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6日目
しおりを挟むside 大地
俺の初恋はきっと幼稚園の時、初めて俺の幼なじみである渡瀬優とあったときだっただろう。
一目惚れだった。
優の親は優のことをゆうちゃんと呼んでいたのも手伝って俺は優のことを女の子だと思っていた。
男子だと母親にカミングアウトされて俺の初恋は砕けるのかとおもいきや、俺はあいつの中身までも好きになっていたらしい。すっかり骨抜きになっていた。
それは大学生になった今でも変わらず、思春期真っ只中の時期なんて優の華奢な身体を抱いて何度自分のものにしたいと思ったか。
自分を意識させたい、振り向いてほしい。
そんな事を思った俺は1ヶ月前遂に優の下着を盗むという奇行に走った。
side 優
「はあ、はぁ、ぁ」
こ、怖かったぁ・・・。
中学、高校と運動は体育だけしかやって来なかった俺がファーストフード店から自宅まで猛ダッシュをきめてしまった。
にしても、あんな人に下着を盗まれたかと思うと吐き気がこみあげてくる。
なにが、俺以外の男と住んじゃだめ~だよ!
まずお前とは初対面だ!!!
俺が勝手に大地のことを避けていたのに凄く大地に会いたくなった。
「大地・・・。」
「・・・ぃ、おいっ!起きろって、優!」
何かに肩を叩かれている気がする。
「優!」
「えっ・・・?だ、大地?」
目を開けてみると視界いっぱいに大地の顔が写る。
俺はいつの間にか寝てしまったらしい。
「はぁ、寝るのはいいが玄関で寝るなよ・・・。倒れてるのかと思っただろ。」
「ご、ごめん・・。」
口では謝りながらも大地が心配してくれたのだと知って浮かれている自分もいた。
俺はこの感情がなにかわかったかもしれない。
でもこれは友達で、しかも同性である大地に抱くべきものじゃない。
俺はどうするのが正解なんだろう。
「あ、そういえばさっきー
prrrrr
「ん。ちょっと待って、電話だ。はい?もしもし。」
大地の電話の相手は友人だったようだ。
すごい楽しそうに話している。
俺は自分のことばかりで忘れていた、大地にも彼の付き合いがあることを。
「え?・・・あーっと、俺今忙しいんだよねー、友人の家に泊まってたりするしさ。だから、遊びのお誘いとか嬉しいけど今はちょっと・・・
「いいよ。俺のこと気にしなくて。」
ん?あぁ、ほんとに何でもないから気にするな。・・・あ、ごめん。だから俺は、
「いいってば!行けよ!!」
これ以上大地に迷惑をかけられない。俺自身で解決しなくては・・。
あのストーカーさんは既に大地のことを知っていた。
俺は好意を抱かれているからか、下着を盗まれたのと、写真と手紙だけですんでいるが、敵意に近いものを持たれている大地は最悪けがをするようなことになるかもしれない。
自分の大地に抱いている感情も分かってしまった今、大地と住んでいるわけにもいかない。
もう、もう終わりにしなくては。
俺が大地に”好き”だと言ってしまいそうになる。
引き返せなくなる前に俺から大地を・・・。
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