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お仕置き5
しおりを挟む「何よっ!あんたが悪いんでしょう!」
「私のせいにしないでよ!あんただって王女に取り入ってやりたい放題だったくせに!」
「はあ?それはあんたの方でしょうが!私知ってるんだから。あんたが色仕掛けで王子に迫ってたってこと!玉砕だったみたいだけど・・」
「な、何よあんただって騎士団長にしてたじゃない!」
「うるさいわね!あんなの遊びに決まってるでしょう?私には婚約者がいたんだからっ!」
「へえ~婚約者がいるのにあの麗しの騎士団長に媚を売ってたんだ?」
「あんただっていたんでしょう?」
「そうよ、いたわよ。でもあの騒ぎで婚約は破棄。おまけに家を追放されたわよ」
「あんたもなの?」
「え、じゃあ・・」
「そうよ。私もあんたと同じよ。婚約破棄されて家からは追放されたわよ」
「・・・・」
「・・・・」
言い争った後、お互い婚約破をされて家から追放されたと知って言葉を無くす。
「私たち一体何をしていたのかしら?」
「そうね。王女つきの侍女に選ばれていい気になっていたのが悪かったのかもしれないわね」
「・・・ええ。本当なら今頃は婚約者と結婚式を挙げているはずだったのに・・」
「私もよ・・」
魅了されていたとはいえ、やりたい放題だった時の記憶は残っている。自分がいかに我がままで傲慢だったかイヤというほどに・・・。
「ねえ、これから私たちどうなるのかしら?」
「そうね、良くても鉱山送り悪ければ処刑でしょうね?」
「そんなのいやよ!」
「私だってイヤだわ」
「何とかならないの?」
「そうね・・私たちが問われているのは王女が魅了を使ったってことと王妃を虐めたことぐらいかしら?」
「魅了は王女がしたことだから関係ないとは言えないけどたいした罪にはならないはず・・」
「だったら・・・」
「そうね。やっぱり王妃を「へえ~あなたたちもアランを虐めたんだ・・」」
「「きゃあっ!」」
突然知らない声がして飛び上がり、声の主を見ると見覚えのない女だった。
ここは牢屋で誰かが勝手に入ってくるのは不可能に近い。だからここに第三者がいるというのはあり得ないはず。
なのに・・・誰?何でここに・・?
一気に沸き上がる疑問に答えはない。知っているのは侵入者のみなのだから。
「だ、誰・・?」
「・・・・・」
「あら、学園では随分お世話になったのに・・もう忘れてしまったの?」
「あ、あんたなんか知らないわよっ」
怯えながらも反撃できたのはホメてあげたい。しかし相手が悪かった。
「まあ残念・・じゃあこれで思い出すかしら?」
そう言って彼女が取り出したのは生贄で血まみれになったムチだった。
それを見て思い出すのはあの決闘。
ガタガタと体震える。それによく見れば彼女自身も血まみれだ。
血まみれのムチと血まみれの侵入者。
それだけで彼女がここに来るまで何があったのか瞬時で理解した。
まさか―――殺した?
他人事だと思っていた死期をこの瞬間彼女たちは肌で感じ取り恐怖した。
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