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アリスティア、魔法について考える

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「ジュピ、大きくなれたんだ。」

とりあえず部屋に戻ってきた第一声。
だってびっくりしたんだもん。

「まあね~。疲れるから、ここぞという時だけだけど。あ、アリスがガンガン魔法使えるようになって、ずっと魔素を練って纏わせてくれるなら常にあの姿でもいいけど~。」

「それって大変?」

「んー、今の習熟度だったら30秒ぐらいで倒れるかも~?」

無理じゃん。

「ま、今のは冗談として~。王様に全部条件飲んでもらえてよかったね~。」

「なんかパパに一杯要求してたけど、部屋であんな話してなかったじゃん。」

そう、事前打ち合わせではほかの精霊たちの存在と私が既に魔法を使えることをカムフラージュするための「軽いご挨拶」ということになっていたはずだ。

「ん~、何回も話すのめんどくさいし、いっぺんに済ませちゃえ~と思ってさ~」

「私いつの間にロミア様の密命受けたことになってたのさ…」

「え、悪魔討伐は密命でしょ。こっちの世界では黒魔法ってことになってて存在は大っぴらになってないんだから。」

あ、そっか。

「じゃあ魔宝珠受け取り次第、世界各地の黒魔法の噂を聞きつけて討伐~!っていう旅人生になるってこと?」

私、普通の学生生活や結婚生活できないんだろうか…

「まだわかんないかな~。今のままじゃ到底無理だから、まずは力を付けなきゃ~。学校を卒業して大人になって、僕らの力を借りなくても悪魔討伐も軽々できる状態になったらまた相談だね~。」

うーん、問題の先送り。
だけどとりあえず学校までは行かせてくれるのね。

「あ、あと古き盟約って何?」

気になったことは今のうちにはっきりさせておこう。

「人間の世界でどういうことになってるかはわからないけど、大魔法使い様と大精霊様が交わした約束だよ~。簡単に言うと、人間が困ってる時は女神ロミア様が許す範囲で精霊たちが直接的に手助けをするっていう約束~。」

「え、ロミア様に助けてもらえばいいんじゃないの?」

「女神ロミア様は、基本的には大審判の時以外は人間の手助けはしないんだよね~。気まぐれだから度々いろいろしてるけどさ~。あ、でもアリスは異例だよ~。」

な、なるほど。
結局は女神様の自由だけど一応そういうことになってるのね。
だからその分精霊に助けてもらいなさいってことか。

「え、でもその割には精霊、少なくない?」

「見えていなくても魔法の手助けしてるでしょ~?実際、それでほとんどの国はおおよそ満足しているみたいだよ~。」

なるほど、そういうことになるのか。
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