☆レグルス戦記☆

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犯人の予想!☆

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レグルスはこっそりと、とある人物と密談していた。

『それで話はわかった。私はどう動けばいい?』

今までの経緯を話して次の話しに移った。

「これは推測も多分に入っている。当たっているとは限らない。だからおおよその当たりを付けて話している事を覚えておいて欲しい」

レグルスは前置きを置いてから本題に入った。

「これだけの行方不明者が出ているのにも関わらず犯人が捕まえられないのは、エルフと獣人族の両方に協力者がいると思っている。そして、行方不明者が『いつ』『どこで』『誰が』『どのように』術を掛けられたと逆に考えてみた」

???

「まず、『いつ』だが、これは昼間だ。そして『どこで』だが、恐らく【青空市場】の買い物中だと予想した」


青空市場とは、建物の店ではなく、テントの様な野外で商売している所を言う。多くは食料品である野菜や果物、アクセサリーや生活雑貨など、小さな商店が集まって商売している。





『その根拠は?』

「これだけの行方不明者が利用する場所と言えば、食料を買う店だろう。ここで、先の推測から、『誰が』だが、店の【店員】が術を掛けたと思っている。最後に『どのように』は、商品を見せる時、説明している時、お金を渡す時などチャンスは多くある」


!?

「どんなスキルか魔法かはわからないが、夜に指定した場所に来るよう暗示を掛けて、その場所に誘導。対象が到着すると、別の能力者が、匂いなどの痕跡を消して誘拐すると言う訳だ。これも僕の予想だが、匂いと姿を消す術を使った後は、下水道を使って運び出したと予想している」

『下水道…………』

「これだけ大きな街だ。ドワーフもいるし、整備されているだろう。下水道の地下を使って街の外に運び出しているんだよ。下水道なら強烈な匂いで獣人の鼻も効かないだろうし、人目も付かないしね」

レグルスの説明に、推測だと言ったが正解ではないのか?と密談者は内心で驚愕していた。

「多分、両陣営に接触した事実も敵は知っている。なら、我々を疑心暗鬼にさせる為に、今夜も誘拐は起きるはずだ。………頼めるかな?」

『ここまで言われれば、犯人を見張るのは容易い。任せてもらおう』

密談者はスッと部屋から姿を消した。

「隠密には隠密のエキスパートに任せるのが1番だな。僕も自分の仕事をしようか」

レグルスは信用できる仲間を呼び出し、夜に備えるのだった。





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