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グスタフさんは、興奮した様子で私の元へ駆け込んできました。
その手には、出来立てであろう一振りの剣が握られています。
「アニエス様、ついに完成いたしましたぞ。我が人生の、最高傑作でございます」
彼はその剣を、誇らしげに私に差し出しました。
その剣は、美しい装飾の鞘に収められた状態でした。
しかし、ただならぬ雰囲気を確かに漂わせています。
私は、それをおごそかに受け取りました。
ゆっくりと、冷たい柄に手をかけます。
そして、剣を鞘から引き抜きました。
現れた刀身は、月明かりを固めたかのようです。
銀色に、不思議な光を放っていました。
刀身には、まるで水の流れのような美しい波紋が浮かんでいます。
これが、伝説のミスリル銀で作られた剣なのですね。
「…とても、美しいですわ」
私は、思わず感嘆のため息を漏らしました。
それは、もはや武器というよりも一つの芸術品のようでした。
しかし、その本当の価値は見た目の美しさだけではありません。
「驚くほど、軽いですわね。まるで、鳥の羽のようです」
「へい。見た目よりも、ずっと軽いはずです。それでいて、その硬さはそこらの鋼とは比べ物になりやせん」
グスタフさんが、自信に満ちた声で言いました。
ちょうどその時、レオニール様とゲルトさんが訓練を終えて通りかかります。
彼らは、私が持つ剣に気づくと興味深そうに近づいてきました。
「ほう、それは見事な剣だな。グスタフ、お前が打ったのか」
「へい、辺境伯様。よろしければ、ご覧になりますか」
グスタフさんは、自分のことのように胸を張って言いました。
レオニール様は、私から剣を受け取ります。
そして、確認するように軽く一振りしました。
ヒュン、と風を切る鋭い音が辺りに響きます。
彼の目に、ありありと驚きの色が浮かびました。
「なんだ、この尋常ではない軽さは。それに、この重心のつり合いは完璧だ」
ゲルトさんも、隣で本当に感心したように頷いています。
「誠に、素晴らしい出来栄えですな。これほどの剣は、王宮の宝物庫でも見たことがありませんぞ」
「本当のすごさは、ここからでさぁ」
グスタフさんは、いたずらっぽくにやりと笑いました。
そして、騎士が訓練で使う分厚い鉄の盾を持ってこさせます。
「辺境伯様、どうかそれでこの盾を斬ってみてくだせえ」
「なに、本気で言っているのか。この剣で、鉄の盾を斬れと」
レオニール様は、少し戸惑った顔をしました。
普通の剣でそんなことをすれば、間違いなく刃がこぼれてしまうだけです。
「へい、ご心配はいりやせん」
グスタフさんの自信に満ちた顔を見て、レオニール様は頷きました。
彼は、剣を大きく振りかぶります。
そして、鉄の盾に向かって力強く振り下ろしました。
キィィィン、という甲高い音が響き渡ります。
次の瞬間、そこにいた誰もが信じられない光景を目にしました。
分厚い鉄の盾が、まるで柔らかなチーズのように真っ二つに断ち割られていたのです。
それなのに、剣の刃は少しもこぼれていませんでした。
それどころか、前にも増して輝きを放っているようにさえ見えます。
「…ば、馬鹿な…」
ゲルトさんが、呆然と呟きました。
レオニール様も、自分の手の中にある剣と斬られた盾を何度も見比べています。
その顔には、隠しきれない驚愕の色が浮かんでいました。
「これが、ミスリル銀の力なのか…!噂には聞いていたが、これほどとはな…!」
「へへ、どうでございますかい。俺の腕と、この土地の鉱石が合わさればこれくらいのことは訳ありやせん」
グスタフさんは、本当に嬉しそうに胸を張りました。
私は、その光景を満足げに眺めています。
そして、レオニール様に一つの提案をしました。
「レオニール様、この素晴らしい鋼で騎士団の皆さんの武具を新しく作り直してはいかがでしょう」
「なんと、本当かアニエス。しかし、これほどの貴重な金属だ。全ての騎士の分を用意するのは、難しいのではないか」
「大丈夫ですわ。鉱山は、まだ調査を始めたばかりです。きっと、これからもっとたくさんの鉱石が見つかるはずですから」
私の言葉に、周りにいた騎士たちから大きな歓声が上がりました。
「やったぞ!俺たちも、あの伝説の剣を持てるのか!」
「これなら、どんな魔物が相手でも負ける気がしねえ!」
彼らの士気は、最高潮に達しているようでした。
しかし、私の本当の狙いはそこだけではありません。
私は、グスタフさんの方を向いて言いました。
「グスタフさん、この素晴らしい鋼の使い道は武器だけではありませんわ」
「ほう、と仰いますと」
「例えば、農具です。この鋼で鋤や鍬を作れば、固い岩盤だらけのこの土地でも楽に畑を耕せるようになるでしょう。それから、調理器具もです。この鋼で作った包丁なら、どんな固い食材でも簡単に切ることができるはずですわ」
私の提案に、グスタフさんは目から鱗が落ちたような顔をしました。
「な、なるほど…!武器のことばかり、考えていやした。確かに、その方がよっぽど大勢の人の役に立ちますな!」
「ええ。人の命を奪うためではなく、人の暮らしを豊かにするためにあなたの力を使ってほしいのです」
私の言葉に、グスタフさんは深く感銘を受けたようでした。
彼は、その場に膝をつくと私に深々と頭を下げます。
「アニエス様…!このグスタフ、生涯を懸けてあなた様にお仕えいたします!この腕で、この土地の人々の暮らしを支える道具を作り続けてみせますぜ!」
その力強い誓いの言葉が、私の胸を熱くしました。
ヴァインベルクは、日に日に活気づいていきます。
グスタフさんは、早速新しい農具の開発に取り掛かってくれました。
ミスリル銀を使った鋤は、今までのものとは比べ物にならない性能です。
農夫たちは、その驚くべき切れ味に喜びの声を上げていました。
革職人のヨハンさんも、素晴らしい仕事をしています。
彼がなめしたトロールの革は、王都へ送られて高値で取引されるようになりました。
軽くて丈夫なその革は、貴族たちの間で防寒用のコートとして大流行しているそうです。
果樹園の苗木も、この土地にしっかりと根付き始めました。
まだ小さな若木ですが、数年後にはたくさんの実をつけてくれるでしょう。
領民たちの顔には、明るい笑顔が溢れています。
誰もが、自分の仕事に誇りを持ち未来への希望を抱いていました。
そんな穏やかな日々が、続いていきます。
しかし、私の心の中にはあの『太陽の涙』の謎がずっとありました。
私は、こっそりと一人で狼の喉笛へ向かう準備を進めていたのです。
「まあアニエス様、また森へお出かけになるのですか」
厨房で、保存食の準備をしているとマルタが不思議そうに尋ねてきました。
「ええ、少し珍しい薬草を探しに行こうと思って。最近、少し疲れ気味のレオニール様のために滋養強壮の薬を作ってあげたいの」
我ながら、完璧な口実を思いつきました。
「まあ、旦那様のために。アニエス様は、本当にお優しいですわね。でしたら、お弁当を用意いたしますわ。サンドイッチで、よろしいでしょうか」
「ありがとうマルタ、助かるわ」
私は、マルタの優しさに感謝しました。
そして、少しだけ罪悪感を覚えます。
彼女を、騙しているわけですから。
でも、これも全てはこのヴァインベルクのためなのです。
私は、自分にそう言い聞かせました。
出発は、三日後の早朝と決めます。
レオニール様には、日帰りの薬草摘みだと伝えてありました。
彼も、私の健康を気遣ってはいました。
しかし、まさか私が危険な場所へ一人で向かうとは夢にも思っていないでしょう。
「くれぐれも、無理はするなよ。何かあれば、すぐにゲルトを呼ぶんだぞ」
彼は、そう言って私の頭を優しく撫でてくれました。
その不器用な優しさが、私の胸を少しだけちくりと痛めます。
ごめんなさいレオニール様、少しだけ嘘をつきますわ。
でも、必ず無事に帰ってきて最高の贈り物を持ってきますからね。
私は、心の中で彼にそう約束しました。
出発の日の前夜、私は自分の部屋で最後の準備を整えます。
丈夫な革のブーツと、暖かいフランネルのマント。
地図とコンパス、そして護身用の小さなナイフ。
全ての準備は、万端でした。
窓の外には、満月が穏やかに輝いています。
その光が、これから始まる私の小さな冒険を祝福してくれているようでした。
私は、高鳴る胸を抑えながらベッドに入ります。
遠くで、城の時計が夜中の十二時を告げる鐘の音が聞こえました。
明日になれば、この土地の最後の謎への扉が開かれるのです。
私は、期待に胸を膨らませながらゆっくりと目を閉じました。
夜が明けるのが、これほど待ち遠しいのは久しぶりのことでした。
空が、白み始める頃。
私は、誰にも気づかれないようにそっと自分の部屋を抜け出します。
城の中は、まだ深い静寂に包まれていました。
皆、ぐっすりと眠っているようです。
私は、足音を忍ばせて厩舎へと向かいました。
そこには、私がいつも乗っている大人しい栗毛の馬が待っています。
「おはよう、リゲル。これから、少し遠くまでお散歩よ」
私は、馬の鼻先を優しく撫でてやりました。
彼は、私の意図を察したように大人しく鼻を鳴らします。
私は、手際よく鞍を置いて馬に飛び乗りました。
そして、城の裏手にある小さな通用門からそっと外へ出ます。
ひんやりとした、早朝の空気が頬を撫でました。
とても、気持ちが良いです。
私は、一度だけ城を振り返りました。
愛しい人々と、温かい我が家がそこにあります。
「行ってまいります」
私は、誰に言うでもなく小さく呟きました。
そして、馬の手綱を軽く引きます。
リゲルは、私の合図に応えてゆっくりと歩き始めました。
私たちの目指す先は、北の山脈です。
そこに眠る、伝説の『太陽の涙』を求めて。
その手には、出来立てであろう一振りの剣が握られています。
「アニエス様、ついに完成いたしましたぞ。我が人生の、最高傑作でございます」
彼はその剣を、誇らしげに私に差し出しました。
その剣は、美しい装飾の鞘に収められた状態でした。
しかし、ただならぬ雰囲気を確かに漂わせています。
私は、それをおごそかに受け取りました。
ゆっくりと、冷たい柄に手をかけます。
そして、剣を鞘から引き抜きました。
現れた刀身は、月明かりを固めたかのようです。
銀色に、不思議な光を放っていました。
刀身には、まるで水の流れのような美しい波紋が浮かんでいます。
これが、伝説のミスリル銀で作られた剣なのですね。
「…とても、美しいですわ」
私は、思わず感嘆のため息を漏らしました。
それは、もはや武器というよりも一つの芸術品のようでした。
しかし、その本当の価値は見た目の美しさだけではありません。
「驚くほど、軽いですわね。まるで、鳥の羽のようです」
「へい。見た目よりも、ずっと軽いはずです。それでいて、その硬さはそこらの鋼とは比べ物になりやせん」
グスタフさんが、自信に満ちた声で言いました。
ちょうどその時、レオニール様とゲルトさんが訓練を終えて通りかかります。
彼らは、私が持つ剣に気づくと興味深そうに近づいてきました。
「ほう、それは見事な剣だな。グスタフ、お前が打ったのか」
「へい、辺境伯様。よろしければ、ご覧になりますか」
グスタフさんは、自分のことのように胸を張って言いました。
レオニール様は、私から剣を受け取ります。
そして、確認するように軽く一振りしました。
ヒュン、と風を切る鋭い音が辺りに響きます。
彼の目に、ありありと驚きの色が浮かびました。
「なんだ、この尋常ではない軽さは。それに、この重心のつり合いは完璧だ」
ゲルトさんも、隣で本当に感心したように頷いています。
「誠に、素晴らしい出来栄えですな。これほどの剣は、王宮の宝物庫でも見たことがありませんぞ」
「本当のすごさは、ここからでさぁ」
グスタフさんは、いたずらっぽくにやりと笑いました。
そして、騎士が訓練で使う分厚い鉄の盾を持ってこさせます。
「辺境伯様、どうかそれでこの盾を斬ってみてくだせえ」
「なに、本気で言っているのか。この剣で、鉄の盾を斬れと」
レオニール様は、少し戸惑った顔をしました。
普通の剣でそんなことをすれば、間違いなく刃がこぼれてしまうだけです。
「へい、ご心配はいりやせん」
グスタフさんの自信に満ちた顔を見て、レオニール様は頷きました。
彼は、剣を大きく振りかぶります。
そして、鉄の盾に向かって力強く振り下ろしました。
キィィィン、という甲高い音が響き渡ります。
次の瞬間、そこにいた誰もが信じられない光景を目にしました。
分厚い鉄の盾が、まるで柔らかなチーズのように真っ二つに断ち割られていたのです。
それなのに、剣の刃は少しもこぼれていませんでした。
それどころか、前にも増して輝きを放っているようにさえ見えます。
「…ば、馬鹿な…」
ゲルトさんが、呆然と呟きました。
レオニール様も、自分の手の中にある剣と斬られた盾を何度も見比べています。
その顔には、隠しきれない驚愕の色が浮かんでいました。
「これが、ミスリル銀の力なのか…!噂には聞いていたが、これほどとはな…!」
「へへ、どうでございますかい。俺の腕と、この土地の鉱石が合わさればこれくらいのことは訳ありやせん」
グスタフさんは、本当に嬉しそうに胸を張りました。
私は、その光景を満足げに眺めています。
そして、レオニール様に一つの提案をしました。
「レオニール様、この素晴らしい鋼で騎士団の皆さんの武具を新しく作り直してはいかがでしょう」
「なんと、本当かアニエス。しかし、これほどの貴重な金属だ。全ての騎士の分を用意するのは、難しいのではないか」
「大丈夫ですわ。鉱山は、まだ調査を始めたばかりです。きっと、これからもっとたくさんの鉱石が見つかるはずですから」
私の言葉に、周りにいた騎士たちから大きな歓声が上がりました。
「やったぞ!俺たちも、あの伝説の剣を持てるのか!」
「これなら、どんな魔物が相手でも負ける気がしねえ!」
彼らの士気は、最高潮に達しているようでした。
しかし、私の本当の狙いはそこだけではありません。
私は、グスタフさんの方を向いて言いました。
「グスタフさん、この素晴らしい鋼の使い道は武器だけではありませんわ」
「ほう、と仰いますと」
「例えば、農具です。この鋼で鋤や鍬を作れば、固い岩盤だらけのこの土地でも楽に畑を耕せるようになるでしょう。それから、調理器具もです。この鋼で作った包丁なら、どんな固い食材でも簡単に切ることができるはずですわ」
私の提案に、グスタフさんは目から鱗が落ちたような顔をしました。
「な、なるほど…!武器のことばかり、考えていやした。確かに、その方がよっぽど大勢の人の役に立ちますな!」
「ええ。人の命を奪うためではなく、人の暮らしを豊かにするためにあなたの力を使ってほしいのです」
私の言葉に、グスタフさんは深く感銘を受けたようでした。
彼は、その場に膝をつくと私に深々と頭を下げます。
「アニエス様…!このグスタフ、生涯を懸けてあなた様にお仕えいたします!この腕で、この土地の人々の暮らしを支える道具を作り続けてみせますぜ!」
その力強い誓いの言葉が、私の胸を熱くしました。
ヴァインベルクは、日に日に活気づいていきます。
グスタフさんは、早速新しい農具の開発に取り掛かってくれました。
ミスリル銀を使った鋤は、今までのものとは比べ物にならない性能です。
農夫たちは、その驚くべき切れ味に喜びの声を上げていました。
革職人のヨハンさんも、素晴らしい仕事をしています。
彼がなめしたトロールの革は、王都へ送られて高値で取引されるようになりました。
軽くて丈夫なその革は、貴族たちの間で防寒用のコートとして大流行しているそうです。
果樹園の苗木も、この土地にしっかりと根付き始めました。
まだ小さな若木ですが、数年後にはたくさんの実をつけてくれるでしょう。
領民たちの顔には、明るい笑顔が溢れています。
誰もが、自分の仕事に誇りを持ち未来への希望を抱いていました。
そんな穏やかな日々が、続いていきます。
しかし、私の心の中にはあの『太陽の涙』の謎がずっとありました。
私は、こっそりと一人で狼の喉笛へ向かう準備を進めていたのです。
「まあアニエス様、また森へお出かけになるのですか」
厨房で、保存食の準備をしているとマルタが不思議そうに尋ねてきました。
「ええ、少し珍しい薬草を探しに行こうと思って。最近、少し疲れ気味のレオニール様のために滋養強壮の薬を作ってあげたいの」
我ながら、完璧な口実を思いつきました。
「まあ、旦那様のために。アニエス様は、本当にお優しいですわね。でしたら、お弁当を用意いたしますわ。サンドイッチで、よろしいでしょうか」
「ありがとうマルタ、助かるわ」
私は、マルタの優しさに感謝しました。
そして、少しだけ罪悪感を覚えます。
彼女を、騙しているわけですから。
でも、これも全てはこのヴァインベルクのためなのです。
私は、自分にそう言い聞かせました。
出発は、三日後の早朝と決めます。
レオニール様には、日帰りの薬草摘みだと伝えてありました。
彼も、私の健康を気遣ってはいました。
しかし、まさか私が危険な場所へ一人で向かうとは夢にも思っていないでしょう。
「くれぐれも、無理はするなよ。何かあれば、すぐにゲルトを呼ぶんだぞ」
彼は、そう言って私の頭を優しく撫でてくれました。
その不器用な優しさが、私の胸を少しだけちくりと痛めます。
ごめんなさいレオニール様、少しだけ嘘をつきますわ。
でも、必ず無事に帰ってきて最高の贈り物を持ってきますからね。
私は、心の中で彼にそう約束しました。
出発の日の前夜、私は自分の部屋で最後の準備を整えます。
丈夫な革のブーツと、暖かいフランネルのマント。
地図とコンパス、そして護身用の小さなナイフ。
全ての準備は、万端でした。
窓の外には、満月が穏やかに輝いています。
その光が、これから始まる私の小さな冒険を祝福してくれているようでした。
私は、高鳴る胸を抑えながらベッドに入ります。
遠くで、城の時計が夜中の十二時を告げる鐘の音が聞こえました。
明日になれば、この土地の最後の謎への扉が開かれるのです。
私は、期待に胸を膨らませながらゆっくりと目を閉じました。
夜が明けるのが、これほど待ち遠しいのは久しぶりのことでした。
空が、白み始める頃。
私は、誰にも気づかれないようにそっと自分の部屋を抜け出します。
城の中は、まだ深い静寂に包まれていました。
皆、ぐっすりと眠っているようです。
私は、足音を忍ばせて厩舎へと向かいました。
そこには、私がいつも乗っている大人しい栗毛の馬が待っています。
「おはよう、リゲル。これから、少し遠くまでお散歩よ」
私は、馬の鼻先を優しく撫でてやりました。
彼は、私の意図を察したように大人しく鼻を鳴らします。
私は、手際よく鞍を置いて馬に飛び乗りました。
そして、城の裏手にある小さな通用門からそっと外へ出ます。
ひんやりとした、早朝の空気が頬を撫でました。
とても、気持ちが良いです。
私は、一度だけ城を振り返りました。
愛しい人々と、温かい我が家がそこにあります。
「行ってまいります」
私は、誰に言うでもなく小さく呟きました。
そして、馬の手綱を軽く引きます。
リゲルは、私の合図に応えてゆっくりと歩き始めました。
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ルークは新しい仲間を募り、一緒にお世話するブリーダーズのリーダーとしてお世話道を極める旅に出るのだった!
<第一部:疫病編>
一章【完結】ゴミ拾いと冒険者生活:5/20〜5/24
二章【完結】ゴミ拾いともふもふ生活:5/25〜5/29
三章【完結】ゴミ拾いともふもふ融合:5/29〜5/31
四章【完結】ゴミ拾いと流行り病:6/1〜6/4
五章【完結】ゴミ拾いともふもふファミリー:6/4〜6/8
六章【完結】もふもふファミリーと闘技大会(道中):6/8〜6/11
七章【完結】もふもふファミリーと闘技大会(本編):6/12〜6/18
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