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連載2
感謝と謝罪4
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「だって、私はあなたなのよ。あなたが幸せなら、私は幸せなの。私はあなたを通じて、たくさんの幸せをもらってきたのよ」
ーーそう言ってアシュリナは、忘れたはずの優しい笑みを浮かべたのだった。
「アシュリナ。今、笑……」
「だからディアナ。どうか私のことは気にせず、たくさん幸せになって。私は不幸な一生を終えたのに、自分ばかりが幸せになってもよいんだろうかなんて、絶対に思わないで」
「っ」
アシュリナは一人ぼっちで不幸なまま亡くなってしまったのに、自分ばかり幸せになってもいいのかという負い目があった。
それをアシュリナに見透かされていたことに、驚いて、すぐ納得する。
……見透かして、当たり前なんだ。
だってアシュリナは、私だから。
アシュリナの人格は私とは別人であるけど、それでも確かに私の魂の中に刻まれた存在なのだから。
「それでも、まだ私に対して引け目があるのなら……一つだけお願いしたいことがあるの」
「っ何? 何をお願いしたいの? 私、アシュリナのお願いならなんだってやるよ!」
食い気味の私の反応に、アシュリナは困ったように眉を下げて、そっと目を伏せた。
「もしあなたが赦してくれるなら……あなたの中に、私の記憶を残したままにしてもいいかしら」
「アシュリナの記憶を?」
「ええ。あなたにとっては辛いばかりの記憶だろうけど……それでもあなたには、覚えていて欲しいの。私が何を感じて、どうやって生きてきたのか」
そんなの、言われるまでもない。
「忘れないよ、絶対に忘れない! だって私が持つアシュリナの記憶は、アシュリナが生きた証だもの。そして今の私を作った、かけがえのない記憶だもの。 ずっとずっと覚えてる。今までも、これからもずっと抱えたままで生きていくよ!」
アシュリナの記憶を思い出したことで、私の人生は一変した。
思い出した記憶の凄惨さに怯え、苦しめられた日々はけして歓迎できるものではなかったけど……でも、その日々が今の私を作ってきた。
忘れない。
忘れたくない。
忘れることは、私の今までの人生を否定することだから。
【聖女】として必死に人の為に生きてきたアシュリナという存在を、私はずっと忘れることなく抱きしめて生きていきたい。
例えアシュリナを知る存在がこの世から全ていなくなったとしても、ただ私だけは。
「ーーありがとう。ディアナ」
ーーそう言ってアシュリナは、忘れたはずの優しい笑みを浮かべたのだった。
「アシュリナ。今、笑……」
「だからディアナ。どうか私のことは気にせず、たくさん幸せになって。私は不幸な一生を終えたのに、自分ばかりが幸せになってもよいんだろうかなんて、絶対に思わないで」
「っ」
アシュリナは一人ぼっちで不幸なまま亡くなってしまったのに、自分ばかり幸せになってもいいのかという負い目があった。
それをアシュリナに見透かされていたことに、驚いて、すぐ納得する。
……見透かして、当たり前なんだ。
だってアシュリナは、私だから。
アシュリナの人格は私とは別人であるけど、それでも確かに私の魂の中に刻まれた存在なのだから。
「それでも、まだ私に対して引け目があるのなら……一つだけお願いしたいことがあるの」
「っ何? 何をお願いしたいの? 私、アシュリナのお願いならなんだってやるよ!」
食い気味の私の反応に、アシュリナは困ったように眉を下げて、そっと目を伏せた。
「もしあなたが赦してくれるなら……あなたの中に、私の記憶を残したままにしてもいいかしら」
「アシュリナの記憶を?」
「ええ。あなたにとっては辛いばかりの記憶だろうけど……それでもあなたには、覚えていて欲しいの。私が何を感じて、どうやって生きてきたのか」
そんなの、言われるまでもない。
「忘れないよ、絶対に忘れない! だって私が持つアシュリナの記憶は、アシュリナが生きた証だもの。そして今の私を作った、かけがえのない記憶だもの。 ずっとずっと覚えてる。今までも、これからもずっと抱えたままで生きていくよ!」
アシュリナの記憶を思い出したことで、私の人生は一変した。
思い出した記憶の凄惨さに怯え、苦しめられた日々はけして歓迎できるものではなかったけど……でも、その日々が今の私を作ってきた。
忘れない。
忘れたくない。
忘れることは、私の今までの人生を否定することだから。
【聖女】として必死に人の為に生きてきたアシュリナという存在を、私はずっと忘れることなく抱きしめて生きていきたい。
例えアシュリナを知る存在がこの世から全ていなくなったとしても、ただ私だけは。
「ーーありがとう。ディアナ」
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