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第2章 ADAGIO
op.08 おもちゃの交響曲(6)
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村長の家に着くと、ささやかと言うには豪勢な料理が並んでいた。
手づかみで食べられるものが多く、配慮されているのだろう。
普段なら真っ先にもらっているだろうに、今日はそんな気分にならなくてアルは家の外で一人ため息をついていた。
曲に入り込んでいる時はいつも無心になる。
何度も練習した曲ほど勝手に指が動いて、動くに任せて弾くのは、一人だったら何とでもなるけれど、人と合わせるとなるとそうもいかない。
アルがその事に気づいたのはまさしく本番の最中だった。
ヴィオはこちらの様子に気付くとすぐにフォローしてくれたから、崩れずにすんだ。それからはちゃんと気をつけたし、きっと大丈夫だったはずだ。全体的に見れば大成功だっただろう。それでも──。
(……失敗した。本番で)
それはアルが落ち込むには十分な事実だった。
練習は完璧だったのだ。
それなのに本番でしくじったことが心の底から悔しい。
ヴィオにフォローされた事も含めて、今まで積み重ねてきたピアノの自信がペシャンコになった気持ちだった。
『馬鹿野郎! 初耳だこのアホ! 何勝手に決めてんだ!』
家を出る前に大喧嘩した父親の声がよみがえった。
『音楽家だぁ⁉︎ そんなもんマトモに教育も受けてねぇお前がヒョイヒョイっとなれるもんじゃねぇだろ! ほいそうですか、と俺が言うと思ったのかこの阿呆が!』
本当は、あの日、相談しようとしたのだ。
幼い頃教会で聞いたオルガンに魅了されて、父親に内緒で習い始めた。
才能があったのか、上達は早かった。アルの演奏を聞いた子ども達は、上手になればなるほど喜んでくれる。それがとても嬉しかった。
稼業が嫌いだった訳じゃない。むしろどちらも好きだった。どちらもやりたいけど自分はそんなに器用じゃないから、何か方法はないかと相談しようとして──。
『頭冷やして出直してこい!』
カチンと来た。
出来ない出来ない、と言われることに。親だからと、当然のように子どもの未来を決める権利があると思っていることに。
何一つ、自分の言うことを聞こうとさえしてくれないことに。
頭に血が昇って『それなら音楽家になってやろうじゃないか』と飛び出したのだ。
(結果的に、何も考えてなかったのかなぁ……)
ヴィオと比べると違いは明白で、ヴィオのように迷わず言い切れることがアルにはない。
ピアニストになりたいんだ、なんて今となっては人に胸を張って言える言葉じゃない。ウィーンに行こうと思うんだ、と勢い込んでヴィオ達に語った言葉が今は上滑りしていく。
真面目に何かに向き合わず、舌触りのいい夢に浸っていただけなんじゃないかと、冷水を浴びせられた気分だった。
「アルさん?」
不意にかけられた柔らかな声に振り向く。
そこには湯気を立てたカップを二つ持ったリチェルが立っていた。
何となく部屋に居づらくて外に出てきていたのだが、探しにきてくれたのだろうか。
「これホットミルクなんですって。良かったらアルさんもどうかしら」
そう言ってリチェルがカップを差し出してくれる。
「あ、ありがと」
お礼を言って受け取ると、あ、とリチェルが短く声を上げた。
「アルさんはもう成人してるし子供っぽかったかしら? アルコールの方が良かった?」
オロオロとするリチェルにアルは苦笑をこぼして、首を振る。
「ううん。ありがとう。探しにきてくれたの?」
そう聞くと、リチェルは少し迷って頷いた。
「……あの、アルさん、元気がなさそうだったから」
「…………そっか」
不甲斐ないことにリチェルにも気付かれていたらしい。
「……今日の演奏、失敗しちゃってさ」
「そうなの? 全然気がつかなかったわ」
「うん、ヴィオくんがうまいことカバーしてくれたから」
言ってて情けなくなる。
「あ、あの。アルさんは気にしちゃうかもしれないけれど、大丈夫だと思うの。わたし、そのヴィオに耳がいいって褒めてもらってて、だけどアルさんが間違えたこと全然気がつかなくって」
わたしの言葉じゃフォローにならないかもしれないけれど……、とリチェルが呟く。
「それにアルさんのピアノ、わたしはとっても好きよ」
フォローしてくれるリチェルの声が優しい。
久しく聞いていない手放しの褒め言葉はアルを甘やかしてくれているようで、落ち込んだ心に染みる。
だから思わずリチェルに事情を話してしまったのは不可抗力だった。
リチェルは黙ってアルの話を聞いていた。
流石にヴィオと比べた事は情けなくて言えなかったけれど、粗方の事情と迷っているんだと言うことを話すとリチェルは『そうだったの』と肩を落とした。
「ごめんなさい、アルさん。わたし全然気がつかなくて……」
「いや、いいよ! リチェルさんが気にする事じゃないし!」
ぶんぶんと手を振る。
「勢いで飛び出してきちゃったけど、何か冷静になって考えると恥ずかしくて。ピアニストになりたいと思う高尚な理由も、稼業を絶対継ぐという意思もないし、いろんなことが中途半端で……」
言ってて余計に情けなくなる。
家を継ぐから、と言い切ったヴィオには迷いはなかった。自分の意志で決めたんだ、と言い切れる覚悟が、眩しかった。
アルにはそんな覚悟はない。継ぐものだと何となく思っていて、不満もなく流されるまま。今だって、絶対に継がないと言うことを決めている訳でもない。
黙っていたリチェルがポツリと尋ねた。
「アルさんの稼業って何か聞いてもいい?」
少し迷って、特に隠すことでもないかと『レストラン』と短く答えた。リチェルが目を丸くする。
「そうだったの! だからアルさん、あんなにお料理が上手だったのね!」
「あ、うん。そうだね。物心ついた時には、父親について習ってたから」
父親は職人気質の人間で、料理に関しては幼い頃から厳しかったが、そのお陰でアルは料理の腕には自負がある。
リチェルが迷いながら、あのね、と懸命に言葉を紡ぐ。
「わたしからするとアルさんのピアノはとっても上手で、ピアニストになれないなんてそんな事はないと思うの。だけど──」
リチェルが目を伏せて、恐る恐るという様子で口を開く。
「アルさんはとっても優しい人だから、本当はお父様と喧嘩して飛び出してきたことを気に病んでいるのじゃないかしら」
「!」
それは……、と口ごもる。
あっちが悪いんだ、と思うようにしていた。
自分は相談しようとしたのに、聞いてくれなかったのは父親の方なのだと。自分だって意地を張っているのだと、確かに今のアルはもう認めていた。
「それにアルさん、おうちの稼業が嫌いなようにも見えないわ。だって料理をしている時のアルさん、すごく楽しそうだった」
「そう、かな……?」
確かに料理を苦痛だと感じたことはなかった。
だけど外から見てもそう見えたと聞くのは意外だった。リチェルの目には、アルは楽しそうに映っていたのか。
「うん。料理は、好きだよ……。美味しい料理を作ったら妹が……あ、家に妹がいるんだけど。すごく喜んでくれるから」
兄さん美味しい! と笑う妹の笑顔を見るのが好きだった。美味しい料理を作れば、食べる人が笑顔になるのが、とても──。
リチェルがわかった、と不意に嬉しそうに呟いて、ふわりと笑う。
「きっとアルさんは、誰かを笑顔にする事が好きなのね」
その言葉が、ストンと心に落ちた。
それってすごく素敵な事だと思うわ、とリチェルがまるで自分のことみたいに嬉しそうに笑う。
(僕は──)
ピアノ、何で楽しくなったんだっけ。
アルの演奏を聞いた子ども達がみんな喜んでくれる。料理を作れば、食べる人が喜んでくれるのが、とても──。
「わたしからすると、アルさんのそれは中途半端なんかじゃない。とても立派な理由だと思うわ」
そうかな、と小さくつぶやいた。
中途半端で、流されるまま。どこにも自分の意志などないのかもしれないと、自分のことが嫌になったけれど。
自分にもちゃんと大事にしているものがあるのだと、思って良いんだろうか。
手づかみで食べられるものが多く、配慮されているのだろう。
普段なら真っ先にもらっているだろうに、今日はそんな気分にならなくてアルは家の外で一人ため息をついていた。
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何度も練習した曲ほど勝手に指が動いて、動くに任せて弾くのは、一人だったら何とでもなるけれど、人と合わせるとなるとそうもいかない。
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ヴィオにフォローされた事も含めて、今まで積み重ねてきたピアノの自信がペシャンコになった気持ちだった。
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幼い頃教会で聞いたオルガンに魅了されて、父親に内緒で習い始めた。
才能があったのか、上達は早かった。アルの演奏を聞いた子ども達は、上手になればなるほど喜んでくれる。それがとても嬉しかった。
稼業が嫌いだった訳じゃない。むしろどちらも好きだった。どちらもやりたいけど自分はそんなに器用じゃないから、何か方法はないかと相談しようとして──。
『頭冷やして出直してこい!』
カチンと来た。
出来ない出来ない、と言われることに。親だからと、当然のように子どもの未来を決める権利があると思っていることに。
何一つ、自分の言うことを聞こうとさえしてくれないことに。
頭に血が昇って『それなら音楽家になってやろうじゃないか』と飛び出したのだ。
(結果的に、何も考えてなかったのかなぁ……)
ヴィオと比べると違いは明白で、ヴィオのように迷わず言い切れることがアルにはない。
ピアニストになりたいんだ、なんて今となっては人に胸を張って言える言葉じゃない。ウィーンに行こうと思うんだ、と勢い込んでヴィオ達に語った言葉が今は上滑りしていく。
真面目に何かに向き合わず、舌触りのいい夢に浸っていただけなんじゃないかと、冷水を浴びせられた気分だった。
「アルさん?」
不意にかけられた柔らかな声に振り向く。
そこには湯気を立てたカップを二つ持ったリチェルが立っていた。
何となく部屋に居づらくて外に出てきていたのだが、探しにきてくれたのだろうか。
「これホットミルクなんですって。良かったらアルさんもどうかしら」
そう言ってリチェルがカップを差し出してくれる。
「あ、ありがと」
お礼を言って受け取ると、あ、とリチェルが短く声を上げた。
「アルさんはもう成人してるし子供っぽかったかしら? アルコールの方が良かった?」
オロオロとするリチェルにアルは苦笑をこぼして、首を振る。
「ううん。ありがとう。探しにきてくれたの?」
そう聞くと、リチェルは少し迷って頷いた。
「……あの、アルさん、元気がなさそうだったから」
「…………そっか」
不甲斐ないことにリチェルにも気付かれていたらしい。
「……今日の演奏、失敗しちゃってさ」
「そうなの? 全然気がつかなかったわ」
「うん、ヴィオくんがうまいことカバーしてくれたから」
言ってて情けなくなる。
「あ、あの。アルさんは気にしちゃうかもしれないけれど、大丈夫だと思うの。わたし、そのヴィオに耳がいいって褒めてもらってて、だけどアルさんが間違えたこと全然気がつかなくって」
わたしの言葉じゃフォローにならないかもしれないけれど……、とリチェルが呟く。
「それにアルさんのピアノ、わたしはとっても好きよ」
フォローしてくれるリチェルの声が優しい。
久しく聞いていない手放しの褒め言葉はアルを甘やかしてくれているようで、落ち込んだ心に染みる。
だから思わずリチェルに事情を話してしまったのは不可抗力だった。
リチェルは黙ってアルの話を聞いていた。
流石にヴィオと比べた事は情けなくて言えなかったけれど、粗方の事情と迷っているんだと言うことを話すとリチェルは『そうだったの』と肩を落とした。
「ごめんなさい、アルさん。わたし全然気がつかなくて……」
「いや、いいよ! リチェルさんが気にする事じゃないし!」
ぶんぶんと手を振る。
「勢いで飛び出してきちゃったけど、何か冷静になって考えると恥ずかしくて。ピアニストになりたいと思う高尚な理由も、稼業を絶対継ぐという意思もないし、いろんなことが中途半端で……」
言ってて余計に情けなくなる。
家を継ぐから、と言い切ったヴィオには迷いはなかった。自分の意志で決めたんだ、と言い切れる覚悟が、眩しかった。
アルにはそんな覚悟はない。継ぐものだと何となく思っていて、不満もなく流されるまま。今だって、絶対に継がないと言うことを決めている訳でもない。
黙っていたリチェルがポツリと尋ねた。
「アルさんの稼業って何か聞いてもいい?」
少し迷って、特に隠すことでもないかと『レストラン』と短く答えた。リチェルが目を丸くする。
「そうだったの! だからアルさん、あんなにお料理が上手だったのね!」
「あ、うん。そうだね。物心ついた時には、父親について習ってたから」
父親は職人気質の人間で、料理に関しては幼い頃から厳しかったが、そのお陰でアルは料理の腕には自負がある。
リチェルが迷いながら、あのね、と懸命に言葉を紡ぐ。
「わたしからするとアルさんのピアノはとっても上手で、ピアニストになれないなんてそんな事はないと思うの。だけど──」
リチェルが目を伏せて、恐る恐るという様子で口を開く。
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「!」
それは……、と口ごもる。
あっちが悪いんだ、と思うようにしていた。
自分は相談しようとしたのに、聞いてくれなかったのは父親の方なのだと。自分だって意地を張っているのだと、確かに今のアルはもう認めていた。
「それにアルさん、おうちの稼業が嫌いなようにも見えないわ。だって料理をしている時のアルさん、すごく楽しそうだった」
「そう、かな……?」
確かに料理を苦痛だと感じたことはなかった。
だけど外から見てもそう見えたと聞くのは意外だった。リチェルの目には、アルは楽しそうに映っていたのか。
「うん。料理は、好きだよ……。美味しい料理を作ったら妹が……あ、家に妹がいるんだけど。すごく喜んでくれるから」
兄さん美味しい! と笑う妹の笑顔を見るのが好きだった。美味しい料理を作れば、食べる人が笑顔になるのが、とても──。
リチェルがわかった、と不意に嬉しそうに呟いて、ふわりと笑う。
「きっとアルさんは、誰かを笑顔にする事が好きなのね」
その言葉が、ストンと心に落ちた。
それってすごく素敵な事だと思うわ、とリチェルがまるで自分のことみたいに嬉しそうに笑う。
(僕は──)
ピアノ、何で楽しくなったんだっけ。
アルの演奏を聞いた子ども達がみんな喜んでくれる。料理を作れば、食べる人が喜んでくれるのが、とても──。
「わたしからすると、アルさんのそれは中途半端なんかじゃない。とても立派な理由だと思うわ」
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