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悲劇
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上空に巨大な紅き龍を目撃してからシオン達は急いだ。
シオンは良いところを取られたくないと言う不純な動機で。
メリッサや王子達は国が滅ぼされない様に。
スカーレットは小龍のお母様にご挨拶をするために。
各自が各々の目的の為に全力で走ったのだった。
(大丈夫かいな?こんな主人公達なんて嫌だなー)
書いている作者も心配になるくらい引くレベルであった。
コホンッ
シオン達が目的の建物に辿り着く少し前──
ドコッーーーーーン!!!!!!
巨大な龍が民家に降り立った。
周囲は叫び声と逃げ惑う人々でごった返した。
「紅は少しこの姿のままでいて下さい。バカ達の恐怖心を煽ります」
『ちょっと!私も暴れたいのだけど!?』
「まぁまぁ、紅さん今回は譲って下さいな。御礼はしますので」
アクエリアスの取りなしで渋々待つことにした。
アクエリアスと蒼がドンッとドアを蹴破り、民家に突入すると、家の中は誰も居なかった。
「あら?誰も居ないわね?」
「待って、下から魔力の流れを感じるわ」
アクエリアスは水を操り、地下への通路を発見したのだった。
「さぁ、貴方達。出番を与えるわ。先に突入して見事、絵を取り戻して来なさい。アクアが誘導してくれるわ」
「「「はっ!!!」」」
3人の騎士達は軽装の装備だったが、身軽な分だけ素早かった。
『蒼さん、地下の汚れた地下水道に行くのが嫌だったのね』
『…………貴方と同じで綺麗な水が好きなだけですわ』
念話で苦笑いをするアクエリアスだった。
そこへシオン達もやってきた。
「紅さんカッコいいね♪」
『フフフッやっぱりシオンはわかっているわね♪』
シオンと紅さんは腰に手をやりワッハハハ!と笑い合った。
(龍が腰に手を当てて笑うとかシュールじゃのぅ~)
「あ、あの!私(わたくし)はスカーレット・アークモンと申します。カーマインさんとの交際をお許し下さい!」
『あ゛っ?』
スカーレットはただでさえ、国を滅ぼしかねない相手に爆弾発言をするのだった。
「バカスカーレット!時と場合を考えなさいよ!」
メリッサが後ろから蹴り飛ばした。
「ヘブシッ!?何をなさいますの!!!」
「うっさい!今の状況わかっているの!?」
ぎゃぁぎゃぁと言い合っている内に家から騎士達が出てきた。
「あ、シオンお嬢様!?」
騎士達はその場で膝を着くと取り戻した絵を掲げた。
「盗まれた絵を取り戻しました!」
盗賊達は逃げるのではなく、地下に避難しているだけで、地下に降りるとすぐに見つけることができたのだった。
そこに鬼神の如く3人の騎士達は10人ほどの盗賊団をあっと言う間に沈黙させたのだった。
今はアクエリアスが盗賊達を魔法の水で縛ってゆっくり引き上げている最中である。
「ガガッーーーン!!!騎士達に先をこされたーーーー!!!」
「驚く所はそこなの!?」
フィーネは最近常備しているハリセンでシオンを叩くのだった。
ポンッと紅さんは一瞬で人間の姿になると騎士を労った。
「良くやった。失態は挽回したな?」
「「「はっ!!!」」」
騎士達は涙を流しながら深く頷いた。
そして、次々に運ばれてくる盗賊達に視線をやった。
「さーて!どう地獄を見せてやろうか?」
「紅、すぐに殺しちゃダメよ?」
紅は腕をボキボキさせながら凶悪な顔で近付いていった。
「…………国は救われたのだろうか?」
これから起こる拷問に真っ青になるメリッサと王子達。
そこに紅は思い出したかの様に振り向いた。
「あっ、頭の可笑しい娘よ。カーマインはメスだぞ?そもそも龍と人間は結婚できんから」
ガガガガーーーーーーーン!!!!!
スカーレットの世界が壊れる音がしたのだった。
シオンは良いところを取られたくないと言う不純な動機で。
メリッサや王子達は国が滅ぼされない様に。
スカーレットは小龍のお母様にご挨拶をするために。
各自が各々の目的の為に全力で走ったのだった。
(大丈夫かいな?こんな主人公達なんて嫌だなー)
書いている作者も心配になるくらい引くレベルであった。
コホンッ
シオン達が目的の建物に辿り着く少し前──
ドコッーーーーーン!!!!!!
巨大な龍が民家に降り立った。
周囲は叫び声と逃げ惑う人々でごった返した。
「紅は少しこの姿のままでいて下さい。バカ達の恐怖心を煽ります」
『ちょっと!私も暴れたいのだけど!?』
「まぁまぁ、紅さん今回は譲って下さいな。御礼はしますので」
アクエリアスの取りなしで渋々待つことにした。
アクエリアスと蒼がドンッとドアを蹴破り、民家に突入すると、家の中は誰も居なかった。
「あら?誰も居ないわね?」
「待って、下から魔力の流れを感じるわ」
アクエリアスは水を操り、地下への通路を発見したのだった。
「さぁ、貴方達。出番を与えるわ。先に突入して見事、絵を取り戻して来なさい。アクアが誘導してくれるわ」
「「「はっ!!!」」」
3人の騎士達は軽装の装備だったが、身軽な分だけ素早かった。
『蒼さん、地下の汚れた地下水道に行くのが嫌だったのね』
『…………貴方と同じで綺麗な水が好きなだけですわ』
念話で苦笑いをするアクエリアスだった。
そこへシオン達もやってきた。
「紅さんカッコいいね♪」
『フフフッやっぱりシオンはわかっているわね♪』
シオンと紅さんは腰に手をやりワッハハハ!と笑い合った。
(龍が腰に手を当てて笑うとかシュールじゃのぅ~)
「あ、あの!私(わたくし)はスカーレット・アークモンと申します。カーマインさんとの交際をお許し下さい!」
『あ゛っ?』
スカーレットはただでさえ、国を滅ぼしかねない相手に爆弾発言をするのだった。
「バカスカーレット!時と場合を考えなさいよ!」
メリッサが後ろから蹴り飛ばした。
「ヘブシッ!?何をなさいますの!!!」
「うっさい!今の状況わかっているの!?」
ぎゃぁぎゃぁと言い合っている内に家から騎士達が出てきた。
「あ、シオンお嬢様!?」
騎士達はその場で膝を着くと取り戻した絵を掲げた。
「盗まれた絵を取り戻しました!」
盗賊達は逃げるのではなく、地下に避難しているだけで、地下に降りるとすぐに見つけることができたのだった。
そこに鬼神の如く3人の騎士達は10人ほどの盗賊団をあっと言う間に沈黙させたのだった。
今はアクエリアスが盗賊達を魔法の水で縛ってゆっくり引き上げている最中である。
「ガガッーーーン!!!騎士達に先をこされたーーーー!!!」
「驚く所はそこなの!?」
フィーネは最近常備しているハリセンでシオンを叩くのだった。
ポンッと紅さんは一瞬で人間の姿になると騎士を労った。
「良くやった。失態は挽回したな?」
「「「はっ!!!」」」
騎士達は涙を流しながら深く頷いた。
そして、次々に運ばれてくる盗賊達に視線をやった。
「さーて!どう地獄を見せてやろうか?」
「紅、すぐに殺しちゃダメよ?」
紅は腕をボキボキさせながら凶悪な顔で近付いていった。
「…………国は救われたのだろうか?」
これから起こる拷問に真っ青になるメリッサと王子達。
そこに紅は思い出したかの様に振り向いた。
「あっ、頭の可笑しい娘よ。カーマインはメスだぞ?そもそも龍と人間は結婚できんから」
ガガガガーーーーーーーン!!!!!
スカーレットの世界が壊れる音がしたのだった。
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