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ようやく馴染んだ高校生活

旧友達との再会

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「あれっ、小野っちじゃん!久しぶり、学校終わったのかよ?」

帰りに駅の近くのゲーセンでゲームに夢中になっていた時、声を掛けられた。

振り返ると中学時代の友人、花山と井上、太田がいた。

「おぉ~久しぶり、元気?」

久しぶりに中学時代の友人に会い、思わず笑みがこぼれる。


このゲーセンは小学生の頃から通っていた場所で、行けば必ず誰かしらいる。

僕がゲーセンに入った時は誰もいなかったが、長居するとこうやって旧友に会える場所だ。

この3人は卒業後、都立のH工業高校に入学した。

H工業はチャリで通える距離で、ウチの中学から何人もの生徒が入学している。

あぁ、いいなぁ…同じ高校に通えるなんて…

僕は羨ましかった。

何であんな高校選んだのか。

そのうちゲーム機を囲みながら、ちょっとした同窓会と化した。

「おい花、お前ちゃんと学校通ってんのかよ?」

皆変わってない。

特に花山、コイツは相変わらずひょうきんなヤツだ。

「コイツ、クラスのヤツラに【オレは中学ん時、マッチって呼ばれてたんだぜ~】とか言ってんだぜ!」

「ギャハハハハ!バカじゃねーの、どこがマッチだよ」

「だろだろ?笑っちゃうよな」

井上が花山の高校生活を話していた。

それにしても、マッチって…コイツバカかよっ!

「バカ!今はマッチじゃなくて、吉川って呼ばせてるんだよ」

はぁ?吉川?吉川晃司の事か?

「ブハハハハ!何が吉川だよ!なで肩のくせに!」

花山は高校でもお調子者で、新しいクラスの連中達と仲良くやってるみたいだ。

「で、小野っち高校何処だっけ?」

太田は学ランのポケットからマイルドセブンを取り出し、火をつけた。

煙がユラユラと舞い上がる。

「ん?オレS学院」

「何処にあるんだ?」

「あぁ、池袋の近くにあるバカ学校だよ」

「池袋?随分遠くないか?」

そりゃ遠いよ!

でも、そこに決めちゃったからね。


「オレ、池袋まで行くだけで疲れるよ」

「ハハハッオレもそうだよ。行って後悔してるもん。編入して、お前らんとこの高校に入ろうかな?」

「来いよ、ウチの学校かなり楽だぜー!」

太田はかなり充実した高校生活を送ってそうだな。

生き生きとしてる。

「マジかよ?2年からそっちに行こうかな?」

僕はまた皆と一緒に高校に通って、面白おかしく楽しい学校生活が送れるなら、普通科だろうが工業科だろうが関係ない。

皆と一緒にいられるのならば。

「そうだよ!チャリで行ける場所なんだから、小野っちもこっちに来いよ」

「編入か…そうだよな、そっちの学校の方がいいかもな。
都立校だし、金もかからないし」

僕は本気で編入を考えた。

だって、皆とこうやってワイワイ出来るならば、思いきっり楽しめる学校の方がいいに決まってる。

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