11 / 73
Ⅱ 自由都市トルトノス
3 兄妹初めてのお使い1
しおりを挟む
目が覚めたのは、結構陽が高くなった時間帯だったので、慌てて起き上がった。
右腕にマリアを抱えており、無意識に腕を回して小振りな胸を揉んでいた。
呆けた様に暫くその感触を確認していたが、我に返って慌ててマリアを揺すり起こした。
起き上がったマリアが俺の股間を見て羞恥の表情を見せたので、お互い真面に目が見られなくて非常に気不味い思いをした。
無言で着替えて、食堂のおばちゃんに頼み込んで朝食の残り物を食べさせて貰った。
闇ギルドに着いたのは、人々が完全に働き始めている時間帯だった。
ギルドではクロードさんが待ち兼ねていた様で、ギルドの奥の小部屋に、せっつく様に通されて、前置き無しに説明が始まった。
「頼みたい物はこれだ、これをエンリオスの闇ギルドまで届けて欲しい。期間は十日以内、報酬は金貨十枚だ。エンリオスのギルドの受領証を確認してから支払う。今からギルドの場所を説明するが、紙には残すな」
「これを狙っている奴は」
「大勢いる。だがそれは町に入ってからの心配でいい、問題は町の外に出てからだ。こいつは魔物を引き寄せる力を持っている。評議会は黙認してくれてはいるが、本来ならば町への持ち込みは”これ”の品物だ」
クロードさんが親指で首を切る仕草をする、ジョージの記憶でも、禁制品を持ち込んで城下の広場で首が晒される商人は結構多かった、ここでは人の命が軽い。
「一時保管の約束だったがもう直ぐ一年でな、評議会の顔を立てる為に一旦エンリオスへ移す事になった。勿論エンリオスの領主も町長も知らん話だから秘密厳守だぞ」
受け取った物は長さ四十センチ、直径二十五センチくらいの布に包まれたガラスの筒で、品物の名前は教えて貰えなかったが、鑑定すると”妖精王の酒精漬”という怪しげな名称が表示された。
”マリア、お前の方で知ってる事は何かあるか”
”神殿の教科書に載ってるくらい有名な国際禁制品だよ。千年前に西大陸で妖精族に滅ぼされた町があるらしいから、妖精族に会ったら瞬殺した方が良いみたい”
こんな品物が扱えるのだから、このギルドの財力は俺が想像しているよりも大きいのかも知れない、少なくともこのフロアだけで、三十人近い職員が働いている。
「マジックボックスは使わんでくれ、ガラスに込められた結界が共振して破損する虞があるそうだ。ダミーを二組昼と夕に表門から送り出すから、あんたら宿の通路を使って夜出発してくれ」
「当然の事だが、途中で狩った魔物は俺達が自由に処分して良いんだろうな」
「ギルドで買い取るから、この町に持ち帰って来てくれ。痕跡は残したくない」
「了解だ」
「じゃっ、お前達に行って貰うルートを説明する」
クロードさんがテーブルに地図を開く。
「この地図の写しは用意した荷の中に入れてある。地図の見方は判るか」
「ああ、勿論だ」
「良し、ここがこの町でここがエンリオスだ。これがノーラ街道だがこれは使わないでこのメルメス湿地帯を通って欲しい」
エンリオスはトルトノスの西側に有る町だった、間には巨大な湿地帯が広がり、ノーラ街道はこの湿地帯を大きく迂回する形でエンリオスに向かっている。
「理由は」
「これを狙って、我々が把握しているだけでも十三の組織が伏兵を忍ばせている。ダミーならともかく、本物と判れば奴ら本気で襲って来るだろう。人目の有るところでの大規模な戦闘は避けたい、一般人に被害が出る」
「了解だ」
「町に着いたら町の反対側、西塀に回れ、北から八十二本目の杭の下に隠し扉がある。町の下水路に通じてるから最初の下水路を東に向かって歩いて、七本目の交差を右に五歩歩くとギルドに登る階段がある。覚えたか」
「ああ、大丈夫だ」
「なら、用意した荷を受け取って夜まで待機してくれ。宿で荷を確認して不足している物が有れば宿の主人に言ってくれ、夜までには用意する。極力宿から出歩かないでくれ」
「じゃっ、荷車二台分の栗石を宿の裏庭に用意してくれ」
「栗石か」
「栗石だ」
「判った至急用意しよう」
用意された荷をマジックボックスに放り込み、酒漬の筒はシートに包んでマリアが身体の前に抱く様に肩からぶら提げる。
「へっ、へっ、へっ。赤ちゃんみたいだね兄ちゃん・・・!そんな意味で言ったんじゃないからね、兄ちゃん」
「判ってるよマリア」
宿に戻って荷を確認し、届けられた栗石をマジックボックスに放り込む。
昼飯を食ってから、風呂に入って夜まで一寝入りすることにした。
「兄ちゃん!」
「あっ、すまん」
ジョージの習慣なのか、風呂場で眠くて呆けていると無意識にマリアの胸に手を伸ばして揉んでいる、注意しなければ。
「おいマリア・・・」
「あっ、ごめん兄ちゃん」
マリアはマリアで無意識に俺のナニに手を伸ばして握っている、困ったもんだ。
部屋に戻ったら昨夜の寝不足が響いて眠くて倒れそうだった、布団に包まって爆睡した。
ーーーーー
「兄さん起きて」
「マリア、あれ?まだ外は明るいじゃないか」
「ええ、兄さんまだ昼よ。カーテンを開けましょう」
マリアがカーテンを開けて回る。
「マリア、そこで裸になってくれないか。こんなに明るい中だとなんか興奮しないか」
「まあ、兄さんはエッチなんだから。ふふふ、良いわよ」
マリアが光の中で一枚一枚服を脱ぎ捨てて行く。
「さあ、兄さん、来て」
ーーーーー
困ったもんだ、寒くて目が覚めた。
床の上に裸で転がっているのだから当然だ、外は薄暗くなっている。
カーテンを閉めて、マリアを抱えてベットに戻る。
せめて一、二時間は眠っておきたい。
右腕にマリアを抱えており、無意識に腕を回して小振りな胸を揉んでいた。
呆けた様に暫くその感触を確認していたが、我に返って慌ててマリアを揺すり起こした。
起き上がったマリアが俺の股間を見て羞恥の表情を見せたので、お互い真面に目が見られなくて非常に気不味い思いをした。
無言で着替えて、食堂のおばちゃんに頼み込んで朝食の残り物を食べさせて貰った。
闇ギルドに着いたのは、人々が完全に働き始めている時間帯だった。
ギルドではクロードさんが待ち兼ねていた様で、ギルドの奥の小部屋に、せっつく様に通されて、前置き無しに説明が始まった。
「頼みたい物はこれだ、これをエンリオスの闇ギルドまで届けて欲しい。期間は十日以内、報酬は金貨十枚だ。エンリオスのギルドの受領証を確認してから支払う。今からギルドの場所を説明するが、紙には残すな」
「これを狙っている奴は」
「大勢いる。だがそれは町に入ってからの心配でいい、問題は町の外に出てからだ。こいつは魔物を引き寄せる力を持っている。評議会は黙認してくれてはいるが、本来ならば町への持ち込みは”これ”の品物だ」
クロードさんが親指で首を切る仕草をする、ジョージの記憶でも、禁制品を持ち込んで城下の広場で首が晒される商人は結構多かった、ここでは人の命が軽い。
「一時保管の約束だったがもう直ぐ一年でな、評議会の顔を立てる為に一旦エンリオスへ移す事になった。勿論エンリオスの領主も町長も知らん話だから秘密厳守だぞ」
受け取った物は長さ四十センチ、直径二十五センチくらいの布に包まれたガラスの筒で、品物の名前は教えて貰えなかったが、鑑定すると”妖精王の酒精漬”という怪しげな名称が表示された。
”マリア、お前の方で知ってる事は何かあるか”
”神殿の教科書に載ってるくらい有名な国際禁制品だよ。千年前に西大陸で妖精族に滅ぼされた町があるらしいから、妖精族に会ったら瞬殺した方が良いみたい”
こんな品物が扱えるのだから、このギルドの財力は俺が想像しているよりも大きいのかも知れない、少なくともこのフロアだけで、三十人近い職員が働いている。
「マジックボックスは使わんでくれ、ガラスに込められた結界が共振して破損する虞があるそうだ。ダミーを二組昼と夕に表門から送り出すから、あんたら宿の通路を使って夜出発してくれ」
「当然の事だが、途中で狩った魔物は俺達が自由に処分して良いんだろうな」
「ギルドで買い取るから、この町に持ち帰って来てくれ。痕跡は残したくない」
「了解だ」
「じゃっ、お前達に行って貰うルートを説明する」
クロードさんがテーブルに地図を開く。
「この地図の写しは用意した荷の中に入れてある。地図の見方は判るか」
「ああ、勿論だ」
「良し、ここがこの町でここがエンリオスだ。これがノーラ街道だがこれは使わないでこのメルメス湿地帯を通って欲しい」
エンリオスはトルトノスの西側に有る町だった、間には巨大な湿地帯が広がり、ノーラ街道はこの湿地帯を大きく迂回する形でエンリオスに向かっている。
「理由は」
「これを狙って、我々が把握しているだけでも十三の組織が伏兵を忍ばせている。ダミーならともかく、本物と判れば奴ら本気で襲って来るだろう。人目の有るところでの大規模な戦闘は避けたい、一般人に被害が出る」
「了解だ」
「町に着いたら町の反対側、西塀に回れ、北から八十二本目の杭の下に隠し扉がある。町の下水路に通じてるから最初の下水路を東に向かって歩いて、七本目の交差を右に五歩歩くとギルドに登る階段がある。覚えたか」
「ああ、大丈夫だ」
「なら、用意した荷を受け取って夜まで待機してくれ。宿で荷を確認して不足している物が有れば宿の主人に言ってくれ、夜までには用意する。極力宿から出歩かないでくれ」
「じゃっ、荷車二台分の栗石を宿の裏庭に用意してくれ」
「栗石か」
「栗石だ」
「判った至急用意しよう」
用意された荷をマジックボックスに放り込み、酒漬の筒はシートに包んでマリアが身体の前に抱く様に肩からぶら提げる。
「へっ、へっ、へっ。赤ちゃんみたいだね兄ちゃん・・・!そんな意味で言ったんじゃないからね、兄ちゃん」
「判ってるよマリア」
宿に戻って荷を確認し、届けられた栗石をマジックボックスに放り込む。
昼飯を食ってから、風呂に入って夜まで一寝入りすることにした。
「兄ちゃん!」
「あっ、すまん」
ジョージの習慣なのか、風呂場で眠くて呆けていると無意識にマリアの胸に手を伸ばして揉んでいる、注意しなければ。
「おいマリア・・・」
「あっ、ごめん兄ちゃん」
マリアはマリアで無意識に俺のナニに手を伸ばして握っている、困ったもんだ。
部屋に戻ったら昨夜の寝不足が響いて眠くて倒れそうだった、布団に包まって爆睡した。
ーーーーー
「兄さん起きて」
「マリア、あれ?まだ外は明るいじゃないか」
「ええ、兄さんまだ昼よ。カーテンを開けましょう」
マリアがカーテンを開けて回る。
「マリア、そこで裸になってくれないか。こんなに明るい中だとなんか興奮しないか」
「まあ、兄さんはエッチなんだから。ふふふ、良いわよ」
マリアが光の中で一枚一枚服を脱ぎ捨てて行く。
「さあ、兄さん、来て」
ーーーーー
困ったもんだ、寒くて目が覚めた。
床の上に裸で転がっているのだから当然だ、外は薄暗くなっている。
カーテンを閉めて、マリアを抱えてベットに戻る。
せめて一、二時間は眠っておきたい。
20
あなたにおすすめの小説
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
田舎娘、追放後に開いた小さな薬草店が国家レベルで大騒ぎになるほど大繁盛
タマ マコト
ファンタジー
【大好評につき21〜40話執筆決定!!】
田舎娘ミントは、王都の名門ローズ家で地味な使用人薬師として働いていたが、令嬢ローズマリーの嫉妬により濡れ衣を着せられ、理不尽に追放されてしまう。雨の中ひとり王都を去ったミントは、亡き祖母が残した田舎の小屋に戻り、そこで薬草店を開くことを決意。森で倒れていた謎の青年サフランを救ったことで、彼女の薬の“異常な効き目”が静かに広まりはじめ、村の小さな店《グリーンノート》へ、変化の風が吹き込み始める――。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
美人同僚のおまけとして異世界召喚された私、無能扱いされ王城から追い出される。私の才能を見出してくれた辺境伯様と一緒に田舎でのんびりスローライ
さら
恋愛
美人な同僚の“おまけ”として異世界に召喚された私。けれど、無能だと笑われ王城から追い出されてしまう――。
絶望していた私を拾ってくれたのは、冷徹と噂される辺境伯様でした。
荒れ果てた村で彼の隣に立ちながら、料理を作り、子供たちに針仕事を教え、少しずつ居場所を見つけていく私。
優しい言葉をかけてくれる領民たち、そして、時折見せる辺境伯様の微笑みに、胸がときめいていく……。
華やかな王都で「無能」と追放された女が、辺境で自分の価値を見つけ、誰よりも大切に愛される――。
ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。
前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。
ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。
「この家は、もうすぐ潰れます」
家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。
手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる