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高年期[二学期・前編]

とりあえずイベント進めよう?

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さてさてこの先輩、どーしましよ?なんか僕がターゲットにしたばかりに色んな人に恨み買ってるよね?なぁ~んか見たことのある人たちがちらほら・・・多分、僕の親衛隊の方達かな。前に「クッキー有難うございます!」ってお礼を言ってきた人がいるし。




・・・でもね、何故か体操着じゃない人も混じって僕を突き飛ばした先輩を睨み付けてる人がいるんだよね。・・・ねぇ自分の持ち場に戻らなくて良いの3年の先輩?




「うちの姫ちゃんに何か恨みでもあるの?突き飛ばすなんて有り得ない!」

「血祭りにしちゃう?屋上に命綱着けて吊るしちゃう?」

「あ、センパーイ、それ賛成ー。」

「鳳くんはよくぞ悪者を捕らえてくれた!感謝感謝!」

「「そいつ俺達が捕まえましたー!」」

「なんかワンコみたーい!姫の忠犬?でかしたねー!」

「姫の手を汚す前に片付けるぞー!」

「「「「おー!」」」」



「・・・いや、ちょっと待って?」



「「「「・・・姫ぇー!!!!」」」」

「っ!?」





ちょっ!?怖っ!ストップ掛けたら全員がこちらを向いたよ?え、何?ここにいる皆・・・もしかして全員が僕の親衛隊!?ってか拝まないで!!?





「か、神がいる・・・!我らの姫がここに・・・!」

「私服とかっ!少し濡れた髪がイヤらしい・・・!」

「姫にこんな下衆を見せては駄目だっ!全員!こいつを処分せよ!」

「「「「はい!!!」」」」

「・・・いや、だから少し待って。」

「「「「ひっ、姫の、言われた、ままに・・・!」」」」

「いや、だから拝まないで?」





ねぇねぇ僕の親衛隊は何かの宗教ですか?てか先輩に拝まれても困るっ!と、とりあえず何か指示を・・・





「あ、愛翔さん・・・この場合どうすれば・・・」

「うん?・・・まぁこのまま好きにさせたら?今のこの怒りを、発散させず3年の所に突っ込まれても困るし。サンドバッグになってもらえば?」

「えー・・・それじゃあの先輩可哀想じゃ・・・」

「何言ってるの姫!あ~その優しい所が神です!・・・でも2年が負けた苛立ちを姫に当たるこいつはグズだ。・・・従ってそのさんどばっぐ?とやらになってもらう!」

「あ、神泉ここにいたか。サンドバッグってのはね、簡単に説明すると、打撃技を中心として行う格闘技の練習で使うもので、長細い布地等の袋の中に軟らかい素材を詰めて宙にぶらさげて殴ったりする物だよ。」

「へぇサンドバッグって言うんだ・・・うん、そうだね。宙にぶら下げて・・・」

「ちょっと物騒な話し合いをさないで愛翔さん、それに神泉先輩?それはやっちゃ駄目なやつです。」

「!・・・と、鳥羽・・・俺、今、姫に声掛けられてるんだけど・・・!」

「よかったね。・・・そしてサンドバッグは却下されたようだよ。」

「そっかー・・・うーん。」






ねぇねぇ神泉先輩って3年生だよね?イベントは?抜けちゃってよいわけ?





とりあえず軽い罰をってかもう十分罰を受けてるようなので介抱してほしいと伝えた。そして皆にまたクッキーを焼いて持ってくと伝えると喜んで先輩を解放してくれた。うん・・・とりあえず保健室へ・・・って、誰も運んでくれないの?ん~・・・





「至く~ん、まこっちゃ~ん。」

「「ん?」」

「ねぇねぇ、2人でこの先輩を保健室へ連れてってくれるかな?」

「え~・・・ってか『まこっちゃん』!?あ、アダ名?ぅわーい!!!」

「誠だけズルい!薫風センセー俺は?」

「至は至かなぁ?・・・いっちゃん?」

「「いっちゃん!!」」

「いーんじゃねー?いっちゃんにまこっちゃん。」

「わーい!いっちゃんだってー!俺今度から自分の事いっちゃんにするわー!」

「俺もー!」

「・・・うん、とりあえず、運んでくれる?」

「「薫風センセーの頼みなら喜んでー!」」

「僕も付いていくからね。乱暴に運んだら怒るよ?」

「わかったー!」

「では皆さんご迷惑おかけしました。後日、神泉先輩に確認をとりつつクッキーを渡しに行きますのでー!では解散!」

「「「姫の言うとおりにー!」」」





うーん・・・本当に僕の親衛隊たちは僕の事を『姫』呼びだったのね。なんか気恥ずかしい。それを受け取ってる自分に驚きだよ。猫屋敷先輩に教えてもらえなかったら『姫って誰?え、僕の事!?』って驚いてたわー。





それから何故か至が先輩を荷物のように肩に担いで歩きだした。・・・ねぇ、多分なんだけど腹に打撲傷とかないの?それ、かなり辛い体勢じゃない?実際唸ってるし・・・




交互に先輩を肩に担いで保健室まで運んでいった。よしよし、後は先生に任せれば良いだろう。





さてさて、やっとイベント開始しますよー。もう開始して何時間経ってるんだろう・・・まぁ3年が勝てばシナリオ通りだからそれはそれで良いんだけどね。






・・・うん、騒がしい。やはり僕たちがやってたトラップを真似してますね。まぁ想定内。






「あ、やっと来たね薫風。」

「愛翔さん!・・・あ、僕のハチマキ取る?」

「どうする?俺はこのままハチマキ取らず傍にいたいかな。」

「うっ!・・・お兄がデレた。」

「こら薫風、お兄と呼んじゃ駄目でしょう。」

「・・・でもこれじゃイベント意味無いじゃん」

「じゃあ俺とサボりますか?薫風」

「う~魅力的なお誘い・・・でも頑張って王様の所に行きたい。それに2年生への償いもあるから・・・」

「ふふ、薫風は律儀ですね。・・・うん、わかった。じゃあ頑張って。俺は薫風には手を出さないから。まぁ神泉たちも手を出さないってか逆に手助けしてくるんじゃないかな?」

「あーうん、それ有難いけど理事長がペナルティ受けそう・・・」







ってか本当にどーやって風間くんは情報を得ているんだろうね?千里眼でもお持ちで(笑)?




・・・おっ、2つの教室を突破したらしく今は王妃と対峙してるね。





「流依兄さーん!」

「ああ薫風だね。うん、やっと手応えのある奴がきたかな?」





え?それって誰の事?・・・って、あああ~?克典がハチマキ取られてる!?荒い息吐いてるし・・・え、まさか流依兄さんと対決して克典が負けたの?



ひええぇぇぇぇ・・・





「さぁ薫風、まだまだ時間は沢山あるからね?久々に撃ち合いしようか。」





_________





チート兄恐るべし・・・万純くんや他の人も間に入って流依兄さんを止めたんだけど・・・如何せん、ハチマキを奪われ終了ー。いや僕はまだ生き残ってるよ?



王さまを攻略するチームと分かれて攻めいってるけど・・・うん、芳しくない。これタイムアップで終了しそう。イコール負けそう。





「兄さん・・・いつそんな鍛える時間があるの・・・?」

「ん~・・・そりゃあいつだってできるよ。授業中でも休憩中でも、夜中でも、ね?」

「うぅ・・・これが2歳の差なのか?」





僕はゼィゼィと喉に何か絡まったような荒い息を吐いてるのに兄さんは清々しいんですけど・・・やはり流依兄さんは魔王が似合・・・ケホンゴホン。うん、とにかく強い。これ早急に退場してた方が楽だったのでは?





羽交い締めしようにも身長差があるし体格も・・・兄さんの方がガッチリしてるし・・・はぁ。本当にこの人は僕の兄なのか?色気とか色気とか色気とか・・・はぁ。





「・・・あっ!ハチマキ」

「・・・はぁ、兄弟のじゃれあいに水を指さないでくれよ・・・」




後ろから手が伸びスッとハチマキを取られた!・・・え、誰?



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