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グランデ・エトワールの視点『小動物』
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昼食を終えてから、レイル様は部屋で休まれる事になった。やはり、まだ本調子では無さそうだ。廊下で、護衛の為立っていると、召使いが指示を受ける為、来る様になった。レイル様の部屋の前で、大きな声を出さない様に気をつけながら、来る人来る人対応していく。
最後の一人が去って、ほっと一息ついた時、視線を感じた。振り向くと、そこにはぼんやりと立っているレイル様がいた。扉から、こちらを覗く彼は、何となく小動物が、危険が無いか探っている様にも思えた。
声を掛けると、ハッとしこちらを向いた彼。何故だろう、可愛く見えた。どうやら、私の眼はおかしくなったのかもしれない。
♢
一気に閉じられた扉をずっと見ていた。いや、閉じられる前に見たレイ……彼の表情が忘れられない。
心配してくれたことによる嬉しさ。私以外に頼ろうとする事への怒り。彼と共にいる時間がもっと欲しいという渇望。優しい表情、純粋な心を破壊して私以外の事を考えられない様にしてしまいたいと言う欲求。様々な思いを私に感じさせる彼は誰なのだろう。
「ただ、私が貴方を護りたいだけだと言っても、駄目ですか」
真剣な私の言葉は、考え事をしていた彼に届かなかった。何か言った? と言いたげな顔と少し首を傾げる仕草に苛ついて、添い寝を提案した。それも、ただ寝るだけでは済まさないと表情で伝える様にしていた。
それを見た彼は驚き、顔だけじゃなく、首元まで真っ赤になった。ごくりと無意識に生唾を呑み込み、微かにぶるりと震えた身体を抱き寄せてしまいたくなった。首元に顔を埋めて、吸い付いて、所有痕を残してしまいたい。それから、ベッドへと運んで、そのあたたかく柔らかな体をゆっくりと愛撫して、快楽に染まっていく彼をそのまま……。そんな邪悪な欲望を私が実行に移す前に、彼によって扉を勢いよく閉められてしまった。
嫌われてしまったのだろうか。ふと、そんなことを考えている事に気づき、呆れた。
私は何を考えているのだろう。自ら、彼に嫌われるような事をしているのに、後悔するなんて馬鹿馬鹿しい。レイル様と違って、初心な仕草を見せる彼。どうして、彼はレイル様の中にいるのだろう。それは、彼にとって自ら望んだ事なのだろうか。それとも、彼の意識関係なしの偶然の産物か。まぁ、どっちだとしてもレイル様の身体を使って何をするのか見極めなければ……。
若干傾いた紅い陽に照らされた扉は、綺麗な赤を生み出していた。だが、そんな赤よりも、翡翠の中に浮かぶ綺麗な黒が私の頭から消えない。
最後の一人が去って、ほっと一息ついた時、視線を感じた。振り向くと、そこにはぼんやりと立っているレイル様がいた。扉から、こちらを覗く彼は、何となく小動物が、危険が無いか探っている様にも思えた。
声を掛けると、ハッとしこちらを向いた彼。何故だろう、可愛く見えた。どうやら、私の眼はおかしくなったのかもしれない。
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一気に閉じられた扉をずっと見ていた。いや、閉じられる前に見たレイ……彼の表情が忘れられない。
心配してくれたことによる嬉しさ。私以外に頼ろうとする事への怒り。彼と共にいる時間がもっと欲しいという渇望。優しい表情、純粋な心を破壊して私以外の事を考えられない様にしてしまいたいと言う欲求。様々な思いを私に感じさせる彼は誰なのだろう。
「ただ、私が貴方を護りたいだけだと言っても、駄目ですか」
真剣な私の言葉は、考え事をしていた彼に届かなかった。何か言った? と言いたげな顔と少し首を傾げる仕草に苛ついて、添い寝を提案した。それも、ただ寝るだけでは済まさないと表情で伝える様にしていた。
それを見た彼は驚き、顔だけじゃなく、首元まで真っ赤になった。ごくりと無意識に生唾を呑み込み、微かにぶるりと震えた身体を抱き寄せてしまいたくなった。首元に顔を埋めて、吸い付いて、所有痕を残してしまいたい。それから、ベッドへと運んで、そのあたたかく柔らかな体をゆっくりと愛撫して、快楽に染まっていく彼をそのまま……。そんな邪悪な欲望を私が実行に移す前に、彼によって扉を勢いよく閉められてしまった。
嫌われてしまったのだろうか。ふと、そんなことを考えている事に気づき、呆れた。
私は何を考えているのだろう。自ら、彼に嫌われるような事をしているのに、後悔するなんて馬鹿馬鹿しい。レイル様と違って、初心な仕草を見せる彼。どうして、彼はレイル様の中にいるのだろう。それは、彼にとって自ら望んだ事なのだろうか。それとも、彼の意識関係なしの偶然の産物か。まぁ、どっちだとしてもレイル様の身体を使って何をするのか見極めなければ……。
若干傾いた紅い陽に照らされた扉は、綺麗な赤を生み出していた。だが、そんな赤よりも、翡翠の中に浮かぶ綺麗な黒が私の頭から消えない。
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