☆レグルス戦記☆

神器

ブラドの言葉にレグルスが反応した。

「どういうことだ！女神様から神器を集めれば邪神の力が弱まると聞いていたが！？」

ジャンヌが何かに気付いた様に言った。

「そう言えば、神器の『光の鏡』の事を『闇の鏡』と言っていたな？神器に何かしたのか？」

気づかなかった！
確かにそうだ！

「よく気付いたな。確かに神器とは女神の力が宿っている。様々な特殊能力も付いているが、それは副産物に過ぎない。神器とは邪神様を封じた道具であるのだ！」

！？

女神様からそこまで聞いていなかったぞ！

「そして、我々は遂に神器を闇に染める事に成功したのだ！光の鏡を闇の鏡に堕とした。だから私にも神器が使えるのだ！」

悦に浸っているブラドにジャンヌは鋭い目を向けた。

「貴様、神器を堕とす為に『ナニ』をした！」
「クククッ、魔力の高いエルフに体力のある獣人達を生贄にして、奴らの血の海に沈めたのさっ！」

「この外道がっ！！！」

ジャンヌは、もがきながらブラドに向かおうとしたが、レグルスがたどり着き、ジャンヌとブラドの間に入った。

「ジャンヌ団長！ここは僕が引き受けます！犠牲になったエルフや獣人の為にも、女神様の神器を穢したこいつを許さない！」

レグルスの気迫にブラドは後ろへ後退った。

「許さなければどうだと言うのです？すでに邪神様の封印は解かれずつあるのだ！」

ブラドが腕を上げると謁見の間の床に魔法陣が浮かび上がった。

「これは！？」
「全員、警戒しろっ！」

魔法陣は光り輝くとすぐに消えた。
レグルス達は周囲を見渡したが、ほとんどの死霊騎士を倒した所以外は変わった事は無かった。

「何をした！」

ブラドを見ると周囲には神器が浮かんでいた。
そこにはレグルスとバルドの持っていた神器も集まっていた。

「僕の神器が！？」
「クソッ！俺のもかよ！？」

ブラドは不敵に笑いながら言った。

「ここに来た時点でお前達の負けだったのですよ。ああ、さっきの魔法陣ですが、洗脳状態の人々を自害するように指示出したのだよ」

フハハハッと笑いながら言った。

「これで邪神様の生贄の魂が集まる！邪神様が復活するのです！」

上を見ながら悦に入っているブラドにレグルスは言葉が出なかった。