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冒険者編
第78話 待ち伏せ B
荒野を進む途中に、『リザードマン』というトカゲと人間を合わせたような魔物が五匹襲ってきたが、難なく撃退できた。
俺が一匹倒す間に、アカネルとイルギットとミランダとリリーシアがそれぞれ一匹ずつ仕留めていた。
三か月近く草原エリアで狩りをしてきただけあって、かなり実力が上がっていると実感した。
広域探知をこまめに使っていると、このルートを進んだ先に、人間の反応が引っ掛かった。
──またあいつらか……。
一か月くらい前から、五人組くらいの冒険者グループが俺達を見張るようなことをしていた。
ずっと見ているわけではない。
たまに何人かやってきて、荒野エリアからこっちの様子を伺い、来た方向へと戻って行くといった動きをしていた。
こっちに挨拶に来ることもなかったし、なにか妨害行為をする訳でもない。
わざわざ揉め事を起こすこともないかと、放置していた。
そいつらの反応がある辺りから、煙が上がっている。
罪科ポイントは特に高くないので、盗賊ではなさそうだが……。
──何か企んでいるのか?
俺は一応──
不審者の情報を仲間に話して、情報を共有しておく。
何か罠があったとしてもこの先を進むしかないし、迷っていてもしょうがない。
──俺は先へと進むことにした。
なにかしらの罠がある可能性を考えて、広域探知は念入りに地中へ向けても放つ。
──特に何もないな。
進行方向には、異変は無い。
焚火を焚いて、煙を上げている二人組がいるだけだ。
異変は北側から、やって来た。
危険感知が、警鐘を鳴らす。
この感じは──
かなりの、脅威が来そうだ。
そちらに向かって広域探知を長めに放つと、三人の男と一匹の竜の反応があった。
三人の男は、ここ一か月の間に俺達を、交替で探っていた奴らだ。
竜に追われて、こちらに馬で走って逃げている。
追いかけている竜は、土属性の『土竜』でがっしりしたタイプの魔物だ。
形状としてはトリケラトプスが一番近いだろう。
戦闘能力は7300。
今まで会った魔物の中で、一番強い。
三人組の中で、一番先頭を走る奴は馬に荷車を引かせている。
中には、大きな卵が入っていた。
恐らく土竜の巣から盗んできたのだろう。
少し遅れて二人が、馬に乗って走っている。
その後ろの二人が、馬ごと竜に体当たりされて吹き飛んだ。
「た、助けてくれ~~!!」
先頭の男が、俺達に助けを求める。
俺は自身の魔力を土属性にして、馬に乗った男に向かって岩石を飛ばす。
魔法が顔面に当たった男は、落馬した。
それを見届けてから地面に手を付き、さらに魔法を使う。
俺の魔法は地面を伝わり、焚火をしていた男達の元に辿り着く。
魔法は地面を競り上げて、変形しながら二人の男の身体を捕らえた。
変形した地面が、二人の男を押し包む。
「よし!」
「よし、じゃねぇ~~!!」
俺の魔法で拘束された奴らは、大声で叫んだ。
どうやら奴らは、あの竜を俺達にぶつけたいらしい。
そのために俺達が、ここを通るタイミングに合わせて──
卵を盗み出して、竜を挑発。
その後は、卵を俺たちの側に置いて逃げ──
竜と俺達を戦わせよう、という魂胆だったのだろう。
──しかし、思いのほか竜の足が速くて、仲間二人が追い付かれた。
タマゴを荷車で引いていた奴も、追いつかれるのは時間の問題だった。
入念なようでいて、雑な計画だったな。
恐らく竜から卵を盗むのは、初めてだったのだろう。
まあ、あいつらがどうなろうと知ったことでは無いが、問題は俺達も竜から逃げれそうにはないということだ。
逃げようと思えば、少なくとも馬車は放棄するしかないし、仲間も何人か追いつかれて死ぬだろう。
俺は土竜を、迎撃することにした。
パーティの布陣は最前線が俺で、その後ろにタンクのトールル。
トールルの周囲は、近接戦闘能力の高い奴──
最後尾の馬車の周囲に、遠距離タイプが後衛に回る。
さて、やるか──
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