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第1章(高校生入学編)

第47話 フレイムプリズンと旋律の乙女初依頼完了

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 友里愛が魔法を発動すると円形の鳥かごのような物が展開し始めた。
 上の方から下に向かって格子が伸び始め、後40Cmほどになり2体のライカンスロープがギリギリで離脱した。
 離脱した直後に地面まで格子が伸び、牢獄が完成する。
 格子部分は全て炎なのもあり、結構な熱量だ。

 エリートナイトはカゴ型の牢獄に触れようとして手を引っ込めたが、ジュッ!っと肉の焼ける臭いがする。

 体当たりをするもびくともせず、ゴオオオオ!と叫びながら焼けただれた肩を擦る。

「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ・・・くうぅ・・・きっつうぅ・・・!」

 友里愛が結構きつそうだ。 

「小さくなればよいのに!」

 そうつぶやくと、直径3m程の牢獄が縮みだした。

 エリートナイトは熱さから苦悶しており、直径1mほどになると火傷をしようが構っていられなくなり、なりふり構わず破壊に掛かる。

 しかし肉が焼けるだけでびくともしない。
 やがて炎が体に触れ、全身が焼ける。

 ゴブゴゴゴゴゴガ!と叫んでいたが、やがて止まった。
 ここまでだ。

 呆然としている友里愛の肩を揺らす。

「楽にしてやろう。解除して!」

 友里愛はリリースと呟いた。

 そこには息も絶え絶えなエリートナイトがいた。

 僕はその首元に剣を当てた。

「すまない。苦しませたね」

「待って。自分でやるわ」

 僕は剣の柄を友里愛に握らせ、彼女の肩に手をやって見守る事にした。

「苦しませてごめんなさい。今楽にします」

 ザシュッ!

 剣に体重を掛けて首を切り落とすと霧散し、友里愛はドロップされたカードを拾い、泣いていた。

「ごめんなさい。苦しませるつもりはなかったの。あなたは私がちゃんと使うね」

「友里愛、気にしちゃ駄目だよ」

「斗升君が言うと説得力が無いわね。君も相当引きずる口なのよ」

 僕は心当たりがあり過ぎて愛姉に言い返す事が出来なかった。

 しかし、友里愛がエリートナイトを倒した直後に転移陣が発生していた。

「調査は終わり?」

「少しきになるのよ。あのマンティスについてで、中堅の探索者以上に再調査を依頼しないとだわ。でも今できる事は無いわね。帰りましょうか!」

「友里愛、大丈夫?」

「うん。もう落ち着いたわ。この子貰っても良い?」

「うん。1人で倒したんだからこれは友里愛のだよ。愛姉も良いよね?」

「勿論よ。私はフィールドでアレン達が回収してきたアイテムとこの矢を生成するブレスレットを貰ったからこれで十分よ。2人は私が調査する護衛として来ている事になっているから、他は2人で山分けにしなさい」

 そうして僕達旋律の乙女の初依頼が終わった。

 僕はカーヴァント達を集めたが、愛姉は友里愛を落ち着かせていた。

「よし、皆ありがとう。可能な限り装備を充実させたいのと、こんなのしかなくて悪いけどお菓子を食べて」

 カバンから出した羊羹を配る。
 皆の目が点になっていたが、喜んでくれたようだ。

「それと、君達の中に間違った呼び方をしている者がいるから訂正ね。友里愛は独身だから奥様だなんて言わない事。愛姉も同じだからね。それと僕の事を旦那様って誰かが言っていたけど、僕も独身だからね。と言う事でソロソロ引き上げないと行けないから皆戻って!」

 そして僕のカーヴァントがカードに戻った。

 愛姉と友里愛のカーヴァントはホールを入った後かな。

 少し待ってから愛姉、友里愛、カーヴァント、僕の順番でホールに入った。

 カーヴァント達と別れたと言うか、カードに戻した後愛姉の車でギルドに。

 愛姉は報告しに行ったので、僕達は魔石や不要品の換金だ。
 友里愛はやった事がなかったので、今回は友里愛がメインで行う。

 トレイに入り切らないので、適当に半分に別け、2回行う事になった。

 アレク達が集めたお宝は詳しく見ていないので写真を撮り明日見る事にした。

 友里愛は僕に任せると言うが、パーティーとしてラビリンスに入ったのだからきっちりしよう!としたが、ジト目をされ最後はため息をついて終わった。

 本日ゲットしたカード
 ビッグマンティス 1枚 ランク6
 エリートナイト(ゴブリン) 1枚 ランク5
 マンティス 25枚 ランク3
 ゴブリンナイト 4枚
 ゴブリンウォーリアー 4枚
 ゴブリン 2枚
 エリートナイトは友里愛が欲しがったので渡したんだけど、マンティス系はキモがって愛姉も友里愛も受け取らず、僕に託されたんだ。

 ただ、ビッグマンティスはランク3のマンティスを召喚するからかなりお得なんだけどね。

 愛姉の方からはショーナンにウォーリアーを重ねてκにして欲しいと言われ、それ以外は特になかったな。
 いや、マンティスはキモいとだけ言われたっけな。

 それにしてもカーヴァントがあんなに濃いキャラだとは知らなかった。
 やはり勉強不足だな。

 お金は・・・121万円に。

「あのね、斗升君、お、お金どうしよう?す、す、凄いよ!」

「じゃあ50万円ずつに分けて、残りは愛姉ってのでどう?愛姉はいらないって言うけど、せめてこれ位は貰って欲しいかなって」

「お姉様の分は良いけど、50万ってどうしよう・・・?」

「ほら、バトルスーツがどうのと先生が言っていたけど、確か自分の稼ぎで買ったの以外学校では駄目だったでしょ?」

「そ、そうだったわね。当面の目標はバトルスーツを自力で買う事よね」

「おまたー!ナニかあった?」

「お疲れ様です。お金の分配について話していたんです」

「そっか。じゃあクエストの達成手続きをするからカードを貸してね」

 愛姉が事務室に入り、数分後に出て来た。

「お金確認してね!」

 早速ATMにて明細を確認すると・・・

「ちょっとこれどういう事?す、す、凄いわよ!」

「パーティーで60万円よ。少なかったかしら?まあ私はいらないから2人で分けなさい。私はギルドから危険手当が出たから遠慮しないで」

 結局ドロップを売った分で100万を超えた分を愛姉に渡し、僕と友里愛は80万円ずつのお金をゲットしたんだ!
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