二桁等級の成り上がり〜僕だけステータス操作(体重)出来る件〜

KeyBow

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第一章

第2話 ゴブリンと一緒に走る

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 町に戻るとそのまま冒険者ギルドに行き、いつもの受付のお姉さんに薬草を提出しがてら、ゴブリンを倒したことを話すとかなり驚かれてしまった。

「突然現れて驚いたけど、無我夢中で戦ったんです。幸い攻撃は貰わなかったんですよ!」

「運が良かったわね。今回はたまたま勝てただけで、君の級だと逃げるべきなのよ」

 苦言を呈されながらも、換金してくれる。

「でも、その場に残って逃がしてくれた人がいるって、君のことだったんだね。そんな君のことをそこにいた人は感謝していたぞ!命が一番大事なんだから、無茶をしたら駄目だぞ!」 

 いつの間にか姉が弟に話す感じになっていたな。それと今回魔物が出たところは、8級推奨依頼として調査をし、終わるまでは立ち入らないよう掲示するんだって。
  
 今回のリザルト。
 魔核1個につき1000g2体で2000g
 討伐証明1体につき1000g2体で2000g
 薬草2200g
 合計6200g


 この場所での薬草採取は、合計3000gになれば良い方だったと思う。
 もう少し採取していたら、日が傾き始めるところだったんだ。つまり、倍の額を得たんだ。
 ホクホク顔で明日はゴブリンを狩ろうと決意する。怪我に備え回復薬を買い、折れたナイフの代わりを購入したりと最低限の準備をする。ゴブリンなら倒せると信じて、なけなしのお金をつぎ込む。武器は心許ないが、手元にはゴブリンの持っていた棍棒もある!

 翌日、いつもの受付のお姉さんに心の中で謝りつつ、僕の心の中に潜む中二病を抑えきれなく、今、10体のゴブリンと共に走っている。

 目的が同じで共に走っているんだ!
 僕たちは風と一体になった!彼らも人と打ち解けるんだ!
 なんてことはなく、ゴブリンたちがオークに追われていて、それに巻き込まれた僕も一緒に逃げているだけなんだ。

 ゴブリンも必死で逃げていて、僕に構っている余裕がないだけ。

 僕は決して無茶をした訳じゃない!
 朝一番でギルドに行き、ゴブリンの討伐依頼書を手に入れたんだ。
 扉が開くと同時に掲示板の前に駆け出し、颯爽と依頼書を取ったんだ。

 依頼書にある目撃場所に向かっていたら、突然ゴブリンの一団と遭遇してしまった。
 まだ距離があるし、行動半径外だと思うんだよね。ひょっとしたらオーク等に追われ、集落からかなり離れたところにいたのかな?

 どうしよう?そう思いつつ僕はゴブリンよりも少し早く走り、道の脇にある木の陰に入ることに成功した。

 ゴブリンが僕の脇を駆け抜け、オークもやり過ごすことに成功した。やはりオークに追われていたんだ。
 このまま放っておくと街道に出兼ねないから、意を決して戦おう!と決断した。 

 僕はナイフを手にオークの背後から追いかける形で再び走り出した。
 オークはゴブリンに追い付くと、刃こぼれの目立つ粗末な?剣で一掃すべく振り回し始めた。 
 1体、また1体と切り伏せられていき、地面が血で滲んでいく。

 「グオアアアアァァァァ」

 3体目が斬られるとオークは雄叫びを上げた。
 どうやらゴブリン狩りを楽しんでいるようだ。
 そのためか、背後から迫る僕のことに気が付いていないか、無視している。

 血で滑ったようで体幹が崩れた隙を見逃さず、僕は一気に駆け出し、ゴブリンの死体を避けるようにオークの背後からジャンプした。

 いい感じの位置に飛び、その脳天にナイフを突き刺した。

『やったぞ!』

 心の中で叫んだ。
 8級以上推奨のオークの脳天にナイフが突き刺さり、脳天から血を吹き出して倒れた。
 2、3秒ほどピクピクし、直ぐに動かなくなり絶命したのだと分かる。
 そして僕の体が少し痺れた。
 初めてのことだから断言できないけど、多分レベルアップしたんだと思う。
 冒険者になって1年、ようやく来たよ!力が漲るとは言わないけど、何となく力が増したことが分かるんだ。

 息を整えつつナイフを引き抜くと、2度振って血を飛ばしてから腰の鞘に戻す。
 そして、オークが先ほどまで振り回していた剣、多分死んだ冒険者から奪ったと思われるショートソードを握りしめた。
 本当はせめてショートソード位欲しかったんだ。
 包丁ほどの大型のナイフが僕の武器だったけど、安くて丈夫、取り回しも扱いやすく初心者御用達なんだけど、いかんせんリーチが短い。特に複数を相手にするなら剣は必須だよね。

 7体に減ったゴブリンが縦に一列になっていた。オークが倒されたのが分かったようで、走るのを止めこちらを睨んでいる。
 どうやら僕なら殺れる!と逃げるのから一転、近くの奴らから順に襲いかかってくる。

 でも、僕はもう怖くない。

 よくわからない力が『後にスキル【見切り】と判明』僕を守ってくれる。1体、また1体とゴブリンを倒していく。
 ゴブリンの攻撃は単調で力任せの大振りだ。
 当たればそれなりにダメージが入るけど、避ければ良いだけだ。
 袈裟掛けに振るって来た棍棒を、剣の腹で受け流し、背後から首筋を半ば斬る。
 するとそのまま血を吹き出しながら倒れる。
 そして死体を乗り越えて次のゴブリンがやってくる。その繰り返しで馬鹿な奴ら。

 僕はただひたすらに、生き残るために戦う。ゴブリン相手に注意しなければならないのは囲まれること。複数を相手にする鉄則は1対1、悪くても1対2までに抑える。 
 身体能力は上位個体でなければこちらが上で、冷静に戦えば勝てる相手。
 少しずつ見切りも精度が上がり、時に足を引っ掛けて体勢が崩れたところを蹴り上げたり、別の奴にぶつけたりと戦いに慣れてきた。
 僕は「ハハハ!行ける!倒しきれる!」そう唸りながら剣を振るい、いつの間にか戦いが楽しくて仕方なかった。

 そして、その戦いの中で僕は少しずつ強くなっていくのだった。
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