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35 第四群2
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「リーフ、授業の時間割は解るか」
「ああ、月曜から水曜日までは、第一時限が明けの五鐘からで、昼飯を挟んで第五時限が終わるのが夕の一鐘だ。木、金は魔法の実技があるから、第七時限が終わるのが夕の三鐘、土曜から聖曜日までは迷宮で実技訓練だから、明の三鐘に中へ入って、夕の四鐘には戻れるらしい」
「休日は無いのか」
「休日って何だ」
「・・・まあ良い。夜の仕事しか無いな」
八歳から十一歳までが初等部、十二歳から十五歳までが中等部、十六歳から十九歳までが高等部。
高等部からは授業が選択制になるので、掲示板には昼間のバイトの募集も掲示されている。
入学の申請が可能なのは、連続する二年間だけ。
初等部で申し込んだ方が競争倍率は低いのだが、迷宮に潜らされるのは一緒で、死ぬ確率が物凄く高い。
リーフの様に、身体が出来上がり、魔力も有る程度備わる年齢、十四歳から十六歳に入学を申請した方が死ぬ確率は少なくなるが、競争倍率は物凄く高くなる。
命を天秤に掛けた選択なのだが、ギャンブルに走る親が多い様で、初等部も定員を常に満たしているそうだ。
なので、小さな女の子や男の子が、酒場のメイドの募集や食堂の皿洗いの募集を真剣な目で見つめている。
「リーフ、酒は飲めるか」
「ああ、飲めるよ」
「それじゃこれにしよう。俺はこっちだ」
僕は同じ店の募集木札を二枚外した。
周囲で募集を物色していた女性達が驚いた様に眉を顰め、避難の眼差しを飛ばして来た。
一枚目
”職種:給仕及び皿洗い及び掃除、基本勤務時間十五鐘から十九鐘。体力があり健康な方。中等部以上を希望。制服は貸与します。鐘給銅貨五十枚”
二枚目
”職種:給仕、貴婦人方との対話を楽しみたい方募集。基本勤務時間十五鐘から十九鐘。体力のある方、初心者は指導いたします。出来れば、中等部後半から高等部前半の若い方を希望、中等部前半も応相談。衣装は貸与します。鐘給銀貨二枚~銅貨五十枚、成績により優遇します”
「スノウ、制服と衣装って何か違うのか」
「たぶん布地が違うんだろう、面接に行って聞いてみよう」
木札の裏に案内図が書いてあるのは、ギルドと一緒。
その店は比較的高級な料理店が並ぶ通りの一画にあった。
高級な雰囲気のある店の裏側には、大きな庭園が広がり、その中に別荘風の建物が散在していた。
「ふーん、あなた本当に魔法学院の生徒なの。青い果実に手取り足取り仕込もうと思ってたのに残念だわ」
「正真正銘の学生ですよ、学生証見せましょうか、店長。しかもまだまだ酸っぱい青い実ですよ、食べてみます」
「なにズボンを脱ごうとしてるのよ。それは学生証じゃないでしょ」
庭園の中の建物で、僕は店長と面接している。
大きなベットが部屋の中にドーンと置いて有り、目隠しをしたベランダに大きな浴槽が設けてある。
店長は蔓好みの美人さんだった、年齢は三十代後半くらいか。
小さな応接セットの椅子に片膝立てて座っており、形の良い太腿をドレスの裾から大きく露出させて、僕をじっくりと値踏みしている。
スカートの裾に二本、胸の間に一本、ナイフを仕込んでいる。
普通の女の人じゃ無さそうだ。
何となく、この人なら押し倒しても良い様な気がする。
禁欲生活が長かったので、僕も蔓も爆発寸前だ。
「詳しい説明はいらない様ね。でも私を甘く見ると痛い目に、キャッ、エッ、何、エッ、キャハハハハ」
蔓が店長に襲い掛かり、手足を拘束してベットへ運ぶ。
僕はナイフを取り上げ、ついでに服も取り上げる。
ベットの上で蔓がくすぐり倒し、僕は僕で色々と堪能する。
禁欲生活が長かった分、一生懸命になりすぎて、気が付いたら夜が明けてしまった。
ぴくぴくと痙攣している店長をベットに残し、蔓と二人、すっきりした気分で、夜明けの風呂を楽しんだ。
ここは商人ギルドが経営する料理店だった。
第一群域の城や第二群域の館に商品を納める商人達が、業者選定に力を持つ女官達を接待するために共同出資して造った店だった。
本物の魔法学院の生徒、しかも中等部の生徒という女官達のリクエストが物凄く多く、僕が応募しなければ、たぶん、リーフが店長の毒牙に掛っていたらしい。
「昨夜はどうしたんだスノウ」
「面接が長引いたんで、店長が店に泊まらせてくれたんだよ」
「ふーん、そうなんだ。店長って凄い美人だよな、大人の色気もあってさ。なんか武者ぶり付きたくなるよな」
「リーフ、興味あるか」
「えっ?」
授業が始まった。
一学年が四百人超で二クラス。
一クラスが二百人を超えているのだが、全員がここを足掛かりに成り上がろうと思っているから、意欲がビンビンに伝わって来る。
でもそのおかげで、僕のやる気の無さが物凄く目立ってしまい、距離を置かれる。
僕のバイトの噂が広がったのか、女生徒達には、遊び人の鬼畜というフレーズまで加わって、汚物を見る様な目で睨まれている。
なので当然ながら、迷宮での実地訓練では、僕と組もうと言うのはリーフ以外なく、ハブられてしまう。
聖都は古代都市の上に造られており、都内には多くの地下迷宮が散在している。
ここに魔法学園が造られたのも、ここに多くの迷宮が存在することが理由となっている。
魔花の草を宿す人々は、身体に魔花が育つ栄養素を持つので年一回開花する。
魔花の木を宿す貴族達も、身体に魔花を育てる栄養素を持っているのだが、木を開花させるためには全然不足している。
このため、貴族達は異世界人と同様に、魔石を持つ獣を倒さなければならない。
迷宮には、地上よりも強く、大きな魔石を持つ魔獣が存在する。
リスクは高いが、魔花の木を持つ者達を開花させるには都合がよいのだ。
指定された迷宮へ行ってみたら、十人程の初等部の子供達が入口付近で震えていた。
「兄弟が学院に通っている子や、学院内に組織を作っている国の子は、上級生が一緒に迷宮へ連れて行ってくれるんだが、僕の国の様に組織が無い国の子や、兄弟が通って来てない子は、単なる足手纏いなので、連れて行って貰えないんだ。勇気を出して入る子も多いんだが、戻って来れる子は殆どいないそうだよ」
「おーしお前等、俺に付いて来るか」
「スノウ、本気か」
「大丈夫だ、リーフ」
「お兄ちゃんいいの」
「ああ、構わないよ」
「お兄ちゃんありがとう」
女の子が八人、男の子が三人だった。
一番上は明美と同い年、一番下はリコやメイやリン達の一つ年下だった。
男の子はリーフにしがみ付き、女の子は僕にしがみ付いている。
うーん、なんか懐かしい感覚だ。
光魔法で灯りを作り、迷宮の中を下って行く。
岩陰に隠れて待ち伏せている鼠を発見した。
鼠と言っても、カピパラくらいの大きさがある。
全部で五匹隠れている。
子供達を後ろに下がらせ、蔓を伸ばして捕まえる。
地面に叩き付けて半殺しにする。
「おーし、留めを刺して来い。リーフもだぞ」
子供達に鼠の解体の仕方を教える。
リーフは国で野犬狩りを手伝ってレベルアップしていたそうで、結構手慣れている。
「スノウ、今のは何の魔法だ」
「ふっ、ふっ、ふっ。企業秘密だ」
魔石と革は回収し、肉は嵩張りそうなので、地面の中に沈ませた。
前回の開花で、魔花が山ほどあることを知ったので、片っ端から色々な初級魔法を覚えた。
土魔法で地面を柔らかくして、地面の中に肉を沈ませたのだ。
魔素の目で見ると、他のパーティーの位置、魔獣の潜んでいる場所、迷宮の構造、隠し扉が全て見える。
他のパーティーに会わない様なルートを選択し、地下三層の隠し部屋で昼の休憩を取った。
水魔法と火魔法で猪の様な魔獣の肉を調理し、少し昼寝をした。
子供達が抱き付いて来て静かな寝息を立てている、この感覚も懐かしい。
子供達は無事開花した様で、迷宮から出ると、嬉しそうに燥ぎながら初等部の寮へ帰って行った。
次の日、朝食を済ませてリーフと今日の指定迷宮を確認して寮の外に出ようとしたら、初等部の生徒が八十人程、寮の前で僕を待っていた。
魔素の目で見ると、魔獣は突然迷宮の中に湧いて来る。
三日目、僕は目の前でその現象を目撃した。
渦巻く影の様空間が現れ、その中から魔獣が潜る様に出て来るのだ。
現れた魔獣はミノタウロスだった。
そう、牛の化け物だ。
パニクル子供達を落ち着かせ、魔法が使える子は魔法攻撃を、魔法が使えない子には石をミノタウロスへ投げさせた。
準備完了、蔓がミノタウロスを縛りあげ、ミノタウロスの首の後ろに僕を運ぶ。
地竜に比べれば、全然弱っちい。
鱗も無いので、剣がすんなり刺さる。
剣をグリグリと首に捻じ込み、頚椎を切断した。
肉は牛肉で美味しかった。
八十人で分けても、十分に食い応えがあった。
子供達から、凄いお兄ちゃんと呼ばれるようになった。
みんな、きらきらした目で僕を見詰めている。
夜のお仕事も順調だ。
お客さん達から、凄い男の子と呼ばれるようになった。
みんな、ぎらぎらした目で僕を見詰めている。
「ああ、月曜から水曜日までは、第一時限が明けの五鐘からで、昼飯を挟んで第五時限が終わるのが夕の一鐘だ。木、金は魔法の実技があるから、第七時限が終わるのが夕の三鐘、土曜から聖曜日までは迷宮で実技訓練だから、明の三鐘に中へ入って、夕の四鐘には戻れるらしい」
「休日は無いのか」
「休日って何だ」
「・・・まあ良い。夜の仕事しか無いな」
八歳から十一歳までが初等部、十二歳から十五歳までが中等部、十六歳から十九歳までが高等部。
高等部からは授業が選択制になるので、掲示板には昼間のバイトの募集も掲示されている。
入学の申請が可能なのは、連続する二年間だけ。
初等部で申し込んだ方が競争倍率は低いのだが、迷宮に潜らされるのは一緒で、死ぬ確率が物凄く高い。
リーフの様に、身体が出来上がり、魔力も有る程度備わる年齢、十四歳から十六歳に入学を申請した方が死ぬ確率は少なくなるが、競争倍率は物凄く高くなる。
命を天秤に掛けた選択なのだが、ギャンブルに走る親が多い様で、初等部も定員を常に満たしているそうだ。
なので、小さな女の子や男の子が、酒場のメイドの募集や食堂の皿洗いの募集を真剣な目で見つめている。
「リーフ、酒は飲めるか」
「ああ、飲めるよ」
「それじゃこれにしよう。俺はこっちだ」
僕は同じ店の募集木札を二枚外した。
周囲で募集を物色していた女性達が驚いた様に眉を顰め、避難の眼差しを飛ばして来た。
一枚目
”職種:給仕及び皿洗い及び掃除、基本勤務時間十五鐘から十九鐘。体力があり健康な方。中等部以上を希望。制服は貸与します。鐘給銅貨五十枚”
二枚目
”職種:給仕、貴婦人方との対話を楽しみたい方募集。基本勤務時間十五鐘から十九鐘。体力のある方、初心者は指導いたします。出来れば、中等部後半から高等部前半の若い方を希望、中等部前半も応相談。衣装は貸与します。鐘給銀貨二枚~銅貨五十枚、成績により優遇します”
「スノウ、制服と衣装って何か違うのか」
「たぶん布地が違うんだろう、面接に行って聞いてみよう」
木札の裏に案内図が書いてあるのは、ギルドと一緒。
その店は比較的高級な料理店が並ぶ通りの一画にあった。
高級な雰囲気のある店の裏側には、大きな庭園が広がり、その中に別荘風の建物が散在していた。
「ふーん、あなた本当に魔法学院の生徒なの。青い果実に手取り足取り仕込もうと思ってたのに残念だわ」
「正真正銘の学生ですよ、学生証見せましょうか、店長。しかもまだまだ酸っぱい青い実ですよ、食べてみます」
「なにズボンを脱ごうとしてるのよ。それは学生証じゃないでしょ」
庭園の中の建物で、僕は店長と面接している。
大きなベットが部屋の中にドーンと置いて有り、目隠しをしたベランダに大きな浴槽が設けてある。
店長は蔓好みの美人さんだった、年齢は三十代後半くらいか。
小さな応接セットの椅子に片膝立てて座っており、形の良い太腿をドレスの裾から大きく露出させて、僕をじっくりと値踏みしている。
スカートの裾に二本、胸の間に一本、ナイフを仕込んでいる。
普通の女の人じゃ無さそうだ。
何となく、この人なら押し倒しても良い様な気がする。
禁欲生活が長かったので、僕も蔓も爆発寸前だ。
「詳しい説明はいらない様ね。でも私を甘く見ると痛い目に、キャッ、エッ、何、エッ、キャハハハハ」
蔓が店長に襲い掛かり、手足を拘束してベットへ運ぶ。
僕はナイフを取り上げ、ついでに服も取り上げる。
ベットの上で蔓がくすぐり倒し、僕は僕で色々と堪能する。
禁欲生活が長かった分、一生懸命になりすぎて、気が付いたら夜が明けてしまった。
ぴくぴくと痙攣している店長をベットに残し、蔓と二人、すっきりした気分で、夜明けの風呂を楽しんだ。
ここは商人ギルドが経営する料理店だった。
第一群域の城や第二群域の館に商品を納める商人達が、業者選定に力を持つ女官達を接待するために共同出資して造った店だった。
本物の魔法学院の生徒、しかも中等部の生徒という女官達のリクエストが物凄く多く、僕が応募しなければ、たぶん、リーフが店長の毒牙に掛っていたらしい。
「昨夜はどうしたんだスノウ」
「面接が長引いたんで、店長が店に泊まらせてくれたんだよ」
「ふーん、そうなんだ。店長って凄い美人だよな、大人の色気もあってさ。なんか武者ぶり付きたくなるよな」
「リーフ、興味あるか」
「えっ?」
授業が始まった。
一学年が四百人超で二クラス。
一クラスが二百人を超えているのだが、全員がここを足掛かりに成り上がろうと思っているから、意欲がビンビンに伝わって来る。
でもそのおかげで、僕のやる気の無さが物凄く目立ってしまい、距離を置かれる。
僕のバイトの噂が広がったのか、女生徒達には、遊び人の鬼畜というフレーズまで加わって、汚物を見る様な目で睨まれている。
なので当然ながら、迷宮での実地訓練では、僕と組もうと言うのはリーフ以外なく、ハブられてしまう。
聖都は古代都市の上に造られており、都内には多くの地下迷宮が散在している。
ここに魔法学園が造られたのも、ここに多くの迷宮が存在することが理由となっている。
魔花の草を宿す人々は、身体に魔花が育つ栄養素を持つので年一回開花する。
魔花の木を宿す貴族達も、身体に魔花を育てる栄養素を持っているのだが、木を開花させるためには全然不足している。
このため、貴族達は異世界人と同様に、魔石を持つ獣を倒さなければならない。
迷宮には、地上よりも強く、大きな魔石を持つ魔獣が存在する。
リスクは高いが、魔花の木を持つ者達を開花させるには都合がよいのだ。
指定された迷宮へ行ってみたら、十人程の初等部の子供達が入口付近で震えていた。
「兄弟が学院に通っている子や、学院内に組織を作っている国の子は、上級生が一緒に迷宮へ連れて行ってくれるんだが、僕の国の様に組織が無い国の子や、兄弟が通って来てない子は、単なる足手纏いなので、連れて行って貰えないんだ。勇気を出して入る子も多いんだが、戻って来れる子は殆どいないそうだよ」
「おーしお前等、俺に付いて来るか」
「スノウ、本気か」
「大丈夫だ、リーフ」
「お兄ちゃんいいの」
「ああ、構わないよ」
「お兄ちゃんありがとう」
女の子が八人、男の子が三人だった。
一番上は明美と同い年、一番下はリコやメイやリン達の一つ年下だった。
男の子はリーフにしがみ付き、女の子は僕にしがみ付いている。
うーん、なんか懐かしい感覚だ。
光魔法で灯りを作り、迷宮の中を下って行く。
岩陰に隠れて待ち伏せている鼠を発見した。
鼠と言っても、カピパラくらいの大きさがある。
全部で五匹隠れている。
子供達を後ろに下がらせ、蔓を伸ばして捕まえる。
地面に叩き付けて半殺しにする。
「おーし、留めを刺して来い。リーフもだぞ」
子供達に鼠の解体の仕方を教える。
リーフは国で野犬狩りを手伝ってレベルアップしていたそうで、結構手慣れている。
「スノウ、今のは何の魔法だ」
「ふっ、ふっ、ふっ。企業秘密だ」
魔石と革は回収し、肉は嵩張りそうなので、地面の中に沈ませた。
前回の開花で、魔花が山ほどあることを知ったので、片っ端から色々な初級魔法を覚えた。
土魔法で地面を柔らかくして、地面の中に肉を沈ませたのだ。
魔素の目で見ると、他のパーティーの位置、魔獣の潜んでいる場所、迷宮の構造、隠し扉が全て見える。
他のパーティーに会わない様なルートを選択し、地下三層の隠し部屋で昼の休憩を取った。
水魔法と火魔法で猪の様な魔獣の肉を調理し、少し昼寝をした。
子供達が抱き付いて来て静かな寝息を立てている、この感覚も懐かしい。
子供達は無事開花した様で、迷宮から出ると、嬉しそうに燥ぎながら初等部の寮へ帰って行った。
次の日、朝食を済ませてリーフと今日の指定迷宮を確認して寮の外に出ようとしたら、初等部の生徒が八十人程、寮の前で僕を待っていた。
魔素の目で見ると、魔獣は突然迷宮の中に湧いて来る。
三日目、僕は目の前でその現象を目撃した。
渦巻く影の様空間が現れ、その中から魔獣が潜る様に出て来るのだ。
現れた魔獣はミノタウロスだった。
そう、牛の化け物だ。
パニクル子供達を落ち着かせ、魔法が使える子は魔法攻撃を、魔法が使えない子には石をミノタウロスへ投げさせた。
準備完了、蔓がミノタウロスを縛りあげ、ミノタウロスの首の後ろに僕を運ぶ。
地竜に比べれば、全然弱っちい。
鱗も無いので、剣がすんなり刺さる。
剣をグリグリと首に捻じ込み、頚椎を切断した。
肉は牛肉で美味しかった。
八十人で分けても、十分に食い応えがあった。
子供達から、凄いお兄ちゃんと呼ばれるようになった。
みんな、きらきらした目で僕を見詰めている。
夜のお仕事も順調だ。
お客さん達から、凄い男の子と呼ばれるようになった。
みんな、ぎらぎらした目で僕を見詰めている。
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