先生と僕

真白 悟

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不満の種

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「クラスのみんなと仲良く……なれたわけじゃないけどまあ大分マシにはなったけど、問題はそれで部員が集まるというわけじゃないってことね」
 事情を聞いた先生は、うーんと唸りながら現状を述べる。
 もともとはクラスメートたちを部活に入れるために僕に対する誤解を解いておこうと思ったのだけれど、それをよしとしなかったのが先生だったはず、まあそのことには感謝しているが、それを先生が口にするのはどうかと僕は思う。

「……そうですね。まあ仮初の僕で部員を集めて部活を再開しても、それはもう僕の場所とは呼べませんからね」
 大きなため息をつきながらも、僕は一応は先生に同意した。
「なに? 含みのある言い方ね?」
 先生は僕の心の内を読むまでもなく、僕が若干の不満を持っていることに気がついたようだ。
「別に何もありませんよ。先生が止めてくれなきゃ、今頃僕は自分をなくしていたでしょうし……」
 だから別に怒っているというわけではないし、感謝はしている。何より、僕にとって、僕と先生の居場所を護ることよりも、先生からの信頼を失ってしまう方が対問題だ。
 だからこそ、僕は先生の言葉に絶対服従するほかない。
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