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第40章:『歴史を紐解く電波と影』
第197話:【路上のテストと歴史の石碑】
大阪市内のとある河川敷。
真夏の容赦ない日差しが容赦なくアスファルトを照りつける中、俺たちは淀川沿いの土手を歩いていた。
俺――マジキチ組長と、渉外統括ディレクターの八咫凛。そして、少し後ろを無言でついてくる、黒いパンツスーツに身を包んだ長い黒髪の女性、尾鷲渚。
「よし、準備はいいか。テストを始めるぞ」
俺はスマートフォンに装着したジンバルカメラを起動し、専用の配信アプリを立ち上げた。
組長室での顔合わせから数分後。俺は「面談」と称して、半ば強引に二人を連れ出し、この灼熱の河川敷へと足を運んでいた。
「はい、というわけで始まったぜ!『たってやる。臨時版』。今日は特別ゲストというか、ウチのスタジオの新たな歴史の案内人候補を連れての、公開面談テストだ」
俺がカメラに向かってそう宣言すると、配信画面のコメント欄に「誰?」「ついに組長が女性を拉致した」「凛さん逃げて!」といったリスナーからの弾幕が流れ始めた。
「拉致じゃねえよ。おい、挨拶しろ」
俺がカメラを渚の方へ向けると、彼女は一切の動揺を見せず、レンズに向かって深く頭を下げた。
「初めまして。尾鷲渚と申します」
淡々とした、抑揚のない声。美しすぎるその冷徹な顔立ちに、コメント欄が一瞬で「美人キター!」「クーデレ?」「凛さんの親戚?」と沸き立つ。
「いいか、渚。アンタの『調査員』としての力、この放送で俺とリスナーに見せてもらう。……凛、タイムキープとコメントのピックアップを頼む」
「承知いたしました」凛がタブレットを構える。
「さて、それじゃあ歩きながら、この近辺の歴史について少し語るか」
俺はカメラを持ちながら、淀川の土手をゆっくりと歩き始めた。
ここからは、俺の真骨頂である『2割』の真面目なトーンへの切り替えだ。
「この淀川の河川敷からあそこの方に見える毛馬の閘門(こうもん)は……」
俺が淀みなく、この土地に刻まれた歴史のレイヤーを語り始めると。
少し後ろを歩いていた渚の瞳の色が、スッと変わった。
先程まで、ただ静かに俺の背中を追っていただけの彼女が、まるでレーダーを稼働させたかのように、周囲の景色、足元の地形、そして川の流れを鋭い眼光で観察し始めたのだ。
一切の感情を見せなかった彼女の顔に、明確な『知的好奇心』と『分析』の光が宿る。
放送開始から、およそ10分が経過した頃だった。
「……組長さん」
不意に、渚が静かに口を開いた。
「ん? どうした」
「先程のお話ですが……どうやらこの近辺は、過去に水害などの災害に何度も見舞われているようですね」
「ほう? どうしてそう思った?」
俺がわざとらしく聞き返すと、渚は立ち止まり、周囲を指差した。
「先程、我々が通ってきた道筋。アスファルトで舗装されてはいますが、地形が不自然に隆起している箇所がいくつかありました。あれはおそらく、過去の氾濫で土砂が堆積した名残か、あるいは意図的に作られた古い堤防の基礎部分です。さらに……」
渚は、少し離れた土手の影にある、草に半分覆われた古い石碑を指差した。
「あそこにある石碑。文字は風化して読み取れませんが、この土地の形状とあの配置から推測するに、水難事故で亡くなった方々を慰霊するためのもの、あるいは『これ以上水が上がらないように』という祈りを込めて建てられた、水神を祀る碑である可能性が高いです」
渚の語りは止まらなかった。
俺が語った基礎的な歴史情報をベースに、彼女は自身が歩いて目で見た「現在の情報(地形、石碑、周囲の植生)」を組み合わせ、そこから導き出される過去の災害の歴史と、この土地の人々の営みを、自らの見解として見事に解説し始めたのだ。
専門用語を羅列するのではない。誰もが分かりやすく、情景が目に浮かぶような的確な説明。
彼女の中にある膨大な知識と、現在の状況を瞬時に結びつけるその処理能力は、まさに『現代の忍者』と呼ぶにふさわしいものだった。
「……なるほど。昔の地図を引っ張り出さなくても、地形と石碑の配置からそこまで読み解くか」
俺は思わず、感嘆の声を漏らした。
配信のコメント欄も、先程までの茶化すようなノリから一変していた。
『え、この人ガチの専門家?』
『説明がめっちゃ分かりやすい!』
『ブラ〇モリみたいになってきたぞ!』
『渚さん、レギュラー化希望!』
リスナーからの反響は、凄まじいものがあった。
俺が求めていた『偏りのない、客観的で鋭い視点からの歴史のプレゼン』。それが今、俺の目の前で完璧な形で展開されている。
「ハハハ! 見事だ!」
俺はカメラの前で、腹の底から大笑いした。
「おい渚! アンタのその観察眼と知識をアウトプットする能力、流石は伊賀忍者の末裔というだけのことはあるな! 俺のテストは満点で合格だ!」
俺が親指を突き立てて宣言すると、渚は僅かに目を丸くした。
「……合格、ですか」
「ああ! 渚、アンタは本物だ。以後、『いってやる。サテライト』の専属調査員として、俺から正式に依頼を出したい。受けてくれるか?」
俺の突然のオファーに、渚は少しだけ沈黙し、凛の方をチラリと見た。
凛は小さく頷いている。
渚は再び俺に向き直り、深く、そして静かに頭を下げた。
「はい。私の知識と調査能力が、組長さんの求める番組のお力になれるのであれば……喜んでお受けいたします」
「よしっ! 決まりだ! リスナーの野郎ども、次回からの『いってやる。サテライト』は、この尾鷲渚を専属調査員に迎えて、ゴリゴリのディープな歴史を紐解いていくぜ! 楽しみに待ってろよ!」
俺がテンション高く放送を締めくくると、横で見ていた凛が、「全く、組長の無茶振りには本当に冷や汗をかかされますね」と呆れたようにため息をついた。
だが、その口元には、優秀な身内が認められたことに対する、隠しきれない嬉しそうな笑みが浮かんでいた。
* * *
さて。ここからは俺の語りの時間だ。
今回は、凛と、初登場の渚を連れての「面談という名の路上テスト」を行った。
まあ、俺のやり方を知っている連中ならお見通しだろうが、「なんてことはない」、俺の普段の『たってやる。』の河川敷での収録のノリに、彼女たちを無理やり付き合わせただけだ。
作中で描かれた通り、俺は河川敷を歩きながら近辺の歴史について、2割の真面目なトーンで語り始めた。
すると、渚は何かを察知したのか急に口を開き、俺の予想を遥かに超える観察眼で、周囲の地形や石碑から読み解く歴史的見解を、リスナーにも分かりやすい言葉で見事に語ってみせた。
それを聞いた俺は、純粋に「見事だ」と感動した。
俺一人の偏った知識だけでは絶対に到達できない、客観的で鋭い『調査員』としての視点。そこで即座に、彼女を専属調査員として迎え入れることを決定したのだ。
……といった流れの、一見すると綺麗にまとまった熱いストーリーになったわけだが。
今回も、そんな綺麗なオブラートは取っ払って、構わずメタい裏話をぶっこんでやろう。
この『いってやる。サテライト』という番組。
俺自身が誰よりも一番よく分かっていることだが、これは下ネタも狂気も封印した、歴史や考察に全振りした極めて「ニッチな層向け」の放送だ。エンタメとしての派手さは皆無に等しい。
とすれば、この番組を一つのコンテンツとして成立させ、少しでも多くの人間の目に触れさせるためには、何か強力な『インパクト(起爆剤)』が必要になってくる。
そう考えた末に、俺が導き出した結論。
それは、「どうせなら、俺の好みのルックスの女性調査員を採用し、彼女を番組の『広告塔』にしてしまえばいい」ということだ。
「おいおい、組長。お前、結局は女の見た目目当てかよ」
そう言いたければ言えばいい。否定はしない。
まさに、欲望むき出しの創作者と言っても良いだろう。
俺は自分が「美しい」「魅力的だ」と思えるキャラクター(存在)を隣に置きたい。自分の創り出す世界には、自分の好みのものを配置したい。それがクリエイターとしての純粋なエゴであり、特権だ。
新しく採用することとなった専属調査員、尾鷲渚。
彼女のルックスや設定も、当然ながら『創作者である俺の権限(趣味)』をフルに発動して生み出したものだ。
俺の好みである、安定した「綺麗系」のビジュアル。
そして、無表情で感情を読ませない「ミステリアス」な忍者の末裔という設定。
今回も、俺の性癖……いや、好みにドンピシャで刺さる具合の女性を、Studio MAD-KICHIの世界に採用し、生み出すことが出来たので、俺としては大満足している。
だがな。
「俺の好みの女を作れて満足した。チャンチャン」で終わるような、三流の自己満足で終わらせるつもりは毛頭ない。
自分がエゴを剥き出しにして、広告塔として彼女を立てた以上。
一つのコンテンツとして世に出した以上は、中途半端なものは作れない。彼女のその圧倒的なルックスとミステリアスな設定に見合うだけの、質の高い「歴史調査コンテンツ」をしっかりと構築していかなければならない。
今回の渚の採用は、俺自身に対する「退路を断つための決意表明」でもあり、自分自身にプレッシャーをかけるためのものでもある、とハッキリ言っておこう。
今後の『いってやる。サテライト』が、ただの歴史の授業で終わるのか、それとも渚というミステリアスな調査員を巻き込んだ最高のエンタメへと昇華されるのか。
それは全て、俺のプロデュース力と、俺次第ということだ。
プレッシャーはある。
だが、俺は「自分が一番楽しみながらやる」ということを絶対に忘れない。
自分の好みのミステリアスな女性と、自分の好きな歴史の考察を深めていく。こんなに楽しくて仕方ないことはないだろう?
新しいオモチャ……いや、心強い調査員を手に入れた組長の狂気は、ますます加速していくぜ。
真夏の容赦ない日差しが容赦なくアスファルトを照りつける中、俺たちは淀川沿いの土手を歩いていた。
俺――マジキチ組長と、渉外統括ディレクターの八咫凛。そして、少し後ろを無言でついてくる、黒いパンツスーツに身を包んだ長い黒髪の女性、尾鷲渚。
「よし、準備はいいか。テストを始めるぞ」
俺はスマートフォンに装着したジンバルカメラを起動し、専用の配信アプリを立ち上げた。
組長室での顔合わせから数分後。俺は「面談」と称して、半ば強引に二人を連れ出し、この灼熱の河川敷へと足を運んでいた。
「はい、というわけで始まったぜ!『たってやる。臨時版』。今日は特別ゲストというか、ウチのスタジオの新たな歴史の案内人候補を連れての、公開面談テストだ」
俺がカメラに向かってそう宣言すると、配信画面のコメント欄に「誰?」「ついに組長が女性を拉致した」「凛さん逃げて!」といったリスナーからの弾幕が流れ始めた。
「拉致じゃねえよ。おい、挨拶しろ」
俺がカメラを渚の方へ向けると、彼女は一切の動揺を見せず、レンズに向かって深く頭を下げた。
「初めまして。尾鷲渚と申します」
淡々とした、抑揚のない声。美しすぎるその冷徹な顔立ちに、コメント欄が一瞬で「美人キター!」「クーデレ?」「凛さんの親戚?」と沸き立つ。
「いいか、渚。アンタの『調査員』としての力、この放送で俺とリスナーに見せてもらう。……凛、タイムキープとコメントのピックアップを頼む」
「承知いたしました」凛がタブレットを構える。
「さて、それじゃあ歩きながら、この近辺の歴史について少し語るか」
俺はカメラを持ちながら、淀川の土手をゆっくりと歩き始めた。
ここからは、俺の真骨頂である『2割』の真面目なトーンへの切り替えだ。
「この淀川の河川敷からあそこの方に見える毛馬の閘門(こうもん)は……」
俺が淀みなく、この土地に刻まれた歴史のレイヤーを語り始めると。
少し後ろを歩いていた渚の瞳の色が、スッと変わった。
先程まで、ただ静かに俺の背中を追っていただけの彼女が、まるでレーダーを稼働させたかのように、周囲の景色、足元の地形、そして川の流れを鋭い眼光で観察し始めたのだ。
一切の感情を見せなかった彼女の顔に、明確な『知的好奇心』と『分析』の光が宿る。
放送開始から、およそ10分が経過した頃だった。
「……組長さん」
不意に、渚が静かに口を開いた。
「ん? どうした」
「先程のお話ですが……どうやらこの近辺は、過去に水害などの災害に何度も見舞われているようですね」
「ほう? どうしてそう思った?」
俺がわざとらしく聞き返すと、渚は立ち止まり、周囲を指差した。
「先程、我々が通ってきた道筋。アスファルトで舗装されてはいますが、地形が不自然に隆起している箇所がいくつかありました。あれはおそらく、過去の氾濫で土砂が堆積した名残か、あるいは意図的に作られた古い堤防の基礎部分です。さらに……」
渚は、少し離れた土手の影にある、草に半分覆われた古い石碑を指差した。
「あそこにある石碑。文字は風化して読み取れませんが、この土地の形状とあの配置から推測するに、水難事故で亡くなった方々を慰霊するためのもの、あるいは『これ以上水が上がらないように』という祈りを込めて建てられた、水神を祀る碑である可能性が高いです」
渚の語りは止まらなかった。
俺が語った基礎的な歴史情報をベースに、彼女は自身が歩いて目で見た「現在の情報(地形、石碑、周囲の植生)」を組み合わせ、そこから導き出される過去の災害の歴史と、この土地の人々の営みを、自らの見解として見事に解説し始めたのだ。
専門用語を羅列するのではない。誰もが分かりやすく、情景が目に浮かぶような的確な説明。
彼女の中にある膨大な知識と、現在の状況を瞬時に結びつけるその処理能力は、まさに『現代の忍者』と呼ぶにふさわしいものだった。
「……なるほど。昔の地図を引っ張り出さなくても、地形と石碑の配置からそこまで読み解くか」
俺は思わず、感嘆の声を漏らした。
配信のコメント欄も、先程までの茶化すようなノリから一変していた。
『え、この人ガチの専門家?』
『説明がめっちゃ分かりやすい!』
『ブラ〇モリみたいになってきたぞ!』
『渚さん、レギュラー化希望!』
リスナーからの反響は、凄まじいものがあった。
俺が求めていた『偏りのない、客観的で鋭い視点からの歴史のプレゼン』。それが今、俺の目の前で完璧な形で展開されている。
「ハハハ! 見事だ!」
俺はカメラの前で、腹の底から大笑いした。
「おい渚! アンタのその観察眼と知識をアウトプットする能力、流石は伊賀忍者の末裔というだけのことはあるな! 俺のテストは満点で合格だ!」
俺が親指を突き立てて宣言すると、渚は僅かに目を丸くした。
「……合格、ですか」
「ああ! 渚、アンタは本物だ。以後、『いってやる。サテライト』の専属調査員として、俺から正式に依頼を出したい。受けてくれるか?」
俺の突然のオファーに、渚は少しだけ沈黙し、凛の方をチラリと見た。
凛は小さく頷いている。
渚は再び俺に向き直り、深く、そして静かに頭を下げた。
「はい。私の知識と調査能力が、組長さんの求める番組のお力になれるのであれば……喜んでお受けいたします」
「よしっ! 決まりだ! リスナーの野郎ども、次回からの『いってやる。サテライト』は、この尾鷲渚を専属調査員に迎えて、ゴリゴリのディープな歴史を紐解いていくぜ! 楽しみに待ってろよ!」
俺がテンション高く放送を締めくくると、横で見ていた凛が、「全く、組長の無茶振りには本当に冷や汗をかかされますね」と呆れたようにため息をついた。
だが、その口元には、優秀な身内が認められたことに対する、隠しきれない嬉しそうな笑みが浮かんでいた。
* * *
さて。ここからは俺の語りの時間だ。
今回は、凛と、初登場の渚を連れての「面談という名の路上テスト」を行った。
まあ、俺のやり方を知っている連中ならお見通しだろうが、「なんてことはない」、俺の普段の『たってやる。』の河川敷での収録のノリに、彼女たちを無理やり付き合わせただけだ。
作中で描かれた通り、俺は河川敷を歩きながら近辺の歴史について、2割の真面目なトーンで語り始めた。
すると、渚は何かを察知したのか急に口を開き、俺の予想を遥かに超える観察眼で、周囲の地形や石碑から読み解く歴史的見解を、リスナーにも分かりやすい言葉で見事に語ってみせた。
それを聞いた俺は、純粋に「見事だ」と感動した。
俺一人の偏った知識だけでは絶対に到達できない、客観的で鋭い『調査員』としての視点。そこで即座に、彼女を専属調査員として迎え入れることを決定したのだ。
……といった流れの、一見すると綺麗にまとまった熱いストーリーになったわけだが。
今回も、そんな綺麗なオブラートは取っ払って、構わずメタい裏話をぶっこんでやろう。
この『いってやる。サテライト』という番組。
俺自身が誰よりも一番よく分かっていることだが、これは下ネタも狂気も封印した、歴史や考察に全振りした極めて「ニッチな層向け」の放送だ。エンタメとしての派手さは皆無に等しい。
とすれば、この番組を一つのコンテンツとして成立させ、少しでも多くの人間の目に触れさせるためには、何か強力な『インパクト(起爆剤)』が必要になってくる。
そう考えた末に、俺が導き出した結論。
それは、「どうせなら、俺の好みのルックスの女性調査員を採用し、彼女を番組の『広告塔』にしてしまえばいい」ということだ。
「おいおい、組長。お前、結局は女の見た目目当てかよ」
そう言いたければ言えばいい。否定はしない。
まさに、欲望むき出しの創作者と言っても良いだろう。
俺は自分が「美しい」「魅力的だ」と思えるキャラクター(存在)を隣に置きたい。自分の創り出す世界には、自分の好みのものを配置したい。それがクリエイターとしての純粋なエゴであり、特権だ。
新しく採用することとなった専属調査員、尾鷲渚。
彼女のルックスや設定も、当然ながら『創作者である俺の権限(趣味)』をフルに発動して生み出したものだ。
俺の好みである、安定した「綺麗系」のビジュアル。
そして、無表情で感情を読ませない「ミステリアス」な忍者の末裔という設定。
今回も、俺の性癖……いや、好みにドンピシャで刺さる具合の女性を、Studio MAD-KICHIの世界に採用し、生み出すことが出来たので、俺としては大満足している。
だがな。
「俺の好みの女を作れて満足した。チャンチャン」で終わるような、三流の自己満足で終わらせるつもりは毛頭ない。
自分がエゴを剥き出しにして、広告塔として彼女を立てた以上。
一つのコンテンツとして世に出した以上は、中途半端なものは作れない。彼女のその圧倒的なルックスとミステリアスな設定に見合うだけの、質の高い「歴史調査コンテンツ」をしっかりと構築していかなければならない。
今回の渚の採用は、俺自身に対する「退路を断つための決意表明」でもあり、自分自身にプレッシャーをかけるためのものでもある、とハッキリ言っておこう。
今後の『いってやる。サテライト』が、ただの歴史の授業で終わるのか、それとも渚というミステリアスな調査員を巻き込んだ最高のエンタメへと昇華されるのか。
それは全て、俺のプロデュース力と、俺次第ということだ。
プレッシャーはある。
だが、俺は「自分が一番楽しみながらやる」ということを絶対に忘れない。
自分の好みのミステリアスな女性と、自分の好きな歴史の考察を深めていく。こんなに楽しくて仕方ないことはないだろう?
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