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1984年、中3

麻雀ばっか

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S学院は男子校で、制服も学ランみたいだ…

(んだよ、こんな学校行きたくねぇな)

まぁF高校に合格すればいいんだ、ここはあくまでも滑り止めなんだから。

そう考えていたし。

それなのに、僕は受験勉強をほとんどしなかった。
塾にも通ってなかったし、ウチで学習机に向かっても、マンガしか読まなかったから。

何で、勉強しなきゃなんないんだろ?そう考えるとバカバカしくなり、教科書すら読む気力も失せるってもんだ。

この時、全く勉強しなかったのに、成績は中の上だったという慢心があった。

(勉強しなくったって、あのぐらいの成績なんだから楽勝だろ)
甘い考えだったと後悔してるんだが…

いつもの様に寝不足で学校に行き、教科書を開いても、授業は上の空で半分寝ていた。

学校が終わればゲーセンに行き、ウチに帰って飯を食って風呂に入り、夜は深夜のラジオを聴いて夜中に寝るという、受験生らしからぬ日々を過ごしてるんだから、ホント甘い考えだった…


(退屈だ…何か面白い事ないかな?高校行ったら、面白い事でもあるんだろうか?)

いつもこんな事ばかり思っていた。
当時の僕には、夢とか目標なんてものは無かったしね。

全くヤル気の無い生徒だったな。

ただ女にモテたい、カッコよくなりたい、でもどうすればいいのだろうか?
永遠とそんな事ばかり考えていた、うん。

季節は秋が過ぎ、立冬を迎えようとしていた頃、僕はある友人の家に入り浸るようになった。

その友人の名は、香山 康司(かやま やすし)
当時僕の家は賃貸マンションで、4階に僕が住んでいて、康司は5階に住んでいた。

康司と同じクラスになった事は無いが、同じサッカー部で、帰りに何度か遊んだ程度の関係。

コイツは早い段階でドロップアウトし、中3の2学期から学校に来なくなった。

何が原因だったか忘れたが、親の離婚や素行不良やらで問題児扱いされ、気がついたら、アイツどうした?って感じで。

しかも、他校の女子と半同棲生活を始めていた…中3の分際で!

コイツは母親と二人暮らしだったが、母親が昼も夜も働いて、家に居る時間がほとんど無かった。

母親もコイツの事は諦めているようで、警察の厄介になるような事だけはするな、とだけ言ったらしいけどね。


僕は康司の部屋で麻雀に明け暮れていた。

僕と康司、康司の彼女ともう1人を呼んで、暇さえあれば麻雀をしていた。

徹マンってヤツを。


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