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第一章 冒険者編
第40話 ベリーズを冒険者に推薦す!
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テリーの話が終わると、次はギルドマスターに代わった。
「ベリーズの護衛依頼を受けた三人組に対する処罰についてだが、悪いがこの町から追放することが決定した。彼らはパニックに陥り、逃走したことを深く悔いており、その行為を依頼失敗として謝罪してきたのだよ。もちろん見え透いた嘘だ。しかし見抜けんのだよ。妙に鋭くてな、自ら報告してきたのだ。護衛対象を囮として使い、ロイたちに意図的にその魔物を押し付けたという証拠は見つからなかったのだ。魔道具によるウソ発見も躱したのだよ」
テリーは弟に罪を償わせるべく探していたが、ロイはこの問題がテリーの身内に起因していることを理解し、直接テリーが引き起こしたわけではないとして、彼の謝罪を受け入れることにした。
「頭を上げてください。テリーさんがしたことじゃないですよ。弟のしたことを兄が償う必要はありません。と言っても、テリーさんとしては立場上謝罪するのでしょうが」
「そう言ってくれるとありがたい。」
「それとベリーズさんの護衛は僕にやらせてもらえませんか?それと、ベリーズさんは心の奥底では冒険者になりたかったのではありませんか?」
「どうしてそれを?」
「あの斧捌き、魔物を想定して訓練していたと思ったんです」
「済まないが、その話はベリーズさんの護衛に何か関係があるのですか?」
テリーが首を傾げていた。
「はい。まず皆さんの了承が必要ですが、ギルドマスター、ベリーズさんはエリナさんからかけられたバフによりオークを倒していたと聞きます。それならば非戦闘系の加護持ちとはいえ、僕のように冒険者登録ができませんか?」
「うむ。事実なら認めよう。それとどう関係ある?」
「はい。僕の提案は今後のことまでは分かりませんが、ベリーズさんが冒険者となり、エリナさん、可能ならミランダさんが僕のパーティーに臨時加入し、テリーさんと共同で調査依頼を受けることを提案します。それならば護衛をつけるとはいえ、非冒険者に危険な調査に向わずに済みます。それにベリーズさんがせっかく切り出した木材も、ソニアがいれば回収できますから」
皆の顔が明るくなる。
「その、私、皆さんに迷惑をかけたのですよ!それを臨時とはいえパーティーに誘っていただけるだなんて・・・」
エリナは泣いてしまい、ソニアが抱きしめて背中をさする。
「ロイはお人好しなのです。でも、その判断に間違いはないですよ」
「アタイは良いぜ!兄貴が冒険者するならもちろん一緒だぜ!それにロイ様にはアタイの初めてをもらわれちまったし、駄目だと言っても一生ついてくぜ!」
ロイはミランダの言っていることの一部が分からなかったが、エリナ共々了承したと理解した。
「ギルドマスター、私からも改めてお願いしたい。私を冒険者にしてはくれまいか?」
ギルドマスターはテリーを見ると頷いたので、決断した。
「良かろう。ベリーズを儂の権限で冒険者にし、ロイ、お前さんのパーティー、結晶の舞に加入させる許可を出そう。ちゃんとリーダーとして面倒を見ろよ」
「ロイ君、臨時で私も君のパーティーに入るよ」
「そ、それは?僕はアイアンランクですよ?パーティー員にゴールドランク冒険者がいるっておかしくないですか?それにテリーさんのパーティーはどうするのですか?」
「あくまで一時的な脱退だけです。サブリーダーがリーダーをするだけですから問題ありませんよ」
ロイがオロオロしていると、ギルドマスターが首を横に振り、肩をガッチリ掴む。
「諦めろ。発起人はお前だ。ゴブリンクイーンを倒したその腕前に期待する。お前さんの担当はリラだったな。面倒だな。あいつに札を渡して今のことを実行しろ」
そして、その第一歩としてロイたちはこれからオークの調査と、伐採された木材の回収を目的とした臨時パーティーを組むことになった。
テリーもこの一件を通じて生じた顛末につてお詫びの意を込め、彼らと共にその調査依頼に赴くことを決めたのだ。
因みにソニアはどういう反応かと言うと、信奉者のそれだった・・・
「ベリーズの護衛依頼を受けた三人組に対する処罰についてだが、悪いがこの町から追放することが決定した。彼らはパニックに陥り、逃走したことを深く悔いており、その行為を依頼失敗として謝罪してきたのだよ。もちろん見え透いた嘘だ。しかし見抜けんのだよ。妙に鋭くてな、自ら報告してきたのだ。護衛対象を囮として使い、ロイたちに意図的にその魔物を押し付けたという証拠は見つからなかったのだ。魔道具によるウソ発見も躱したのだよ」
テリーは弟に罪を償わせるべく探していたが、ロイはこの問題がテリーの身内に起因していることを理解し、直接テリーが引き起こしたわけではないとして、彼の謝罪を受け入れることにした。
「頭を上げてください。テリーさんがしたことじゃないですよ。弟のしたことを兄が償う必要はありません。と言っても、テリーさんとしては立場上謝罪するのでしょうが」
「そう言ってくれるとありがたい。」
「それとベリーズさんの護衛は僕にやらせてもらえませんか?それと、ベリーズさんは心の奥底では冒険者になりたかったのではありませんか?」
「どうしてそれを?」
「あの斧捌き、魔物を想定して訓練していたと思ったんです」
「済まないが、その話はベリーズさんの護衛に何か関係があるのですか?」
テリーが首を傾げていた。
「はい。まず皆さんの了承が必要ですが、ギルドマスター、ベリーズさんはエリナさんからかけられたバフによりオークを倒していたと聞きます。それならば非戦闘系の加護持ちとはいえ、僕のように冒険者登録ができませんか?」
「うむ。事実なら認めよう。それとどう関係ある?」
「はい。僕の提案は今後のことまでは分かりませんが、ベリーズさんが冒険者となり、エリナさん、可能ならミランダさんが僕のパーティーに臨時加入し、テリーさんと共同で調査依頼を受けることを提案します。それならば護衛をつけるとはいえ、非冒険者に危険な調査に向わずに済みます。それにベリーズさんがせっかく切り出した木材も、ソニアがいれば回収できますから」
皆の顔が明るくなる。
「その、私、皆さんに迷惑をかけたのですよ!それを臨時とはいえパーティーに誘っていただけるだなんて・・・」
エリナは泣いてしまい、ソニアが抱きしめて背中をさする。
「ロイはお人好しなのです。でも、その判断に間違いはないですよ」
「アタイは良いぜ!兄貴が冒険者するならもちろん一緒だぜ!それにロイ様にはアタイの初めてをもらわれちまったし、駄目だと言っても一生ついてくぜ!」
ロイはミランダの言っていることの一部が分からなかったが、エリナ共々了承したと理解した。
「ギルドマスター、私からも改めてお願いしたい。私を冒険者にしてはくれまいか?」
ギルドマスターはテリーを見ると頷いたので、決断した。
「良かろう。ベリーズを儂の権限で冒険者にし、ロイ、お前さんのパーティー、結晶の舞に加入させる許可を出そう。ちゃんとリーダーとして面倒を見ろよ」
「ロイ君、臨時で私も君のパーティーに入るよ」
「そ、それは?僕はアイアンランクですよ?パーティー員にゴールドランク冒険者がいるっておかしくないですか?それにテリーさんのパーティーはどうするのですか?」
「あくまで一時的な脱退だけです。サブリーダーがリーダーをするだけですから問題ありませんよ」
ロイがオロオロしていると、ギルドマスターが首を横に振り、肩をガッチリ掴む。
「諦めろ。発起人はお前だ。ゴブリンクイーンを倒したその腕前に期待する。お前さんの担当はリラだったな。面倒だな。あいつに札を渡して今のことを実行しろ」
そして、その第一歩としてロイたちはこれからオークの調査と、伐採された木材の回収を目的とした臨時パーティーを組むことになった。
テリーもこの一件を通じて生じた顛末につてお詫びの意を込め、彼らと共にその調査依頼に赴くことを決めたのだ。
因みにソニアはどういう反応かと言うと、信奉者のそれだった・・・
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