スキルスティール〜悪い奴から根こそぎ奪って何が悪い!能無しと追放されるも実はチート持ちだった!

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第1章

第75話 女騎士エルザ

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 3日目の行程が半分位に来た時に、またもや異変が起こった。

 前方から多くの騎馬が向かってくる気配がしたのだ。

 ただ、シロやハインはくつろいだままで、カナロアも屋根の上で呑気に歌っており、警戒をあまりしていない。

 姿がはっきり見えてくると、どうやら1000名位の正規兵や騎士だという事が分かった。100m程手前で停止し、騎士の数人がこちらに駆け寄り、1人が馬から降りた。代表者?がヘルムを外すと、見事なブロンズ、ストレートの美女が向かってきて、馬車から出た俺の前まで来ると優雅に片ひざを付き、口上を述べた。格好良い。女騎士は凛として男前だな。いや本当に格好良い。

「お初にお目に掛かる。勇者友安様とお見受け致します。私は第5王女のエルザと申します。城まで護衛するよう叔父上、もとい、国王陛下より命を受けてお迎えに上がりました」

 どうやら俺は見惚れていたようで、イリアに肘鉄を喰らってハッとなった。

 大変綺麗である。目付きが少しきつそうだが、間違いなく俺のストライクゾーンのど真ん中だ。背丈は165cm位だろうか。この世界で見た一般的な女性より握り拳1つは高い。パッと見でのスタイルはナイスバディだ。涎がでそうだ。年齢は10代後半?大学生位だ。声も凛としており、振る舞いも凛々しい。声のトーンは少し低いが、かなりの美声だ。

 女騎士だよ!ぽちい!と思ってしまい、ついついすけこましのスキルを発動していた。無意識にだ。

「やあ、はじめまして、美しいお嬢さん。貴女のような美しい方のご相伴にあずかるとは喜ばしい事です。見たところ貴女がこの一隊を率いられているようですね。美貌の女騎士よ、我と我が仲間の護衛しかとお願い致します。詳しくは道中馬車の中でお茶でもしながら語らい合いませんか?」

 そういい、淑女に対する挨拶である手の甲へのキスをし、馬車に入るよう身振りをした。エルザは少し顔を赤らめて、照れているようだが、馬車に入る前に部下に指示を出す。

「隊長、私は馬車の中で勇者殿と話し合いをせねばならぬ。指揮を任せた。馬車の護衛を頼んだぞ!」

 そうして俺にエスコートされながら、女騎士エルザは馬車の中に入る。手甲は外していて、意外にも滑らかな綺麗な手だった。

 フランカが入れ替わりで馬車から降りて、エルザの馬に乗り、馬を運んでくれる。馬へは、きちんとお前の主が馬車にいる間だけ、自分が乗らせて貰うよと語っていた。言わなくても進んでそんな事をしてくれる有難い仲間だ。

 ミザリア、イリア、ミリアは少し機嫌か悪そうだったが、エルザは俺の向かい側ではなく、隣に座って貰った。反対側にミザリア、向かい側にゼツエイとツインズだ。御者はカナロアとムネチカが引き受けてくれて、程なくして出発するのであった。
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