35 / 107
第1部
34話 夏星の大宴 祝辞と断罪 中編
しおりを挟む
大広間は静まり返り、国王陛下は目を細めました。
「ほう。これは異なことだ。アンブローズ侯爵よ」
アンブローズ侯爵様の周りから、一斉に人が避けていきます。奥様とララベーラ様も下がろうとしましたが、周りに阻まれているご様子です。
特に阻んでいるのは、ルビィローズ公爵令孫のようです。
「では、【旧特級ポーション】と【新特級ポーション】は、プランティエ伯爵が作成したものでは無いとでも?
アンブローズ侯爵よ。薬事局の査定を覆す証拠を、卿は持っているというのか?」
「い、いえ。そうではなく……。そ、そこに立っているそれ……ルルティーナは我が家の娘です!養女になど出した覚えはありません!それに、【旧特級ポーション】は当家で作成し流通させていたと、国王陛下はご存知ではありませんか!」
「ほう。つまり卿はこう言いたいのか?プランティエ伯爵は、今だにアンブローズ侯爵家の令嬢である。そして、【旧特級ポーション】はアンブローズ侯爵家内で作成して流通させたと」
「さようでございます!つまり、どちらのポーションも当家の功績……」
「おかしな話だ。ルルティーナ・アンブローズの除籍は、卿の委任状のもと貴族院が調査し余が受理した。卿が署名した書類も残っている。しかも受理したのは三カ月以上前だ。
アンブローズ侯爵家から除籍した後、アメティスト子爵家への養子縁組申請があったが、その手続きにも遺漏はなかった」
そうです。貴族家の除籍、養子縁組、結婚などは、貴族院の調査と国王陛下の許可が無ければ成立しません。
また、必ず当主の同意による署名が求められます。
「い、いえ。しかし、私はそのクズ……大切な我が娘が除籍されアメティスト子爵家に養女に出されているなど、知らなかったのです。当惑しています」
アンブローズ侯爵様は言い訳を重ねますが、悪手です。
貴族家の当主が、自分の娘を除籍したことに三カ月も気づかないなど、あり得ません。
国王陛下は無視して続けます。
「もう一つ。【旧特級ポーション】は、アンブローズ侯爵家内で作成して流通させたと卿は言った。
【旧特級ポーション】を作成できるのは、プランティエ伯爵のみと証明されている。つまり卿は、プランティエ伯爵にポーションを作らせていたのだな?」
「さようでございます!娘は優秀なポーション職人でして!当家の工房にて【旧特級ポーション】を作成したのです!」
「ほう。つまり卿は娘をポーション職人にしたのだな?ちなみに、いつからだ?その工房はどこにある?」
「仰る通り!私がルルティーナをポーション職人になるよう教育したのです!教育を始めたのは九年前!工房は王都の我が屋敷の敷地内にございます!」
「ふむ。そうか。……ところでアンブローズ侯爵よ。
九年前といえば、ルルティーナ・アンブローズが虐待を疑われて保護された年であるな。
そしてその後は除籍されるまで、アンブローズ侯爵領にて代官の一人が養育していた。
そのように報告を受けていたが、どういうことか?」
「は?」
「今年の【春花の大宴】の時もそうだった。
ルルティーナ・アンブローズは、いずれその息子と結婚し代官補佐となる。領地経営を学ぶのに忙しく、王都に不在である。ゆえに、十六歳のデビュタントを祝う【春花の大宴】にも欠席する。
そのように連絡を受けていたが?」
「は、いや、そ、それは……」
「虚偽の申告と、虐待調査での不正が疑われるな。なあ、アンブローズ侯爵よ」
「ち、違います!虚偽も不正もございません!」
「もう良い。聞き苦しい言い訳は必要ない。実のところ、すでに調査は済んでいるのだ。
プランティエ伯爵の温情で、卿らアンブローズ侯爵家が何も言わなければ、この場で断罪するような真似をしなくて済んだのだがな……」
実際は『恐らく、断罪する流れになるだろう』と、説明を受けていましたが沈黙を守ります。
「わ、私は……ルルティーナ……」
すがるような眼差しを向けられましたが、私はただ見返すだけです。
私が、私を虐待した家族を許すことはありません。
もっと、胸が痛くなるかと思いましたが……我ながら薄情なほど、何も感じませんでした。
「アンブローズ侯爵よ。祝いの場ゆえ、この場ではこれ以上は追及はしない。
もう一つの祝いの発表後、家族ともども自邸に戻り謹慎するように」
アンブローズ侯爵様は、沈黙しました。このわずかな間に、十も老け込んだかのようです。
「改めて問う!プランティエ伯爵の家名の下賜と陞爵に異議ある者は名乗り出でよ!」
「異議なし!プランティエ伯爵の偉業と陞爵を祝います!」
アドリアン様が大きく宣言して下さります。
「アメティスト子爵家!異議ございません!我が娘の門出を祝います!」
お義父様が晴れやかな笑顔で宣言し、拍手を送って下さります。隣にいるお義母様も笑顔で手を叩いています。
「薬事局局長補佐イザベル・スフェーヌ!薬事局を代表し、プランティエ伯爵の偉業を讃えます!」
イザベル様が、黄緑色の髪と薄い蜂蜜色の瞳を輝かせ宣言して下さります。
「スフェーヌ侯爵家!プランティエ伯爵家の誕生を歓迎する!」
「コルナリン侯爵家!新たな家門の誕生に異議なし!プランティエ伯爵の功績に敬意を表する!」
「アガット辺境伯家!プランティエ伯爵家の誕生を祝す!」
皆さまの宣言と万雷の拍手に、再び大広間が明るい雰囲気に包まれました。
私は泣かないように気をつけつつ、下がりました。
アドリアン様と一緒に。
「おめでとう。ルルティーナ嬢」
「アドリアン様も、おめでとうございます」
私たちは自然と寄り添い、喜びを分け合いました。
◆◆◆◆◆
私どもは、他の方々と共に壇上の端に下がりました。
中央ほどではありませんが、大広間全体を見るのに支障のない場所です。
誰がどこにいるか、ありありとわかります。
「最後に、我がヴェールラント王家から諸侯へ発表がある。シャンティリアン、前へ」
シャンティリアン王太子殿下が国王陛下の隣に立ちます。また、王妃陛下も反対側に立ちました。
シャンティリアン王太子殿下は、白地に金の刺繍と縁取りの夜会用衣装をお召しです。濃い金髪にエメラルドの瞳によくお似合いです。
さらに胸元には、あの黄緑色のダリアをさしていらっしゃいます。
やはり、ダリアの色はシャンティリアン王太子殿下の瞳の色とは少し違います。
ああ、もしかして……。私は、ある予感を感じつつ、国王陛下のお言葉を待ちました。
国王陛下は、柔らかな笑顔で大広間をながめます。
「今宵は我が息子、王太子シャンティリアンの婚約者を紹介しよう。シャンティリアンよ。そなたの婚約者を壇上に案内せよ」
シャンティリアン王太子殿下が階を降ります。
真っ直ぐに、侯爵家がかたまっている場所へと向かいます。
「リアン様、お待ちしておりました!」
ララベーラ様がシャンティリアン王太子殿下の腕に絡みつき、辺りが騒然とします。
お身内にしか許されていない愛称呼び、胸を押し付けるような姿勢、何より先ほどアンブローズ侯爵家が断罪されたというのに、全く気にしていない様子。
誰もが非難するか異様な光景を恐れ「まさか本当に王太子殿下の婚約者なのか?」と、当惑します。
しかし、王太子殿下はするりと腕を外して通り過ぎてしまいました。
「は?リ、リアン様?どうなさったのですか?」
さらに縋ろうとするララベーラ様。無視する王太子殿下。
それを見て、とうとうアンブローズ侯爵様と奥様は膝をついてしまいました。
何もかもを無視して進む王太子殿下は、ある女性に手を差し伸べます。
その手を取ったのは……。
「我が愛しの君よ。どうかこの手を取り、共に歩んで欲しい」
「謹んでお供します」
やはり、スフェーヌ侯爵令嬢イザベル・スフェーヌ様でした。
濃い金髪にエメラルドの瞳の王太子殿下と、柔らかな黄緑色の髪に薄い蜂蜜色の瞳のイザベル様は、まるで一対の絵画のようです。
王太子殿下がイザベル様をエスコートして、壇上に向かいます。
自然と周りが道を開けて、拍手を送りましたが……。
「誰よその地味な女!私がリアン様の婚約者よ!」
ララベーラ様がお二人を追いかけます。
流石に放置出来ないからか、周囲が止めます。
「ほう。これは異なことだ。アンブローズ侯爵よ」
アンブローズ侯爵様の周りから、一斉に人が避けていきます。奥様とララベーラ様も下がろうとしましたが、周りに阻まれているご様子です。
特に阻んでいるのは、ルビィローズ公爵令孫のようです。
「では、【旧特級ポーション】と【新特級ポーション】は、プランティエ伯爵が作成したものでは無いとでも?
アンブローズ侯爵よ。薬事局の査定を覆す証拠を、卿は持っているというのか?」
「い、いえ。そうではなく……。そ、そこに立っているそれ……ルルティーナは我が家の娘です!養女になど出した覚えはありません!それに、【旧特級ポーション】は当家で作成し流通させていたと、国王陛下はご存知ではありませんか!」
「ほう。つまり卿はこう言いたいのか?プランティエ伯爵は、今だにアンブローズ侯爵家の令嬢である。そして、【旧特級ポーション】はアンブローズ侯爵家内で作成して流通させたと」
「さようでございます!つまり、どちらのポーションも当家の功績……」
「おかしな話だ。ルルティーナ・アンブローズの除籍は、卿の委任状のもと貴族院が調査し余が受理した。卿が署名した書類も残っている。しかも受理したのは三カ月以上前だ。
アンブローズ侯爵家から除籍した後、アメティスト子爵家への養子縁組申請があったが、その手続きにも遺漏はなかった」
そうです。貴族家の除籍、養子縁組、結婚などは、貴族院の調査と国王陛下の許可が無ければ成立しません。
また、必ず当主の同意による署名が求められます。
「い、いえ。しかし、私はそのクズ……大切な我が娘が除籍されアメティスト子爵家に養女に出されているなど、知らなかったのです。当惑しています」
アンブローズ侯爵様は言い訳を重ねますが、悪手です。
貴族家の当主が、自分の娘を除籍したことに三カ月も気づかないなど、あり得ません。
国王陛下は無視して続けます。
「もう一つ。【旧特級ポーション】は、アンブローズ侯爵家内で作成して流通させたと卿は言った。
【旧特級ポーション】を作成できるのは、プランティエ伯爵のみと証明されている。つまり卿は、プランティエ伯爵にポーションを作らせていたのだな?」
「さようでございます!娘は優秀なポーション職人でして!当家の工房にて【旧特級ポーション】を作成したのです!」
「ほう。つまり卿は娘をポーション職人にしたのだな?ちなみに、いつからだ?その工房はどこにある?」
「仰る通り!私がルルティーナをポーション職人になるよう教育したのです!教育を始めたのは九年前!工房は王都の我が屋敷の敷地内にございます!」
「ふむ。そうか。……ところでアンブローズ侯爵よ。
九年前といえば、ルルティーナ・アンブローズが虐待を疑われて保護された年であるな。
そしてその後は除籍されるまで、アンブローズ侯爵領にて代官の一人が養育していた。
そのように報告を受けていたが、どういうことか?」
「は?」
「今年の【春花の大宴】の時もそうだった。
ルルティーナ・アンブローズは、いずれその息子と結婚し代官補佐となる。領地経営を学ぶのに忙しく、王都に不在である。ゆえに、十六歳のデビュタントを祝う【春花の大宴】にも欠席する。
そのように連絡を受けていたが?」
「は、いや、そ、それは……」
「虚偽の申告と、虐待調査での不正が疑われるな。なあ、アンブローズ侯爵よ」
「ち、違います!虚偽も不正もございません!」
「もう良い。聞き苦しい言い訳は必要ない。実のところ、すでに調査は済んでいるのだ。
プランティエ伯爵の温情で、卿らアンブローズ侯爵家が何も言わなければ、この場で断罪するような真似をしなくて済んだのだがな……」
実際は『恐らく、断罪する流れになるだろう』と、説明を受けていましたが沈黙を守ります。
「わ、私は……ルルティーナ……」
すがるような眼差しを向けられましたが、私はただ見返すだけです。
私が、私を虐待した家族を許すことはありません。
もっと、胸が痛くなるかと思いましたが……我ながら薄情なほど、何も感じませんでした。
「アンブローズ侯爵よ。祝いの場ゆえ、この場ではこれ以上は追及はしない。
もう一つの祝いの発表後、家族ともども自邸に戻り謹慎するように」
アンブローズ侯爵様は、沈黙しました。このわずかな間に、十も老け込んだかのようです。
「改めて問う!プランティエ伯爵の家名の下賜と陞爵に異議ある者は名乗り出でよ!」
「異議なし!プランティエ伯爵の偉業と陞爵を祝います!」
アドリアン様が大きく宣言して下さります。
「アメティスト子爵家!異議ございません!我が娘の門出を祝います!」
お義父様が晴れやかな笑顔で宣言し、拍手を送って下さります。隣にいるお義母様も笑顔で手を叩いています。
「薬事局局長補佐イザベル・スフェーヌ!薬事局を代表し、プランティエ伯爵の偉業を讃えます!」
イザベル様が、黄緑色の髪と薄い蜂蜜色の瞳を輝かせ宣言して下さります。
「スフェーヌ侯爵家!プランティエ伯爵家の誕生を歓迎する!」
「コルナリン侯爵家!新たな家門の誕生に異議なし!プランティエ伯爵の功績に敬意を表する!」
「アガット辺境伯家!プランティエ伯爵家の誕生を祝す!」
皆さまの宣言と万雷の拍手に、再び大広間が明るい雰囲気に包まれました。
私は泣かないように気をつけつつ、下がりました。
アドリアン様と一緒に。
「おめでとう。ルルティーナ嬢」
「アドリアン様も、おめでとうございます」
私たちは自然と寄り添い、喜びを分け合いました。
◆◆◆◆◆
私どもは、他の方々と共に壇上の端に下がりました。
中央ほどではありませんが、大広間全体を見るのに支障のない場所です。
誰がどこにいるか、ありありとわかります。
「最後に、我がヴェールラント王家から諸侯へ発表がある。シャンティリアン、前へ」
シャンティリアン王太子殿下が国王陛下の隣に立ちます。また、王妃陛下も反対側に立ちました。
シャンティリアン王太子殿下は、白地に金の刺繍と縁取りの夜会用衣装をお召しです。濃い金髪にエメラルドの瞳によくお似合いです。
さらに胸元には、あの黄緑色のダリアをさしていらっしゃいます。
やはり、ダリアの色はシャンティリアン王太子殿下の瞳の色とは少し違います。
ああ、もしかして……。私は、ある予感を感じつつ、国王陛下のお言葉を待ちました。
国王陛下は、柔らかな笑顔で大広間をながめます。
「今宵は我が息子、王太子シャンティリアンの婚約者を紹介しよう。シャンティリアンよ。そなたの婚約者を壇上に案内せよ」
シャンティリアン王太子殿下が階を降ります。
真っ直ぐに、侯爵家がかたまっている場所へと向かいます。
「リアン様、お待ちしておりました!」
ララベーラ様がシャンティリアン王太子殿下の腕に絡みつき、辺りが騒然とします。
お身内にしか許されていない愛称呼び、胸を押し付けるような姿勢、何より先ほどアンブローズ侯爵家が断罪されたというのに、全く気にしていない様子。
誰もが非難するか異様な光景を恐れ「まさか本当に王太子殿下の婚約者なのか?」と、当惑します。
しかし、王太子殿下はするりと腕を外して通り過ぎてしまいました。
「は?リ、リアン様?どうなさったのですか?」
さらに縋ろうとするララベーラ様。無視する王太子殿下。
それを見て、とうとうアンブローズ侯爵様と奥様は膝をついてしまいました。
何もかもを無視して進む王太子殿下は、ある女性に手を差し伸べます。
その手を取ったのは……。
「我が愛しの君よ。どうかこの手を取り、共に歩んで欲しい」
「謹んでお供します」
やはり、スフェーヌ侯爵令嬢イザベル・スフェーヌ様でした。
濃い金髪にエメラルドの瞳の王太子殿下と、柔らかな黄緑色の髪に薄い蜂蜜色の瞳のイザベル様は、まるで一対の絵画のようです。
王太子殿下がイザベル様をエスコートして、壇上に向かいます。
自然と周りが道を開けて、拍手を送りましたが……。
「誰よその地味な女!私がリアン様の婚約者よ!」
ララベーラ様がお二人を追いかけます。
流石に放置出来ないからか、周囲が止めます。
51
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢は調理場に左遷されましたが、激ウマご飯で氷の魔公爵様を餌付けしてしまったようです~「もう離さない」って、胃袋の話ですか?~
咲月ねむと
恋愛
「君のような地味な女は、王太子妃にふさわしくない。辺境の『魔公爵』のもとへ嫁げ!」
卒業パーティーで婚約破棄を突きつけられた悪役令嬢レティシア。
しかし、前世で日本人調理師だった彼女にとって、堅苦しい王妃教育から解放されることはご褒美でしかなかった。
「これで好きな料理が作れる!」
ウキウキで辺境へ向かった彼女を待っていたのは、荒れ果てた別邸と「氷の魔公爵」と恐れられるジルベール公爵。
冷酷無慈悲と噂される彼だったが――その正体は、ただの「極度の偏食家で、常に空腹で不機嫌なだけ」だった!?
レティシアが作る『肉汁溢れるハンバーグ』『とろとろオムライス』『伝説のプリン』に公爵の胃袋は即陥落。
「君の料理なしでは生きられない」
「一生そばにいてくれ」
と求愛されるが、色気より食い気のレティシアは「最高の就職先ゲット!」と勘違いして……?
一方、レティシアを追放した王太子たちは、王宮の食事が不味くなりすぎて絶望の淵に。今さら「戻ってきてくれ」と言われても、もう遅いです!
美味しいご飯で幸せを掴む、空腹厳禁の異世界クッキング・ファンタジー!
【完】ええ!?わたし当て馬じゃ無いんですか!?
112
恋愛
ショーデ侯爵家の令嬢ルイーズは、王太子殿下の婚約者候補として、王宮に上がった。
目的は王太子の婚約者となること──でなく、父からの命で、リンドゲール侯爵家のシャルロット嬢を婚約者となるように手助けする。
助けが功を奏してか、最終候補にシャルロットが選ばれるが、特に何もしていないルイーズも何故か選ばれる。
辺境伯へ嫁ぎます。
アズやっこ
恋愛
私の父、国王陛下から、辺境伯へ嫁げと言われました。
隣国の王子の次は辺境伯ですか… 分かりました。
私は第二王女。所詮国の為の駒でしかないのです。 例え父であっても国王陛下には逆らえません。
辺境伯様… 若くして家督を継がれ、辺境の地を護っています。
本来ならば第一王女のお姉様が嫁ぐはずでした。
辺境伯様も10歳も年下の私を妻として娶らなければいけないなんて可哀想です。
辺境伯様、大丈夫です。私はご迷惑はおかけしません。
それでも、もし、私でも良いのなら…こんな小娘でも良いのなら…貴方を愛しても良いですか?貴方も私を愛してくれますか?
そんな望みを抱いてしまいます。
❈ 作者独自の世界観です。
❈ 設定はゆるいです。
(言葉使いなど、優しい目で読んで頂けると幸いです)
❈ 誤字脱字等教えて頂けると幸いです。
(出来れば望ましいと思う字、文章を教えて頂けると嬉しいです)
山猿の皇妃
夏菜しの
恋愛
ライヘンベルガー王国の第三王女レティーツィアは、成人する十六歳の誕生日と共に、隣国イスターツ帝国へ和平条約の品として贈られた。
祖国に聞こえてくるイスターツ帝国の噂は、〝山猿〟と言った悪いモノばかり。それでもレティーツィアは自らに課せられた役目だからと山を越えて隣国へ向かった。
嫁いできたレティーツィアを見た皇帝にして夫のヘクトールは、子供に興味は無いと一蹴する。これはライヘンベルガー王国とイスターツ帝国の成人とみなす年の違いの問題だから、レティーツィアにはどうすることも出来ない。
子供だと言われてヘクトールに相手にされないレティーツィアは、妻の責務を果たしていないと言われて次第に冷遇されていく。
一方、レティーツィアには祖国から、将来的に帝国を傀儡とする策が授けられていた。そのためには皇帝ヘクトールの子を産む必要があるのだが……
それが出来たらこんな待遇になってないわ! と彼女は憤慨する。
帝国で居場所をなくし、祖国にも帰ることも出来ない。
行き場を失ったレティーツィアの孤独な戦いが静かに始まる。
※恋愛成分は低め、内容はややダークです
29歳のいばら姫~10年寝ていたら年下侯爵に甘く執着されて逃げられません
越智屋ノマ
恋愛
異母妹に婚約者と子爵家次期当主の地位を奪われた挙句に、修道院送りにされた元令嬢のシスター・エルダ。
孤児たちを育てて幸せに暮らしていたが、ある日『いばら病』という奇病で昏睡状態になってしまう。
しかし10年後にまさかの生還。
かつて路地裏で助けた孤児のレイが、侯爵家の当主へと成り上がり、巨万の富を投じてエルダを目覚めさせたのだった。
「子どものころはシスター・エルダが私を守ってくれましたが、今後は私が生涯に渡ってあなたを守ります。あなたに身を捧げますので、どうか私にすべてをゆだねてくださいね」
これは29歳という微妙な年齢になったヒロインが、6歳年下の元孤児と暮らすジレジレ甘々とろとろな溺愛生活……やがて驚愕の真実が明らかに……?
美貌の侯爵と化した彼の、愛が重すぎる『介護』が今、始まる……!
悪役令息(冤罪)が婿に来た
花車莉咲
恋愛
前世の記憶を持つイヴァ・クレマー
結婚等そっちのけで仕事に明け暮れていると久しぶりに参加した王家主催のパーティーで王女が婚約破棄!?
王女が婚約破棄した相手は公爵令息?
王女と親しくしていた神の祝福を受けた平民に嫌がらせをした?
あれ?もしかして恋愛ゲームの悪役令嬢じゃなくて悪役令息って事!?しかも公爵家の元嫡男って…。
その時改めて婚約破棄されたヒューゴ・ガンダー令息を見た。
彼の顔を見た瞬間強い既視感を感じて前世の記憶を掘り起こし彼の事を思い出す。
そうオタク友達が話していた恋愛小説のキャラクターだった事を。
彼が嫌がらせしたなんて事実はないという事を。
その数日後王家から正式な手紙がくる。
ヒューゴ・ガンダー令息と婚約するようにと「こうなったらヒューゴ様は私が幸せする!!」
イヴァは彼を幸せにする為に奮闘する。
「君は…どうしてそこまでしてくれるんだ?」「貴方に幸せになってほしいからですわ!」
心に傷を負い悪役令息にされた男とそんな彼を幸せにしたい元オタク令嬢によるラブコメディ!
※ざまぁ要素はあると思います。
※何もかもファンタジーな世界観なのでふわっとしております。
ひとりぼっちだった魔女の薬師は、壊れた騎士の腕の中で眠る
gacchi(がっち)
恋愛
両親亡き後、薬師として店を続けていたルーラ。お忍びの貴族が店にやってきたと思ったら、突然担ぎ上げられ馬車で連れ出されてしまう。行き先は王城!?陛下のお妃さまって、なんの冗談ですか!助けてくれた王宮薬師のユキ様に弟子入りしたけど、修行が終わらないと店に帰れないなんて…噓でしょう?12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。
【完結】異世界からおかえりなさいって言われました。私は長い夢を見ていただけですけれど…でもそう言われるから得た知識で楽しく生きますわ。
まりぃべる
恋愛
私は、アイネル=ツェルテッティンと申します。お父様は、伯爵領の領主でございます。
十歳の、王宮でのガーデンパーティーで、私はどうやら〝お神の戯れ〟に遭ったそうで…。十日ほど意識が戻らなかったみたいです。
私が目覚めると…あれ?私って本当に十歳?何だか長い夢の中でこの世界とは違うものをいろいろと見た気がして…。
伯爵家は、昨年の長雨で経営がギリギリみたいですので、夢の中で見た事を生かそうと思います。
☆全25話です。最後まで出来上がってますので随時更新していきます。読んでもらえると嬉しいです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる