平凡地味子ですが『魔性の女』と呼ばれています。

ねがえり太郎

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後日談 黛家の妊婦さん1

(126)四人でランチ

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黛夫妻、本田夫妻でランチに行きます。

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珍しく四人の都合が合った休日、二子玉川駅の近くにある百貨店の屋上にオープンしたカレー屋でランチを食べる事になった。少し混んではいたものの、メール登録で順番が来れば呼び出して貰えるらしく、本屋を冷やかしたり屋上庭園をブラブラして四人は時間を潰した。

席に着き注文すると程なくカレーが給仕された。
七海と本田は半熟卵の乗ったキーマカレー、黛と唯はエスニックそぼろカリーを選択した。
唯と黛の皿を見て、七海が感嘆の声を上げる。

「おおー『そぼろカリー』って見た瞬間はカレーに見えないね。サラダみたい」
「緑の量が多いね!これはパクチーかな?」

唯の疑問に本田がメニュー表を確認する。

「パクチー、大葉、ねぎ、三つ葉だってさ」
「体に良さそうだな」

黛が本田の手にあるメニュー表を覗き込んでそう言った。

「じゃあ、いただきますか?」

唯の声を合図に他の三人が声を揃えた。

「「「いただきまーす」」」

キーマカレーには半熟卵が乗っている。七海はスプーンをサクッと入れて一口、口にした。

「ん~……半熟卵ってズルいよね。確実に美味しそうに見える」
「俺も、半熟卵に弱いなぁ」

美味しさにジタバタする七海に、同じメニューを頼んだ本田も同意した。

「俺も食べたい、くれ」

黛がそう言うと、七海はスッと皿を差し出した。躊躇なく黛はスプーンで一口キーマカレーを救って食べる。それから「こっちも食う?」と言って自分の皿を七海に差し出した。七海がエスニックカレーを味見しようとスプーンを伸ばすと―――視線を感じて顔を上げた。
すると唯と本田がニヤニヤしながら二人の様子を眺めている。

「な、なに?」

思わず怯んだ七海に対して、唯と本田が視線を交わして面白そうに目を細めた。

「いやー、夫婦っぽいなって思って」
「ね、高校の頃ケンケン遣り取りしていたのが嘘みたいだよね」
「な……」

真っ赤になって口籠る七海の代わりに、黛が何故か得意げに返事をした。

「まあな!夫婦だから仲良くするのは当り前だろ?」

胸を張る黛を見て、唯と本田が噴き出した。

「随分嬉しそうに言うよね!」
「江島が呆れてるぞ、黛」
「もー!二人とも揶揄わないでよ、温かい内に早く食べようよ……!」
「「はーい」」

通常運転の黛と、恥ずかしがる七海。

大人しく返事をしたものの、その対比を楽しみながら視線で会話しつつ唯と本田は食事に再び専念する事としたのだった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


本田と唯はそれぞれのカレーを半分ほど食べた後、お互いの皿を交換。
「自分達だって……!」
とそれを見咎めた七海に指摘されますが、長年の習慣なので「ん?なにが?」と指摘されている事に気が付かない二人。
ちなみに黛にとっては中学校あたりから見慣れている光景なので、こちらもコメントなし。
ちょっとだけ何だか悔しい気分になった七海なのでした。


お読みいただき、有難うございました。
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