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グッバイ、俺の癒し
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亜空間収納していたテントと調理器具を取り出し、夕飯の準備を始めようとする俺をお犬様はちょこんと座って興味深そうに眺めていた。きゃわわ。お犬様が大丈夫そうなら、一緒に俺の料理食べてね? この場合は味付け控えた方がいいかしらん?
ソバはまだ実がついていない状態だったので、それ以外の収穫物を使って調理することに。仮に実がついてたとしても、手持ちの道具じゃソバの実挽くの大変だしね。
まずはぶつ切りにした青色のトマトとネーバ芋、ネーバ豆を、干し肉やら香草やら塩やらと一緒に鍋にぶっこみ、三脚で焚火の上に吊るして煮込みスープを作る。
ネーバ豆は大豆に近いと言っても、まだ若い状態なので実質枝豆だ。茹でても良かったけど、別に鍋や三脚が必要となるので、さやごと焚火に突っ込んだ。黒くなるまで焼くと、さやのお陰で勝手に蒸し焼きになるらしい。
「これだけじゃ、ちょっと簡単すぎるから、後は魔法に頼って、と」
鍋に入れた水を火魔法で沸かして、洗浄して切れ目を入れたネーバ芋を皮ごと茹でる。
魔物肉を叩いてミンチにして、別に火魔法で熱したフライパンで炒める。玉ねぎはお犬様があかんかもだから、今回は省略。茹で上がったネーバ芋の茶色い皮を剥くと、カボチャのように鮮やかなオレンジ色の中身が現れる。ほくほくのこれをつぶして、炒めたミンチ肉と混ぜて塩コショウをかけたら、コロッケの中身の出来上がりだ。
「……本当。コロッケって、自分で作ると手間がかかる贅沢料理よな……」
前世と違って、便利な材料が市販されてないからなおさらだ。ちなみに前世の実家では、何故かマヨネーズとすりおろしニンニクを混ぜるのが定番だったが、お犬様にはニンニクも心配だし、手作りマヨとか面倒くさ過ぎるうえ、この世界の生卵の衛生面が気になるので同じく省略。裸の赤ちゃんのロゴが恋しい。
カチカチのパンをすりおろしてパン粉を作り、小麦粉を水で溶いて卵と混ぜて、バッター液を作る。卵と別付けは手間だし、なんかこっちの方が衣がサクサクになるらしい。
「おっと、豆は焦げすぎてないかな?」
焚火に突っ込んだネーバ豆がいい感じったので、取り出してお味見。
香ばしい香りがするアツアツの鞘を剥いてやると、鮮やかな緑の豆が現れる。塩をつけて食べるとほくほくして美味い。うーん、ちょっとソラマメっぽい香りもする。人によっては臭く感じるみたいだけど、俺は結構好きよ。春の香り。
「あ、神獣様も食べますか? 熱いのでやけどないように気をつけてくださいね」
ふんふん鼻を鳴らして近づいて来た神獣様に鞘を剥いて皿に乗せて渡すと、興味深そうな顔で食べていた。……あ、気に入ったみたい。え、皿に乗せた分がなくなったから自分で焼きあがった奴の鞘を千切って、肉球ついた手で器用に食べだしたけど、どこまで賢いの。味なしで渡したいせいか、今度は目線と鳴き声で塩までリクエストしだしたよ。変なとこ人間臭いな。
取り合えずお犬様に小皿に乗せた塩を献上して、コロッケ作成に戻る。肉を炒めたフライパンを拭いて、持参した油をたっぷり入れて火魔法で熱する。……植物油がちゃんと流通してる世界で良かったぜ。自分でゴマとかオリーブとか菜種とかツバキとかから油を抽出するの、面倒くさそうだもんな。揚げ物に獣の脂使うのは、なんか臭そう&カロリーやばそうで抵抗あるし。
コロッケの中身を丸めて、バッター液にくぐらせて、パン粉をつけて、熱した油の中に置く。火が通ってるし、あまり油を使いたくないので、今回は揚げ焼きです。流通しているといっても、やっぱり食用油は手間がかかるからか、それなりの値段するし。
「よしよし、衣も剥がれずに上手に揚がったな」
スープもいい感じに煮えたようなので、これにて夕飯の出来上がりです。
「はいはい、ちゃんと神獣様の分も盛りますから」
催促するように足をたしたししてくる激きゃわお犬様の分のスープとコロッケを別に皿に盛り、地面に置く。焼いたネーバ豆はいつの間にかお犬様に全て食いつくされていたので、追加分はない。
「熱いから気をつけてくださいねー」
くんくんと臭いを嗅いでから、おそるおそるコロッケに口をつけたお犬様は、ちょっと目を見開いて固まった後、なかなかの勢いでがっつきだした。
そかそかー。お犬様の口に合ったかー。おかわりもあるから、たくさんお食べ。
自分の分にフォークで突きさして二つに割ると、切断面からは美しいオレンジ色が覗く。中身はほっくほく、外はさっくさくで、シンプルな味付けだけど十分美味しい。
「真っ青な食欲減退カラーだけど、スープも美味いな。普通のトマトスープ」
浮かんでいる芋にまでトマトの青が沁み込んでいる見た目は、おどろおどろしいとしか言いようがないが、こっちの世界の人はこの見かけを受け入れられるだろうか? お犬様は気にせず食べてるし、意外と余裕かもしれない。
残ってたコロッケを生の青トマトと一緒にパンに挟んで、コロッケパン的なのも作ってみると、お犬様はこれも喜んで食べてくれた。……うーん。悪くないけど、俺的には物足りない。やっぱコロッケパンにはソースが欲しいな。あとキャベツ。油とソースの沁みたシャクシャクキャベツと一緒に、ちょっと潰したほかほかコロッケを……あ、なんかめちゃくちゃ食べたくなってきた。開発するか。酢と玉ねぎとトマトピューレを香辛料と煮込んだらできるかな?
今世では揚げ物とはあまり縁がない食卓だったので、俺は結構すぐにお腹いっぱいになってしまったのだけど、残りのコロッケは全てお犬様の胃の中に収まった。……この小さな体の、どこにあの量が入ってんだ? 神獣は胃に亜空間があるのか? 不思議だ。
食事を終えた後も、お犬様はずっとそばにいてくれて、夜はテントで一緒に眠った。ふわっふわの生きた毛皮と寄り添って眠る夜はすごく幸せだったけど。
朝起きた時にはお犬様がいなくなってて、俺は泣いた。結構ガチで。
もふもふという癒しはなしでも、使命は果たさねばならぬ。
いや、ド本命の目的は果たしたんだけど、クソ親父を丸め込むには別の成果が必要になってくるので……。
お犬様という癒しがない悲しい環境に、俺はそれから二日耐え抜き、下山した。……まあ、ソロキャンも楽しーわな。クソ親父に監視されている家よか。ずっと。
ソバはまだ実がついていない状態だったので、それ以外の収穫物を使って調理することに。仮に実がついてたとしても、手持ちの道具じゃソバの実挽くの大変だしね。
まずはぶつ切りにした青色のトマトとネーバ芋、ネーバ豆を、干し肉やら香草やら塩やらと一緒に鍋にぶっこみ、三脚で焚火の上に吊るして煮込みスープを作る。
ネーバ豆は大豆に近いと言っても、まだ若い状態なので実質枝豆だ。茹でても良かったけど、別に鍋や三脚が必要となるので、さやごと焚火に突っ込んだ。黒くなるまで焼くと、さやのお陰で勝手に蒸し焼きになるらしい。
「これだけじゃ、ちょっと簡単すぎるから、後は魔法に頼って、と」
鍋に入れた水を火魔法で沸かして、洗浄して切れ目を入れたネーバ芋を皮ごと茹でる。
魔物肉を叩いてミンチにして、別に火魔法で熱したフライパンで炒める。玉ねぎはお犬様があかんかもだから、今回は省略。茹で上がったネーバ芋の茶色い皮を剥くと、カボチャのように鮮やかなオレンジ色の中身が現れる。ほくほくのこれをつぶして、炒めたミンチ肉と混ぜて塩コショウをかけたら、コロッケの中身の出来上がりだ。
「……本当。コロッケって、自分で作ると手間がかかる贅沢料理よな……」
前世と違って、便利な材料が市販されてないからなおさらだ。ちなみに前世の実家では、何故かマヨネーズとすりおろしニンニクを混ぜるのが定番だったが、お犬様にはニンニクも心配だし、手作りマヨとか面倒くさ過ぎるうえ、この世界の生卵の衛生面が気になるので同じく省略。裸の赤ちゃんのロゴが恋しい。
カチカチのパンをすりおろしてパン粉を作り、小麦粉を水で溶いて卵と混ぜて、バッター液を作る。卵と別付けは手間だし、なんかこっちの方が衣がサクサクになるらしい。
「おっと、豆は焦げすぎてないかな?」
焚火に突っ込んだネーバ豆がいい感じったので、取り出してお味見。
香ばしい香りがするアツアツの鞘を剥いてやると、鮮やかな緑の豆が現れる。塩をつけて食べるとほくほくして美味い。うーん、ちょっとソラマメっぽい香りもする。人によっては臭く感じるみたいだけど、俺は結構好きよ。春の香り。
「あ、神獣様も食べますか? 熱いのでやけどないように気をつけてくださいね」
ふんふん鼻を鳴らして近づいて来た神獣様に鞘を剥いて皿に乗せて渡すと、興味深そうな顔で食べていた。……あ、気に入ったみたい。え、皿に乗せた分がなくなったから自分で焼きあがった奴の鞘を千切って、肉球ついた手で器用に食べだしたけど、どこまで賢いの。味なしで渡したいせいか、今度は目線と鳴き声で塩までリクエストしだしたよ。変なとこ人間臭いな。
取り合えずお犬様に小皿に乗せた塩を献上して、コロッケ作成に戻る。肉を炒めたフライパンを拭いて、持参した油をたっぷり入れて火魔法で熱する。……植物油がちゃんと流通してる世界で良かったぜ。自分でゴマとかオリーブとか菜種とかツバキとかから油を抽出するの、面倒くさそうだもんな。揚げ物に獣の脂使うのは、なんか臭そう&カロリーやばそうで抵抗あるし。
コロッケの中身を丸めて、バッター液にくぐらせて、パン粉をつけて、熱した油の中に置く。火が通ってるし、あまり油を使いたくないので、今回は揚げ焼きです。流通しているといっても、やっぱり食用油は手間がかかるからか、それなりの値段するし。
「よしよし、衣も剥がれずに上手に揚がったな」
スープもいい感じに煮えたようなので、これにて夕飯の出来上がりです。
「はいはい、ちゃんと神獣様の分も盛りますから」
催促するように足をたしたししてくる激きゃわお犬様の分のスープとコロッケを別に皿に盛り、地面に置く。焼いたネーバ豆はいつの間にかお犬様に全て食いつくされていたので、追加分はない。
「熱いから気をつけてくださいねー」
くんくんと臭いを嗅いでから、おそるおそるコロッケに口をつけたお犬様は、ちょっと目を見開いて固まった後、なかなかの勢いでがっつきだした。
そかそかー。お犬様の口に合ったかー。おかわりもあるから、たくさんお食べ。
自分の分にフォークで突きさして二つに割ると、切断面からは美しいオレンジ色が覗く。中身はほっくほく、外はさっくさくで、シンプルな味付けだけど十分美味しい。
「真っ青な食欲減退カラーだけど、スープも美味いな。普通のトマトスープ」
浮かんでいる芋にまでトマトの青が沁み込んでいる見た目は、おどろおどろしいとしか言いようがないが、こっちの世界の人はこの見かけを受け入れられるだろうか? お犬様は気にせず食べてるし、意外と余裕かもしれない。
残ってたコロッケを生の青トマトと一緒にパンに挟んで、コロッケパン的なのも作ってみると、お犬様はこれも喜んで食べてくれた。……うーん。悪くないけど、俺的には物足りない。やっぱコロッケパンにはソースが欲しいな。あとキャベツ。油とソースの沁みたシャクシャクキャベツと一緒に、ちょっと潰したほかほかコロッケを……あ、なんかめちゃくちゃ食べたくなってきた。開発するか。酢と玉ねぎとトマトピューレを香辛料と煮込んだらできるかな?
今世では揚げ物とはあまり縁がない食卓だったので、俺は結構すぐにお腹いっぱいになってしまったのだけど、残りのコロッケは全てお犬様の胃の中に収まった。……この小さな体の、どこにあの量が入ってんだ? 神獣は胃に亜空間があるのか? 不思議だ。
食事を終えた後も、お犬様はずっとそばにいてくれて、夜はテントで一緒に眠った。ふわっふわの生きた毛皮と寄り添って眠る夜はすごく幸せだったけど。
朝起きた時にはお犬様がいなくなってて、俺は泣いた。結構ガチで。
もふもふという癒しはなしでも、使命は果たさねばならぬ。
いや、ド本命の目的は果たしたんだけど、クソ親父を丸め込むには別の成果が必要になってくるので……。
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