☆レグルス戦記☆

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ガルムのスキルと回復ポーション、そしてミリアの回復魔法でバルドは一命を取り留めた。

「さて、不本意ではあるが、戦争は我々の勝ちでいいかな?」
「…………ああ、バルド様が無事であればそれでいい。国境砦も引き渡そう」

ガルムはまだ目を覚まさないバルドを見つめながら言った。
ジャンヌは後方により、蛮族の首領に深手を負わせて、停戦する事を伝える様に伝令を走らせた。

「はぁ、完璧とはいかないが、作戦は概ね完了したな」

ジャンヌは戦後処理の事に頭を切り替えた。
そこにバルドが目を覚ました。

「グッ………俺は生きているのか?」
「バルド様!良かった!?」

ガルムは涙を流しながら喜んだ。
そして、バルドは気を失っている間にガルムが自分の命を引き換えに敗北を選んだ事を知り、そうか、と呟くのだった。

「神器を少しみせてもらっても?」
「俺は敗北した。勝ってにしろっ」

レグルスはまだ残っている痛みに耐えながら、叡智の宝珠を掴んだ。

ブワッ!!!

レグルスの中に『記憶』が流れ込んだ。
それは、何処かの戦場で、多くの屍の上に佇むレグルス自身であった。

ううぅ…………

何だ!?この記憶は!
これは本当に僕の記憶なのか?
このおびただしい数の死体は言ったい…………?

レグルスは記憶の負荷に耐えきれず気を失った。

「レグルス!?ちっ、誰かレグルスを運んでくれ。それと少しの間、バルド殿には人質になってもらうぞ。まだ砦前の主戦場は完全に戦闘が終了していないからな。その間の治療は約束する」
「わかった」

バルドが連れてきた傭兵団も給料分は働くと言う事でガルムに付いていき、戦後の処理を手伝うと言う事で話が着いた。











「まさか、バルド様が負けるとは………」

蛮族の陣地はお通夜のようであった。

「しかし、ガルム殿、貴殿の判断は正しい。主君様の無事が最優先だからな。国境砦は惜しいが、我々の戦力は残ったままだ。すぐにでも力を蓄えて再戦できよう」
「だが、そう楽観はできない。バルド様は捕虜となり、神炎騎士団に囚われたままだ。傷は治すと言っていたが、何処まで信用できるか…………」

レグルスの言った通り、バルドの人気は高く、10年で食料自給率の向上や、鉱山の発掘率の向上も含めて国民全員が慕っている。
もし、バルドが死ねば、人口30万もの国民が武器を取って仇を討とうとしただろう。

そして、ジャンヌはバルドを捕虜にしたが、扱いに頭を悩ませていた。

殺すのは出来ない。
しかし、蛮族の戦力が残っている状態で、ただ引き渡すのは、また攻めてくる可能性がある。

他の指揮官クラスと話し合っても結論が出なかった。

「バルドさんの扱いに困っているようですね」
「レグルス!目が覚めたか!?」

ジャンヌのテントにミリアと一緒にやってきた。

「はい。御心配をお掛けしました。それよりバルドさんと話をさせて下さい」
「どうするつもりだ?」

ジャンヌはレグルスの提案に目を丸くした。
想像をしていない提案だったからだ。

「バルドさんを仲間にしましょう」

……………はっ?







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