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朝霧が、辺りに深く立ち込めていました。
馬のひづめの音だけが、もの寂しい森に響き渡ります。
空気は、ひんやりとしていてとても清々しいです。
私は、リゲルの背中に揺られながらゆっくりと森の中を進んでいきました。
目指す「狼の喉笛」は、ここから半日ほどの距離にあります。
日が高くなる前に、谷の入り口までたどり着きたいところでした。
森は、だんだんとその深さを増していきます。
王都の近くの森とは、全く違う景色でした。
人の手が、ほとんど入っていない原生林です。
苔むした大木が、空を覆うようにそびえ立っていました。
その間から、優しい木漏れ日が地面に降り注ぎます。
それは、とても幻想的な光景でした。
「まあ、綺麗なキノコですわ」
ふと、木の根元に鮮やかなオレンジ色のキノコを見つけました。
ゲームの図鑑で、見たことがあります。
『陽だまりダケ』という、食べられるキノコでした。
スープに入れると、とても良い出汁が出るのです。
私は、馬から降りてそのキノコをいくつか摘みました。
布の袋に、それを大切に入れます。
今夜の、夕食にしましょう。
私は、再び馬上の人となりました。
道中は、とても順調に進みます。
時折、可愛らしい森の動物たちが姿を現しました。
ぴょんぴょんと跳ねる、雪ウサギの親子。
枝から枝へと飛び移る、ふさふさの尻尾を持つリス。
彼らは、私を見つけるとすぐに森の奥へと隠れてしまいます。
その仕草が、とても愛らしかったです。
しばらく進むと、小さな小川が道を横切っていました。
水の流れは、それほど速くありません。
しかし、水深がどれくらいあるか分かりませんでした。
無理に渡ろうとすれば、リゲルが足を取られてしまうかもしれません。
私は、馬から降りて辺りの様子をうかがいました。
すると、少し上流の方に大きな倒木があるのを見つけます。
それは、まるで自然が作った橋のようでした。
「リゲル、あそこを渡りましょう」
私は、馬の手綱を引いて倒木へと向かいます。
倒木は、人が一人渡るのがやっとの幅でした。
リゲルには、少し狭すぎるかもしれません。
しかし彼は、とても賢い馬でした。
私の意図を、すぐに理解してくれたようです。
慎重に、一歩一歩体のつり合いを取りながら倒木の上を渡り始めました。
私も、彼の後から続きます。
無事に、小川を渡り切ることができました。
「ありがとう、リゲル。あなたは、本当に賢い子ね」
私は、彼の首筋を優しく撫でてやりました。
彼は、気持ちよさそうに目を細めます。
私たちは、再び歩き始めました。
だんだんと、道が険しくなっていきます。
なだらかな丘の地帯から、ごつごつとした岩場の多い地形に変わってきました。
目的地の「狼の喉笛」が、近づいている証拠でしょう。
空気も、心なしかひんやりとしてきた気がします。
風の音も、少しずつ大きくなってきました。
木々の間を吹き抜ける音が、まるで獣の唸り声のように聞こえます。
少しだけ、不気味な雰囲気でした。
普通の令嬢なら、怖くなって引き返してしまうかもしれません。
しかし、私の心は不思議と落ち着いています。
むしろ、これから始まる冒険に胸が高鳴っていました。
しばらく進むと、目の前に大きな岩壁が立ちはだかります。
道が、そこで途切れていました。
地図で確認すると、この岩壁を回り込まなければなりません。
その先に、谷の入り口があるはずでした。
私は、岩壁に沿って慎重に進んでいきます。
足元は、とても不安定でした。
ごろごろとした石が、たくさん転がっています。
一歩間違えれば、足を滑らせて谷底へ落ちてしまうでしょう。
私は、リゲルの手綱をしっかりと握りしめました。
彼も、この場所の危険を察知しているようです。
慎重に、足場を選びながら進んでいました。
その時でした。
私の頭上から、からからという乾いた音が聞こえます。
見上げると、岩壁の上の方から小さな石がいくつか落ちてきました。
「危ない…!」
私は、とっさにリゲルを庇うように抱きしめます。
幸い、石はそれほど大きくありませんでした。
私たちに、当たることはありませんでした。
しかし、私の心臓は大きく跳ね上がります。
油断は、禁物だということです。
私は、改めて気を引き締めました。
そして、さらに慎重に歩を進めます。
どれくらい、歩いたでしょうか。
不意に、目の前の視界が開けました。
岩壁の道が、終わりを告げたのです。
そして、私の目の前に信じられないような光景が広がりました。
「…ここが、狼の喉笛…」
私は、思わず息をのみます。
そこは、巨大な二つの岩山が両側から迫るようにそびえ立つ場所でした。
その間は、まるで巨大な獣が大きく口を開けたかのようです。
深く、そして暗い谷がどこまでも続いていました。
谷底からは、ごうごうと風が吹き上げてきます。
その音は、まさに狼の遠吠えのようでした。
この場所が「狼の喉笛」と呼ばれる理由が、よく分かります。
その、あまりにも威圧的な光景に私はしばらく立ち尽くしていました。
伝説の白銀樹は、この谷のどこかにあるはずです。
私は、決意を新たにしました。
そして、谷の入り口へと向かって一歩を踏み出します。
谷に近づくにつれて、風はますます強くなりました。
私のマントが、風を受けて大きくはためきます。
リゲルも、少しだけ不安そうに鼻を鳴らしました。
「大丈夫よ、リゲル。私が、ついているから」
私は、彼の首を優しく撫でて安心させます。
谷の入り口は、まるで洞窟のようでした。
昼間だというのに、中は薄暗くひんやりとしています。
私は、馬から降りて松明を用意しました。
持参した火打石で、それに火をつけます。
ぱっと、オレンジ色の暖かい光が生まれました。
その光が、私の進むべき道を照らし出します。
「さあ、行きましょうか」
私は、リゲルの手綱を引いて谷の中へと足を踏み入れました。
ひんやりとした空気が、私の体を包み込みます。
外の世界とは、全く違う空気でした。
どこか、神聖で澄み切った空気に感じられます。
谷の壁は、切り立った崖のようでした。
その表面には、見たこともないような植物がびっしりと生えています。
淡い光を放つ、苔のような不思議な植物でした。
その光が、松明の明かりと合わさって幻想的な雰囲気を作り出しています。
私は、その美しさにしばらく見とれていました。
足元に、気をつけながらゆっくりと進んでいきます。
谷底には、細い道が一本だけ続いていました。
両側は、深い闇に包まれていて底が見えません。
もし、落ちたらまず助からないでしょう。
私は、慎重に歩を進めました。
しばらく進むと、道が二手に分かれています。
地図には、このような分岐点は書かれていませんでした。
右へ行くべきか、それとも左へ行くべきか。
私は、少しだけ迷いました。
私は、一度立ち止まって辺りの様子を注意深く観察します。
すると、左の道の入り口に何か小さな印があるのを見つけました。
それは、岩に刻まれた古い模様のようです。
よく見ると、それは木の枝のような形をしていました。
もしかしたら、これは先代の辺境伯が残した目印かもしれません。
私は、自分の直感を信じることにしました。
「よし、左へ行きましょう」
私は、リゲルにそう言うと左の道へと進み始めます。
道は、さらに狭く険しくなっていきました。
まるで、出口のない迷路のようです。
本当に、この道で合っているのでしょうか。
少しだけ、不安が心によぎります。
しかし、引き返すわけにはいきません。
私は、自分を信じて前に進み続けました。
どれくらい、歩き続けたでしょうか。
不意に、道の先に微かな光が見えました。
それは、洞窟の出口の光のようです。
「…出口かしら」
私は、期待に胸を膨らませます。
そして、光に向かって足早に進んでいきました。
光は、だんだんと大きくなっていきます。
そして、ついに私はその光の元へとたどり着きました。
そこは、洞窟の出口ではありませんでした。
目の前に広がっていたのは、信じられないほど広大な地下の空洞だったのです。
そして、その中央に一本の巨大な木が穏やかに立っていました。
その木の幹も枝も葉も、全てが純白です。
まるで、雪で作られた彫刻のようでした。
そして、天井の岩の隙間から差し込む光を受けてキラキラと輝いています。
その神々しいまでの美しさに、私は言葉を失いました。
「…あれが、聖なる白銀樹…」
私は、呆然と呟きます。
伝説は、本当だったのです。
私は、夢中でその木へと駆け寄りました。
近づいてみると、その木の枝の先から黄金色のしずくがゆっくりと滴り落ちているのが見えます。
ぽつり、ぽつりと。
まるで、木が涙を流しているかのようでした。
そして、そのしずくが地面に落ちるとそこから小さな光の花が咲くのです。
なんという、幻想的な光景でしょう。
あれが、『太陽の涙』に違いありません。
私は、その場に膝をつきました。
そして、震える手でその黄金色のしずくをそっとすくい上げます。
しずくは、私の手のひらで温かくそして優しく輝いていました。
その輝きを見つめていると、私の心の中に温かいものがじんわりと広がっていくのを感じます。
旅の疲れが、すっと消えていくようでした。
私は、持参した小さなガラス瓶を取り出します。
そして、この貴重なしずくを数滴だけ分けてもらうことにしました。
これで、レオニール様のための薬が作れます。
きっと、どんな薬よりも効果があるでしょう。
私は、目的を果たしたことに満足しました。
そして、白銀樹に深々と一礼します。
「ありがとうございます、山の神様。この御恩は、決して忘れません」
私は、そう言って立ち上がりました。
そして、この神秘的な場所を後にしようとしたその時です。
ふと、白銀樹の根元に何か小さなものが落ちているのに気づきました。
それは、古びた革の袋のようです。
こんな場所に、なぜこんなものが。
私は、不思議に思いながらそれを拾い上げました。
袋は、とても古くボロボロです。
しかし、その表面には見覚えのある紋章がかすかに残っていました。
それは、ヴァインベルク辺境伯家の紋章でした。
「これは…!」
私は、驚いて袋の口を開けました。
中に入っていたのは、一冊の小さな手帳です。
それは、羊皮紙を束ねて作られたものでした。
表紙には、インクでこう書かれています。
『我が愛する息子、レオニールへ』と。
「まさか…これは、先代様の日誌…?」
私は、震える手でその手帳を開きました。
馬のひづめの音だけが、もの寂しい森に響き渡ります。
空気は、ひんやりとしていてとても清々しいです。
私は、リゲルの背中に揺られながらゆっくりと森の中を進んでいきました。
目指す「狼の喉笛」は、ここから半日ほどの距離にあります。
日が高くなる前に、谷の入り口までたどり着きたいところでした。
森は、だんだんとその深さを増していきます。
王都の近くの森とは、全く違う景色でした。
人の手が、ほとんど入っていない原生林です。
苔むした大木が、空を覆うようにそびえ立っていました。
その間から、優しい木漏れ日が地面に降り注ぎます。
それは、とても幻想的な光景でした。
「まあ、綺麗なキノコですわ」
ふと、木の根元に鮮やかなオレンジ色のキノコを見つけました。
ゲームの図鑑で、見たことがあります。
『陽だまりダケ』という、食べられるキノコでした。
スープに入れると、とても良い出汁が出るのです。
私は、馬から降りてそのキノコをいくつか摘みました。
布の袋に、それを大切に入れます。
今夜の、夕食にしましょう。
私は、再び馬上の人となりました。
道中は、とても順調に進みます。
時折、可愛らしい森の動物たちが姿を現しました。
ぴょんぴょんと跳ねる、雪ウサギの親子。
枝から枝へと飛び移る、ふさふさの尻尾を持つリス。
彼らは、私を見つけるとすぐに森の奥へと隠れてしまいます。
その仕草が、とても愛らしかったです。
しばらく進むと、小さな小川が道を横切っていました。
水の流れは、それほど速くありません。
しかし、水深がどれくらいあるか分かりませんでした。
無理に渡ろうとすれば、リゲルが足を取られてしまうかもしれません。
私は、馬から降りて辺りの様子をうかがいました。
すると、少し上流の方に大きな倒木があるのを見つけます。
それは、まるで自然が作った橋のようでした。
「リゲル、あそこを渡りましょう」
私は、馬の手綱を引いて倒木へと向かいます。
倒木は、人が一人渡るのがやっとの幅でした。
リゲルには、少し狭すぎるかもしれません。
しかし彼は、とても賢い馬でした。
私の意図を、すぐに理解してくれたようです。
慎重に、一歩一歩体のつり合いを取りながら倒木の上を渡り始めました。
私も、彼の後から続きます。
無事に、小川を渡り切ることができました。
「ありがとう、リゲル。あなたは、本当に賢い子ね」
私は、彼の首筋を優しく撫でてやりました。
彼は、気持ちよさそうに目を細めます。
私たちは、再び歩き始めました。
だんだんと、道が険しくなっていきます。
なだらかな丘の地帯から、ごつごつとした岩場の多い地形に変わってきました。
目的地の「狼の喉笛」が、近づいている証拠でしょう。
空気も、心なしかひんやりとしてきた気がします。
風の音も、少しずつ大きくなってきました。
木々の間を吹き抜ける音が、まるで獣の唸り声のように聞こえます。
少しだけ、不気味な雰囲気でした。
普通の令嬢なら、怖くなって引き返してしまうかもしれません。
しかし、私の心は不思議と落ち着いています。
むしろ、これから始まる冒険に胸が高鳴っていました。
しばらく進むと、目の前に大きな岩壁が立ちはだかります。
道が、そこで途切れていました。
地図で確認すると、この岩壁を回り込まなければなりません。
その先に、谷の入り口があるはずでした。
私は、岩壁に沿って慎重に進んでいきます。
足元は、とても不安定でした。
ごろごろとした石が、たくさん転がっています。
一歩間違えれば、足を滑らせて谷底へ落ちてしまうでしょう。
私は、リゲルの手綱をしっかりと握りしめました。
彼も、この場所の危険を察知しているようです。
慎重に、足場を選びながら進んでいました。
その時でした。
私の頭上から、からからという乾いた音が聞こえます。
見上げると、岩壁の上の方から小さな石がいくつか落ちてきました。
「危ない…!」
私は、とっさにリゲルを庇うように抱きしめます。
幸い、石はそれほど大きくありませんでした。
私たちに、当たることはありませんでした。
しかし、私の心臓は大きく跳ね上がります。
油断は、禁物だということです。
私は、改めて気を引き締めました。
そして、さらに慎重に歩を進めます。
どれくらい、歩いたでしょうか。
不意に、目の前の視界が開けました。
岩壁の道が、終わりを告げたのです。
そして、私の目の前に信じられないような光景が広がりました。
「…ここが、狼の喉笛…」
私は、思わず息をのみます。
そこは、巨大な二つの岩山が両側から迫るようにそびえ立つ場所でした。
その間は、まるで巨大な獣が大きく口を開けたかのようです。
深く、そして暗い谷がどこまでも続いていました。
谷底からは、ごうごうと風が吹き上げてきます。
その音は、まさに狼の遠吠えのようでした。
この場所が「狼の喉笛」と呼ばれる理由が、よく分かります。
その、あまりにも威圧的な光景に私はしばらく立ち尽くしていました。
伝説の白銀樹は、この谷のどこかにあるはずです。
私は、決意を新たにしました。
そして、谷の入り口へと向かって一歩を踏み出します。
谷に近づくにつれて、風はますます強くなりました。
私のマントが、風を受けて大きくはためきます。
リゲルも、少しだけ不安そうに鼻を鳴らしました。
「大丈夫よ、リゲル。私が、ついているから」
私は、彼の首を優しく撫でて安心させます。
谷の入り口は、まるで洞窟のようでした。
昼間だというのに、中は薄暗くひんやりとしています。
私は、馬から降りて松明を用意しました。
持参した火打石で、それに火をつけます。
ぱっと、オレンジ色の暖かい光が生まれました。
その光が、私の進むべき道を照らし出します。
「さあ、行きましょうか」
私は、リゲルの手綱を引いて谷の中へと足を踏み入れました。
ひんやりとした空気が、私の体を包み込みます。
外の世界とは、全く違う空気でした。
どこか、神聖で澄み切った空気に感じられます。
谷の壁は、切り立った崖のようでした。
その表面には、見たこともないような植物がびっしりと生えています。
淡い光を放つ、苔のような不思議な植物でした。
その光が、松明の明かりと合わさって幻想的な雰囲気を作り出しています。
私は、その美しさにしばらく見とれていました。
足元に、気をつけながらゆっくりと進んでいきます。
谷底には、細い道が一本だけ続いていました。
両側は、深い闇に包まれていて底が見えません。
もし、落ちたらまず助からないでしょう。
私は、慎重に歩を進めました。
しばらく進むと、道が二手に分かれています。
地図には、このような分岐点は書かれていませんでした。
右へ行くべきか、それとも左へ行くべきか。
私は、少しだけ迷いました。
私は、一度立ち止まって辺りの様子を注意深く観察します。
すると、左の道の入り口に何か小さな印があるのを見つけました。
それは、岩に刻まれた古い模様のようです。
よく見ると、それは木の枝のような形をしていました。
もしかしたら、これは先代の辺境伯が残した目印かもしれません。
私は、自分の直感を信じることにしました。
「よし、左へ行きましょう」
私は、リゲルにそう言うと左の道へと進み始めます。
道は、さらに狭く険しくなっていきました。
まるで、出口のない迷路のようです。
本当に、この道で合っているのでしょうか。
少しだけ、不安が心によぎります。
しかし、引き返すわけにはいきません。
私は、自分を信じて前に進み続けました。
どれくらい、歩き続けたでしょうか。
不意に、道の先に微かな光が見えました。
それは、洞窟の出口の光のようです。
「…出口かしら」
私は、期待に胸を膨らませます。
そして、光に向かって足早に進んでいきました。
光は、だんだんと大きくなっていきます。
そして、ついに私はその光の元へとたどり着きました。
そこは、洞窟の出口ではありませんでした。
目の前に広がっていたのは、信じられないほど広大な地下の空洞だったのです。
そして、その中央に一本の巨大な木が穏やかに立っていました。
その木の幹も枝も葉も、全てが純白です。
まるで、雪で作られた彫刻のようでした。
そして、天井の岩の隙間から差し込む光を受けてキラキラと輝いています。
その神々しいまでの美しさに、私は言葉を失いました。
「…あれが、聖なる白銀樹…」
私は、呆然と呟きます。
伝説は、本当だったのです。
私は、夢中でその木へと駆け寄りました。
近づいてみると、その木の枝の先から黄金色のしずくがゆっくりと滴り落ちているのが見えます。
ぽつり、ぽつりと。
まるで、木が涙を流しているかのようでした。
そして、そのしずくが地面に落ちるとそこから小さな光の花が咲くのです。
なんという、幻想的な光景でしょう。
あれが、『太陽の涙』に違いありません。
私は、その場に膝をつきました。
そして、震える手でその黄金色のしずくをそっとすくい上げます。
しずくは、私の手のひらで温かくそして優しく輝いていました。
その輝きを見つめていると、私の心の中に温かいものがじんわりと広がっていくのを感じます。
旅の疲れが、すっと消えていくようでした。
私は、持参した小さなガラス瓶を取り出します。
そして、この貴重なしずくを数滴だけ分けてもらうことにしました。
これで、レオニール様のための薬が作れます。
きっと、どんな薬よりも効果があるでしょう。
私は、目的を果たしたことに満足しました。
そして、白銀樹に深々と一礼します。
「ありがとうございます、山の神様。この御恩は、決して忘れません」
私は、そう言って立ち上がりました。
そして、この神秘的な場所を後にしようとしたその時です。
ふと、白銀樹の根元に何か小さなものが落ちているのに気づきました。
それは、古びた革の袋のようです。
こんな場所に、なぜこんなものが。
私は、不思議に思いながらそれを拾い上げました。
袋は、とても古くボロボロです。
しかし、その表面には見覚えのある紋章がかすかに残っていました。
それは、ヴァインベルク辺境伯家の紋章でした。
「これは…!」
私は、驚いて袋の口を開けました。
中に入っていたのは、一冊の小さな手帳です。
それは、羊皮紙を束ねて作られたものでした。
表紙には、インクでこう書かれています。
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「まさか…これは、先代様の日誌…?」
私は、震える手でその手帳を開きました。
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ルークは新しい仲間を募り、一緒にお世話するブリーダーズのリーダーとしてお世話道を極める旅に出るのだった!
<第一部:疫病編>
一章【完結】ゴミ拾いと冒険者生活:5/20〜5/24
二章【完結】ゴミ拾いともふもふ生活:5/25〜5/29
三章【完結】ゴミ拾いともふもふ融合:5/29〜5/31
四章【完結】ゴミ拾いと流行り病:6/1〜6/4
五章【完結】ゴミ拾いともふもふファミリー:6/4〜6/8
六章【完結】もふもふファミリーと闘技大会(道中):6/8〜6/11
七章【完結】もふもふファミリーと闘技大会(本編):6/12〜6/18
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