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太っちょのポンちゃん 社会人編9
唯ちゃんと、シェアハウスの住人(9)
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あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします(∩´∀`)∩
キリの良い所で切りました。
スミマセンが、少し短めです<(_ _)>
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「カレー、美味しそうだね」
そう言ってガシっと俺の肩を掴んだのは、懲りない三島君だ。しかし今度は何とか纏わり付く女達を振り切って来たらしく、単独行動だった。
「ツッチーのお勧めは何? 俺も食べさせ……」
と、俺の背後で土屋さんに笑顔を向けたらしい三島君が、言葉を切った。振り向き、彼の視線を辿ると、それは土屋さんに身を寄せている本田さんに向けられている。
「ユイちゃん」
三島君は本田さんに向かって、こう言った。
「やっぱり、ユイちゃんだよね?」
呼ばれた本田さんは、顔を上げてキョトンと三島君を見上げている。否定しない所を見ると、それは本田さんの名前で合っているらしい。『ユイ』もしくは『ユイ』で始まる名前なのだろう。
三島君は、彼女と知合いだったのか? 更に言うと、名前で呼べるほど親しかったということ、なのだろうか?……いや、そもそも彼は初対面の女性でも愛称呼びする人間だから―――
「俺、三島……」
「?」
首をかしげる本田さんに、彼は若干頬を染めてこう付け足した。
「あの……『ミニマ』だよ!」
「…………あっ!」
そこで本田さんの顔が、パッと輝いた!
「三島君?! もしかして……このシェアハウスに?」
「そう、四月から」
「そうなんだ! ホントに久しぶり―――と、ゴメンなさい。入居者リストに目は通していたんだけど、知っている三島君だって気付かなくて」
「ううん、俺の方もさっき見た時『本田さん』って聞いて、やっと『アレっ?』て思って。やっぱ、ユイちゃんだよね。あー、そっか。やっぱりア……」
と、そこで不自然に言葉を切った三島君が、パッと僕を振り返る。
彼の咄嗟の行動に、俺は慌てる。
さっきまで俺の背後に居た彼は、本田さんと話す内にズイっと前に出てしまっていた。その上、彼女と話しながら、話の途中でわざわざ俺を振り返ったのだ。
何故俺を見る?! ひょっとして俺が本田さんを意識していると打ち明けたのを思い出して、気を使ったのか? 自分が好きな女子に対して好意を曝け出すタイプだからって、俺もそうとは限らないって……分かっているよな?
まさか親切のつもりで下手なこと言い出さないだろうな……三島君!
冷や汗を掻く俺を二秒ほど無言で見つめていた三島君は、そのままフイっと視線を外した。
「う~~……ユイちゃん、ちょっと来て!」
「え?」
何故か低く呻った三島君は、突然本田さんの腕を取るという行動に出る。
そして俺と土屋さんの間を割るようにして、反論をする暇も与えぬまま本田さんを引っ張り、あっという間に廊下に連れ去ってしまったのだった……!
後に残された俺達、つまり土屋さんと俺はボンヤリとその背を見送って―――それから再び目を合わせる。
「な、何なんですかね?」
土屋さんも、毒気を抜かれたように呆然としている。てっきり、また自分に絡んで来るのだろうと身構えていた所だったのだろう。三島君の注意が急に本田さんに向けられ、そのまま攫うようにして、彼はその場を去ってしまったのだ。
「さぁ……」
俺も、呆然とそう返すしかない。
しかしそこに、強引に切り込んで来た人物がいた。
「なに、アノ女?!」
眉間に皺を寄せ、三島君と本田さんが出て行ったばかりの扉を睨んでいるのは、ずっと三島君に付き纏っている、唇の赤いあの、佳奈とか言う女だった。
今年もよろしくお願いします(∩´∀`)∩
キリの良い所で切りました。
スミマセンが、少し短めです<(_ _)>
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「カレー、美味しそうだね」
そう言ってガシっと俺の肩を掴んだのは、懲りない三島君だ。しかし今度は何とか纏わり付く女達を振り切って来たらしく、単独行動だった。
「ツッチーのお勧めは何? 俺も食べさせ……」
と、俺の背後で土屋さんに笑顔を向けたらしい三島君が、言葉を切った。振り向き、彼の視線を辿ると、それは土屋さんに身を寄せている本田さんに向けられている。
「ユイちゃん」
三島君は本田さんに向かって、こう言った。
「やっぱり、ユイちゃんだよね?」
呼ばれた本田さんは、顔を上げてキョトンと三島君を見上げている。否定しない所を見ると、それは本田さんの名前で合っているらしい。『ユイ』もしくは『ユイ』で始まる名前なのだろう。
三島君は、彼女と知合いだったのか? 更に言うと、名前で呼べるほど親しかったということ、なのだろうか?……いや、そもそも彼は初対面の女性でも愛称呼びする人間だから―――
「俺、三島……」
「?」
首をかしげる本田さんに、彼は若干頬を染めてこう付け足した。
「あの……『ミニマ』だよ!」
「…………あっ!」
そこで本田さんの顔が、パッと輝いた!
「三島君?! もしかして……このシェアハウスに?」
「そう、四月から」
「そうなんだ! ホントに久しぶり―――と、ゴメンなさい。入居者リストに目は通していたんだけど、知っている三島君だって気付かなくて」
「ううん、俺の方もさっき見た時『本田さん』って聞いて、やっと『アレっ?』て思って。やっぱ、ユイちゃんだよね。あー、そっか。やっぱりア……」
と、そこで不自然に言葉を切った三島君が、パッと僕を振り返る。
彼の咄嗟の行動に、俺は慌てる。
さっきまで俺の背後に居た彼は、本田さんと話す内にズイっと前に出てしまっていた。その上、彼女と話しながら、話の途中でわざわざ俺を振り返ったのだ。
何故俺を見る?! ひょっとして俺が本田さんを意識していると打ち明けたのを思い出して、気を使ったのか? 自分が好きな女子に対して好意を曝け出すタイプだからって、俺もそうとは限らないって……分かっているよな?
まさか親切のつもりで下手なこと言い出さないだろうな……三島君!
冷や汗を掻く俺を二秒ほど無言で見つめていた三島君は、そのままフイっと視線を外した。
「う~~……ユイちゃん、ちょっと来て!」
「え?」
何故か低く呻った三島君は、突然本田さんの腕を取るという行動に出る。
そして俺と土屋さんの間を割るようにして、反論をする暇も与えぬまま本田さんを引っ張り、あっという間に廊下に連れ去ってしまったのだった……!
後に残された俺達、つまり土屋さんと俺はボンヤリとその背を見送って―――それから再び目を合わせる。
「な、何なんですかね?」
土屋さんも、毒気を抜かれたように呆然としている。てっきり、また自分に絡んで来るのだろうと身構えていた所だったのだろう。三島君の注意が急に本田さんに向けられ、そのまま攫うようにして、彼はその場を去ってしまったのだ。
「さぁ……」
俺も、呆然とそう返すしかない。
しかしそこに、強引に切り込んで来た人物がいた。
「なに、アノ女?!」
眉間に皺を寄せ、三島君と本田さんが出て行ったばかりの扉を睨んでいるのは、ずっと三島君に付き纏っている、唇の赤いあの、佳奈とか言う女だった。
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