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19 雪精霊の祭り2
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教会の礼拝堂で、メアリーさん達が、一晩中、ピーヒャラ、ドンドンと近所迷惑な大音響を響かせていたので、僕達男性陣は、早々に船へ避難して寝た。
次の朝、静かになった礼拝堂を覗いてみたら、神話の世界を彷彿させるような、祭壇の前で力尽きて倒れている天使達の姿があった。
明美、リコ、メイ、リンの天使姿は、可憐でなんか可愛らしい。
ハルさんは、天使としては少々胸が立派過ぎるのが難点だったが、それでもまだまだ背中の羽が可愛らしいと思える範疇には十分入っている。
でも賞味期限切れの天使が約一名、うん、これは見なかったことにしよう。
風邪をひくと可愛そうなので、船から毛布を運んで来た。
全員に毛布を掛け終わり、礼拝堂から出ようとしたら、賞味期限切れの天使がゾンビのように足を掴んできた。
「タケミチ、あんた何か失礼な事考えているでしょ!」
「いえいえ、そんなこと有りませんよ、メアリーさん」
「それじゃ、何で目を背けるのよ。・・・まあいいわ、タケミチ、あんたにやって貰いたいことがあるの」
教会の屋根裏の天窓から屋根に登り、屋根の上の慈悲の女神像を取り外し、縄で縛って背中に背負う。
女神像は明美くらいの大きさなのだが、明美の体重の倍、七十キロは十分に有りそうだった。
雪国特有の急勾配の屋根を、僕は命綱も無しに命懸けで必死に降りる。
「男手が有ると助かるわ。私だと落ちて死んじゃうといけないからさー」
落ちたら死ぬのは、男も女も変わらないと思う。
ユウと孝太と隆文を叩き起こし、屋根から降ろした女神様を全員で磨く。
てっきり灰色の石像かと思っていたのだが、表面が鳥の糞で覆われていただけで、下から紫色の水晶の地が出てきた。
どんだけ放置すると、こうなるんだろうか。
見違える様に綺麗になった女神像を背負って船首に据える。
埃の積もった教会の倉庫から、埃の積もった木箱をメアリーさんが引っ張り出して来た。
「これが祭舟の飾りよ。八十年前のだけど、全然大丈夫ね」
船体の回りに白布を垂らし、カラフルな花飾りで船を飾り付ける。
船首に金色の曳き綱を結び、帆を慈悲の女神が描かれた帆に張り替える。
帆に描かれている慈悲の女神様は子供だった。
胸が寂しいというより、まだ発育前のロリ神様だったらしい。
見た感じ、リコ達と同い年でくらいで、気が強そうな美少女だった。
マストの天辺から、船首と船尾に縄を張り、盆踊りの提灯の様に造花に包まれた光石をぶら下げる。
何となく船が、祭舟らしく少しおめでたくなって来た。
「さあ、あんた達は昼御飯を食べに行っても良いわよ。私達はこれから舞の練習をするから」
メアリーさんは、腕捲りしてハルさん達を叩き起こしに向かった。
ーーーーー
「貧乏教会の前に祭舟が停まってたらしいぜ」
「ほう、それなら八十年ぶりの季節神の聡揃えか。観光客が増えそうだな」
「八十年前なら、竜殺の勇者が召喚された年か」
「ああ、アプロニア地方の連中が喜びそうだな。今年は竜の被害が大きくて、何でも、アプルンの町は半壊だったそうだぜ」
「でも貧乏教会へ、船貸す奴なんていたのかよ」
昼飯を食いに、落陽門の裏通りにある酒場兼食堂に入ったら、慈悲の救済教会の祭舟の噂がそこかしこで呟かれていた。
「確かそん時は、沈黙の女神の祭船が風の教会に突っ込んで、信徒同士の大乱闘になったんだよな」
「ああ、原因は貧乏神の祭舟の船曳が力尽きて、それを避けようとした沈黙の祭船に貧乏神の飾り付けが絡んで、舵を切りそこねたらしいんだけどな」
「ほう、風といがみ合ってる沈黙の船を、風の教会にぶち込むなんて、さすが厄病神様だな」
「ああ、それ以来、厄病神に船貸す奴なんていなかったんだけどな」
僕は勿論、ユウも孝太も隆文も、耳をダンボにして周りの話を聞いている。
「厄病神が加わる八十年ぶりの聡揃いだから、何となく揉められる理由が出来たって、風も沈黙も気合いが入ってるらしいぜ」
「へー、それじゃ風も沈黙も、周囲の町から信徒を呼び寄せてるって噂本当だったんだ」
「本当だぜ、陸運組合いから、祭りの間は交代で教会に詰めろって指示が昨日回って来たぜ」
「ああ、それで昨日、冒険者ギルドに沈黙の教会から、護衛募集の掲示が出ていたのか」
「へへ、面白くなって来たぜ。風の教会の向かい側が特等席だな」
「おう、俺の分の場所取りもしといてくれ」
飯を食い終わったので、こそこそと食堂から出た。
ハルさん達への差し入れ用に屋台の食い物を物色していたら、店先に木札のお守りをぶら下げて売っていた。
店のおっちゃんに聞いてみたら、竜殺の勇者が描いてある木札だそうで、観光客に結構売れているそうだ。
慈悲の救済教会へ戻ると、船が大勢の野次馬に囲まれており、船の上で天使達が力尽きていた。
最も、賞味期限切れの天使様は、まだ元気一杯だった。
買って来た串焼きやパン、スープやジュース、砂糖菓子などを甲板に並べてやったら、天使達がむくりと起き上がった。
「それじゃ、タケミチ達は私と一緒に来て」
教会の物置に連れていかれ、凄く埃が被った箱の運び出しを手伝わされた。
大きな箱が三つ、小さな箱が一つ。
埃を掃って蓋を開けたら、大きな箱にはコバルトブルーの甲冑、小さな箱には雑巾が入っていた。
「メアリーさん、これはなんですか」
「これは季祭りのパレード用の由緒正しい祭具よ。これを着てパレードに参加して貰うわよ。タケミチ、ユウとコウとタカの着替えを手伝ってあげて頂戴」
甲冑の汚れを雑巾で拭い、三人の着替えを手伝ってやる。
「えー、こんなの恥ずかしいよ。俺はもう餓鬼じゃないぞ」
孝太と隆文は喜んでポーズ決めているが、ユウが文句を言い始めた。
気持ちは判る、立派に尖った肩当てや白いレースのフリルの飾りが、なんとかレンジャーとか、なんとか戦隊風に見える。
孝太と隆文ならともかく、ユウの年齢ならもう卒業だろ。
露出した腹やミニスカートにも見える垂れから覗く太股、それとなく覆い隠す様に垂れ下がっている白いレース、男児用の衣装なのだが、なんとなく色っぽい。
肘まである白い手袋と長い白ブーツを履かせてせれば、もう完璧なコスプレだ。
「ユウ、孝太、隆文似合うぞ」
恥ずかしそうなユウに吹き出しそうになるのを堪えながら、三人を誉めてやった。
「うん、ぴったりね。似合ってるじゃない。タケミチもサイズが合うかどうか早く着替えなさいよ」
「えっ、衣装は三人分でしたよ」
「ちゃんと渡したでしょ。ほらあれ」
メアリーさんが三人の甲冑を拭くのに使った雑巾を指さしている。
「あれがあんたの衣装よ」
広げてみたら、毛皮の腰布だった。
「メアリーさん、これじゃ風邪引きますよ」
「仕方ないでしょ、リーダーは神様に根性が有るところを見せることになっているの」
「俺、根性なんて、これっぽちもありません」
「駄目、却下」
「あははははは、きっとタケミチ良く似合うぞ」
ユウが腹を抱えて大笑いしている。
「ユウはもう大人だし、十分リーダーが勤まるよな」
「いいや、僕はまだ子供だからこれがいい」
認識票がスパークし始めたので、大人しく着替えることにした。
「タケミチ、その衣装は褌じゃなきゃだめよ」
「・・・・・」
いつの間にか復活した明美が様子を見に来ていて、嬉しそうに手伝ってくれた、・・・寒い。
「兄ちゃん似合ってるよ」
鏡を見たら、知らない間に随分筋肉が付いていた。
雪精霊の季祭りは、寒い時期に流行病をもたらす悪霊を祓う季祭りだった。
雪精霊の季節に属する神々の信徒の若者が船を曳き、町中を練り歩いて神楽で物陰に巣くう悪霊を祓って回るのだ。
メアリーさんと一緒に教会組合へ挨拶に行ったら、組合いの事務室の人達は、顔を引き攣らせて走り回っていた。
取り敢えず、会場の裏門へと向かう。
「おう、お前達も参加するのか、成程、今年は荒れそうだから気を付けろよ」
裏門外に船を停めようと、顔見知りの門番さんに挨拶したら心配してくれた。
指定された場所に船を停めたのだが、なんか緊張感が漂っている。
風の女神の祭船も、沈黙の女神の祭船も、僕等の船の十倍くらい有りそうな大きな船なのだが、バウスピリットと呼ばれている船首に取り付けてある棒を槍の様な棒に替え、睨み合って停まっていた。
「そうですか、タケミチさん達は信徒として参加されるのですか。風の信徒の方達も、沈黙の信徒の方達も、船に泊まり込むそうなので、普段通り食堂でお食事されても大丈夫ですよ」
メアリーさんは、僕等と同じ部屋に泊まった。
そして、何故かお風呂も一緒に入って来た。
ユウがセクハラされて逃げ回っていた。
思ったとおり、胸は明美と良い勝負だった。
次の朝、静かになった礼拝堂を覗いてみたら、神話の世界を彷彿させるような、祭壇の前で力尽きて倒れている天使達の姿があった。
明美、リコ、メイ、リンの天使姿は、可憐でなんか可愛らしい。
ハルさんは、天使としては少々胸が立派過ぎるのが難点だったが、それでもまだまだ背中の羽が可愛らしいと思える範疇には十分入っている。
でも賞味期限切れの天使が約一名、うん、これは見なかったことにしよう。
風邪をひくと可愛そうなので、船から毛布を運んで来た。
全員に毛布を掛け終わり、礼拝堂から出ようとしたら、賞味期限切れの天使がゾンビのように足を掴んできた。
「タケミチ、あんた何か失礼な事考えているでしょ!」
「いえいえ、そんなこと有りませんよ、メアリーさん」
「それじゃ、何で目を背けるのよ。・・・まあいいわ、タケミチ、あんたにやって貰いたいことがあるの」
教会の屋根裏の天窓から屋根に登り、屋根の上の慈悲の女神像を取り外し、縄で縛って背中に背負う。
女神像は明美くらいの大きさなのだが、明美の体重の倍、七十キロは十分に有りそうだった。
雪国特有の急勾配の屋根を、僕は命綱も無しに命懸けで必死に降りる。
「男手が有ると助かるわ。私だと落ちて死んじゃうといけないからさー」
落ちたら死ぬのは、男も女も変わらないと思う。
ユウと孝太と隆文を叩き起こし、屋根から降ろした女神様を全員で磨く。
てっきり灰色の石像かと思っていたのだが、表面が鳥の糞で覆われていただけで、下から紫色の水晶の地が出てきた。
どんだけ放置すると、こうなるんだろうか。
見違える様に綺麗になった女神像を背負って船首に据える。
埃の積もった教会の倉庫から、埃の積もった木箱をメアリーさんが引っ張り出して来た。
「これが祭舟の飾りよ。八十年前のだけど、全然大丈夫ね」
船体の回りに白布を垂らし、カラフルな花飾りで船を飾り付ける。
船首に金色の曳き綱を結び、帆を慈悲の女神が描かれた帆に張り替える。
帆に描かれている慈悲の女神様は子供だった。
胸が寂しいというより、まだ発育前のロリ神様だったらしい。
見た感じ、リコ達と同い年でくらいで、気が強そうな美少女だった。
マストの天辺から、船首と船尾に縄を張り、盆踊りの提灯の様に造花に包まれた光石をぶら下げる。
何となく船が、祭舟らしく少しおめでたくなって来た。
「さあ、あんた達は昼御飯を食べに行っても良いわよ。私達はこれから舞の練習をするから」
メアリーさんは、腕捲りしてハルさん達を叩き起こしに向かった。
ーーーーー
「貧乏教会の前に祭舟が停まってたらしいぜ」
「ほう、それなら八十年ぶりの季節神の聡揃えか。観光客が増えそうだな」
「八十年前なら、竜殺の勇者が召喚された年か」
「ああ、アプロニア地方の連中が喜びそうだな。今年は竜の被害が大きくて、何でも、アプルンの町は半壊だったそうだぜ」
「でも貧乏教会へ、船貸す奴なんていたのかよ」
昼飯を食いに、落陽門の裏通りにある酒場兼食堂に入ったら、慈悲の救済教会の祭舟の噂がそこかしこで呟かれていた。
「確かそん時は、沈黙の女神の祭船が風の教会に突っ込んで、信徒同士の大乱闘になったんだよな」
「ああ、原因は貧乏神の祭舟の船曳が力尽きて、それを避けようとした沈黙の祭船に貧乏神の飾り付けが絡んで、舵を切りそこねたらしいんだけどな」
「ほう、風といがみ合ってる沈黙の船を、風の教会にぶち込むなんて、さすが厄病神様だな」
「ああ、それ以来、厄病神に船貸す奴なんていなかったんだけどな」
僕は勿論、ユウも孝太も隆文も、耳をダンボにして周りの話を聞いている。
「厄病神が加わる八十年ぶりの聡揃いだから、何となく揉められる理由が出来たって、風も沈黙も気合いが入ってるらしいぜ」
「へー、それじゃ風も沈黙も、周囲の町から信徒を呼び寄せてるって噂本当だったんだ」
「本当だぜ、陸運組合いから、祭りの間は交代で教会に詰めろって指示が昨日回って来たぜ」
「ああ、それで昨日、冒険者ギルドに沈黙の教会から、護衛募集の掲示が出ていたのか」
「へへ、面白くなって来たぜ。風の教会の向かい側が特等席だな」
「おう、俺の分の場所取りもしといてくれ」
飯を食い終わったので、こそこそと食堂から出た。
ハルさん達への差し入れ用に屋台の食い物を物色していたら、店先に木札のお守りをぶら下げて売っていた。
店のおっちゃんに聞いてみたら、竜殺の勇者が描いてある木札だそうで、観光客に結構売れているそうだ。
慈悲の救済教会へ戻ると、船が大勢の野次馬に囲まれており、船の上で天使達が力尽きていた。
最も、賞味期限切れの天使様は、まだ元気一杯だった。
買って来た串焼きやパン、スープやジュース、砂糖菓子などを甲板に並べてやったら、天使達がむくりと起き上がった。
「それじゃ、タケミチ達は私と一緒に来て」
教会の物置に連れていかれ、凄く埃が被った箱の運び出しを手伝わされた。
大きな箱が三つ、小さな箱が一つ。
埃を掃って蓋を開けたら、大きな箱にはコバルトブルーの甲冑、小さな箱には雑巾が入っていた。
「メアリーさん、これはなんですか」
「これは季祭りのパレード用の由緒正しい祭具よ。これを着てパレードに参加して貰うわよ。タケミチ、ユウとコウとタカの着替えを手伝ってあげて頂戴」
甲冑の汚れを雑巾で拭い、三人の着替えを手伝ってやる。
「えー、こんなの恥ずかしいよ。俺はもう餓鬼じゃないぞ」
孝太と隆文は喜んでポーズ決めているが、ユウが文句を言い始めた。
気持ちは判る、立派に尖った肩当てや白いレースのフリルの飾りが、なんとかレンジャーとか、なんとか戦隊風に見える。
孝太と隆文ならともかく、ユウの年齢ならもう卒業だろ。
露出した腹やミニスカートにも見える垂れから覗く太股、それとなく覆い隠す様に垂れ下がっている白いレース、男児用の衣装なのだが、なんとなく色っぽい。
肘まである白い手袋と長い白ブーツを履かせてせれば、もう完璧なコスプレだ。
「ユウ、孝太、隆文似合うぞ」
恥ずかしそうなユウに吹き出しそうになるのを堪えながら、三人を誉めてやった。
「うん、ぴったりね。似合ってるじゃない。タケミチもサイズが合うかどうか早く着替えなさいよ」
「えっ、衣装は三人分でしたよ」
「ちゃんと渡したでしょ。ほらあれ」
メアリーさんが三人の甲冑を拭くのに使った雑巾を指さしている。
「あれがあんたの衣装よ」
広げてみたら、毛皮の腰布だった。
「メアリーさん、これじゃ風邪引きますよ」
「仕方ないでしょ、リーダーは神様に根性が有るところを見せることになっているの」
「俺、根性なんて、これっぽちもありません」
「駄目、却下」
「あははははは、きっとタケミチ良く似合うぞ」
ユウが腹を抱えて大笑いしている。
「ユウはもう大人だし、十分リーダーが勤まるよな」
「いいや、僕はまだ子供だからこれがいい」
認識票がスパークし始めたので、大人しく着替えることにした。
「タケミチ、その衣装は褌じゃなきゃだめよ」
「・・・・・」
いつの間にか復活した明美が様子を見に来ていて、嬉しそうに手伝ってくれた、・・・寒い。
「兄ちゃん似合ってるよ」
鏡を見たら、知らない間に随分筋肉が付いていた。
雪精霊の季祭りは、寒い時期に流行病をもたらす悪霊を祓う季祭りだった。
雪精霊の季節に属する神々の信徒の若者が船を曳き、町中を練り歩いて神楽で物陰に巣くう悪霊を祓って回るのだ。
メアリーさんと一緒に教会組合へ挨拶に行ったら、組合いの事務室の人達は、顔を引き攣らせて走り回っていた。
取り敢えず、会場の裏門へと向かう。
「おう、お前達も参加するのか、成程、今年は荒れそうだから気を付けろよ」
裏門外に船を停めようと、顔見知りの門番さんに挨拶したら心配してくれた。
指定された場所に船を停めたのだが、なんか緊張感が漂っている。
風の女神の祭船も、沈黙の女神の祭船も、僕等の船の十倍くらい有りそうな大きな船なのだが、バウスピリットと呼ばれている船首に取り付けてある棒を槍の様な棒に替え、睨み合って停まっていた。
「そうですか、タケミチさん達は信徒として参加されるのですか。風の信徒の方達も、沈黙の信徒の方達も、船に泊まり込むそうなので、普段通り食堂でお食事されても大丈夫ですよ」
メアリーさんは、僕等と同じ部屋に泊まった。
そして、何故かお風呂も一緒に入って来た。
ユウがセクハラされて逃げ回っていた。
思ったとおり、胸は明美と良い勝負だった。
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