モブ高校生と愉快なカード達〜主人公は無自覚脱モブ＆チート持ちだった！カードから美少女を召喚します！強いカード程１癖２癖もあり一筋縄ではない〜

第２章

第154話 激不味ポーション

　突如現れた別働隊にエルフの陣形にほころびが出始めた。
　レジスタンスの面々は背後に回り込むと、カーヴァントと共にエルフ達を叩きのめしていた。

　武器は殆どが敵から奪ったのを使っていた。
　立て籠もっていた建物の周りには多くのエルフの屍は・・・ないが、代りに魔石やカードが落ちていた。
死ぬ前に武器を落としているとその場に残るので、それらを拾って己の武器として銃撃していた。

　装甲服でなければ普通に攻撃が当たり、ダメージも入る。

　場合によっては組み伏せ、武器やエネルギーパックを奪い気絶させていた。

　僕らには出来ない芸当だ。
　僕はするけど・・・

　形勢が変わり、友里愛達もカーヴァントを突撃させていた。
　銃撃は当たればカーヴァントにもダメージが入り、中々斬り込めなかった。

　僕に対する攻撃が少なくなり、エイプとの戦いに集中出来始めた、遂に左腕を肘の所で半ば 切断する事に成功した。

　そこからはエイプの動きは精細を欠き、あっという間に脳天を忠煎廟剣で叩き割った。
　露出した脳漿に浪漫砲を直接ぶちこみ決着した。
　ただ、至近距離でそれをやったので 脳漿まみれになってしまった。
　てへっ♪

　そして鬱憤を払うように僕は浪漫砲を放ち続け、エイプを倒してから１０分程でエルフを制圧しきった。

　そこから怪我人に治療をするのだけど、僕達は全員無傷で一部のカーヴァントが重症お負ったのでカードに戻した程度だ。

　しかし、突撃していったレジスタンスは違う。

　半分のカーヴァントが瀕死で、怪我をしていないのはいなかった。
　熾烈な戦いをし、死亡者がいなかったのが不思議だった。

　後から聞いたけど、これまでの生活は苛烈で、向こうの世界に囚われていた者のうち、今では１割も残っていないそうだ。

　中には一般市民もおり、自衛隊員と違い体力もなく、戦闘力、特に生き残る為の自衛力が無い者はまっ先に死んだ。

　自分の事で精一杯で、弱者を守る余裕はなかった。
　ただ命を天秤に掛け、１人なら担いで逃げられるとしたら、戦闘力があって怪我をした者を選び、そうではない者を見捨てる事をしなければならない世界で生き延びてきた。

　だから戦闘力がある精鋭や体力のある若者しか生き残れなかった。

　今回の戦闘で被弾したりした人が６人いて、あと１時間以内にムミムナによる治療が必要な者がいた。

　その場で玉を摘出し、その様子に驚いたんだけど、物を飲み込めるようなので激不味の回復薬を飲ませたんだ。

　ラビリンスにて時折ドロップされる回復薬なんだけど、１本に付き１千万もする薬を飲ませたんだ。

　欠損修復はしないけど、殆どの傷は治るんだ。
　ただ、副作用も強いから命に関わる時にやむを得ず使う緊急用として持っていたのを出したんだ。
　ラビリンスを出ると、急激にエッチになるんだ。

　最初はそれで強姦した人とか、人前で全裸になった人とかがいて逮捕者も出たそうだ。
だけど、今は拘束し、副作用が起こる期間中、閉じ込めるのが一般的になっているんだ。

　金額は伝えずにリスクと効能、非常に不味い事を話すと飲ませてくれとなった。

　隊長さんも死に掛けていたな。
　皆からここまで来て死んだらアホだぞとか、死に掛けているのに笑いながら拘束し、嫌がるのを無理矢理飲ませていたな。

　恨まれるレベルで不味い。
　死なせてくれとか本気で言っていたよ。
　結局１人はどうやっても飲めなかったので、チューブを挿管して直接胃に送り込むんだけどね。
　それもかなり辛いし、医者がやるのじゃないのできつい。

　最後は気絶させてやったよ。
　幸い挿管時の傷もこのポーションで治るのだから良いよね・・・