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Ⅴ 中央大陸
5 兄妹海を渡る5
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突然周囲が夜の様に暗くなり、急に風が強くなって周囲の気温が下がり始め、周囲の人達が慌てて船に戻って行く。
闇に沈んだ沖合にオレンジ色の鬼火がぽつぽつと浮かび始め、黄泉の国に迷い込んだ様に、船団の周囲は無数の鬼火に囲まれた。
その鬼火を掻き分ける様に、青白い光に包まれた船団がこちらに向かってゆったりと近付いて来る。
帆船の形にはなっているが、その船の表面は、青白い苦悶に喘ぐ無数の蠢く怨霊の顔で埋まっていた。
「幽霊船が船団で現れるなんて話は聞いたことが無いぞ」
「ホーク、僕らが持ってる聖砂の量じゃ全然足りないけどどうするの、ここじゃマリアちゃんも土術は使えないよ。それに一つ一つの船が何か物凄く強そうだよ」
「俺が代替品を作って何とかしてみます」
甲羅の舟を取り出して、マリアと二人、荒れた始めた海を幽霊船に向かって漕ぎ出す。
風が吹き荒れ、三階建ての建物くらいの高さの波が襲い掛かって来るが、氷のトンネルを作って何とか凌ぐ。
先頭の船の前に立つと、砂の替りに海水から微細な氷の粒を作り出し、霧状にして船を覆う。
マリアが聖術で氷粒にホーリーを乗せて結界を構成する、俺はその結界を圧縮して、氷の中に幽霊船を押し潰して封じようとした。
だが、船を形造っていた怨霊が船から抜け出し、氷の霧の中を物凄い勢いで暴れ回り激しく抵抗し始めた。
結界の圧縮どころか、逆にその勢いに結界を破られそうになる。
その幽霊船の後ろから他の幽霊船が徐々に近付いて来るので気持ちは焦るのだが、抵抗が強すぎて上手く行かない。
「お兄ちゃん、私が替わるわ」
マリアの髪が頭上から流れる様に白銀へと変わり、中のマリアと入れ替わった。
そして舟先の狭い縁の上に立つと、突然その狭い縁の上で踊り始め。
しなやかで流れる様な動きの速い荘厳な踊りで、あたかも、神事を司る巫女が平らな舞台の上で舞っているような感じだった。
裸に近い水着姿なのだが、踊りを形造る手足の動きが美しく、むしろその姿踊ることが自然に思える。
背中を押される様に結界を圧縮する力が強くなる、拮抗が崩れ、氷粒の霧で船を一気に押し潰す。
手の平大になった氷塊が引き寄せられる様にマリアの前に舞い降り、マリアがその氷塊にそっと手を伸ばしてを掌で包み込むと、氷塊が金色に輝き出し、氷塊が無数の光りの粒に変わって天に向かって舞い昇って行った。
急いで直ぐ近くに迫っていた幽霊船を氷粒の霧で包み、押し潰して行く。
そして十三隻目、最後の幽霊船を光の粒に変えると、黒雲が消え去り、蒼穹の空を光の粒が登って行った。
舟先に立ったマリアがくるりと振り向く。
「聖舞よ、聖女だけに伝授される秘舞なの。普段は聖約で知識を封印してるからマリアの記憶にはないのよ。私だけしか知らない踊り。ねえ、私も役に立つでしょ」
「ああ、助かったよ。あのままじゃ危なかったからな。ありがとう」
舟先からマリア跳び降り、抱き付いて来た。
「じゃっ、お兄ちゃん。ご褒美にキスして」
「ああ、それくらいなら」
マリアを抱き寄せ、軽く唇を合せようとしたのだが、強く抱き付かれて長いディープなキスになってしまった。
唇を離したら、髪の毛の色が変わっており、元のマリアに戻っていた。
俺を睨んで怒っている。
「兄ちゃん浮気した」
「いや、それは違。あっ、こら痛い」
二の腕を歯形が残るほど強く噛付かれてしまった。
その後は何事も無い船旅が続き、船団は無事自由商業都市メイレンに到着した。
ーーーーー
メイレンはメルルーレン国の首都メルンに隣接したメルルーン国内にある自治都市である。
海運を中心とした商業都市で、メルルーレン国以上に長年水竜の被害に苦しめられていた。
なので俺達が水竜の氷漬けと一緒に入港すると、岸壁が黒山の人集りとなり都市全体がお祭り騒ぎとなった。
竜を近くで見ようとする人々が小舟を漕ぎ出し、一時港が大混乱となった。
急いで竜をメルルーレン国海軍に引き渡し、軍港に牽引して行って貰った。
混乱が治まった後、岸壁に寄せた船から降りると国王と市長に出迎えられた。
その場で水竜の脅威が去った事を宣言するセレモニーに狩り出され、そのままメイレンの表通りを練り歩くパレードに深夜まで付き合わされた。
最上級の宿屋に案内され、広い、五人位寝られそうな天蓋付のベットにダイブして、俺達は意識を投げ出した。
「兄さん、魔法国までもう直ぐよ。やっとこれで母さんから貰った花嫁衣装を着れるわ」
「ああ、お金も一杯有るし、そのまま魔法国で静かに暮らしたいんだけどなー」
「そうよね、ホークさん達の為にダンジョンまでは付き合うとしても、帰るのは魂だけにして欲しいわね」
「何か方法はあるのかい」
「悪霊の憑いた肉体から霊を引き剥す呪術は有るけど使えるかしら」
「マリア、僕とマリアちゃんを引き剥そうなんて考えてないよね」
「あはははは、兄さん、心配し過ぎよ」
闇に沈んだ沖合にオレンジ色の鬼火がぽつぽつと浮かび始め、黄泉の国に迷い込んだ様に、船団の周囲は無数の鬼火に囲まれた。
その鬼火を掻き分ける様に、青白い光に包まれた船団がこちらに向かってゆったりと近付いて来る。
帆船の形にはなっているが、その船の表面は、青白い苦悶に喘ぐ無数の蠢く怨霊の顔で埋まっていた。
「幽霊船が船団で現れるなんて話は聞いたことが無いぞ」
「ホーク、僕らが持ってる聖砂の量じゃ全然足りないけどどうするの、ここじゃマリアちゃんも土術は使えないよ。それに一つ一つの船が何か物凄く強そうだよ」
「俺が代替品を作って何とかしてみます」
甲羅の舟を取り出して、マリアと二人、荒れた始めた海を幽霊船に向かって漕ぎ出す。
風が吹き荒れ、三階建ての建物くらいの高さの波が襲い掛かって来るが、氷のトンネルを作って何とか凌ぐ。
先頭の船の前に立つと、砂の替りに海水から微細な氷の粒を作り出し、霧状にして船を覆う。
マリアが聖術で氷粒にホーリーを乗せて結界を構成する、俺はその結界を圧縮して、氷の中に幽霊船を押し潰して封じようとした。
だが、船を形造っていた怨霊が船から抜け出し、氷の霧の中を物凄い勢いで暴れ回り激しく抵抗し始めた。
結界の圧縮どころか、逆にその勢いに結界を破られそうになる。
その幽霊船の後ろから他の幽霊船が徐々に近付いて来るので気持ちは焦るのだが、抵抗が強すぎて上手く行かない。
「お兄ちゃん、私が替わるわ」
マリアの髪が頭上から流れる様に白銀へと変わり、中のマリアと入れ替わった。
そして舟先の狭い縁の上に立つと、突然その狭い縁の上で踊り始め。
しなやかで流れる様な動きの速い荘厳な踊りで、あたかも、神事を司る巫女が平らな舞台の上で舞っているような感じだった。
裸に近い水着姿なのだが、踊りを形造る手足の動きが美しく、むしろその姿踊ることが自然に思える。
背中を押される様に結界を圧縮する力が強くなる、拮抗が崩れ、氷粒の霧で船を一気に押し潰す。
手の平大になった氷塊が引き寄せられる様にマリアの前に舞い降り、マリアがその氷塊にそっと手を伸ばしてを掌で包み込むと、氷塊が金色に輝き出し、氷塊が無数の光りの粒に変わって天に向かって舞い昇って行った。
急いで直ぐ近くに迫っていた幽霊船を氷粒の霧で包み、押し潰して行く。
そして十三隻目、最後の幽霊船を光の粒に変えると、黒雲が消え去り、蒼穹の空を光の粒が登って行った。
舟先に立ったマリアがくるりと振り向く。
「聖舞よ、聖女だけに伝授される秘舞なの。普段は聖約で知識を封印してるからマリアの記憶にはないのよ。私だけしか知らない踊り。ねえ、私も役に立つでしょ」
「ああ、助かったよ。あのままじゃ危なかったからな。ありがとう」
舟先からマリア跳び降り、抱き付いて来た。
「じゃっ、お兄ちゃん。ご褒美にキスして」
「ああ、それくらいなら」
マリアを抱き寄せ、軽く唇を合せようとしたのだが、強く抱き付かれて長いディープなキスになってしまった。
唇を離したら、髪の毛の色が変わっており、元のマリアに戻っていた。
俺を睨んで怒っている。
「兄ちゃん浮気した」
「いや、それは違。あっ、こら痛い」
二の腕を歯形が残るほど強く噛付かれてしまった。
その後は何事も無い船旅が続き、船団は無事自由商業都市メイレンに到着した。
ーーーーー
メイレンはメルルーレン国の首都メルンに隣接したメルルーン国内にある自治都市である。
海運を中心とした商業都市で、メルルーレン国以上に長年水竜の被害に苦しめられていた。
なので俺達が水竜の氷漬けと一緒に入港すると、岸壁が黒山の人集りとなり都市全体がお祭り騒ぎとなった。
竜を近くで見ようとする人々が小舟を漕ぎ出し、一時港が大混乱となった。
急いで竜をメルルーレン国海軍に引き渡し、軍港に牽引して行って貰った。
混乱が治まった後、岸壁に寄せた船から降りると国王と市長に出迎えられた。
その場で水竜の脅威が去った事を宣言するセレモニーに狩り出され、そのままメイレンの表通りを練り歩くパレードに深夜まで付き合わされた。
最上級の宿屋に案内され、広い、五人位寝られそうな天蓋付のベットにダイブして、俺達は意識を投げ出した。
「兄さん、魔法国までもう直ぐよ。やっとこれで母さんから貰った花嫁衣装を着れるわ」
「ああ、お金も一杯有るし、そのまま魔法国で静かに暮らしたいんだけどなー」
「そうよね、ホークさん達の為にダンジョンまでは付き合うとしても、帰るのは魂だけにして欲しいわね」
「何か方法はあるのかい」
「悪霊の憑いた肉体から霊を引き剥す呪術は有るけど使えるかしら」
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