モブ高校生と愉快なカード達〜主人公は無自覚脱モブ＆チート持ちだった！カードから美少女を召喚します！強いカード程１癖２癖もあり一筋縄ではない〜

第１章(高校生入学編）

第76話 マンティス生まれる！

　時は少し戻り、サマンサが卵を産んだ直後になる。

　レイラが卵が入った卵鞘を持ったサマンサを連れて着たが、そのまま誰かの腕の中で生まれるとまずいので、拾ったサイクロプスが落とした棍棒に卵鞘をつけていく。

　そして棍棒に卵鞘をくっつけた直ぐ後、一斉にマンティスが卵から孵化していった。
 　何百という数のマンティスが一斉に孵化したが、そのうちの１体が僕の手の上に乗った。

　うおぉ！？何これ！？小さくて可愛いんだけど！
　しかし他の個体より早く大きくなってきて瞬く間に手のひらサイズになったよ！
　凄いなぁ！
　他の個体も消しゴムサイズになり周辺を動き始めた。

　１分もするとほぼ全てのマンティスリーダーが女性の靴程の大きさになっただろうか。
　辺り一面マンティスだらけで気持ち悪いと思う位うじゃうじゃしている！
　何やらサマンサがマンティス達に語り掛けているが、召喚したというか、サマンサが産んだのはランク４のマンティスリーダーらしい。

　気が付いたら一部がどこかに行ってしまったらしいが、そのうち誰かの悲鳴が聞こえてきた。
　おや？と思っていると田仲君達がこちらに来た。

「ト、トマス君これは一体？」
　
「うん。ビッグマンティスのサマンサが召喚したマンティスリーダー達だよ。ほら！小さくて可愛いだろう！？」

　引きつった笑みで歯切れの悪い返事をするしかない田仲君。

　しかし中芝君が叫んだ。

「そうじゃないよ！た、大変なんだ！マンティス達を見て驚いためぐみんとりっちゃんが駆け出して奥へと行ってしまったんだ！愛莉さんがマッスル２体に追い掛けるように指示をしてくれたから、まあ大丈夫だとは思うけども、あっという間に見えなくなったんだ！どうしよう？」

　そんな話をしているとすくすくとマンティス達は大きくなり、既に体高が膝丈サイズ までになってきた。

「このままだと２人が危ないね！よし！この場はゼッチィーニに任せるよ！レイラ、ジョーイ、ムミムナ、アレク、ノイラスで行こう！人間側としてここは友里愛に任せても良い？カーヴァント達を頼んだよ」

「わ、分かったわ。あなた達はあの２人を必ず助けてくるのよ！もしも何かあったら許さないんだからね！」

　そしてジョーイに召喚できるだけの ライカンスロープを召喚してもらい 、更にマンティスリーダーの半分を連れて行く事にした。
　僕はジョーイに、他はライカンスロープに騎乗して２人の後を追う事にした。道中遭遇したサイクロプスを倒しつつ奥へ奥へと進んで行く。
　マンティスリーダー達が一斉に襲い掛かり、瞬く間に鎌で斬り刻んでいった。

　僕達が友里愛達の元を離れたのはおそらく２人が駆け出してしまってから１０分ほど経っていただろうか。

 　そして今は追跡を始めてから２０分程経過したが、幸い死体や致命傷を負ったような痕跡は発見できない。
　つまり生きている可能性が高い事を意味する。

 　途中 サイクロプスに邪魔をされその都度蹴散らしている。
　友里愛達を置いてきた場所にはかなりの量のサイクロプスがいたが、あのように大量ではなく散発的に出てくる感じだ。

　どれ位の時間が過ぎただろうか？ ようやく階段が見えて来た。

　ジョーイの反応から2人はこの階段を降りて行ったのだとなんとなく分かる。
　なぜ下の階層へ進んだのか理解に苦しむところではある。
　それは下の階層へ進む程強い魔物が出るのがセオリー だからだ。

　上りの階段を見つけて登って行ったのなら分かるが、下に行ったとなると何かに追い掛けられており、やむを得ず階段を降りる方向へ逃げたのだろうか？
　どうか無事でありますように！