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第3章
第195話 最後の戦い?
しおりを挟む不安を覚えつつ最奥に到着すると、そこには巨大な蜘蛛が待ち構えていた。
それはダンゴムシのように丸まっていたが、僕達が近づくと体を開いてその姿を見せてきた。
その姿はまるで人間のように2足歩行をしているが、頭は蜘蛛のままだったけど、その口からは人間の言葉が発せられた。
「よくぞここまで来たな。地球人ども」
「お前は何者だ?」
「私はこのラビリンスの支配者だ。異界の王子であり、この星の王となるものだ!」
「異界の王子?」
「そうだ。私は異界から地球に侵入した者達の中で最も強力な存在だ。私は地球を征服するために、このラビリンスを作ったのだ!つまりこの星の王だ!」
「地球を征服する?何のために?」
「それは私の楽しみだ。地球人どもを苦しめて、私の奴隷にするのだ。私はその過程を楽しむのだ。そして貴様らのような者を狩るのだ!」
「ふざけるな!お前はただの愚者だ!」
「愚者?私は王だ。王は自分の思うようにするのが当然だ。お前達はそれに従うか、死ぬかの選択しかない」
「そんなことはない!お前を倒せば、地球に新たなラビリンスは発生しなくなる!だから倒す?」
「ほう?それがどうしたというのだ?お前達に私を倒せる力があるとでも?」
「あるぞ!僕達は地球を守るために戦うんだ!」
「守る?笑わせるな。地球など守りようがない。私はこのラビリンス以外にも、他の場所にも扉を作っている。私が倒されても、他の異界の者達が地球に侵入するだろう。お前達は絶望するしかない」
「そんなことはない!僕達が扉を閉めれば、異界と地球の繋がりを断つことができる!」
「扉を閉める?それがどうしたというのだ?扉を閉めるためには、7人の地球人が必要だろう。お前達はその犠牲を払えるのか?そして扉を閉めた後、向こう側に残った者達はどうなると思っている?向こうでは私以外にも強大な敵が待ち構えているぞ。お前達が生き残れるとでも?」
「生き残れるぞ!僕達が仲間と力を合わせれば、どんな困難にも立ち向かえるんだ!」
「仲間?そんなものは無意味だ。仲間というのは、自分より弱い者や利用できる者を集めたものだ。本当に困った時に、誰も助けてくれない。お前達はそれを知らないのか?」
「そんなことはお前達の世界の話であって地球のことではない!!僕達は仲間を信じているんだ!仲間というのは、自分より強いか、弱いのなんて関係ない。背中を預けられる者なんだ。困った時でも誰も見捨てない。お前はそれを知らないのか?」
「そんな馬鹿なことが起こるわけがなかろう!!私は仲間など必要としない!私は自分の力だけで生きてきたんだ!私は誰にも従わないし、誰にも頼らない!私は王なのだ!必要ならば奴隷にさせれば良い!」
「それがお前の選択だったのなら、それでいい。でも、僕達は違う。僕達は仲間と共に生きることを選んだんだ。僕達は王ではない。僕達は地球人なのだ!」
そう言って、僕は蜘蛛に向かって突進した。
僕の後ろにはレイラやサマンサ、ジョーイ、アレクシア、友里愛やみっちゃん、アレクシア、愛姉が続いた。
そして、自衛隊や探索者達も加わった。
僕達は一つになって、蜘蛛に挑んだ。
それは壮絶な戦いだった。
蜘蛛は強力な魔法や毒液を使って僕達を襲った。
僕達も魔法や武器を使って、蜘蛛に反撃した。
双方に多くの傷を負ったが、誰も引かなかった。
戦いが始まってから1時間が経った頃、ついに決着がついた。
僕はレイラの魔法で強化された忠煎廟剣で、蜘蛛の頭を切り落とした。
蜘蛛はその状態でも悲鳴を上げ、体はそのまま前に倒れた。
「やったぞ!倒したぞ!」
「斗枡様!すごいです!」
「斗枡!やりましたね!」
「斗枡さん!おめでとうございます!」
僕の周りでは歓声が上がった。
僕達は勝利を喜んだ。
本当は浪漫砲が効けば楽に倒せたかもだけど、奴には効かなかったんだ。
しかし、その時だった。
蜘蛛の背後から何かが飛び出してきた。
それは扉だった。
「あれは・・・」
「扉です。異界と繋がっている扉です」
「これが最奥にある扉か・・・」
「そうです。これを閉めれば、地球に新たなラビリンスは発生しなくなります」
「でも、扉を閉めるには・・・」
「あ奴の言う通り7人の地球人が必要です。そして、扉を閉めると向こう側に残らなければなりません」
「そうだよね・・・」
僕達は扉を見つめた。
その時、扉から声が聞こえた。
いや、奴の言葉にそのように聞こえたと錯覚したが、その通りだった。
「おめでとうございます。あなた方はこのラビリンスの最奥に到達しました。あなた方は地球の英雄です。あなた方には扉を閉める権利が与えられます。扉を閉めることで、地球に新たなラビリンスが発生しなくなります。しかし、扉を閉めるには7人の地球人が必要です。そして、扉を閉めると向こう側に残らなければなりません。向こう側では異界の者達が待ち構えています。あなた方は生き残る可能性がありますが、保証されません。あなた方はどうしますか?扉を閉めますか?それとも開けたままにしますか?5分すると閉じることができなくなります」
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