げちゃったんだぁ」

放送は続く。

『目撃者の情報によると、校庭へ走るところを目撃したそうです』

朱雀は校内放送をのんきに聞き、「ぴょんちゃん早く見つけなきゃ」とラブレターを置いて、、、、、、、、、立ち上がる。

優先順位を見誤った彼女はラブレターからどんどん離れ、校庭の隅へと走って行く。

バサッ

「……あれぇ?」

紙束が散らばるような音がし、朱雀が顔だけを背後へ回すと──

学校で飼っているウサギ──ことぴょんちゃんがラブレターをくわえていた。

「あ、ぴょんちゃんここにいたんだね♡」

ぴょんちゃんは可愛らしく首を傾げ、ラブレターをくわえたまま走り出す。

「ぴょんちゃん?」

茶髪のツインテールを翻し、ぴょんちゃんを振り返る。
ぴょんちゃんはラブレターを四、五枚くわえたまま朱雀を背に駆け出す。

「あらぁ……」

追いかけも動揺もせず、口に手を当ててぴょんちゃんを見送る朱雀。
そこに、強風が吹く。
スカートをふわりと揺らし、朱雀の背後から吹いた強風はラブレターを巻き上げる。

「……」

朱雀は無言で首だけを動かしてそれを静かに見つめる。
散乱した百枚あまりのラブレターはぴょんちゃんの足により蹴散らされていく。
ようやく朱雀は口を開き、悪気がまったく感じられない声で呟いた。

「あー、これまずいやつかなぁ」

ウサギのぴょんちゃんがラブレターを持っていき、強風でせっかくまとめたラブレターは巻き上げられ、あげくはぴょんちゃんに蹴散らされる。

そこには生徒会庶務が悲鳴を上げそうな惨状が広がっていた。
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