処刑された王女は隣国に転生して聖女となる

空飛ぶひよこ

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連載2

再会7

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 あえて考えないようにしていたことを、改めて突きつけられた気がした。

 ユーリアを打ち倒してルシトリアに戻った未来の話を兄様としていたけど、実際のところ、明日王都に到着してしまえば、ここにいる三人は誰一人生きて帰れる保障はない。
 この中の誰かが死ぬかもしれないし、全員揃ってセーヌヴェットで命を散らす可能性もある。
 死はそれで完全な終わりではないことはアシュリナの記憶で知っているけど、私とアシュリナが同じ魂を持ち記憶を共有するだけの別人であるように、私と来世の誰かも別人だ。
 死んでしまえば、そこで「ディアナ」の人生は終わってしまう。

 けれど、私が死ぬことよりも、怖いのは。

 まっすぐに兄様を見つめると、私の怯えを感じととったらしい兄様は、安心させるような笑みを浮かべた。

「安心しろ。ディアナ。守るって言っただろう? 何があっても、お前は、お前だけは死なせない。命にかけても、俺がお前を守ってみせる」

 ……違うよ。兄様。忘れちゃったの?

 私、兄様のこと、殺されても受け入れるくらい好きだって、そう言ったのに。

「……ありがとう。兄様」

 私は、私自身が死ぬことよりも、兄様が死ぬことの方がずっとずっと怖いんだよ。

「明日に備えて、もういい加減寝ようか。兄様。……シャルル王子も。お休みなさい」

 家族としての本音を飲み込み、兄様の体にぎゅっと抱きついて目をつぶる。
 
 私は【聖女】として、【災厄の魔女】を倒す為に、この国へと舞い戻った。
 ならば、【災厄の魔女】を打ち倒すまでは、【聖女】の役割を果たさないといけない。ーー決戦の時まで守られることも、ある意味では聖女の義務だ。


 神経が昂って絶対に眠ることなんかできないと思っていたのに、兄様の匂いに包まれて、兄様の体温を感じているうちにいつの間にか眠ってしまっていた。
 
 まだ何もわからない未来を示しているかのように、何の夢も見なかった。



「ーー通せないって、どういうことですか!?」

 王都に入る前の検問所にいた兵士に、シャルル王子が吠える。

「セーヌヴェットの国王の印が入った招待状も、父上直筆の、この方こそがルシトリアの聖女であるという証明書も持参しています! 私が本物の王子であることは、この剣を見ていただければ……というか、見ただけでわかるでしょう!? 単身でこの国に来てから、まだ1年も経っていないんですよ!? なんならルシトリア王族に対する不敬罪で、国家間の問題にしましょうか!?」

「も、申し訳ありません! シャルル王子やルシトリアの聖女様を偽物だと疑っているわけではないのです! ただ上からの命令で!」
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