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第11話
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わたくしは即座に制御盤へと魔力を流し込み、戦闘指令を構築した。思考と魔導中枢が直結している以上、指令は言葉も動作も必要といたしません。ただ“そう思えば”、即座に具現されるのですわ。
「ガルド・ユニット、A型からD型まで全展開。自動迎撃モード、敵性反応属性に合わせて調整、兵器制御を最適化なさいませ」
思考が弾け、空間に火花のような魔力干渉波が拡がる。それに応じて、村の外周に配備した魔導兵器たちが次々と目を輝かせ、装備を展開していくのが脳裏に直接伝わってくる。まるでわたくしの“手足”が一斉に走り出すような快感。ああ、たまりませんわ。
「リゼ、住民を地下へ誘導なさい。民間人に被害が出るのは、わたくしの美学に反しますの」
「は、はいっ、すぐに!」
リゼが飛び出していくのを視界の隅に見ながら、わたくしはさらに魔力を注ぐ。敵影は、すでに視覚認識圏内に現れましたわ。
黒衣に身を包み、魔具と思しき装備を身につけた四体の人影――あれはおそらく、王国直属の“特殊処理部隊”ですわね。諜報局と並ぶ裏の実働戦力。人でありながら、人ではない戦闘兵。それを、わたくし一人で迎え撃つなど、なんと贅沢な舞台でしょう?
「さて、犬ども。吠えるのなら、舞台に上がってからになさいませ」
迎撃ユニットの一体を通じてわたくしが視認したその瞬間、敵の一人がこちらに向けて高出力魔力砲を展開。狙いは結界の干渉点――おそらく、そこを破壊すれば防衛網に穴が空くと踏んだのでしょう。あら、知識だけはあるようですわね。でも、それでは甘いのよ。
「防壁、重力反転フィールドへ切り替えなさい」
わたくしが指示したと同時に、砲撃が放たれ、衝撃が空を裂いた。けれど魔力は結界表面でぐにゃりと歪み、まるで液体のように反転し、放った者へと跳ね返る。
「ば、馬鹿な――」
敵のひとりが声をあげたけれど、その言葉の続きは聞こえませんでしたわ。反転された魔力が爆発し、彼の周囲に巨大な火柱が上がったからです。
「ひとつ、退場。次はどなた?」
わたくしの思考はすでに次の行動へと移っております。残る三体は即座に分散し、各方向から突入を図る。連携も速度も洗練されておりますが、わたくしの“視野”はそれらすべてを把握済みですのよ。
「ユニットB、前方高射。C、側面制圧。D、トラップ起動して足止めなさい」
意識を流すだけで魔導兵器が次々に作動し、空を駆け、地を走り、罠を展開する。トラップユニットが地中から浮かび上がると同時に、敵のひとりが足元の魔方陣に気づいた。
「クッ、魔紋!? 解除術式が――」
遅いですわ。魔方陣が彼の脚部を包み、重力の方向を強制反転。敵兵は地面へと強烈に叩きつけられ、そのまま拘束フィールドで包まれた。
「ふたつ、退場。残り二名。さあ、次はどうなさいます?」
残る二体は、最初の愚か者たちと違い、完全に無言で動いておりましたわ。なるほど、戦闘特化の強化個体ですのね? 表情がない。恐怖も、怒りも、感情がない。あらあら、それではこちらの“演出”が生きませんわ。
「意識干渉を試してみましょう。思念波、拡張モードへ移行。対象:残存個体、設定:混乱誘発」
わたくしの思考が、魔導中枢を通して拡がる。まるで夢を見せるように、敵の脳波に揺らぎを刻んでやる。するとどうでしょう、片方の個体がわずかに足を止め、頭を押さえる仕草を見せたではありませんか。
「ほらほら、どうなさいましたの? 夢でも見ているのですか?」
その隙に、ユニットCが射線を確保し、脇腹へと高圧収束砲を直撃。敵兵は壁を貫通し、建物の奥に沈み込みました。
「みっつ、退場。さて最後は――」
しかし、そのとき。最後の一体が突如として加速。影のように地を滑るその動き、明らかに他の三体とは違う。
「……ふむ。これは、本命ですわね?」
わたくしは思考を集中させ、全兵器の攻撃指令を一時停止。代わりに、自らの魔力を直接一点へ収束させる。
「わたくしが、“直に”応じて差し上げますわ。お望みでしょう? 主犯との対話を」
「ガルド・ユニット、A型からD型まで全展開。自動迎撃モード、敵性反応属性に合わせて調整、兵器制御を最適化なさいませ」
思考が弾け、空間に火花のような魔力干渉波が拡がる。それに応じて、村の外周に配備した魔導兵器たちが次々と目を輝かせ、装備を展開していくのが脳裏に直接伝わってくる。まるでわたくしの“手足”が一斉に走り出すような快感。ああ、たまりませんわ。
「リゼ、住民を地下へ誘導なさい。民間人に被害が出るのは、わたくしの美学に反しますの」
「は、はいっ、すぐに!」
リゼが飛び出していくのを視界の隅に見ながら、わたくしはさらに魔力を注ぐ。敵影は、すでに視覚認識圏内に現れましたわ。
黒衣に身を包み、魔具と思しき装備を身につけた四体の人影――あれはおそらく、王国直属の“特殊処理部隊”ですわね。諜報局と並ぶ裏の実働戦力。人でありながら、人ではない戦闘兵。それを、わたくし一人で迎え撃つなど、なんと贅沢な舞台でしょう?
「さて、犬ども。吠えるのなら、舞台に上がってからになさいませ」
迎撃ユニットの一体を通じてわたくしが視認したその瞬間、敵の一人がこちらに向けて高出力魔力砲を展開。狙いは結界の干渉点――おそらく、そこを破壊すれば防衛網に穴が空くと踏んだのでしょう。あら、知識だけはあるようですわね。でも、それでは甘いのよ。
「防壁、重力反転フィールドへ切り替えなさい」
わたくしが指示したと同時に、砲撃が放たれ、衝撃が空を裂いた。けれど魔力は結界表面でぐにゃりと歪み、まるで液体のように反転し、放った者へと跳ね返る。
「ば、馬鹿な――」
敵のひとりが声をあげたけれど、その言葉の続きは聞こえませんでしたわ。反転された魔力が爆発し、彼の周囲に巨大な火柱が上がったからです。
「ひとつ、退場。次はどなた?」
わたくしの思考はすでに次の行動へと移っております。残る三体は即座に分散し、各方向から突入を図る。連携も速度も洗練されておりますが、わたくしの“視野”はそれらすべてを把握済みですのよ。
「ユニットB、前方高射。C、側面制圧。D、トラップ起動して足止めなさい」
意識を流すだけで魔導兵器が次々に作動し、空を駆け、地を走り、罠を展開する。トラップユニットが地中から浮かび上がると同時に、敵のひとりが足元の魔方陣に気づいた。
「クッ、魔紋!? 解除術式が――」
遅いですわ。魔方陣が彼の脚部を包み、重力の方向を強制反転。敵兵は地面へと強烈に叩きつけられ、そのまま拘束フィールドで包まれた。
「ふたつ、退場。残り二名。さあ、次はどうなさいます?」
残る二体は、最初の愚か者たちと違い、完全に無言で動いておりましたわ。なるほど、戦闘特化の強化個体ですのね? 表情がない。恐怖も、怒りも、感情がない。あらあら、それではこちらの“演出”が生きませんわ。
「意識干渉を試してみましょう。思念波、拡張モードへ移行。対象:残存個体、設定:混乱誘発」
わたくしの思考が、魔導中枢を通して拡がる。まるで夢を見せるように、敵の脳波に揺らぎを刻んでやる。するとどうでしょう、片方の個体がわずかに足を止め、頭を押さえる仕草を見せたではありませんか。
「ほらほら、どうなさいましたの? 夢でも見ているのですか?」
その隙に、ユニットCが射線を確保し、脇腹へと高圧収束砲を直撃。敵兵は壁を貫通し、建物の奥に沈み込みました。
「みっつ、退場。さて最後は――」
しかし、そのとき。最後の一体が突如として加速。影のように地を滑るその動き、明らかに他の三体とは違う。
「……ふむ。これは、本命ですわね?」
わたくしは思考を集中させ、全兵器の攻撃指令を一時停止。代わりに、自らの魔力を直接一点へ収束させる。
「わたくしが、“直に”応じて差し上げますわ。お望みでしょう? 主犯との対話を」
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