転生ヲタク光秀~本能寺、したくなあぁあ~~い!

👼天のまにまに

文字の大きさ
27 / 70
第5章:単身赴任で甲賀を調略しよう!

甲賀行った(か)ら本気出す!

しおりを挟む

「いいか黒古。お前はここに隠れていろ。全部、この俺が倒してくるから」

 甲賀軍団100人。
 こいつらとの決闘に使われる刈り取りの終わった狭い田んぼ。
 その中央に小さな小屋がある。
 そこに黒古を待機させる。

 嫌だと言ったが強引に、ここへ連れて来た。御褒美は『信ちゃんと握手』と言ってきた。それだけは「ちょ、待てよ!」と言いたかったが、背に腹は変えられない。

 まあ、岐阜で乗馬しているキム〇クには、100万人近く会いに行きたかったらしいから、このヲタク娘には垂涎の的なのは理解できる。

 これはヲタク同士にしかわからないパトスだ!

「了解ですわ。今から手を洗って待っていますわよ~♪」

 おれは首を洗って待っていないといけないかも。「キンカン!手打ちじゃ。なぜこのような女子、連れて来た!?」とか、絶対に言われそう。

 光秀、まだ死にたくないでござる!

「では、手筈通りに」
「わかったわ」

 真面目になって目を合わせ、がっちり握手。
 俺は外に出る。


 小屋の前には3人の老人が立っている。甲賀の長老的な人なのか?

 伊賀では3家。藤林・百地・服部が合議制で国を取り仕切っているといっていい。
 だけどこの甲賀ではそれぞれの村が自治を行っているために、代表というものはいないはずだが。


「なかなか骨のある者が来ていると聞いたがお主か? まるで子供のような風体。それに面妖な髪色。ただ者では無かろうて」
「そうよの。胆力だけはあると認めようぞ」
「しかし甲賀を侮り過ぎじゃ。100人などいらぬわ。1人でもまだ余るぞ。相手はしてやろう。じゃが、まずは甲賀の若い者を倒して見せよ」


 老人がヘイトっぽいことを言う。
 あ~、もうちょっと憎まれ口叩いてくれないと盛り上がらないんですが。

 近くの畔に隠れていたのか。俺と同じくらいの背丈、若い顔の男が出て来た。ずっとそこに隠れていたのね。ご苦労様。老人はもっと若者を労わりなさい。

「この者。若手組の中でも一番の使い手。見事倒したら、脂ののっている働き手と戦わせてやっても良いぞ」

 その声と同時に、若い奴が苦無を投げてから襲ってきた。

 汚ね~。普通は「はっけよ~い」とか言わね? やっぱり忍者だね。と思っていたら、後ろから手槍。1人と見せかけて後ろから襲って来る、この攻撃。もう何でもあり。

 突いてくる手槍を右脇で抱え込み、後ろから不意打ちをしたやつを槍の遠心力でふき飛ばす。
 チッ。あの爺たち目掛けて飛ばしたけど、逃げられた。

 目の前にいた若い忍者。
 懐から二つ目の苦無を出して投げつけて来る。これで態勢を崩させてバッサリとやる手だね。

「変異抜刀、全力集中、ミスの呼吸。流槌めん!」

 別に飛ばないよ?
 刀から水も出ないし、左右にフラフラもしない。

 ただ言ってみただけは、お約束。
 ヒョイ、っと突進を避けて足を引っかけてもつれさせた。
 ズザ~、っといい効果音と共に消えていく若忍者。

 あ、落ちている忍刀、血がついてるから自分の身体のどこか斬っているね、君。きっとこれって毒塗ってあるよね。今頃、向こうで焦って毒消ししているんでしょう。


「なかなかやるではないか」
「見直したぞ。ではやり手衆のものを相手にしてみよ」
「この者はひと月前まで六角様の護衛していた猛者」


 俺は足で、落ちていた忍刀を軽く蹴りつけ、水路の畔にぶつかるほどの低空をブーメランのように回転させて飛ばした。

 グサッ。

 今度は足かな。
 隠れていた場所から出て来た大人忍者の太腿にざっくりと突き刺さる忍刀。
 悲鳴を上げないのは流石忍者。でも慌てて竹藪に走り込み手当をしている。


「や、やるではないか」
「しかしこの者は倒せぬであろう。お主のような若造には決っして」
「わ、儂もまだまだ若いから苦手よ、ジュルッ」

 風上からいい匂いが。
 いたのは分かっていたけどさ。ついついお楽しみに取って置いたんだ。振り返りそいつを見る。

 いわゆるくノ一です。
 それも一般的なリアルな正史で登場する女忍者ではなく、ぬきゲーやエロマンガで登場するスタイリッシュな装束の、あの人達。

「あなた、強いのね。気に入ったわぁ。きっと夜戦でも強いんでしょ? どう?あたしと対戦してみない? きっと昇天するわよ♪」

 戦艦並みの胸部装甲をちらつかせ、レイテ沖海戦のハルゼー艦隊をトラップにかけるような巧みさで誘って来る。

「肩が張るでしょ、おばさん。あと3年もすれば『垂れる』な」

 暗号という周りくどい方法ではなく、平文で容赦なく現実を突きつける。
 途端に、くノ一の顔が白目に。俺の発したセリフが書かれた稲妻状のとげが、胸部装甲を貫いてバイタルパートにまで突き刺さっているのが目に見える。
 仲間に引きずられて退場していった。


「や、やるではないか」
「しかし次の者は、甲賀四天王の一人。この者が倒せれば、この日ノ本で名が轟こう」
「精々気張るが良い」

 藪に隠れていたらしい大男がすっくと立ちあがり、こちらへ歩いてくる。
 あ~あ、腕が所々赤いよ。藪なんかに隠れているから。だいぶ蚊にくわれたんだね。ちゃんと虫よけスプレーしとくんだよ。

「我が名は、金剛力の運慶! この金棒に当たればどのような鎧も砕けよう!」
「つまり当たらなければ、どうということはない」

 俺はテンプレセリフを言う。
 これは一生のうちで一度は、実戦の時に使いたいセリフ。
 元の世界じゃケンカで勝ったことないからね。きもちいいいいい~~♪

 奴が振り下ろしたでっかい金棒に飛び乗り、宙返り。両刀でうなじの肉を削ぎ取る。やはり巨人を倒す時は、この場所を切り取るのはお決まりの作法です。


「!!!!」
「ま、まだまだ」
「この者は四天王の中でも最弱のもの。次は甲賀最強の……」

「たとえテンプレ儀式でも、もう飽きたよ。まとめてかかってきてよね」


 俺は加速に入るため、奥歯の横のスイッチを舌で押すイメージをした。これは大事な儀式。ルーティーンだ。

 自分が加速スキルを持っていること、色々なヲタクポーズをとっていて分かったんだよ。「へんっしん!」とか「ピンクのハートは愛あるマーク!」とかね。
 これもその一つ。

『甲賀来たから、本気だす』か!
しおりを挟む
感想 31

あなたにおすすめの小説

企業再生のプロ、倒産寸前の貧乏伯爵に転生する 

namisan
ファンタジー
数々の倒産寸前の企業を立て直してきた敏腕コンサルタントの男は、過労の末に命を落とし、異世界で目を覚ます。  転生先は、帝国北部の辺境にあるアインハルト伯爵家の若き当主、アレク。  しかし、そこは「帝国の重荷」と蔑まれる、借金まみれで領民が飢える極貧領地だった。  凍える屋敷、迫りくる借金取り、絶望する家臣たち。  詰みかけた状況の中で、アレクは独自のユニーク魔法【構造解析(アナライズ)】に目覚める。  それは、物体の構造のみならず、組織の欠陥や魔法術式の不備さえも見抜き、再構築(クラフト)するチート能力だった。  「問題ない。この程度の赤字、前世の案件に比べれば可愛いものだ」  前世の経営知識と規格外の魔法で、アレクは領地の大改革に乗り出す。  痩せた土地を改良し、特産品を生み出し、隣国の経済さえも掌握していくアレク。  そんな彼の手腕に惹かれ、集まってくるのは一癖も二癖もある高貴な美女たち。 これは、底辺から這い上がった若き伯爵が、最強の布陣で自領を帝国一の都市へと発展させ、栄華を極める物語。

俺が悪役令嬢になって汚名を返上するまで (旧タイトル・男版 乙女ゲーの悪役令嬢になったよくある話)

南野海風
ファンタジー
気がついたら、俺は乙女ゲーの悪役令嬢になってました。 こいつは悪役令嬢らしく皆に嫌われ、周囲に味方はほぼいません。 完全没落まで一年という短い期間しか残っていません。 この無理ゲーの攻略方法を、誰か教えてください。 ライトオタクを自認する高校生男子・弓原陽が辿る、悪役令嬢としての一年間。 彼は令嬢の身体を得て、この世界で何を考え、何を為すのか……彼の乙女ゲーム攻略が始まる。 ※書籍化に伴いダイジェスト化しております。ご了承ください。(旧タイトル・男版 乙女ゲーの悪役令嬢になったよくある話)

名もなき民の戦国時代

のらしろ
ファンタジー
 徹夜で作った卒論を持って大学に向かう途中で、定番の異世界転生。  異世界特急便のトラックにはねられて戦国時代に飛ばされた。  しかも、よくある有名人の代わりや、戦国武将とは全く縁もゆかりもない庶民、しかも子供の姿で桑名傍の浜に打ち上げられる。  幸いなことに通りかかった修行僧の玄奘様に助けられて異世界生活が始まる。  でも、庶民、それも孤児の身分からの出発で、大学生までの生活で培った現代知識だけを持ってどこまで戦国の世でやっていけるか。  とにかく、主人公の孫空は生き残ることだけ考えて、周りを巻き込み無双していくお話です。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~

シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。 主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。 追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。 さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。 疫病? これ飲めば治りますよ? これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。

私は5歳で4人の許嫁になりました【完結】

Lynx🐈‍⬛
恋愛
 ナターシャは公爵家の令嬢として産まれ、5歳の誕生日に、顔も名前も知らない、爵位も不明な男の許嫁にさせられた。  それからというものの、公爵令嬢として恥ずかしくないように育てられる。  14歳になった頃、お行儀見習いと称し、王宮に上がる事になったナターシャは、そこで4人の皇子と出会う。 皇太子リュカリオン【リュカ】、第二皇子トーマス、第三皇子タイタス、第四皇子コリン。 この4人の誰かと結婚をする事になったナターシャは誰と結婚するのか………。 ※Hシーンは終盤しかありません。 ※この話は4部作で予定しています。 【私が欲しいのはこの皇子】 【誰が叔父様の側室になんてなるもんか!】 【放浪の花嫁】 本編は99話迄です。 番外編1話アリ。 ※全ての話を公開後、【私を奪いに来るんじゃない!】を一気公開する予定です。

悪役顔のモブに転生しました。特に影響が無いようなので好きに生きます

竹桜
ファンタジー
 ある部屋の中で男が画面に向かいながら、ゲームをしていた。  そのゲームは主人公の勇者が魔王を倒し、ヒロインと結ばれるというものだ。  そして、ヒロインは4人いる。  ヒロイン達は聖女、剣士、武闘家、魔法使いだ。  エンドのルートしては六種類ある。  バットエンドを抜かすと、ハッピーエンドが五種類あり、ハッピーエンドの四種類、ヒロインの中の誰か1人と結ばれる。  残りのハッピーエンドはハーレムエンドである。  大好きなゲームの十回目のエンディングを迎えた主人公はお腹が空いたので、ご飯を食べようと思い、台所に行こうとして、足を滑らせ、頭を強く打ってしまった。  そして、主人公は不幸にも死んでしまった。    次に、主人公が目覚めると大好きなゲームの中に転生していた。  だが、主人公はゲームの中で名前しか出てこない悪役顔のモブに転生してしまった。  主人公は大好きなゲームの中に転生したことを心の底から喜んだ。  そして、折角転生したから、この世界を好きに生きようと考えた。  

処理中です...