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Ⅱ 自由都市トルトノス
4 兄妹初めてのお使い2
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何かとっても理不尽な気がする。
ニャンニャンしてすっきりした奴が身体の中で寝込んで、疲れた身体を引き摺って俺はこれから働かなければならない。
抗議しようにも、相手が俺自身なので、俺の意識が有る間は深く潜り込んで出てこない。
疲労感満載で起き上がる、ん?この右手の感触は、あっいかん、またマリアの胸を揉んでいた。
マリアを起こす、マリアも立場は俺と一緒で、ノソーっと起き上がってトボトボと脱ぎ散らかしてある服を拾って身に着けている。
盛の付いた猿共の所為でこれじゃ身体が持たない、なにか対策が必要だ。
でも今は頭を切り替えて仕事に行かねば。
夕飯は厨房の中で軽く食べ、残りを夜食用にマジックボックスに保管する。
荷物は酒漬けの筒だけで、今度は俺が背負っている、残りはすべてマジックボックスに収納しているので見た目は殆ど手ぶらだ。
灯の簡易魔道具を首から下げ、厨房脇の倉庫から地下への階段を下る。
風呂場までは、灯の魔道具が壁に嵌め込まれており足元を照らしてくれているが、風呂場から先の通路は真っ暗だった。
「兄ちゃん、松明が有るよ」
マリアが壁の上の方を指差して振り向く、蜘蛛の巣が張っていて、埃を被っているから長い間使われていない様だったが、等間隔に松明が設けられていた。
「使えそうか」
「うん、やってみる」
マリアが手近な松明を睨んで火を灯し、その火を操作して順に次の松明に火を飛ばす、二百メートルくらい先まで松明の火が走る様に灯って行き、急に周囲が明るくなった、さすがレベル5の火術能力だ。
「大丈夫みたい」
「じゃっ、消す方は俺が担当するから点ける方を頼むよ。一つ一つ丁寧に点けるんだぞ」
「ラジャー」
通路を照らすだけなら灯の簡易魔道具で十分なのだが、火に感覚を伸ばして繊細な制御ができる様に訓練しようと考えたのだ、荒野では野犬の死体を焼く様な大雑把な使い方しかして来なかったので、火術の能力を伸ばす良い機会だと思ったのだ。
消す方も火術で火に感覚を伸ばして火力を弱めてから、水術で松明の表面冷やして消して行く、これは俺の火術と水術の訓練だ。
地図を見た感じでは、宿から東壁までは八キロは有りそうだった、術の経験値は貯まって行くし、ちょうど良い暇潰しでもあった。
西壁の隠し扉に着く頃には、俺もマリアもワンランクアップできるだけの経験値が貯まったし、俺は余禄として熱術と言う魔法のスキルを手に入れた。
西壁の外は林になっており、左右の壁沿いに踏み跡が伸びていた。
俺達の道はそのどちらでもない、山刀を取り出して正面の深い藪の中に踏み入った。
レベル5の両手剣とレベル10の解体のスキルのお蔭で藪を切り開くポイントが良く視える、足元の微かな踏み跡を見失わない様に注意すれば、藪漕ぎはそんなに苦労する作業ではなかった。
マリアは俺のベルトに掴って背後を付いて来ている、マリアがレベル5の察知能力を使って周囲を監視しているので突然野獣に襲われる心配もない。
進路上にいる敵は、マリアが頭上に石を投げ上げて、二百メートルくらい離れている敵を正確に倒している。
最初は大鼠や野犬などの哺乳類が多かったが、徐々に大蜥蜴などの爬虫類が多くなり始めた。
そして足下の土が水を含み始めて泥濘に変わった辺りで、マリアの上空からの投石攻撃を物ともしないで近付いて来る気配があった。
藪を掻き分けて出て来たのは、全長五メートルは有りそうな甲羅を背負った鰐だった。
楕円形の甲羅で、背中に突起が並んでいる、この甲羅がマリアの攻撃を防いでいたらしい。
手古摺るかと思ったのだが、至近距離からマリアの投石を顔面に喰らい、簡単にのびてしまった。
亀と一緒だから一先ず裏返しにして、あとはレベル10の解体スキルに物を言わせた。
魔獣だった様で身体の中に大きな魔石を持っており、これ一匹で経験値が二十も手に入った。
藪を抜けると目の前に泥沼が広がっていた。
所々にたこ足状に根を張った巨木が枝を広げている。
この泥沼にそのまま入ると、身体が沈んで胸まで泥に埋まってしまい動けなくなる。
最悪底無し沼の様に全身が沈んでしまうような場所も有るそうだ。
ギルドはこの沼を渡る為にキックボードの様な板を用意してくれた。
板の上に片方の膝を着いてハンドルを握り、片方の足で泥を漕いで進むのだ。
ギルドで説明を受けた時は楽しそうに感じたのだが、泥が冷たいうえに、俺達の察知能力が泥の中泳いでいる無数の蛭の存在を教えてくれる。
ここに来る間も、飛付いて来る蛭を火術で撃退しながら藪を漕いで来たのだ、泥の中じゃ蛭を撃退できない、足に集った無数の蛭を想像すると、足元から震えが昇って来る。
なので入手したばかりの鰐の甲羅を舟替り使うことにした、泥の中では対抗が大きくて舟を進ませるのが大変なので、マリアの土術のスキルにポイントを振って、土術で舟の進行方向の泥を柔らかくさせることにした。
土術はレベル2まで上げられた、ギルドから渡された板を櫂替りに漕いでみると、舟は泥沼の中をすんなりと進んで行った。
燃えない舟なので、船首に薪を積んで火を焚き、襲って来る蝙蝠や蟲はその火を伸ばして焼き殺した。
交代で睡眠を摂り、順調に無事夜明けを迎えた。
ニャンニャンしてすっきりした奴が身体の中で寝込んで、疲れた身体を引き摺って俺はこれから働かなければならない。
抗議しようにも、相手が俺自身なので、俺の意識が有る間は深く潜り込んで出てこない。
疲労感満載で起き上がる、ん?この右手の感触は、あっいかん、またマリアの胸を揉んでいた。
マリアを起こす、マリアも立場は俺と一緒で、ノソーっと起き上がってトボトボと脱ぎ散らかしてある服を拾って身に着けている。
盛の付いた猿共の所為でこれじゃ身体が持たない、なにか対策が必要だ。
でも今は頭を切り替えて仕事に行かねば。
夕飯は厨房の中で軽く食べ、残りを夜食用にマジックボックスに保管する。
荷物は酒漬けの筒だけで、今度は俺が背負っている、残りはすべてマジックボックスに収納しているので見た目は殆ど手ぶらだ。
灯の簡易魔道具を首から下げ、厨房脇の倉庫から地下への階段を下る。
風呂場までは、灯の魔道具が壁に嵌め込まれており足元を照らしてくれているが、風呂場から先の通路は真っ暗だった。
「兄ちゃん、松明が有るよ」
マリアが壁の上の方を指差して振り向く、蜘蛛の巣が張っていて、埃を被っているから長い間使われていない様だったが、等間隔に松明が設けられていた。
「使えそうか」
「うん、やってみる」
マリアが手近な松明を睨んで火を灯し、その火を操作して順に次の松明に火を飛ばす、二百メートルくらい先まで松明の火が走る様に灯って行き、急に周囲が明るくなった、さすがレベル5の火術能力だ。
「大丈夫みたい」
「じゃっ、消す方は俺が担当するから点ける方を頼むよ。一つ一つ丁寧に点けるんだぞ」
「ラジャー」
通路を照らすだけなら灯の簡易魔道具で十分なのだが、火に感覚を伸ばして繊細な制御ができる様に訓練しようと考えたのだ、荒野では野犬の死体を焼く様な大雑把な使い方しかして来なかったので、火術の能力を伸ばす良い機会だと思ったのだ。
消す方も火術で火に感覚を伸ばして火力を弱めてから、水術で松明の表面冷やして消して行く、これは俺の火術と水術の訓練だ。
地図を見た感じでは、宿から東壁までは八キロは有りそうだった、術の経験値は貯まって行くし、ちょうど良い暇潰しでもあった。
西壁の隠し扉に着く頃には、俺もマリアもワンランクアップできるだけの経験値が貯まったし、俺は余禄として熱術と言う魔法のスキルを手に入れた。
西壁の外は林になっており、左右の壁沿いに踏み跡が伸びていた。
俺達の道はそのどちらでもない、山刀を取り出して正面の深い藪の中に踏み入った。
レベル5の両手剣とレベル10の解体のスキルのお蔭で藪を切り開くポイントが良く視える、足元の微かな踏み跡を見失わない様に注意すれば、藪漕ぎはそんなに苦労する作業ではなかった。
マリアは俺のベルトに掴って背後を付いて来ている、マリアがレベル5の察知能力を使って周囲を監視しているので突然野獣に襲われる心配もない。
進路上にいる敵は、マリアが頭上に石を投げ上げて、二百メートルくらい離れている敵を正確に倒している。
最初は大鼠や野犬などの哺乳類が多かったが、徐々に大蜥蜴などの爬虫類が多くなり始めた。
そして足下の土が水を含み始めて泥濘に変わった辺りで、マリアの上空からの投石攻撃を物ともしないで近付いて来る気配があった。
藪を掻き分けて出て来たのは、全長五メートルは有りそうな甲羅を背負った鰐だった。
楕円形の甲羅で、背中に突起が並んでいる、この甲羅がマリアの攻撃を防いでいたらしい。
手古摺るかと思ったのだが、至近距離からマリアの投石を顔面に喰らい、簡単にのびてしまった。
亀と一緒だから一先ず裏返しにして、あとはレベル10の解体スキルに物を言わせた。
魔獣だった様で身体の中に大きな魔石を持っており、これ一匹で経験値が二十も手に入った。
藪を抜けると目の前に泥沼が広がっていた。
所々にたこ足状に根を張った巨木が枝を広げている。
この泥沼にそのまま入ると、身体が沈んで胸まで泥に埋まってしまい動けなくなる。
最悪底無し沼の様に全身が沈んでしまうような場所も有るそうだ。
ギルドはこの沼を渡る為にキックボードの様な板を用意してくれた。
板の上に片方の膝を着いてハンドルを握り、片方の足で泥を漕いで進むのだ。
ギルドで説明を受けた時は楽しそうに感じたのだが、泥が冷たいうえに、俺達の察知能力が泥の中泳いでいる無数の蛭の存在を教えてくれる。
ここに来る間も、飛付いて来る蛭を火術で撃退しながら藪を漕いで来たのだ、泥の中じゃ蛭を撃退できない、足に集った無数の蛭を想像すると、足元から震えが昇って来る。
なので入手したばかりの鰐の甲羅を舟替り使うことにした、泥の中では対抗が大きくて舟を進ませるのが大変なので、マリアの土術のスキルにポイントを振って、土術で舟の進行方向の泥を柔らかくさせることにした。
土術はレベル2まで上げられた、ギルドから渡された板を櫂替りに漕いでみると、舟は泥沼の中をすんなりと進んで行った。
燃えない舟なので、船首に薪を積んで火を焚き、襲って来る蝙蝠や蟲はその火を伸ばして焼き殺した。
交代で睡眠を摂り、順調に無事夜明けを迎えた。
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