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白熱! 球技(珍)大会
球技大会・女子バレーボール
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球技大会。
青い空、照る太陽。
校庭に並ぶ全校生徒は、朝礼台を向いている。
「みなさん、おはようございます。ついに球技大会ですね。今日は本当に天気もよく──」
◇
球技大会までの一週間は、朱雀の言う通り球技大会の練習になった。
運動が苦手な新兎は渋々ながらも参加し、クラスの足を引っ張らないレベルには引き上げられたと思う。
球技大会に伴い、生徒会も忙しくなった。
チラシの作成と配布、ルールの詳細決定、備品の用意、トーナメント表の作成など。
生徒会庶務である新兎はもちろん忙しかったが、生徒会長の仕事も多かった。
それなので白虎の瞼は日に日に下がっていき、球技大会の前日には今にも寝そうな顔をしていた。
球技大会には寝ているのではないかと思ったが、今日はクラスの先頭でキリッとした──といってもいつもの眠そうだが──顔で、姿勢をピンと伸ばしていた。
朱雀はというと、列の真ん中あたりでニコニコと微笑んでいる。
直接見たわけではないが、彼女は運動神経が良く、去年一年生だった彼女のクラスはぶっちぎり一位だったという。
しづきはチラチラと白虎と朱雀のいる方向を見ては真顔に戻り、校長の話を聞いている。
きっと二人の見慣れない体育着姿を目に焼き付けたいのだろう。
それにしても、しづきは体型がスラリとしていて同学年の生徒と比べると背が高い。羨ましい限りである。
恋の姿は見つからない。
新兎より後ろにいるのかもしれないが、振り返っても見当たらない。
一方新兎はというと、小刻みにピョンピョンと跳んでいる。
なぜなら、前にいる生徒の頭で何も見えないからである。
162センチと、高校一年生の平均身長に8センチほど後れを取る彼には日常茶飯事であった。
いまだに「まだ成長期だから!」と言い張っている。
「最初は女子のバレーボールです。競技に参加する生徒はグラウンド中央へ移動してください」
新兎がやきもきしている間に校長の長い話は終わったらしく、女子がぞろぞろと移動し始めた。
その集団の中には朱雀としづきがいて、朱雀は楽しそうに、しづきはソワソワした面持ちで移動していた。
「最初は一年A組女子と一年B組女子の試合です」
しづきと新兎と恋のクラスだ。
自分たちのクラスを応援する用のスペースに男子たちは移動し、観戦の準備をし始めた。
そのとき、新兎は背後に駆け寄ってくる人物がいることに気付いた。
「あ、さ、ひ、な、くんっ」
ピョンと肩に飛び乗ってきたのは、恋だ。
「わっ」とバランスを崩し、その場に座り込む。
「恋くん?」
「おはようございます。今日は球技大会ですね」
新兎が立ち上がろうとすると、恋が手を差し伸べてきた。
恋の手を取りながら、ふと気になったことを聞く。
「恋くん、今朝いた?」
言いながら思い出したが、恋は朝のホームルームの際にもいなかったような気がする。
「ん? ああ、今日は遅刻したというか」
「そっか、何事もなかったなら良かったよ」
「あれ、先輩僕のこと心配してくれちゃってます? 僕のこと好きなんですか?」
「いや、同級生として」
ずいと詰め寄ってくる恋を押しのけていると、甲高い笛の音が聞こえた。
「一回戦目、開始!」
青い空、照る太陽。
校庭に並ぶ全校生徒は、朝礼台を向いている。
「みなさん、おはようございます。ついに球技大会ですね。今日は本当に天気もよく──」
◇
球技大会までの一週間は、朱雀の言う通り球技大会の練習になった。
運動が苦手な新兎は渋々ながらも参加し、クラスの足を引っ張らないレベルには引き上げられたと思う。
球技大会に伴い、生徒会も忙しくなった。
チラシの作成と配布、ルールの詳細決定、備品の用意、トーナメント表の作成など。
生徒会庶務である新兎はもちろん忙しかったが、生徒会長の仕事も多かった。
それなので白虎の瞼は日に日に下がっていき、球技大会の前日には今にも寝そうな顔をしていた。
球技大会には寝ているのではないかと思ったが、今日はクラスの先頭でキリッとした──といってもいつもの眠そうだが──顔で、姿勢をピンと伸ばしていた。
朱雀はというと、列の真ん中あたりでニコニコと微笑んでいる。
直接見たわけではないが、彼女は運動神経が良く、去年一年生だった彼女のクラスはぶっちぎり一位だったという。
しづきはチラチラと白虎と朱雀のいる方向を見ては真顔に戻り、校長の話を聞いている。
きっと二人の見慣れない体育着姿を目に焼き付けたいのだろう。
それにしても、しづきは体型がスラリとしていて同学年の生徒と比べると背が高い。羨ましい限りである。
恋の姿は見つからない。
新兎より後ろにいるのかもしれないが、振り返っても見当たらない。
一方新兎はというと、小刻みにピョンピョンと跳んでいる。
なぜなら、前にいる生徒の頭で何も見えないからである。
162センチと、高校一年生の平均身長に8センチほど後れを取る彼には日常茶飯事であった。
いまだに「まだ成長期だから!」と言い張っている。
「最初は女子のバレーボールです。競技に参加する生徒はグラウンド中央へ移動してください」
新兎がやきもきしている間に校長の長い話は終わったらしく、女子がぞろぞろと移動し始めた。
その集団の中には朱雀としづきがいて、朱雀は楽しそうに、しづきはソワソワした面持ちで移動していた。
「最初は一年A組女子と一年B組女子の試合です」
しづきと新兎と恋のクラスだ。
自分たちのクラスを応援する用のスペースに男子たちは移動し、観戦の準備をし始めた。
そのとき、新兎は背後に駆け寄ってくる人物がいることに気付いた。
「あ、さ、ひ、な、くんっ」
ピョンと肩に飛び乗ってきたのは、恋だ。
「わっ」とバランスを崩し、その場に座り込む。
「恋くん?」
「おはようございます。今日は球技大会ですね」
新兎が立ち上がろうとすると、恋が手を差し伸べてきた。
恋の手を取りながら、ふと気になったことを聞く。
「恋くん、今朝いた?」
言いながら思い出したが、恋は朝のホームルームの際にもいなかったような気がする。
「ん? ああ、今日は遅刻したというか」
「そっか、何事もなかったなら良かったよ」
「あれ、先輩僕のこと心配してくれちゃってます? 僕のこと好きなんですか?」
「いや、同級生として」
ずいと詰め寄ってくる恋を押しのけていると、甲高い笛の音が聞こえた。
「一回戦目、開始!」
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