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6 裁縫
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翌朝、端切れを袋から取り出し、子供達の手や腕に厚く巻いて行く。
厚さが一センチ近くになるまで巻けば、剣道の篭手の様な多少安心感があるものが出来上がる。
手の平側は少し薄くしてあるので、薪を持つのにも支障は無い。
全員の手と腕に巻き終わっても半分以上端切れが残っていたので、僕とハルさんの足と脛にも端切れを巻いておいた。
今僕らは服と一緒に支給された竹細工の靴を履いているが、少々大きいうえに凄く脆そうなので、脱げて齧られた場合を考えると不安を感じていた。
厚さ五ミリ程の靴下替りに端切れを巻いてみたのだが、靴が足にフィットしてだいぶ歩き易くなる。
この日は十五往復して五十匹の鼠を狩った。
僕らは端切れの効果で走り易く、鼠の歯も皮膚まで届かなかった。
リンと明美とユウと孝太が鼠に手を噛まれたが、端切れのおかげで怪我は負わなかった。
魔石持ちが一匹混じっており、全部を七シルバーで買い上げて貰った。
外はすっかり陽が暮れており、公衆浴場は星と月明かりの中の世界だった。
ロマンチックに聞こえるが、目の悪い僕とハルさんにとっては地獄の様な世界だ。
足元が全然見えないし、川原に転がっている大きな石はすべて危険なトラップに変る。
河原で転んだら、絶対に大怪我をする。
残った蝋燭を持ち込んで、足元を照らしながら足元を舐める様に、慎重に歩いた。
川に辿り着ければ一安心、転んでの大怪我の心配は無くなる。
今日もユウはハルさんに殴られ、明美は僕の上で寛いでいる。
「明美、重いぞ」
今日は古着屋で古靴を買った。
僕とハルさんの竹細工の靴がついに壊れてしまったのだ。
昨日、今日と下水の中を何度も走ったので、靴が耐えられなかったらしい。
中古の革のサンダルを、一足五十カッパで買い求めた。
子供用の木靴の中古品が並んでおり、一足五十カッパの値が付いていた。
明美とユウにサイズの合う物を捜させ、購入した。
リコとメイとリンが店の片隅に埋もれて埃を被っていた木箱に入った裁縫セット捜し当てた。
四シルバーの値が付いていたが、店主と交渉したら、簡単に小さな端切れ入りの袋付きで一シルバーまでまけてくれた。
店主は置いて有った事すら忘れていたらしい。
今日は道具屋で蝋燭を三つ買って帰る。
一つは、女性達からの要望だった。
教会に帰って救済粥を何とか食った後、蝋燭を灯して礼拝堂のベンチに座り、女性達が裁縫を始めた。
端切れの材質を丹念に調べていると思ったら、出来上がった物はパンツだった。
トランクス型のパンツは嫌だったらしい。
ハルさんは、更にブラジャーまで手作りしている。
明美も危ない手付きで針を使っていたので、手伝おうと言ったら拒否された。
「兄ちゃんって、こういう時のデリカシーが無いんだよなー」
「うん、同感」
「私達だってなんか恥ずかしいのに」
「パンツ見ないで下さい」
「あっ、ごめん」
怒られてしまった。
寝る前に履き替えたらしく、明美とリコとメイとリンはズボンも履かないで走り回っている。
「兄ちゃん、僕の履いていたパンツをあげようか」
「おまえのじゃ小さいだろ、ハルさんのを貰うから良いよ」
「えっ!タケさん・・・」
「あっ、ごめん」
今日も明美は僕の毛布の中に入って来て、僕を敷布団替りにしている。
リコとメイとリンも僕にぴったりと抱き付いて静かな寝息をたてている。
四人の寝息を聞きながら、僕も意識を手放す。
夜中、手が柔らかくて丸い物を掴んだ感触に目が覚めた。
寝惚け眼で確認すると、僕に抱き付いて寝ている明美の尻だった。
こいつは昔から寝ながらパジャマのズボンを脱ぐ癖がある。
膝のあたりまでずり下がっているズボンをたくし上げてやり、僕も再度寝直した。
今日の収入は銀貨七枚、七シルバー。
支出は救済粥と泊まり賃と公衆浴場代が昨日と同じで四十五カッパ。
これに加えて蝋燭が三十カッパ、靴四足で二シルバー、裁縫セットが一シルバー。
昨日までの残金 四シルバーと十三カッパ
今日の残金 三シルバーと二十五カッパ
合計の残金 七シルバーと三十八カッパ
順調に少しずつ増えている。
ーーーーー
四日目、明美とユウに木靴を買ったのは大正解だった。
足元を逃げ回る鼠を薪で叩くのに子供達は苦労していたのだが、サッカー少年とサッカー少女にとって足元を逃げ回る鼠を蹴り飛ばすのは得意分野だった。
竹靴だと一発で壊れそうで出来なかったようなのだが、木靴なら遠慮なく壁へ鼠を蹴り飛ばしている。
壁に叩き付けられて気絶している鼠に他の子供達が走り寄り、薪で止めを刺している。
何回か数をこなすうちに、明美が壁に叩き付けた鼠はリコとメイとリンが、ユウが叩き付けた鼠は孝太と隆文が止めを刺すパターンが確立した。
僕とハルさんも革のサンダルのおかげで少し動きが良くなる。
きちんと鼠を狩る様になってまだ二日目だが、鼠が襲って来そうな場所、水中の見えない障害物、滑る場所の歩き方などが少しづつ解るようになった。
この日は二本目の蝋燭が消える前に二十往復して、七十三匹の鼠を狩ることができた。
この日は残念ながら魔石持ちは混じっていなかった。
食事にタンパク質が不足している様な気がしたので、三匹を救済粥の食材としてメアリーさんに進呈し、七十匹をプクさんに買い取って貰った。
今日も外は真っ暗になっていた。
転ばない様に気を付けて、川原で身体と服を洗う。
僕とハルさんは、脛や足に巻いていた端切れも一緒に洗う。
端切れを岩に干していたら、昨日まで無かった三角形の小さな布切れが点々と並んでいる。
何か因縁を付けられ、怒られそうな気がしたので、慌てて目を逸らせた。
川から上がって着替え終わったら、ハルさんから四角く折り畳んだ布切れを渡された。
開いて確認しそうになったが、危うく踏みとどまった。
たぶん昨日まで履いていたトランクス型のパンツだろう。
パンツの予備ができるのは凄くうれしい。
「ありがとう」
「ちゃんと洗ったから」
なんか恥ずかしそうにしている。
「あいよ」
「あんがと」
明美はユウにパタパタとパンツを振りながら渡している。
「あんた達感謝しなさいよね」
「うん、ありがとう」
リコとメイとリンは物凄く偉そうで、孝太と隆文はありがたそうに受け取っている。
この日は古着屋で僕とハルさんのズボンを買った。
僕達は日中ほとんど下水に浸かった状態なので、眠る時くらいは別のズボンを履き替えたかったのだ。
一本五十カッパで合計一シルバー。
リコ、メイ、リン、孝太、隆文の竹細工の靴もそろそろ危なかったので、中古の木の靴を買い揃えた。
蝋燭も三本買い、カランコロンと賑やかに石畳の道を歩いて帰った。
夕食、肉片が少し入っただけなのに、救済粥がとても美味しく感じた。
食べ物にちゃんと味が有るということは、有り難い事だ。
近所から粥を食べに来る人達も、夢中で粥を掻き込んでいる。
鼠の肉であることは全然気にならなかった。
明美はともかく、リコ達が嫌がらないか気になっていたのだが、開き直って美味しそうに食べている。
食後蝋燭を灯して、木靴で足が擦れない様に端切れで靴下を作った。
昨日までの残金 七シルバーと三十八カッパ
今日の残金 四シルバーと十五カッパ
合計の残金 十一シルバーと五十三カッパ
厚さが一センチ近くになるまで巻けば、剣道の篭手の様な多少安心感があるものが出来上がる。
手の平側は少し薄くしてあるので、薪を持つのにも支障は無い。
全員の手と腕に巻き終わっても半分以上端切れが残っていたので、僕とハルさんの足と脛にも端切れを巻いておいた。
今僕らは服と一緒に支給された竹細工の靴を履いているが、少々大きいうえに凄く脆そうなので、脱げて齧られた場合を考えると不安を感じていた。
厚さ五ミリ程の靴下替りに端切れを巻いてみたのだが、靴が足にフィットしてだいぶ歩き易くなる。
この日は十五往復して五十匹の鼠を狩った。
僕らは端切れの効果で走り易く、鼠の歯も皮膚まで届かなかった。
リンと明美とユウと孝太が鼠に手を噛まれたが、端切れのおかげで怪我は負わなかった。
魔石持ちが一匹混じっており、全部を七シルバーで買い上げて貰った。
外はすっかり陽が暮れており、公衆浴場は星と月明かりの中の世界だった。
ロマンチックに聞こえるが、目の悪い僕とハルさんにとっては地獄の様な世界だ。
足元が全然見えないし、川原に転がっている大きな石はすべて危険なトラップに変る。
河原で転んだら、絶対に大怪我をする。
残った蝋燭を持ち込んで、足元を照らしながら足元を舐める様に、慎重に歩いた。
川に辿り着ければ一安心、転んでの大怪我の心配は無くなる。
今日もユウはハルさんに殴られ、明美は僕の上で寛いでいる。
「明美、重いぞ」
今日は古着屋で古靴を買った。
僕とハルさんの竹細工の靴がついに壊れてしまったのだ。
昨日、今日と下水の中を何度も走ったので、靴が耐えられなかったらしい。
中古の革のサンダルを、一足五十カッパで買い求めた。
子供用の木靴の中古品が並んでおり、一足五十カッパの値が付いていた。
明美とユウにサイズの合う物を捜させ、購入した。
リコとメイとリンが店の片隅に埋もれて埃を被っていた木箱に入った裁縫セット捜し当てた。
四シルバーの値が付いていたが、店主と交渉したら、簡単に小さな端切れ入りの袋付きで一シルバーまでまけてくれた。
店主は置いて有った事すら忘れていたらしい。
今日は道具屋で蝋燭を三つ買って帰る。
一つは、女性達からの要望だった。
教会に帰って救済粥を何とか食った後、蝋燭を灯して礼拝堂のベンチに座り、女性達が裁縫を始めた。
端切れの材質を丹念に調べていると思ったら、出来上がった物はパンツだった。
トランクス型のパンツは嫌だったらしい。
ハルさんは、更にブラジャーまで手作りしている。
明美も危ない手付きで針を使っていたので、手伝おうと言ったら拒否された。
「兄ちゃんって、こういう時のデリカシーが無いんだよなー」
「うん、同感」
「私達だってなんか恥ずかしいのに」
「パンツ見ないで下さい」
「あっ、ごめん」
怒られてしまった。
寝る前に履き替えたらしく、明美とリコとメイとリンはズボンも履かないで走り回っている。
「兄ちゃん、僕の履いていたパンツをあげようか」
「おまえのじゃ小さいだろ、ハルさんのを貰うから良いよ」
「えっ!タケさん・・・」
「あっ、ごめん」
今日も明美は僕の毛布の中に入って来て、僕を敷布団替りにしている。
リコとメイとリンも僕にぴったりと抱き付いて静かな寝息をたてている。
四人の寝息を聞きながら、僕も意識を手放す。
夜中、手が柔らかくて丸い物を掴んだ感触に目が覚めた。
寝惚け眼で確認すると、僕に抱き付いて寝ている明美の尻だった。
こいつは昔から寝ながらパジャマのズボンを脱ぐ癖がある。
膝のあたりまでずり下がっているズボンをたくし上げてやり、僕も再度寝直した。
今日の収入は銀貨七枚、七シルバー。
支出は救済粥と泊まり賃と公衆浴場代が昨日と同じで四十五カッパ。
これに加えて蝋燭が三十カッパ、靴四足で二シルバー、裁縫セットが一シルバー。
昨日までの残金 四シルバーと十三カッパ
今日の残金 三シルバーと二十五カッパ
合計の残金 七シルバーと三十八カッパ
順調に少しずつ増えている。
ーーーーー
四日目、明美とユウに木靴を買ったのは大正解だった。
足元を逃げ回る鼠を薪で叩くのに子供達は苦労していたのだが、サッカー少年とサッカー少女にとって足元を逃げ回る鼠を蹴り飛ばすのは得意分野だった。
竹靴だと一発で壊れそうで出来なかったようなのだが、木靴なら遠慮なく壁へ鼠を蹴り飛ばしている。
壁に叩き付けられて気絶している鼠に他の子供達が走り寄り、薪で止めを刺している。
何回か数をこなすうちに、明美が壁に叩き付けた鼠はリコとメイとリンが、ユウが叩き付けた鼠は孝太と隆文が止めを刺すパターンが確立した。
僕とハルさんも革のサンダルのおかげで少し動きが良くなる。
きちんと鼠を狩る様になってまだ二日目だが、鼠が襲って来そうな場所、水中の見えない障害物、滑る場所の歩き方などが少しづつ解るようになった。
この日は二本目の蝋燭が消える前に二十往復して、七十三匹の鼠を狩ることができた。
この日は残念ながら魔石持ちは混じっていなかった。
食事にタンパク質が不足している様な気がしたので、三匹を救済粥の食材としてメアリーさんに進呈し、七十匹をプクさんに買い取って貰った。
今日も外は真っ暗になっていた。
転ばない様に気を付けて、川原で身体と服を洗う。
僕とハルさんは、脛や足に巻いていた端切れも一緒に洗う。
端切れを岩に干していたら、昨日まで無かった三角形の小さな布切れが点々と並んでいる。
何か因縁を付けられ、怒られそうな気がしたので、慌てて目を逸らせた。
川から上がって着替え終わったら、ハルさんから四角く折り畳んだ布切れを渡された。
開いて確認しそうになったが、危うく踏みとどまった。
たぶん昨日まで履いていたトランクス型のパンツだろう。
パンツの予備ができるのは凄くうれしい。
「ありがとう」
「ちゃんと洗ったから」
なんか恥ずかしそうにしている。
「あいよ」
「あんがと」
明美はユウにパタパタとパンツを振りながら渡している。
「あんた達感謝しなさいよね」
「うん、ありがとう」
リコとメイとリンは物凄く偉そうで、孝太と隆文はありがたそうに受け取っている。
この日は古着屋で僕とハルさんのズボンを買った。
僕達は日中ほとんど下水に浸かった状態なので、眠る時くらいは別のズボンを履き替えたかったのだ。
一本五十カッパで合計一シルバー。
リコ、メイ、リン、孝太、隆文の竹細工の靴もそろそろ危なかったので、中古の木の靴を買い揃えた。
蝋燭も三本買い、カランコロンと賑やかに石畳の道を歩いて帰った。
夕食、肉片が少し入っただけなのに、救済粥がとても美味しく感じた。
食べ物にちゃんと味が有るということは、有り難い事だ。
近所から粥を食べに来る人達も、夢中で粥を掻き込んでいる。
鼠の肉であることは全然気にならなかった。
明美はともかく、リコ達が嫌がらないか気になっていたのだが、開き直って美味しそうに食べている。
食後蝋燭を灯して、木靴で足が擦れない様に端切れで靴下を作った。
昨日までの残金 七シルバーと三十八カッパ
今日の残金 四シルバーと十五カッパ
合計の残金 十一シルバーと五十三カッパ
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