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Ⅱ 自由都市トルトノス
6 兄妹初めてのお使い4
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沼地に住む魔物を警戒してか、エンリオスの町の沼地側は切り立った石垣が聳え立っていた。
石垣沿いを北に向かって移動し、沼沿いの藪を抜けて、町の北門へ向かう街道へと出る。
真夜中なので街道に人の往来も無く、北門も閉鎖されていた。
閉門に間に合わなかった人々だろうか、門の前で火を焚いて野宿しているグループが何組かいる。
全員が起きて周囲を警戒している、周囲の野獣と言うよりも互いのグループを警戒している様で、たぶん町の中もあまり治安が良い状態では無いのだろう。
まあ、だからこそ、この”酒漬け”を持ち込む候補地に上がったのだろう。
北塀沿いを歩いて西塀に向かう、察知で西塀沿いを探って見ると、塀の中から出入りする人の気配が結構多く、五十メートル位近づくと塀の向こう側で気配を消してこちらの様子を探っていたので、各出入口の内側には必ず察知能力が有る人を貼りつけている様だった。
北から八十二本目の杭の下にも人の気配が有った、息を殺してこちらの気配を窺っている。
大声を出して脅かしてみようとも思ったが、塀の外に一晩締め出されて困るので止めて置いた。
「ムルの木の根は赤い」
「ヤハル鳥の羽は青い」
「山鬼は海で溺れた」
「良し、入れ」
塀の下に高さ六十センチ程の潜戸が開かれたので、屈んで中に入る。
無言で塀の外を探っている男が一人、槍をこちらに向けて身構えている男が二名いた。
「何の用だ」
「”災い”を届けに来た」
「えっ、馬鹿な、どんなに急いでも八日は掛かる筈だぞ」
「疑うのなら、物を確認するか」
ガラス筒の包を背中から外して、槍の穂先に乗せる振りをする。
「うわっ!判ったから止めてくれ」
男達が飛び退いて槍を引く。
「今指示を仰ぐからちょっと待ってくれ」
男が脇に飾ってある三十センチの木彫りの女神像に語り掛ける。
「緊急連絡、レベルは・・・3だ」
「了解した。内容は」
魔道具なのだろう、ちゃんと唇が動いて女神の像が喋っている。
「災いが到着した」
「えっ、大鷲便じゃあるまいし、早過ぎるだろ。確認したのか」
「冗談じゃない、恐ろしくて確認できるか!俺は死にたくないから早く確認出来る奴を送ってくれ」
「仕方がねーな、判った、手配する。少し待ってろ」
女神像は、台詞に併せて手足が動く、最後は腰に手を当てて、踏ん反り返った姿勢で動かなくなった。
マリアが動かなくなった女神像を指で突ついている。
「兄ちゃん、これ面白いね」
俺も女神像の胸を指で突っつこうとしたら、女神像が動いて指をぴしゃりと叩かれて睨まれてしまった。
木の人形の癖に生意気だ、背後に回って指で胸を揉んでやった。
「兄ちゃん止めなよ、大人気ない。女神様泣きそうだよ」
暫くしたら、四人の男と一人の女性が階段を登って来た。
「えっ、ボスがなんでわざわざ」
「仕方ねーだろ、鑑定持ちはあたいしかギルドに残って無かったんだから。間違いだったら、てめーも含めてぶっ殺すぞ」
仮眠しているところを起こされたのだろうか、ボスと呼ばれた女性はネグリジェの上に褞袍を羽織っている。
三十前後の切れの有る感じの赤い髪の美人で、四人の男達がレザーアーマーとヘッドギアで武装している姿なので、なんかとても場違いな感じがする。
「何だ、まだ子供じゃないか、仕方ないね。頼まれた物をこっちに渡しな」
エンリオスのギルドのボスが溜息混りに”酒漬け”の筒を受け取った。
だが、包に手が触れた瞬間、顔付が物凄く厳しくなる。
「グリオ、ネーネスを呼び出して地下倉庫の魔法錠を開けさせな」
「えっ、まだ設定が完全に終わってませんぜ」
「仕方ねーだろ、物が着いちまったんだから」
「えっ、それじゃ」
「ああ、本物だよ。だから魔物が感づく前に仕舞うんだよ。だから急ぎな」
「へい」
グリオと呼ばれた男が階段を駆け下りて行った。
「子供呼ばわりして済まなかったね、あたいはこの町の闇ギルドの長を務めているバーバラさ」
「ジョウです」
「マリです」
「風呂と食事を用意するから寛いどくれ、ただその前にこれを持って地下倉庫まで付いて来ておくれ」
再び”酒漬け”の包を背中に背負って括り付ける。
「さあ、付いて来な」
ーーーーー
「如何だい、客人は」
「用意した飯を喰らってまさ」
ここは、エンリオスの闇ギルドの長の執務室である。
重厚な魔獣革製のソファーに座ってバーバラが手紙を認めている。
「あの餓鬼共に地下倉庫の場所を知られた良かったんで。始末しましょうか」
「グリオ、命が惜しかったら止めときな。あいつ等きっと化け物だよ」
「あっしには普通の餓鬼にしか見えませんがねー」
「”妖精王”を持ったらね、命を吸い取られそうで足が震えたよ。あたいじゃたぶん倉庫まで気力が持たなかったよ。それを彼奴は無造作に背中へ括り付けやがった。きっと道中そんな風に扱って来たんだろうね。普通の奴があんな扱いしたらまず間違い無く半日でミイラにされてるね」
「それって、生命力が尋常じゃ無いって事ですか」
「ああ多分ね。だから余計な手出しはするんじゃないよ」
「へい」
ーーーーー
全身が泥臭かったので風呂は凄くありがたかった、泡立草もたっぷり用意してあったので贅沢に使わせて貰った。
頭を洗って、マリアが耳を押さえて身構えている恰好を見ると、時計が一年前に逆戻りしたような気持ちになって来る。
用意された暖かい食事と酒を楽しむ、大蜥蜴の卵を使った料理が名物だそうで、タルタルソースを使った料理や卵を練り込んだ粉を塗したフライは絶品だった。
幸せ一杯でベットに横になったまでは良かったのだが、俺達が眠ると、やはりジョージとマリアが起き上がって始めてしまう。
頭も身体も共通で使っているので、俺達の意識は眠っているのに、結果として一睡もしない事になってしまう。
幸いな事に翌日は夜になってからの出発だった。
なので野営じゃ無いのだが交代で眠ることにした。
野獣や魔獣を警戒する必要も無いので暇を持て余す、なので俺はレベル7の熱術を使って色々試してみることにした。
水術で空気中の水分を集めて空中に水を集める、その水を熱術で氷に変え、氷の中心に、氷を作る為に水から奪った熱を圧縮して封じ込める。
その熱を使って氷の一方を水蒸気に変えると、その水蒸気に押されて空中の氷が物凄い勢いで飛んで行く。
壁にぶつかる直前で氷を水蒸気に変えて霧散させる。
何回か試しているうちに、氷弾のスキルが熱術の下に発生した。
せっかくなので、スキルに1ポイント割り振り暇に任せて経験値を貯めていった。
背中にマリアの視線を感じ振り向いたが、マリアがベットの上で大の字になって寝ているだけだった。
中々俺の前にに現れない、もし俺の前に現れたら少し説教してやる積りでいる、俺達の睡眠時間を奪うなと。
石垣沿いを北に向かって移動し、沼沿いの藪を抜けて、町の北門へ向かう街道へと出る。
真夜中なので街道に人の往来も無く、北門も閉鎖されていた。
閉門に間に合わなかった人々だろうか、門の前で火を焚いて野宿しているグループが何組かいる。
全員が起きて周囲を警戒している、周囲の野獣と言うよりも互いのグループを警戒している様で、たぶん町の中もあまり治安が良い状態では無いのだろう。
まあ、だからこそ、この”酒漬け”を持ち込む候補地に上がったのだろう。
北塀沿いを歩いて西塀に向かう、察知で西塀沿いを探って見ると、塀の中から出入りする人の気配が結構多く、五十メートル位近づくと塀の向こう側で気配を消してこちらの様子を探っていたので、各出入口の内側には必ず察知能力が有る人を貼りつけている様だった。
北から八十二本目の杭の下にも人の気配が有った、息を殺してこちらの気配を窺っている。
大声を出して脅かしてみようとも思ったが、塀の外に一晩締め出されて困るので止めて置いた。
「ムルの木の根は赤い」
「ヤハル鳥の羽は青い」
「山鬼は海で溺れた」
「良し、入れ」
塀の下に高さ六十センチ程の潜戸が開かれたので、屈んで中に入る。
無言で塀の外を探っている男が一人、槍をこちらに向けて身構えている男が二名いた。
「何の用だ」
「”災い”を届けに来た」
「えっ、馬鹿な、どんなに急いでも八日は掛かる筈だぞ」
「疑うのなら、物を確認するか」
ガラス筒の包を背中から外して、槍の穂先に乗せる振りをする。
「うわっ!判ったから止めてくれ」
男達が飛び退いて槍を引く。
「今指示を仰ぐからちょっと待ってくれ」
男が脇に飾ってある三十センチの木彫りの女神像に語り掛ける。
「緊急連絡、レベルは・・・3だ」
「了解した。内容は」
魔道具なのだろう、ちゃんと唇が動いて女神の像が喋っている。
「災いが到着した」
「えっ、大鷲便じゃあるまいし、早過ぎるだろ。確認したのか」
「冗談じゃない、恐ろしくて確認できるか!俺は死にたくないから早く確認出来る奴を送ってくれ」
「仕方がねーな、判った、手配する。少し待ってろ」
女神像は、台詞に併せて手足が動く、最後は腰に手を当てて、踏ん反り返った姿勢で動かなくなった。
マリアが動かなくなった女神像を指で突ついている。
「兄ちゃん、これ面白いね」
俺も女神像の胸を指で突っつこうとしたら、女神像が動いて指をぴしゃりと叩かれて睨まれてしまった。
木の人形の癖に生意気だ、背後に回って指で胸を揉んでやった。
「兄ちゃん止めなよ、大人気ない。女神様泣きそうだよ」
暫くしたら、四人の男と一人の女性が階段を登って来た。
「えっ、ボスがなんでわざわざ」
「仕方ねーだろ、鑑定持ちはあたいしかギルドに残って無かったんだから。間違いだったら、てめーも含めてぶっ殺すぞ」
仮眠しているところを起こされたのだろうか、ボスと呼ばれた女性はネグリジェの上に褞袍を羽織っている。
三十前後の切れの有る感じの赤い髪の美人で、四人の男達がレザーアーマーとヘッドギアで武装している姿なので、なんかとても場違いな感じがする。
「何だ、まだ子供じゃないか、仕方ないね。頼まれた物をこっちに渡しな」
エンリオスのギルドのボスが溜息混りに”酒漬け”の筒を受け取った。
だが、包に手が触れた瞬間、顔付が物凄く厳しくなる。
「グリオ、ネーネスを呼び出して地下倉庫の魔法錠を開けさせな」
「えっ、まだ設定が完全に終わってませんぜ」
「仕方ねーだろ、物が着いちまったんだから」
「えっ、それじゃ」
「ああ、本物だよ。だから魔物が感づく前に仕舞うんだよ。だから急ぎな」
「へい」
グリオと呼ばれた男が階段を駆け下りて行った。
「子供呼ばわりして済まなかったね、あたいはこの町の闇ギルドの長を務めているバーバラさ」
「ジョウです」
「マリです」
「風呂と食事を用意するから寛いどくれ、ただその前にこれを持って地下倉庫まで付いて来ておくれ」
再び”酒漬け”の包を背中に背負って括り付ける。
「さあ、付いて来な」
ーーーーー
「如何だい、客人は」
「用意した飯を喰らってまさ」
ここは、エンリオスの闇ギルドの長の執務室である。
重厚な魔獣革製のソファーに座ってバーバラが手紙を認めている。
「あの餓鬼共に地下倉庫の場所を知られた良かったんで。始末しましょうか」
「グリオ、命が惜しかったら止めときな。あいつ等きっと化け物だよ」
「あっしには普通の餓鬼にしか見えませんがねー」
「”妖精王”を持ったらね、命を吸い取られそうで足が震えたよ。あたいじゃたぶん倉庫まで気力が持たなかったよ。それを彼奴は無造作に背中へ括り付けやがった。きっと道中そんな風に扱って来たんだろうね。普通の奴があんな扱いしたらまず間違い無く半日でミイラにされてるね」
「それって、生命力が尋常じゃ無いって事ですか」
「ああ多分ね。だから余計な手出しはするんじゃないよ」
「へい」
ーーーーー
全身が泥臭かったので風呂は凄くありがたかった、泡立草もたっぷり用意してあったので贅沢に使わせて貰った。
頭を洗って、マリアが耳を押さえて身構えている恰好を見ると、時計が一年前に逆戻りしたような気持ちになって来る。
用意された暖かい食事と酒を楽しむ、大蜥蜴の卵を使った料理が名物だそうで、タルタルソースを使った料理や卵を練り込んだ粉を塗したフライは絶品だった。
幸せ一杯でベットに横になったまでは良かったのだが、俺達が眠ると、やはりジョージとマリアが起き上がって始めてしまう。
頭も身体も共通で使っているので、俺達の意識は眠っているのに、結果として一睡もしない事になってしまう。
幸いな事に翌日は夜になってからの出発だった。
なので野営じゃ無いのだが交代で眠ることにした。
野獣や魔獣を警戒する必要も無いので暇を持て余す、なので俺はレベル7の熱術を使って色々試してみることにした。
水術で空気中の水分を集めて空中に水を集める、その水を熱術で氷に変え、氷の中心に、氷を作る為に水から奪った熱を圧縮して封じ込める。
その熱を使って氷の一方を水蒸気に変えると、その水蒸気に押されて空中の氷が物凄い勢いで飛んで行く。
壁にぶつかる直前で氷を水蒸気に変えて霧散させる。
何回か試しているうちに、氷弾のスキルが熱術の下に発生した。
せっかくなので、スキルに1ポイント割り振り暇に任せて経験値を貯めていった。
背中にマリアの視線を感じ振り向いたが、マリアがベットの上で大の字になって寝ているだけだった。
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