記憶喪失のおねショタハーレム〜遊んでいるだけなのになぜか大人や魔物よりも強いです〜

仁徳

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第一章

第四話 ソフィーお姉さんとお風呂

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 ソフィーお姉さんが、しばらくの間僕を預かることになった。

「ソフィーお姉さん、本当に良いの?」

「良いの、良いの。ラル君の面倒は、このソフィーお姉さんに任せなさい」

 笑みを浮かべ、ソフィーお姉さんは僕と繋いでいない方の手で、自身の胸を軽く叩く。

「ほら、見えて来たわ。赤い屋根の建物があるでしょう。あそこが今借りている私の家よ」

 手を前に出して、人差し指で赤い屋根の建物をソフィーお姉さんは指差す。

 あの家が僕がお世話になる家か。ソフィーお姉さんには、なるべく迷惑をかけないようにしないといけないなぁ。

 赤い屋根の家の前に辿り着き、ソフィーお姉さんが扉を開けると、僕を家の中に入れる。

「ただいま……って言っても、私1人しかいないのだけどね」

 ソフィーお姉さんが1人暮らしであることを告げ、奥に歩いて行く。

「お、お邪魔します」

 玄関から奥の部屋に向かう前に、入室する際の挨拶を口に出す。

 その瞬間、ソフィーお姉さんは踵を返して見つめて来た。

 頬が膨らんんでおり、若干眉間に皺が寄っている。

「この家は今からラル君の家でもあるんだよ。他人行儀な挨拶はダメ! ほら、なんて言うのが正解なのかな?」

 人差し指を出した手を僕の顔に近づけ、ソフィーお姉さんが問題を出してくる。

 その答えは分かっていた。でも、本当に良いの? 家族でもないただの居候の僕が、言っていい言葉なのかな?

 でも、この言葉を言わない限り、ソフィーお姉さんは道を開けてくれそうもない。

 ここは、少しだけ恥ずかしいけれど、彼女の求める言葉を言った方が良いのかもしれない。

「た、ただいま」

「うん! お帰りなさい。ご飯の前にお風呂に入ろうか。こっちよ」

 ソフィーお姉さんに浴室に案内してもらい、脱衣所に入る。

「脱いだ服はその籠に入れてね。後で魔法で洗っておくから。私は着替えを取って来るから、服を脱いだら待っていて」

 服を脱ぎ終わって待つように言うと、ソフィーお姉さんはこの場から離れて行く。

 言われたように服を脱ぎ、スッポンポンになると、ソフィーお姉さんが来るのを待つ。

 でも、直ぐに彼女が戻って来る感じがしなかった。

「ソフィーお姉さんに迷惑をかけたくないし、ここは僕1人でお風呂に入っておこうかな。少し不安だけど大丈夫だよね。1人で綺麗に洗えるもん」

 先にお風呂場に入ることを決め、浴室の扉を開ける。

 事前に準備をしてあったのか、浴室にはお湯が張ってあった。

「先に体を洗わないと、お湯が汚れちゃうよね」

 近くにあった桶でお湯を掬い、体にかける。

 お湯は熱くも冷たくもなく、良いお湯加減だった。

「えーと石鹸は……これか」

 石鹸を掴んで泡立て、汚れた体を洗っていく。ある程度洗ったところで桶に入ったお湯で洗い流した。

「これでよし。それじゃあお風呂に入ろう」

「待ちなさい。まだお風呂に入ってはダメだからね」

 扉が開かれると同時に、ソフィーお姉さんの声が聞こえて振り返る。すると裸のソフィーお姉さんが目に映った。

「もう、待っていてって言ったのに、どうして勝手に入るのよ」

「だって、ソフィーお姉さん遅かったもん。それに体くらい1人で洗えるから」

「嘘おっしゃい。全然綺麗に洗えていないじゃないのよ。まだ背中に汚れが付いているわよ。ほら、洗ってあげるから早く椅子に座って」

 もう一度洗い直すことになり、椅子に座る。

 背中に汚れが残っていたなんて。そう言えば手が届かないところがあった。僕もまだまだだな。ちゃんと1人で体を洗えるようにならないと。

 そんなことを考えていると、背中にタオルのようなものが当てられた。そして優しく上下に動かされる。

「ラル君痛くはない?」

「うん、大丈夫だよ。ありがとうソフィーお姉さん」

 お姉さんに背中を洗われてしばらくすると、今度は腕を前に出してお腹を洗い始める。

「ま、前はいいよ。ちゃんと綺麗に洗えているから」

 いきなり前の方を洗い始めたソフィーお姉さんに驚き、そっちの方はしなくていいと言う。

「何を言っているのよ。ラル君のここ、汚れが付いているわよ。綺麗に洗えていないのだから、大人しく洗われていなさい」

 弄られるように洗われ、擽ったい気持ちになる。

「く、くすぐったいよ」

「我慢して。ちゃんと優しくしてあげるから。こことか、男の子のデリケートな部分なんだからちゃんと綺麗にしておかないと」

 そう言うと、ソフィーお姉さんの手は僕の下半身へと移動してあそこを洗い始める。

 擽ったいのを我慢して洗われていると、気のせいかもしれないけど、アレが僅かに大きく少しだけ固くなったような気がした。

「これで良いかな。それじゃあお湯を流すわね」

 お湯を流され、体に付いた泡が流れると、ようやくお風呂の中に入ることができた。

 ゆっくりと肩まで浸かり、ソフィーお姉さんが洗い終わるのを待つ。

 しばらくして体を洗い終わったソフィーお姉さんが、お風呂の中に入ると中のお湯が溢れて零れ落ちる。

「うーん良いお湯! 今日の疲れが吹き飛ぶわね」

 腕を上げて体を伸ばすソフィーお姉さん。本当に疲れていたんだなぁ。

「あ、そうだ。ラル君、これを見て?」

 ソフィーお姉さんが両手を重ねて見せて来たので顔を近付ける。その瞬間、手の間からお湯が噴き出して顔に当たった。

「す、すごーい! どうやったの! 手の間からお湯が飛び出した!」

 お湯を顔にかけられたのにも関わらず、僕は怒ったり悲しんだりしなかった。それよりもどうやったらお湯を飛ばすことができるのかに興味を持つ。

「えーとね。まず片方の指を締めた状態で受け皿のようにして少し丸めるでしょう。それからーー」

 ソフィーお姉さんにやり方を教えてもらいながら、自分でも作ってみる。

「できた! 食らえ!」

 水の中からそのまま手を出し、両手を思いっきり閉じて穴をつぶす。すると中に入っている水が飛び出して、ソフィーお姉さんの顔に当たった。

 でも不思議なことに、手で救った以上のお湯が手から飛び出し、直ぐには止まることはなかった。

 いったい何が起きているの?

「ラル君……あなた」

 ソフィーお姉さんの濡れた前髪が垂れ下がり、お化けのようになる。

「よくもやってくれたわね! お返しよ。こちょこちょこちょ」

 突然ソフィーお姉さんが抱き締めて来ると、僕の体は擽られる。

「あははははは! や、止めてよ! 擽ったい!」

「ダメよ。謝るまで許さないのだから! こちょこちょこちょ」

「あははははは! ご、ごめんなさい! 許して! あははははは!」

 その後、ソフィーお姉さんが満足するまで、抱き締めながらの擽りの刑をされるのだった。

 思いっきり笑い、のぼせそうになったところで僕たちはお風呂から上がった。

「今からご飯の用意をするわね」

「うん!」

 夕食の準備をするためにソフィーお姉さんがキッチンに向かったその時、家の扉がノックされる。

 こんな時間にいったい誰だろう?
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